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公開番号
2024143858
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-11
出願番号
2023056773
出願日
2023-03-30
発明の名称
柱状ハニカム構造フィルタ及びその製造方法
出願人
日本碍子株式会社
代理人
アクシス国際弁理士法人
主分類
B01D
39/20 20060101AFI20241003BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約
【課題】PM捕集性能が改善された柱状ハニカム構造フィルタを提供する。
【解決手段】入口側底面から出口側底面まで延び、入口側底面が開口して出口側底面に目封止部を有する複数の第1セルと、入口側底面から出口側底面まで延び、入口側底面に目封止部を有し、出口側底面が開口する複数の第2セルとを備え、複数の第1セルと複数の第2セルは多孔質隔壁を挟んで交互に隣接配置されている柱状ハニカム構造フィルタであって、それぞれの第1セルの表面には、複数の粒子で構成される多孔質膜が形成されており、前記多孔質膜を膜厚方向に平行な断面で観察し、前記複数の粒子について、隣り合う粒子間の膜厚方向に垂直な方向の距離である粒子間距離を測定し、粒子間距離の度数分布を求めると、累積比率90%となる粒子間距離(D90)が12.0μm以下である、
柱状ハニカム構造フィルタ。
【選択図】図6
特許請求の範囲
【請求項1】
入口側底面から出口側底面まで延び、入口側底面が開口して出口側底面に目封止部を有する複数の第1セルと、入口側底面から出口側底面まで延び、入口側底面に目封止部を有し、出口側底面が開口する複数の第2セルとを備え、複数の第1セルと複数の第2セルは多孔質隔壁を挟んで交互に隣接配置されている柱状ハニカム構造フィルタであって、
それぞれの第1セルの表面には、複数の粒子で構成される多孔質膜が形成されており、
前記多孔質膜を膜厚方向に平行な断面で観察し、前記複数の粒子について、隣り合う粒子間の膜厚方向に垂直な方向の距離である粒子間距離を測定し、粒子間距離の度数分布を求めると、累積比率90%となる粒子間距離(D90)が12.0μm以下である、
柱状ハニカム構造フィルタ。
続きを表示(約 1,200 文字)
【請求項2】
前記累積比率90%となる粒子間距離(D90)が、11.0μm以下である請求項1に記載の柱状ハニカム構造フィルタ。
【請求項3】
前記多孔質膜を膜厚方向に平行な断面で観察し、前記複数の粒子について、隣り合う粒子間の膜厚方向に垂直な方向の距離である粒子間距離を測定し、粒子間距離の度数分布を求めると、粒子間距離の平均値が5.3μm以下である請求項1に記載の柱状ハニカム構造フィルタ。
【請求項4】
前記粒子間距離の平均値が5.0μm以下である請求項3に記載の柱状ハニカム構造フィルタ。
【請求項5】
前記多孔質膜を膜厚方向に平行な断面で観察し、前記複数の粒子について、隣り合う粒子間の膜厚方向に垂直な方向の距離である粒子間距離を測定し、粒子間距離の度数分布を求めると、粒子間距離の標準偏差が3.6μm以下である請求項1又は3に記載の柱状ハニカム構造フィルタ。
【請求項6】
前記粒子間距離の標準偏差が3.4μm以下である請求項5に記載の柱状ハニカム構造フィルタ。
【請求項7】
前記多孔質膜の平均膜厚が2~40μmである請求項1又は2に記載の柱状ハニカム構造フィルタ。
【請求項8】
前記多孔質膜の主成分が炭化珪素、アルミナ、シリカ、コージェライト又はムライトである請求項1又は2に記載の柱状ハニカム構造フィルタ。
【請求項9】
入口側底面から出口側底面まで延び、入口側底面が開口して出口側底面に目封止部を有する複数の第1セルと、入口側底面から出口側底面まで延び、入口側底面に目封止部を有し、出口側底面が開口する複数の第2セルとを備え、複数の第1セルと複数の第2セルは多孔質隔壁を挟んで交互に隣接配置されている柱状ハニカム構造体を用意する工程と、
入口側底面に対して垂直な方向から入口側底面に向かって、セラミックス粒子を含有するエアロゾルをエアロゾルジェネレータのノズルから噴射しながら、出口側底面に吸引力を与えて、噴射されたエアロゾルを入口側底面から吸引し、第1セルの表面に前記セラミックス粒子を付着させる工程と、
第1セルの表面に付着した前記セラミックス粒子を焼付処理し、第1セルの表面に複数の粒子で構成される多孔質膜を生成する工程と、
