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公開番号
2024142082
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-10
出願番号
2023054070
出願日
2023-03-29
発明の名称
車両用空調システム、及び空調デバイスの再生方法
出願人
日本碍子株式会社
代理人
アクシス国際弁理士法人
主分類
B60H
3/00 20060101AFI20241003BHJP(車両一般)
要約
【課題】機能材(機能材含有層)の再生時に最適な電力を投入し、消費電力を抑えることが可能な車両用空調システムを提供する。
【解決手段】空気が流通可能な空調ダクト10と、空調ダクト10内に配置された空調デバイス20と、空調デバイス20を制御する制御部30とを備える車両用空調システム100である。空調デバイス20は、外周壁22と、外周壁22の内側に配設され、第1端面23aから第2端面23bまで延びる流路となる複数のセル24を区画形成する隔壁25とを有し、少なくとも隔壁25がPTC特性を有する材料で構成されたハニカム構造体21と、ハニカム構造体21に設けられた一対の電極26a,26bと、隔壁25の表面上に形成された機能材含有層27とを含む。制御部30は、一対の電極26a,26bに対して電圧印加を行い、ハニカム構造体21を加熱して機能材含有層27を再生するとともに、ハニカム構造体21のキュリー点に到達した段階で一対の電極26a,26bに対する電圧印加を停止する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
空気が流通可能な空調ダクトと、
前記空調ダクト内に配置された空調デバイスと、
前記空調デバイスを制御する制御部と
を備え、
前記空調デバイスは、外周壁と、前記外周壁の内側に配設され、第1端面から第2端面まで延びる流路となる複数のセルを区画形成する隔壁とを有し、少なくとも前記隔壁がPTC特性を有する材料で構成されたハニカム構造体と、前記ハニカム構造体に設けられた一対の電極と、前記隔壁の表面上に形成された機能材含有層とを含み、
前記制御部は、前記一対の電極に対して電圧印加を行い、前記ハニカム構造体を加熱して前記機能材含有層を再生するとともに、前記ハニカム構造体のキュリー点に到達した段階で前記一対の電極に対する電圧印加を停止する、車両用空調システム。
続きを表示(約 870 文字)
【請求項2】
前記制御部は、前記ハニカム構造体の初期抵抗に対する電圧印加時の経時抵抗の抵抗比を算出することにより、前記ハニカム構造体のキュリー点に到達した段階を判断する、請求項1に記載の車両用空調システム。
【請求項3】
前記制御部は、所定の時間あたりの前記抵抗比の変動量を算出し、前記変動量の最大値を確認した後、前記変動量が前記変動量の最大値の2/3以下となった段階で前記一対の電極に対する電圧印加を停止する、請求項2に記載の車両用空調システム。
【請求項4】
電圧印加を停止する前記変動量が前記変動量の最大値の1/2以下である、請求項3に記載の車両用空調システム。
【請求項5】
前記所定の時間が5~25秒である、請求項3又は4に記載の車両用空調システム。
【請求項6】
前記空調デバイスは、前記一対の電極に接続された端子を更に含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の車両用空調システム。
【請求項7】
PTC特性を有する前記材料はチタン酸バリウムを主成分とし、鉛を実質的に含まない材料で構成されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の車両用空調システム。
【請求項8】
PTC特性を有する前記材料の25℃における体積抵抗率が0.5~30Ω・cmである、請求項1~4のいずれか一項に記載の車両用空調システム。
【請求項9】
前記ハニカム構造体は、前記隔壁の厚さが0.300mm以下、セル密度が100セル/cm
2
以下、且つセルピッチが1.0mm以上である、請求項1~4のいずれか一項に記載の車両用空調システム。
【請求項10】
前記ハニカム構造体は、前記隔壁の厚さが0.08~0.36mm、セル密度が2.54~140セル/cm
2
、前記セルの開口率が0.70以上である、請求項1~4のいずれか一項に記載の車両用空調システム。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用空調システム、及び空調デバイスの再生方法に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)
【背景技術】
【0002】
自動車などの各種車両において、車室環境の向上に対する要求が高まっている。具体的な要求としては、車室内のCO
2
を低減して運転者の眠気を抑制すること、車室内を調湿すること、及び車室内のにおい成分やアレルギー誘因成分などの有害な揮発成分を除去することなどが挙げられる。このような要求に有効な対策として換気が挙げられるが、換気は、冬場のヒーターエネルギーを大きくロスする要因となり、冬場のエネルギー効率の低下を招く。特に電気自動車(BEV:Battery Electric Vehicle)では、そのエネルギーロスにより、航続距離が大幅に減少するという問題がある。
【0003】
上記の問題を解決する方法として、車室の空気中の水蒸気、CO
