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公開番号2024131087
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-30
出願番号2023041134
出願日2023-03-15
発明の名称焼成体の製造方法
出願人日本碍子株式会社
代理人アクシス国際弁理士法人
主分類C04B 35/64 20060101AFI20240920BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約【課題】焼成用治具の劣化を抑制しつつ、チタン酸バリウムを含む品質が良好な焼成体を製造する方法を提供する。
【解決手段】セラミック原料としてチタン化合物及びバリウム化合物を含む坏土を成形して成形体を得る成形工程と、前記成形体を焼成用治具に載置して焼成し、チタン酸バリウムを含む焼成体を得る焼成工程とを含む焼成体の製造方法である。前記成形体は、前記焼成用治具に載置したときに載置面から1mm以上の高さがある部分を有する。前記焼成工程は、以下の条件:
(1)前記焼成用治具が、気孔率が20%以上のジルコニアから構成されている
(2)前記焼成用治具と前記成形体との間に敷粉を配置し、前記敷粉が、チタン酸バリウムから構成される敷粉、ジルコニアから構成される敷粉、及びイットリアから構成される敷粉から選択される1種以上である
の少なくとも1つを満たす。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
セラミック原料としてチタン化合物及びバリウム化合物を含む坏土を成形して成形体を得る成形工程と、
前記成形体を焼成用治具に載置して焼成し、チタン酸バリウムを含む焼成体を得る焼成工程と
を含み、
前記成形体は、前記焼成用治具に載置したときに載置面から1mm以上の高さがある部分を有し、
前記焼成工程は、以下の条件:
(1)前記焼成用治具が、気孔率が20%以上のジルコニアから構成されている
(2)前記焼成用治具と前記成形体との間に敷粉を配置し、前記敷粉が、チタン酸バリウムから構成される敷粉、ジルコニアから構成される敷粉、及びイットリアから構成される敷粉から選択される1種以上である
の少なくとも1つを満たす、焼成体の製造方法。
続きを表示(約 680 文字)【請求項2】
前記ジルコニアから構成される敷粉及び前記イットリアから構成される敷粉の平均粒径が0.5mm以上である、請求項1に記載の焼成体の製造方法。
【請求項3】
前記ジルコニアが、イットリア安定化ジルコニア及びカルシア安定化ジルコニアから選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の焼成体の製造方法。
【請求項4】
前記ジルコニアが、イットリア安定化ジルコニア及びカルシア安定化ジルコニアから選択される少なくとも1種である、請求項2に記載の焼成体の製造方法。
【請求項5】
前記チタン化合物が酸化チタンであり、前記バリウム化合物が炭酸バリウムである、請求項1に記載の焼成体の製造方法。
【請求項6】
前記チタン化合物が酸化チタンであり、前記バリウム化合物が炭酸バリウムである、請求項2に記載の焼成体の製造方法。
【請求項7】
前記チタン化合物が酸化チタンであり、前記バリウム化合物が炭酸バリウムである、請求項3に記載の焼成体の製造方法。
【請求項8】
前記チタン化合物が酸化チタンであり、前記バリウム化合物が炭酸バリウムである、請求項4に記載の焼成体の製造方法。
【請求項9】
前記セラミック原料が仮焼されていない、請求項1~8のいずれか一項に記載の焼成体の製造方法。
【請求項10】
前記成形体がハニカム形状を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載の焼成体の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、焼成体の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
セラミック製品は、ヒーターエレメント、熱交換器、排ガス処理部品、触媒担体などの各種部品において広範に用いられている。
セラミック製品は、セラミック原料を含む坏土(成形材料)を成形して得られた成形体を焼成することによって製造されている。成形体の焼成では、焼成用治具が成形体と反応してしまい、焼成体(セラミック製品)の変色や融着によって焼成体の品質が低下することがある。また、焼成用治具も劣化するため、再利用することが難しくなることがある。
【0003】
そこで、焼成用治具と成形体との反応を抑制するために、アルミナ・シリカ質基材の表面に、ジルコン酸カルシウムとイットリア安定化ジルコニアとからなる溶射層を形成した焼成用治具を用いることが提案されている(特許文献1)。また、ムライト、アルミナ、炭化珪素などから選択される基材の表面に、安定化剤を含むジルコニアコーティング剤の焼成層又は高純度アルミナからなるコーティング剤の焼成層を形成した焼成用治具を用いることが提案されている(特許文献2)。また、主として耐熱性無機質繊維と耐火性粉末とからなる多数の空隙を有する成形体の表面に、気孔率が20%以下の溶射コーティング層を含むセラミックコーティング層を設けた焼成用治具を用いることが提案されている(特許文献3)。さらに、仮焼成体と焼成用治具との間に部分安定化ジルコニアの粉末を敷くか又は部分安定化ジルコニアからなるシートを配置する方法も提案されている(特許文献4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2003-226586号公報
特開2001-130984号公報
特開平2-260602号公報
特許第5235753号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、ヒーターエレメントなどのセラミック製品において、PTC特性を有するチタン酸バリウムを含む焼成体の使用が多くなってきている。この焼成体は、セラミック原料としてチタン化合物及びバリウム化合物を含む成形体を焼成することによって製造することができるものの、焼成時に液相が生成し易い。特に、焼成用治具に載置したときに載置面からの成形体の高さが増すにつれて生成する液相の量が多くなる。そのため、コンデンサなどの電子部品のような厚みが比較的小さな焼成体を製造する際には液相の生成量は少ないものの、ヒーターエレメントなどに用いられるハニカム構造体のような載置面からの高さが大きい焼成体を製造する場合に、液相の生成量が著しく多くなる。そして、液相の生成量が多いと、焼成用治具に溶射層などの層を形成していても、焼成用治具と成形体との反応を十分に抑制できないことがある。その結果、焼成体の品質低下(例えば、割れ、溶け、変形、及び異物(焼成用治具の材料などの付着)など)や、焼成用治具の劣化(例えば、割れ、溶け、液相の浸込みなど)が生じる。
【0006】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、焼成用治具の劣化を抑制しつつ、チタン酸バリウムを含む品質が良好な焼成体を製造する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、チタン化合物及びバリウム化合物を含む成形体の焼成について鋭意研究を行った結果、特定の焼成用治具及び/又は特定の敷粉を用いて焼成を行うことにより、上記の課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、以下のように例示される。
【0008】
[1] セラミック原料としてチタン化合物及びバリウム化合物を含む坏土を成形して成形体を得る成形工程と、
前記成形体を焼成用治具に載置して焼成し、チタン酸バリウムを含む焼成体を得る焼成工程と
を含み、
前記成形体は、前記焼成用治具に載置したときに載置面から1mm以上の高さがある部分を有し、
前記焼成工程は、以下の条件:
(1)前記焼成用治具が、気孔率が20%以上のジルコニアから構成されている
(2)前記焼成用治具と前記成形体との間に敷粉を配置し、前記敷粉が、チタン酸バリウムから構成される敷粉、ジルコニアから構成される敷粉、及びイットリアから構成される敷粉から選択される1種以上である
の少なくとも1つを満たす、焼成体の製造方法。
【0009】
[2] 前記ジルコニアから構成される敷粉及び前記イットリアから構成される敷粉の平均粒径が0.5mm以上である、[1]に記載の焼成体の製造方法。
【0010】
[3] 前記ジルコニアが、イットリア安定化ジルコニア及びカルシア安定化ジルコニアから選択される少なくとも1種である、[1]に記載の焼成体の製造方法。
(【0011】以降は省略されています)

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