を含み、
前記エアロゾルジェネレータは、BET比表面積が3.5m
2
/g以上の前記セラミックス粒子を収容する収容部を有しており、前記セラミックス粒子は前記収容部から前記ノズルに供給されるように構成されている、
柱状ハニカム構造フィルタの製造方法。
【請求項10】
前記収容部は、BET比表面積が4.0m
2
/g以上の前記セラミックス粒子を収容する請求項9に記載の柱状ハニカム構造フィルタの製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は柱状ハニカム構造フィルタに関する。また、本発明は柱状ハニカム構造フィルタの製造方法に関する。
続きを表示(約 3,700 文字)
【背景技術】
【0002】
ディーゼルエンジン及びガソリンエンジン等の内燃機関から排出される排ガス中にはスス等の粒子状物質(以下、PM:Particulate Matterと記す。)が含まれる。ススは人体に対し有害であり排出が規制されている。現在、排ガス規制に対応するために、通気性のある小細孔隔壁に排ガスを通過させ、スス等のPMを濾過するDPF及びGPFに代表されるフィルタが幅広く用いられている。
【0003】
PMを捕集するためのフィルタとしては、入口側底面から出口側底面まで高さ方向に延び、入口側底面が開口して出口側底面に目封止部を有する複数の第1セルと、第1セルに隔壁を挟んで隣接配置されており、入口側底面から出口側底面まで高さ方向に延び、入口側底面に目封止部を有し出口側底面が開口する複数の第2セルとを備えたウォールフロー式の柱状ハニカム構造フィルタが知られている。
【0004】
近年、排ガス規制強化に伴い、より厳しいPMの排出基準(PN規制:Particle Matterの個数規制)が導入されており、フィルタにはPMの高捕集性能(PN高捕集効率)が要求されている。そこで、セルの表面にPMを捕集するための層(以下、「多孔質膜」又は「捕集層」ともいう。)を形成することが提案されている(特許文献1~3)。多孔質膜を形成することにより、圧力損失を低減させつつPMの捕集を行うことができる。多孔質膜の形成方法としては、柱状ハニカム構造体の入口側底面に向かって、セラミックス粒子を含有するエアロゾルを供給し、第1セルの表面に付着させた後、熱処理を行う方法が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2021-154272号公報
特開2021-154274号公報
特開2022-157612号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
柱状ハニカム構造フィルタのPM捕集性能を向上する上で、セルの表面に多孔質膜を形成することは有効であると考えられる。しかしながら、従来、多孔質膜を製造するための方法については種々検討されているが、多孔質膜自体の構造がPM捕集性能に与える影響については解明が進んでいなかった。例えば、これまで多孔質膜の膜厚及び膜形成処理前の原料粒子の粒度がPM捕集性能に与える影響が確認されている程度であった。特許文献3には多孔質膜の平均細孔径について言及されているが、PM捕集性能を改善する余地が残されている。
【0007】
上記事情に鑑み、本発明は一実施形態において、PM捕集性能が改善された柱状ハニカム構造フィルタを提供することを課題とする。また、本発明は別の一実施形態において、そのような柱状ハニカム構造フィルタの製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は上記課題を解決するために鋭意検討したところ、多孔質膜に含まれる粒子間距離がPM捕集性能と関係が深く、特に累積比率90%となる粒子間距離(D90)を制御することがPM捕集性能の改善に効果的であることを見出した。本発明は当該知見に基づいて完成したものであり、以下に例示される。
【0009】
[態様1]
入口側底面から出口側底面まで延び、入口側底面が開口して出口側底面に目封止部を有する複数の第1セルと、入口側底面から出口側底面まで延び、入口側底面に目封止部を有し、出口側底面が開口する複数の第2セルとを備え、複数の第1セルと複数の第2セルは多孔質隔壁を挟んで交互に隣接配置されている柱状ハニカム構造フィルタであって、
それぞれの第1セルの表面には、複数の粒子で構成される多孔質膜が形成されており、
