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公開番号2024140384
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-10
出願番号2023051504
出願日2023-03-28
発明の名称LDHセパレータ及び亜鉛二次電池
出願人日本碍子株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類H01M 50/463 20210101AFI20241003BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】電池のサイクル特性をより一層向上可能なLDHセパレータを提供する。
【解決手段】層状複水酸化物(LDH)及び/又はLDH様化合物である水酸化物イオン伝導層状化合物を含むLDHセパレータであって、平面視した場合に、低伝導度領域及び高伝導度領域を有し、低伝導度領域のイオン伝導度CLに対する高伝導度領域のイオン伝導度CHの比CH/CLが1.5~6.5である、LDHセパレータ。
【選択図】図1


特許請求の範囲【請求項1】
層状複水酸化物(LDH)及び/又はLDH様化合物である水酸化物イオン伝導層状化合物を含むLDHセパレータであって、
前記LDHセパレータは、平面視した場合に、低伝導度領域及び高伝導度領域を有し、前記低伝導度領域のイオン伝導度C

に対する前記高伝導度領域のイオン伝導度C

の比C

/C

が1.5~6.5である、LDHセパレータ。
続きを表示(約 830 文字)【請求項2】
前記低伝導度領域及び前記高伝導度領域の合計領域における、前記低伝導度領域の占める割合が20~70%である、請求項1に記載のLDHセパレータ。
【請求項3】
前記低伝導度領域が、前記高伝導度領域を取り囲むパターンで設けられる、請求項1又は2に記載のLDHセパレータ。
【請求項4】
前記高伝導度領域を取り囲む前記低伝導度領域のパターンが、前記LDHセパレータの長さに対して25%以下の幅を有する、請求項3に記載のLDHセパレータ。
【請求項5】
前記低伝導度領域及び前記高伝導度領域がそれぞれ複数存在しており、前記低伝導度領域及び前記高伝導度領域が市松模様のパターンで交互に設けられる、請求項1又は2に記載のLDHセパレータ。
【請求項6】
前記市松模様を構成する前記低伝導度領域及び前記高伝導度領域の各々が10~50mm角のサイズである、請求項5に記載のLDHセパレータ。
【請求項7】
前記低伝導度領域のイオン伝導度C

が0.5~2.2S/cm

である、請求項1又は2に記載のLDHセパレータ。
【請求項8】
前記高伝導度領域のイオン伝導度C

が2.0~5.1S/cm

である、請求項1又は2に記載のLDHセパレータ。
【請求項9】
前記LDHセパレータが多孔質基材をさらに含み、前記多孔質基材の孔に前記水酸化物イオン伝導層状化合物が充填されている、且つ/又は前記多孔質基材の少なくとも一方の表面に前記水酸化物イオン伝導層状化合物を含む表層が設けられている、請求項1又は2に記載のLDHセパレータ。
【請求項10】
前記多孔質基材が高分子材料で構成される、請求項9に記載のLDHセパレータ。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明はLDHセパレータ及び亜鉛二次電池に関する。
続きを表示(約 3,800 文字)【背景技術】
【0002】
ニッケル亜鉛二次電池、空気亜鉛二次電池等の亜鉛二次電池では、充電時に負極から金属亜鉛がデンドライト状に析出し、不織布等のセパレータの空隙を貫通して正極に到達し、その結果、短絡を引き起こすことが知られている。このような亜鉛デンドライトに起因する短絡は繰り返し充放電寿命の短縮を招く。
【0003】
上記問題に対処すべく、水酸化物イオンを選択的に透過させながら、亜鉛デンドライトの貫通を阻止する、層状複水酸化物(LDH)セパレータを備えた電池が提案されている。例えば、特許文献1(国際公開第2013/118561号)には、ニッケル亜鉛二次電池においてLDHセパレータを正極及び負極間に設けることが開示されている。また、特許文献2(国際公開第2016/076047号)には、樹脂製外枠に嵌合又は接合されたLDHセパレータを備えたセパレータ構造体が開示されており、LDHセパレータがガス不透過性及び/又は水不透過性を有する程の高い緻密性を有することが開示されている。また、この文献にはLDHセパレータが多孔質基材と複合化されうることも開示されている。さらに、特許文献3(国際公開第2016/067884号)には多孔質基材の表面にLDH緻密膜を形成して複合材料を得るための様々な方法が開示されている。この方法は、多孔質基材にLDHの結晶成長の起点を与えうる起点物質を均一に付着させ、原料水溶液中で多孔質基材に水熱処理を施してLDH緻密膜を多孔質基材の表面に形成させる工程を含むものである。水熱処理を経て作製したLDH/多孔質基材の複合材料をロールプレスすることで更なる緻密化を実現したLDHセパレータも提案されている。例えば、特許文献4(国際公開第2019/124270号)には、高分子多孔質基材と、この多孔質基材に充填されるLDHとを含み、波長1000nmにおける直線透過率が1%以上である、LDHセパレータが開示されている。
【0004】
また、LDHとは呼べないもののそれに類する層状結晶構造の水酸化物及び/又は酸化物としてLDH様化合物が知られており、LDHとともに水酸化物イオン伝導層状化合物と総称できる程に類似した水酸化物イオン伝導特性を呈する。例えば、特許文献5(国際公開第2020/255856号)には、多孔質基材と、多孔質基材の孔を塞ぐ層状複水酸化物(LDH)様化合物とを含む、水酸化物イオン伝導セパレータであって、このLDH様化合物が、Mgと、Ti、Y及びAlからなる群から選択される少なくともTiを含む1以上の元素とを含む層状結晶構造の水酸化物及び/又は酸化物であるものが開示されている。また、特許文献6(国際公開第2021/229916号)には、(i)Ti、Y、及び所望によりAl及び/又はMgと、(ii)In、Bi、Ca、Sr及びBaからなる群から選択される少なくとも1種である添加元素Mとを含むLDH様化合物を用いたLDHセパレータが開示されている。さらに、特許文献7(国際公開第2021/229917号)には、LDH様化合物及びIn(OH)

