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公開番号2024143846
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-11
出願番号2023056754
出願日2023-03-30
発明の名称車両の制御装置及び内燃機関の排気浄化装置
出願人日本碍子株式会社
代理人アクシス国際弁理士法人
主分類F01N 3/20 20060101AFI20241003BHJP(機械または機関一般;機関設備一般;蒸気機関)
要約【課題】触媒担持体にクラックが発生する虞を低減できる車両の制御装置及び内燃機関の排気浄化装置を提供する。
【解決手段】本発明による車両の制御装置4は、触媒を担持した触媒担持体5を有する電気加熱式触媒装置3が内燃機関1の排気通路6に配置された車両に搭載された車両の制御装置4であって、触媒担持体5の熱伝導率に比例し及び/又は触媒担持体5の嵩密度に反比例する温度拡散係数に基づき、触媒担持体5を加熱するために電気加熱式触媒装置3に供給する電力量を制御する加熱制御部40を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
触媒を担持した触媒担持体を有する電気加熱式触媒装置が内燃機関の排気通路に配置された車両に搭載された車両の制御装置であって、
前記触媒担持体の熱伝導率に比例し及び/又は前記触媒担持体の嵩密度に反比例する温度拡散係数に基づき、前記触媒担持体を加熱するために前記電気加熱式触媒装置に供給する電力量を制御する加熱制御部
を備える、車両の制御装置。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
前記加熱制御部は、前記電気加熱式触媒装置に供給しようとする供給電力量が、前記温度拡散係数に応じて決定される指定最大電力量を超えているとき、前記指定最大電力量以下となるように前記供給電力量を補正する、
請求項1に記載の車両の制御装置。
【請求項3】
前記加熱制御部は、
前記触媒担持体にクラックが発生することを防止するための温度に基づき設定された第1指定最大電力量と前記温度拡散係数との関係を表す第1マップを参照して、前記温度拡散係数に応じた前記第1指定最大電力量を決定し、
前記触媒の劣化を防止するための温度に基づき設定された第2指定最大電力量と前記温度拡散係数との関係を表す第2マップを参照して、前記温度拡散係数に応じた前記第2指定最大電力量を決定し、
前記電気加熱式触媒装置に供給しようとする供給電力量が、前記第1及び第2指定最大電力量のいずれか低い方を超えているとき、前記低い方以下となるように前記供給電力量を補正する、
請求項2に記載の車両の制御装置。
【請求項4】
前記加熱制御部は、前記電気加熱式触媒装置に供給しようとする供給電力量が、前記温度拡散係数に応じて決定される指定最低電力量を下回るとき、前記指定最低電力量以上となるように前記供給電力量を補正する、
請求項1に記載の車両の制御装置。
【請求項5】
前記加熱制御部は、
前記触媒を活性化するための温度に基づき設定された第3指定最低電力量と前記温度拡散係数との関係を表す第3マップを参照して、前記温度拡散係数に応じた前記第3指定最低電力量を決定し、
前記電気加熱式触媒装置に供給しようとする供給電力量が、前記第3指定最低電力量を下回るとき、前記第3指定最低電力量以上となるように前記供給電力量を補正する、
請求項4に記載の車両の制御装置。
【請求項6】
前記温度拡散係数は、前記触媒担持体の熱伝導率を前記触媒担持体の嵩密度で除した値に、1より大きく1.5以下の定数を乗じた係数である、
請求項1に記載の車両の制御装置。
【請求項7】
触媒を担持する触媒担持体を有し、車両の内燃機関の排気通路に配置された電気加熱式触媒装置と、
請求項1から6までのいずれか1項に記載の車両の制御装置と、
を備える、
内燃機関の排気浄化装置。
【請求項8】
前記触媒担持体は、外周壁と、前記外周壁の内側に配設され、一方の端面から他方の端面まで延びる流路を形成する複数のセルを区画形成する隔壁とを有するハニカム構造体である、
請求項7に記載の内燃機関の排気浄化装置。
【請求項9】
触媒を担持した触媒担持体を有する電気加熱式触媒装置が内燃機関の排気通路に配置された車両に搭載された車両の制御装置であって、
前記触媒担持体及び前記触媒の熱伝導率に比例し及び/又は前記触媒担持体及び前記触媒の嵩密度に反比例する温度拡散係数に基づき、前記触媒担持体を加熱するために前記電気加熱式触媒装置に供給する電力量を制御する加熱制御部
を備える、車両の制御装置。
【請求項10】