前記多孔質膜を膜厚方向に平行な断面で観察し、前記複数の粒子について、隣り合う粒子間の膜厚方向に垂直な方向の距離である粒子間距離を測定し、粒子間距離の度数分布を求めると、累積比率90%となる粒子間距離(D90)が12.0μm以下である、
柱状ハニカム構造フィルタ。
[態様2]
前記累積比率90%となる粒子間距離(D90)が、11.0μm以下である態様1に記載の柱状ハニカム構造フィルタ。
[態様3]
前記多孔質膜を膜厚方向に平行な断面で観察し、前記複数の粒子について、隣り合う粒子間の膜厚方向に垂直な方向の距離である粒子間距離を測定し、粒子間距離の度数分布を求めると、粒子間距離の平均値が5.3μm以下である態様1又は2に記載の柱状ハニカム構造フィルタ。
[態様4]
前記粒子間距離の平均値が5.0μm以下である態様3に記載の柱状ハニカム構造フィルタ。
[態様5]
前記多孔質膜を膜厚方向に平行な断面で観察し、前記複数の粒子について、隣り合う粒子間の膜厚方向に垂直な方向の距離である粒子間距離を測定し、粒子間距離の度数分布を求めると、粒子間距離の標準偏差が3.6μm以下である態様1~4の何れかに記載の柱状ハニカム構造フィルタ。
[態様6]
前記粒子間距離の標準偏差が3.4μm以下である態様5に記載の柱状ハニカム構造フィルタ。
[態様7]
前記多孔質膜の平均膜厚が2~40μmである態様1~6の何れかに記載の柱状ハニカム構造フィルタ。
[態様8]
前記多孔質膜の主成分が炭化珪素、アルミナ、シリカ、コージェライト又はムライトである態様1~7の何れかに記載の柱状ハニカム構造フィルタ。
[態様9]
入口側底面から出口側底面まで延び、入口側底面が開口して出口側底面に目封止部を有する複数の第1セルと、入口側底面から出口側底面まで延び、入口側底面に目封止部を有し、出口側底面が開口する複数の第2セルとを備え、複数の第1セルと複数の第2セルは多孔質隔壁を挟んで交互に隣接配置されている柱状ハニカム構造体を用意する工程と、
入口側底面に対して垂直な方向から入口側底面に向かって、セラミックス粒子を含有するエアロゾルをエアロゾルジェネレータのノズルから噴射しながら、出口側底面に吸引力を与えて、噴射されたエアロゾルを入口側底面から吸引し、第1セルの表面に前記セラミックス粒子を付着させる工程と、
第1セルの表面に付着した前記セラミックス粒子を焼付処理し、第1セルの表面に複数の粒子で構成される多孔質膜を生成する工程と、
を含み、
前記エアロゾルジェネレータは、BET比表面積が3.5m
2
/g以上の前記セラミックス粒子を収容する収容部を有しており、前記セラミックス粒子は前記収容部から前記ノズルに供給されるように構成されている、
柱状ハニカム構造フィルタの製造方法。
[態様10]
前記収容部は、BET比表面積が4.0m
2
/g以上の前記セラミックス粒子を収容する態様9に記載の柱状ハニカム構造フィルタの製造方法。
[態様11]
前記エアロゾルジェネレータは、加圧された駆動ガスを流すための駆動ガス流路、当該駆動ガス流路の途中に設けられて当該駆動ガス流路の外周側から当該駆動ガス流路内に向かって前記セラミックス粒子を前記収容部から吸引可能な供給口、及び、当該駆動ガス流路の先端に取り付けられてエアロゾルを噴射可能な前記ノズルを備える、
態様9又は10に記載の柱状ハニカム構造フィルタの製造方法。
[態様12]
前記収容部は、レーザー回折・散乱法により測定される体積基準の累積粒度分布におけるメジアン径(D50)が0.5~3.0μmの前記セラミックス粒子を収容する態様9~11の何れかに記載の柱状ハニカム構造フィルタの製造方法。
[態様13]
前記焼付処理は、炉内雰囲気温度が1100~1300℃の加熱炉内に、第1セルの表面に付着した前記セラミックス粒子を有する前記柱状ハニカム構造体を1.5~4時間保持することを含む態様9~12の何れかに記載の柱状ハニカム構造フィルタの製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一実施形態に係る柱状ハニカム構造フィルタによれば、PM捕集性能が改善された柱状ハニカム構造フィルタを提供することができる。また、柱状ハニカム構造フィルタの多孔質膜に含まれる粒子間距離とPM捕集性能の関係が解明されたので、この関係を性能評価の基礎として用いることで、柱状ハニカム構造フィルタの開発スピードを加速することも可能である。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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