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公開番号
2024155717
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-31
出願番号
2024006674
出願日
2024-01-19
発明の名称
ハニカムフィルタ
出願人
日本碍子株式会社
代理人
弁理士法人光陽国際特許事務所
,
個人
,
個人
主分類
B01D
39/20 20060101AFI20241024BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約
【課題】排ガス浄化用の触媒を担持した際に、捕集効率を向上させ、且つ、圧力損失の上昇を抑制することが可能なハニカムフィルタを提供する。
【解決手段】複数のセル2を取り囲むように配置された多孔質の隔壁1を有する柱状のハニカム構造体4と、セル2のいずれか一方の端部に配設された目封止部5と、を備え、隔壁1が、コージェライトを主成分として含む材料から構成され、隔壁1の気孔率が、60~70%であり、隔壁1の単位表面積S1中に存在する円相当径3μm超の細孔の開口面積の総和S2の割合(S2/S1×100%)が、58~70%であり、隔壁1の平均細孔径D(μm)に対する、隔壁1の表面に存在する円相当径3μm超の細孔の平均開口円相当径R(μm)の比率(R/D)が、0.3~0.8である。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
流入端面から流出端面まで延びる流体の流路となる複数のセルを取り囲むように配置された多孔質の隔壁を有する柱状のハニカム構造体と、
前記セルの前記流入端面側の端部又は前記流出端面側の端部のいずれか一方に配設された多孔質の目封止部と、を備え、
前記隔壁が、コージェライトを主成分として含む材料から構成され、
前記隔壁の気孔率が、60~70%であり、
前記隔壁の単位表面積S1に対する、当該単位表面積S1中に存在する円相当径3μm超の細孔の開口面積の総和S2の割合(S2/S1×100%)が、58~70%であり、
水銀圧入法によって測定された前記隔壁の平均細孔径D(μm)に対する、前記隔壁の表面に存在する円相当径3μm超の細孔の平均開口円相当径R(μm)の比率(R/D)が、0.3~0.8である、ハニカムフィルタ。
続きを表示(約 280 文字)
【請求項2】
前記単位表面積S1中に存在する円相当径3μm超の細孔の開口面積の総和S2に対する、当該単位表面積S1中に存在する円相当径40μm以上の細孔の開口面積の総和S3の割合(S3/S2×100%)が、3~5%である、請求項1に記載のハニカムフィルタ。
【請求項3】
レーザー顕微鏡によって求めた、前記隔壁の表面における細孔の孔深さが、1.0~3.0μmである、請求項1又は2に記載のハニカムフィルタ。
【請求項4】
前記隔壁の厚さが、190.5~254μmである、請求項1又は2に記載のハニカムフィルタ。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハニカムフィルタに関する。更に詳しくは、排ガス浄化用の触媒を担持した際に、捕集効率を向上させ、且つ、圧力損失の上昇を抑制することが可能なハニカムフィルタに関する。
続きを表示(約 2,200 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、自動車のエンジン等の内燃機関より排出される排ガス中の粒子状物質を捕集するフィルタや、CO,HC,NOxなどの有毒なガス成分を浄化する装置として、ハニカム構造体を用いたハニカムフィルタが知られている(特許文献1参照)。ハニカム構造体は、コージェライトなどの多孔質セラミックスによって構成された隔壁を有し、この隔壁によって複数のセルが区画形成されたものである。ハニカムフィルタは、上述したハニカム構造体に対して、複数のセルの流入端面側の開口部と流出端面側の開口部とを交互に目封止するように目封止部を配設したものである。即ち、ハニカムフィルタは、流入端面側が開口し且つ流出端面側が目封止された流入セルと、流入端面側が目封止され且つ流出端面側が開口した流出セルとが、隔壁を挟んで交互に配置された構造となっている。そして、ハニカムフィルタにおいては、多孔質の隔壁が、排ガス中の粒子状物質を捕集するフィルタの役目を果たしている。以下、排ガスに含まれる粒子状物質を、「PM」ということがある。「PM」は、「particulate matter」の略である。
【0003】
ハニカムフィルタによる排ガスの浄化は、以下のようにして行われる。まず、ハニカムフィルタは、その流入端面側が、排ガスが排出される排気系の上流側に位置するように配置される。排ガスは、ハニカムフィルタの流入端面側から、流入セルに流入する。そして、流入セルに流入した排ガスは、多孔質の隔壁を通過し、流出セルへと流れ、ハニカムフィルタの流出端面から排出される。多孔質の隔壁を通過する際に、排ガス中のPM等が捕集され除去される。また、このようなハニカムフィルタには、PMの酸化(燃焼)を促進するための酸化触媒や、NOxなどの有害成分を浄化する排ガス浄化触媒などが担持されることもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2002-219319号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、自動車の向けの排ガス規制は年々厳化しており、排ガスの浄化に使用されるハニカムフィルタの性能向上が必要となっている。例えば、PMの捕集性能を改善するために、多孔質の隔壁の平均細孔径を小さくすること等が検討されている。一方で、上述したように、ハニカムフィルタには排ガス浄化触媒(以下、単に「触媒」ともいう)などが担持されて使用されることがある。ハニカムフィルタに触媒を担持して使用する場合には、触媒担持後の圧力損失の低減のため、また、隔壁の細孔内に触媒が担持され易くするため、隔壁表面における細孔の開口径は、なるべく大きい方が望ましかった。
【0006】
しかしながら、隔壁表面における細孔の開口径を大きくすると、触媒を担持した後、隔壁表面に大きな穴が残り、ハニカムフィルタの捕集性能が悪化してしまうことがある。また、ハニカムフィルタの捕集性能の改善策として、隔壁の表面上に触媒を層状に担持する手法も検討されているが、上述したように隔壁表面における細孔の開口径を大きくすると、隔壁の表面を触媒にて覆いきれず、触媒を担持したことによる捕集性能の改善効果が小さくなってしまう。一方で、捕集性能の改善に鑑み、隔壁全体の細孔径を小さくすると、隔壁中の排ガス流路の流路閉塞が起きやすく、触媒を担持した後に、圧力損失の上昇が大きくなってしまう。
【0007】
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものである。本発明によれば、排ガス浄化用の触媒を担持した際に、捕集効率を向上させ、且つ、圧力損失の上昇を抑制することが可能なハニカムフィルタが提供される。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、以下に示す、ハニカムフィルタが提供される。
【0009】
[1] 流入端面から流出端面まで延びる流体の流路となる複数のセルを取り囲むように配置された多孔質の隔壁を有する柱状のハニカム構造体と、
前記セルの前記流入端面側の端部又は前記流出端面側の端部のいずれか一方に配設された多孔質の目封止部と、を備え、
前記隔壁が、コージェライトを主成分として含む材料から構成され、
前記隔壁の気孔率が、60~70%であり、
前記隔壁の単位表面積S1に対する、当該単位表面積S1中に存在する円相当径3μm超の細孔の開口面積の総和S2の割合(S2/S1×100%)が、58~70%であり、
水銀圧入法によって測定された前記隔壁の平均細孔径D(μm)に対する、前記隔壁の表面に存在する円相当径3μm超の細孔の平均開口円相当径R(μm)の比率(R/D)が、0.3~0.8である、ハニカムフィルタ。
【0010】
[2] 前記単位表面積S1中に存在する円相当径3μm超の細孔の開口面積の総和S2に対する、当該単位表面積S1中に存在する円相当径40μm以上の細孔の開口面積の総和S3の割合(S3/S2×100%)が、3~5%である、前記[1]に記載のハニカムフィルタ。
(【0011】以降は省略されています)
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