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公開番号2024157187
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-07
出願番号2023071366
出願日2023-04-25
発明の名称脱硫装置
出願人三菱重工業株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類B01D 53/50 20060101AFI20241030BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】脱硫装置の省エネルギ化を図ることを目的とする。
【解決手段】脱硫装置10は、下部に吸収液が吸収液貯留槽11aを有し、内部を排ガスが流通する吸収塔と、吸収塔の内部に設けられ、吸収塔の内部を流通する排ガスに対して吸収液を噴出する吸収液噴出部と、吸収液貯留槽11aに貯留されている吸収液に対して、吸収液と酸化剤とを混合した混合流体を噴射する水流酸化ノズル14と、水流酸化ノズル14に吸収液を供給する分岐ライン16と、水流酸化ノズル14に酸化剤を供給する酸化剤供給系統20と、を備える。酸化剤供給系統20は、ブロワ24aで昇圧した酸化剤を水流酸化ノズル14へ供給する第1供給部21と、大気圧の酸化剤を水流酸化ノズル14へ供給する第2供給部22と、水流酸化ノズル14に対して第1供給部21で酸化剤を供給するか第2供給部22で酸化剤を供給するかを切り替える切替手段と、を有する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
下部に吸収液が貯留する貯留部を有し、内部を排ガスが流通する吸収塔と、
前記吸収塔の内部に設けられ、前記吸収塔の内部を流通する排ガスに対して吸収液を噴出する吸収液噴出部と、
前記貯留部に貯留されている吸収液に対して、吸収液と酸化剤とを混合した混合流体を噴射する噴射部と、
前記噴射部に吸収液を供給する吸収液供給部と、
前記噴射部に酸化剤を供給する酸化剤供給部と、を備え、
前記酸化剤供給部は、昇圧部で昇圧した酸化剤を前記噴射部へ供給する第1供給部と、大気圧の酸化剤を前記噴射部へ供給する第2供給部と、前記噴射部に対して前記第1供給部で酸化剤を供給するか前記第2供給部で酸化剤を供給するかを切り替える切替手段と、を有する脱硫装置。
続きを表示(約 470 文字)【請求項2】
前記噴射部から噴射する酸化剤の必要量に基づいて、前記噴射部に対して前記第1供給部で酸化剤を供給するか前記第2供給部で酸化剤を供給するかを切り替えるように前記切替手段を制御する制御部を備える請求項1に記載の脱硫装置。
【請求項3】
前記噴射部に対して前記第1供給部で酸化剤を供給する場合に前記噴射部に供給される酸化剤の量を調整するとともに、前記噴射部に対して前記第2供給部で酸化剤を供給する場合に前記噴射部に供給される酸化剤の量を調整する流量調節弁を備え、
前記流量調節弁は、前記噴射部に対して前記第1供給部で酸化剤を供給する場合と、前記噴射部に対して前記第2供給部で酸化剤を供給する場合とでは、酸化剤の流通方向が異なっていて、
前記噴射部に対して前記第1供給部で酸化剤を供給する場合又は前記噴射部に対して前記第2供給部で酸化剤を供給する場合に、前記流量調節弁に通過させる酸化剤量の指令信号を送る際に、流通方向を整合させる制御部をさらに備える請求項1または請求項2に記載の脱硫装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、脱硫装置に関するものである。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
火力発電所等では、燃焼機器(例えば、ボイラ)で重油や石炭等を燃焼して発生する排ガス中の硫黄酸化物を除去する脱硫設備が設けられている。脱硫設備として、吸収塔において排ガスと吸収液(石灰石などのカルシウム化合物を含有する液体)とを接触させて、排ガス中の硫黄酸化物を吸収液に吸収し、接触後の該吸収液を酸化して固液分離することにより石膏を副生する湿式排煙脱硫装置が知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
この湿式排煙脱硫装置では、導入される排ガス中の硫黄分(以下「S分」ともいう)である二酸化硫黄(SO

)を吸収液と接触させて、吸収液側にSO

を移行させて、排ガスを浄化している。この吸収液側に移行したSO

は、吸収液中で亜硫酸イオンとなる。
【0004】
湿式排煙脱硫装置は、吸収液中に空気を導入し、吸収液中の亜硫酸イオンを硫酸イオンに酸化させ、その後、吸収液中の硫酸イオンを処理し、例えば石膏として回収する。湿式排煙脱硫装置における酸化態様として、排ガス中の酸素が吸収液中に導入されることで起こる酸化(自然酸化)と、吸収液が貯留する吸収液貯留槽に酸化用空気を供給することで起こる酸化(強制酸化)とがある。
【0005】
湿式排煙脱硫装置は、吸収液中に空気を導入するために、吸収液が貯留する吸収液貯留槽に吸収液とともに酸化用空気を供給する水流酸化装置を備えている。水流酸化装置は、処理対象である排ガス中のS分の量に応じて、酸化用空気の供給量を調整可能とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特許第6660953号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
近年、火力発電所等に設けられるボイラ等では、再生可能エネルギによる発電分の変動を吸収するために負荷を変動させる場合や、二酸化炭素を削減するためにバイオマス等を石炭と混焼させる場合がある。ボイラ等は、これらの場合に、従来(例えば、設計当初)に計画されているよりも低負荷での運転が求められることがある。ボイラ等が低負荷で運転される場合、ボイラ等から排出される排ガス中の酸素比率が高くなる。このため、湿式排煙脱硫装置において、自然酸化が多く行われることから、水流酸化装置からの酸化用空気の必要量(以下、「必要空気量」と称する。)が少量となったり、水流酸化装置からの酸化用空気が不要となったりすることが考えられる。
【0008】
特許文献1では、ブロワを使用し、昇圧した空気を水流酸化装置に多量に供給している。したがって、計画S分が高い場合(すなわち、脱硫率が高く、処理するS分の量が多く、必要空気量が多い場合)には、好適に脱硫を行うことができる。一方で、計画S分が低い場合(すなわち、脱硫率が低く、処理するS分の量が少なく、必要空気量が少ない場合)には、ブロワで昇圧した空気を廃棄することとなる。このため、ブロワの駆動力が無駄となることから、脱硫装置のエネルギ効率が低減する可能性があった。
【0009】
本開示は、このような事情に鑑みてなされたものであって、省エネルギ化を図ることができる脱硫装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本開示の脱硫装置は以下の手段を採用する。
本開示の一態様に係る脱硫装置は、下部に吸収液が貯留する貯留部を有し、内部を排ガスが流通する吸収塔と、前記吸収塔の内部に設けられ、前記吸収塔の内部を流通する排ガスに対して吸収液を噴出する吸収液噴出部と、前記貯留部に貯留されている吸収液に対して、吸収液と酸化剤とを混合した混合流体を噴射する噴射部と、前記噴射部に吸収液を供給する吸収液供給部と、前記噴射部に酸化剤を供給する酸化剤供給部と、を備え、前記酸化剤供給部は、昇圧部で昇圧した酸化剤を前記噴射部へ供給する第1供給部と、大気圧の酸化剤を前記噴射部へ供給する第2供給部と、前記噴射部に対して前記第1供給部で酸化剤を供給するか前記第2供給部で酸化剤を供給するかを切り替える切替手段と、を有する。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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