前記加熱制御部は、前記電気加熱式触媒装置に供給しようとする供給電力量が、前記温度拡散係数に応じて決定される指定最大電力量を超えているとき、前記指定最大電力量以下となるように前記供給電力量を補正する、
請求項9に記載の車両の制御装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、触媒を担持した触媒担持体を有する電気加熱式触媒装置が内燃機関の排気通路に配置された車両に搭載された車両の制御装置及びそれを備える内燃機関の排気浄化装置に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
一般に、導電性セラミックスからなる触媒担持体に電極を配設し、通電により触媒担持体自体を発熱させることで、触媒担持体に担持された触媒を内燃機関始動前に活性温度まで昇温させて、内燃機関が始動開始直後から排気ガスの浄化を狙う電気加熱式触媒(EHC)が知られている。下記の特許文献1には、触媒担持体への通電開始時の通電条件に応じて、触媒担持体における通電抵抗値の特性を示す通電特性を設定し、その設定された通電特性に基づいて触媒担持体に対する異常判定又は通電制御を行う装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第5333653号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば材料のバラツキ及び/又は製造条件のゆらぎ等により、触媒担持体の物性にバラツキが生じることがある。上記した特許文献1に記載された従来装置では、通電開始時の通電特性に基づいて触媒担持体の異常判定又は通電制御を行うが、触媒担持体の物性バラツキまでは考慮されていない。物性バラツキを考慮せずに触媒担持体に通電を行った場合、物性バラツキにより触媒担持体が過剰に加熱されて、触媒担持体にクラックが発生する虞がある。
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、その目的の一つは、触媒担持体にクラックが発生する虞を低減できる車両の制御装置及び内燃機関の排気浄化装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
項目1.本発明は、一実施形態において、触媒を担持した触媒担持体を有する電気加熱式触媒装置が内燃機関の排気通路に配置された車両に搭載された車両の制御装置であって、触媒担持体の熱伝導率に比例し及び/又は触媒担持体の嵩密度に反比例する温度拡散係数に基づき、触媒担持体を加熱するために電気加熱式触媒装置に供給する電力量を制御する加熱制御部を備える、車両の制御装置に関する。
【0007】
項目2.本発明は、加熱制御部は、電気加熱式触媒装置に供給しようとする供給電力量が、温度拡散係数に応じて決定される指定最大電力量を超えているとき、指定最大電力量以下となるように供給電力量を補正する、項目1に記載の車両の制御装置に関していてもよい。
【0008】
項目3.本発明は、加熱制御部は、触媒担持体にクラックが発生することを防止するための温度に基づき設定された第1指定最大電力量と温度拡散係数との関係を表す第1マップを参照して、温度拡散係数に応じた第1指定最大電力量を決定し、触媒の劣化を防止するための温度に基づき設定された第2指定最大電力量と温度拡散係数との関係を表す第2マップを参照して、温度拡散係数に応じた第2指定最大電力量を決定し、電気加熱式触媒装置に供給しようとする供給電力量が、第1及び第2指定最大電力量のいずれか低い方を超えているとき、低い方以下となるように供給電力量を補正する、項目2に記載の車両の制御装置に関していてもよい。
【0009】
項目4.本発明は、加熱制御部は、電気加熱式触媒装置に供給しようとする供給電力量が、温度拡散係数に応じて決定される指定最低電力量を下回るとき、指定最低電力量以上となるように供給電力量を補正する、項目1から3までのいずれか1項に記載の車両の制御装置に関していてもよい。
【0010】
項目5.本発明は、加熱制御部は、触媒を活性化するための温度に基づき設定された第3指定最低電力量と温度拡散係数との関係を表す第3マップを参照して、温度拡散係数に応じた第3指定最低電力量を決定し、電気加熱式触媒装置に供給しようとする供給電力量が、第3指定最低電力量を下回るとき、第3指定最低電力量以上となるように供給電力量を補正する、項目4に記載の車両の制御装置に関していてもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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