2
などの除去対象成分を吸着材などの機能材に捕捉した後、加熱によって除去対象成分を反応又は離脱させて車外に放出し、機能材を再生する車両用空調システムが知られている。
【0004】
例えば、特許文献1には、再生可能なCO
2
収着剤と、CO
2
除去導管と、再生導管とを含むCO
2
除去アセンブリを備えた、ビークル(車両)の乗客キャビン(車室)の雰囲気を制御するためのシステムが開示されている。このシステムでは、乗客キャビンの内部からの空気(内気)を再生可能なCO
2
収着剤の上に流し、処理された空気をCO
2
除去導管によって乗客キャビンに戻すとともに、ヒーターによって加熱した脱離ガスを再生可能なCO
2
収着剤の上に流してCO
2
をCO
2
収着剤から脱離させ、脱離させたCO
2
を再生導管によって乗客キャビン外の位置で排出する。
しかしながら、このシステムでは、CO
2
を脱離させる状態からCO
2
を吸着する状態に切り替えたとしても、しばらくの間は、CO
2
を脱離させる状態が継続されるため、制御によってCO
2
を脱離させる状態が終了した後も、CO
2
収着剤が所定温度以上である状態が継続し、脱離させた浄化対象物質が車室内に戻されてしまうという問題がある。
【0005】
そこで、この問題を解決するために、特許文献2には、車両の車室と連通する2つの流路(第1流路及び第2流路)を有し、それぞれの流路にCO
2
などの除去対象成分を吸着する吸着ブロックが配置されるとともに、それぞれの流路に、除去対象成分が除去された空気を車両の車室に戻す流路と、吸着ブロックから除去対象成分を脱離させた空気を車室の外部に排気する流路とを設けたシステムが開示されている。このシステムでは、第1流路と第2流路のうち浄化対象成分を脱離させている側の流路から車室に空気が流れるのを抑制可能なタイミングでそれぞれの構成要素を制御するため、いずれか一方の吸着ブロックが浄化対象成分を吸着して浄化した空気を車両の車室に戻す動作と、他方の吸着ブロックが浄化対象成分を脱離させた空気を車室の外部に排気する動作とを同時期に実現するとともに、浄化できていない空気が車室内に流れるのを抑制することができる。
【0006】
上記のような従来のシステムでは、ヒーターなどの加熱装置によって加熱した空気を用いて吸着材の再生(浄化対象成分の脱離)を行っている。しかしながら、このような加熱装置を用いる場合、吸着材の再生時間に時間がかかるとともに、システムが大型化してしまう。
そこで、自己発熱が可能なヒーターエレメントを、CO
2
などの除去対象成分を吸着する機能材の担体として用いることが考えられる。例えば、特許文献3には、外周壁と、外周壁の内側に配設され、第1端面から第2端面まで流路を形成する複数のセルを区画形成する隔壁とを有する柱状ハニカム構造体を備え、隔壁がPTC特性を有しており、隔壁の平均厚さが0.13mm以下であり、第1端面及び第2端面における開口率が0.81以上であるヒーターエレメントが開示されている。このヒーターエレメントは、車室の暖房用途に用いられるものであるが、ハニカム構造を有することで加熱面積を大きくすることができるので、効率の良い加熱手段である。したがって、このようなヒーターエレメントを機能材の担体として用いると、機能材の再生時間の短縮化に貢献できると考えられる。特に、このヒーターエレメントは、通電による加熱が可能であり且つPTC特性を有するため、機能材を容易に加熱できる一方で、過剰な発熱を抑制し、機能材の熱劣化を抑制することもできると考えられる。また、過剰な温度になってしまう恐れが回避されるので、初期抵抗を小さく設定して加熱速度を速めても安全を確保でき、短時間での昇温が可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特表2017-528316号公報
特開2020-104774号公報
国際公開第2020/036067号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ヒーターエレメントを機能材の担体として用いる場合、ヒーターエレメントを所定の時間通電することによって機能材の再生が行われるが、機能材の再生温度に達した後も通電が継続されてしまうことがある。すなわち、機能材の再生に過剰の電力を投入してしまうことがあり、無駄な消費電力がかかることがある。
【0009】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、機能材(機能材含有層)の再生時に最適な電力を投入し、消費電力を抑えることが可能な車両用空調システム、及び空調デバイスの再生方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、所定のハニカム構造体と、所定のハニカム構造体に設けられた一対の電極と、所定のハニカム構造体の隔壁の表面上に形成された機能材含有層とを含む空調デバイスを備える車両用空調システムについて鋭意研究を行った結果、ハニカム構造体を加熱して機能材含有層を再生するとともに、ハニカム構造体のキュリー点に到達した段階で一対の電極に対する電圧印加を停止することにより、上記の課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、以下のように例示される。
(【0011】以降は省略されています)
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