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公開番号
2024144042
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-11
出願番号
2023187959,2023056775
出願日
2023-11-01,2023-03-30
発明の名称
ハニカム構造体
出願人
日本碍子株式会社
代理人
アクシス国際弁理士法人
主分類
C04B
38/00 20060101AFI20241003BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約
【課題】薄壁化及び高気孔率化されており、且つ、強度に優れたハニカム構造体を提供する。
【解決手段】外周側壁と、外周側壁の内周側に配設され、第一底面から第二底面まで流路を形成する複数のセルを区画する隔壁と、を有するハニカム構造体であって、隔壁の厚みが50μm以上210μm以下であり、隔壁の気孔率が45%~60%であり、ハニカム構造体中のP含有量が0.01質量%以上0.2質量%未満であり、アイソスタティック破壊強度が1.0MPa以上である、ハニカム構造体。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
外周側壁と、外周側壁の内周側に配設され、第一底面から第二底面まで流路を形成する複数のセルを区画する隔壁と、を有するハニカム構造体であって、
隔壁の厚みが50μm以上210μm以下であり、
隔壁の気孔率が45%~60%であり、
ハニカム構造体中のP含有量が0.01質量%以上0.2質量%未満であり、
アイソスタティック破壊強度が1.0MPa以上である、
ハニカム構造体。
続きを表示(約 180 文字)
【請求項2】
前記ハニカム構造体中のP含有量の上限が0.1質量%以下である請求項1に記載のハニカム構造体。
【請求項3】
前記ハニカム構造体中のP含有量の上限が0.05質量%以下である請求項1に記載のハニカム構造体。
【請求項4】
外周側壁及び隔壁はコージェライトを含有する請求項1~3の何れかに記載のハニカム構造体。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明はハニカム構造体及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)
【背景技術】
【0002】
ディーゼルエンジン等の内燃機関より排出される排気ガス中の粒子状物質を捕集するフィルタや、CO、HC、NOxなどの有毒なガス成分を浄化する触媒用の担体として、ハニカム構造体が用いられている。
【0003】
一般に、ハニカム構造体は、外周側壁と、外周側壁の内周側に配設され、第一底面から第二底面まで流路を形成する複数のセルを区画する隔壁とを有する。ハニカム構造体は、セラミックス原料、造孔材、バインダー及び分散媒に各種添加剤を適宜加えて得られた原料組成物を混練し、坏土とした後、所定のセル構造を画定する口金を介して押出成形することで、ハニカム成形体を作製し、このハニカム成形体を所定の長さに切断し、乾燥した後に焼成することで製造可能である。
【0004】
近年、排ガス規制強化に伴い、より厳しいPMの排出基準(PN規制:Particle Matterの個数規制)が導入されており、フィルタにはPMの高捕集性能(PN高捕集効率)が要求されている。また、触媒担体には、熱容量を下げることで触媒の活性温度まで速やかに昇温できるようにすることも要求されている。一方で、ハニカム構造体には排ガスを流した時の圧力損失が低いことも要求されており、市場の要求に応えることのできるフィルタの開発難易度が上がっている。このような要求性能を満たすハニカム構造体を得るため、ハニカム構造体の隔壁の厚さを薄くする「薄壁化」とともに、隔壁の気孔率を従来に比して更に高める「高気孔率化」に関する検討が進められている(特許文献1)。
【0005】
しかしながら、ハニカム構造体の薄壁化が進展するにつれて、極めて狭いダイスロットに坏土を通して押し出すのに必要な押出成形圧も上昇しており、押出成形機の限度に達している。このため、押出成形圧を低下させるための技術も要求されている。これに関連して、特許文献2には、原料組成物中に添加する澱粉中のアミロース比が高いと流動性が良くなり、成形圧力が下がることが記載されており、特に、アミロース:アミロペクチンの割合が40:60~80:20の時に押出成形圧が低減できることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特表2007-507667号公報
国際公開第2017/095916号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
澱粉は高気孔率のハニカム構造体を得るための成分として有用である。従って、薄壁化及び高気孔率化されたハニカム構造体を製造する際に、特許文献2に記載されるアミロース及びアミロペクチンの配合割合で澱粉を添加することは有効だと考えられた。しかしながら、このようにアミロース及びアミロペクチンの配合割合を調整した澱粉を原料組成物に添加することで、押出成形圧が低減できたとしても、これによって製造されるハニカム構造体の強度が十分ではなかった。特に薄壁化及び高気孔率化されたハニカム構造体は強度が低下しやすいため、この問題を解決できれば有利であろう。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、一実施形態において、薄壁化及び高気孔率化されており、且つ、強度に優れたハニカム構造体を押出成形機に過度な負担を掛けることなく製造する方法を提供することを課題とする。また、別の一実施形態において、薄壁化及び高気孔率化されており、且つ、強度に優れたハニカム構造体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は上記課題を解決するべく鋭意検討したところ、造孔材としてアクリルポリマー及び架橋澱粉を組み合わせて使用することが有効であることを見出した。本発明は当該知見に基づいて完成したものであり、以下に例示される。
【0010】
(1.ハニカム構造体の製造方法)
[態様1]
外周側壁と、外周側壁の内周側に配設され、第一底面から第二底面まで流路を形成する複数のセルを区画する隔壁と、を有するハニカム構造体の製造方法であって、
セラミックス原料、造孔材、バインダー及び分散媒を含有する坏土を、前記複数のセルの開口形状を画定する口金を介して押出成形することにより、ハニカム成形体を作製する工程と、
前記ハニカム成形体を乾燥して、ハニカム乾燥体を得る工程と、
前記ハニカム乾燥体を焼成して、隔壁の厚みが50μm以上210μm以下であり、隔壁の気孔率が45%~60%のハニカム焼成体を得る工程と、
を含み、
前記坏土中の造孔材は、架橋澱粉と、アクリルポリマーとを含有し、
前記坏土は、セラミックス原料100質量部に対して、P含有量が0.2質量部未満となる条件で、1.0質量部以上の架橋澱粉を含有する、
製造方法。
[態様2]
前記坏土は、セラミックス原料100質量部に対して、P含有量が0.1質量部以下となる条件で、1.0質量部以上の架橋澱粉を含有する態様1に記載の製造方法。
[態様3]
前記坏土は、セラミックス原料100質量部に対して、P含有量が0.05質量部以下となる条件で、1.0質量部以上の架橋澱粉を含有する態様1に記載の製造方法。
[態様4]
前記ハニカム構造体中のP含有量が0.2質量%未満である態様1~3の何れかに記載の製造方法。
[態様5]
前記ハニカム構造体中のP含有量が0.1質量%以下である態様1~3の何れかに記載の製造方法。
[態様6]
前記ハニカム構造体中のP含有量が0.05質量%以下である態様1~3の何れかに記載の製造方法。
[態様7]
前記坏土は、セラミックス原料100質量部に対して、0.5質量部以上のアクリルポリマーを含有する態様1~6の何れかに記載の製造方法。
[態様8]
前記セラミックス原料がコージェライト化原料である態様1~7の何れかに記載の製造方法。
(【0011】以降は省略されています)
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