の混合物を含むLDHセパレータに関して、LDH様化合物が、Mg、Ti、Y、及び所望によりAl及び/又はInを含む層状結晶構造の水酸化物及び/又は酸化物であるものが開示されている。特許文献5~7に開示されるセパレータによれば、従来のLDHセパレータと比べ、耐アルカリ性に優れ、かつ、亜鉛デンドライトに起因する短絡をより一層効果的に抑制できるとされている。
【0005】
ところで、亜鉛二次電池の短寿命化を招く別の要因として、負極活物質である亜鉛の形態変化が挙げられる。すなわち、充放電の繰り返しにより亜鉛が溶解及び析出を繰り返すにつれて、負極が形態変化して、気孔の閉塞による高抵抗化、孤立亜鉛の蓄積による充電活物質の減少等を生じ、その結果、充放電が困難になるとの問題がある。この問題に対処すべく、特許文献8(国際公開第2020/049902号)には、ZnO粒子と、(i)所定粒径の金属Zn粒子、(ii)所定の金属元素及び(iii)ヒドロキシル基を有するバインダー樹脂から選択される少なくとも2つとを組み合わせて負極に用いることが提案されている。この負極によれば、亜鉛二次電池において、充放電の繰り返しに伴う負極の劣化を抑制して耐久性を向上し、それによりサイクル寿命を長くすることができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
国際公開第2013/118561号
国際公開第2016/076047号
国際公開第2016/067884号
国際公開第2019/124270号
国際公開第2020/255856号
国際公開第2021/229916号
国際公開第2021/229917号
国際公開第2020/049902号
【発明の概要】
【0007】
特許文献1~7に開示されるようなLDHセパレータを用いてニッケル亜鉛電池等の亜鉛二次電池を構成した場合、亜鉛デンドライトによる短絡等をある程度防止できる。しかしながら、サイクル特性の更なる改善が望まれる。
【0008】
本発明者らは、今般、LDHセパレータの面内に、イオン伝導度の比が所定範囲内に制御された低伝導度領域及び高伝導度領域を設けることにより、これを備えた電池のサイクル特性をより一層向上できるとの知見を得た。
【0009】
したがって、本発明の目的は、電池のサイクル特性をより一層向上可能なLDHセパレータを提供することにある。
【0010】
本発明によれば、以下の態様が提供される。
[態様1]
層状複水酸化物(LDH)及び/又はLDH様化合物である水酸化物イオン伝導層状化合物を含むLDHセパレータであって、
前記LDHセパレータは、平面視した場合に、低伝導度領域及び高伝導度領域を有し、前記低伝導度領域のイオン伝導度C

に対する前記高伝導度領域のイオン伝導度C

の比C

/C

が1.5~6.5である、LDHセパレータ。
[態様2]
前記低伝導度領域及び前記高伝導度領域の合計領域における、前記低伝導度領域の占める割合が20~70%である、態様1に記載のLDHセパレータ。
[態様3]
前記低伝導度領域が、前記高伝導度領域を取り囲むパターンで設けられる、態様1又は2に記載のLDHセパレータ。
[態様4]
前記高伝導度領域を取り囲む前記低伝導度領域のパターンが、前記LDHセパレータの長さに対して25%以下の幅を有する、態様3に記載のLDHセパレータ。
[態様5]
前記低伝導度領域及び前記高伝導度領域がそれぞれ複数存在しており、前記低伝導度領域及び前記高伝導度領域が市松模様のパターンで交互に設けられる、態様1~4のいずれか一つに記載のLDHセパレータ。
[態様6]
前記市松模様を構成する前記低伝導度領域及び前記高伝導度領域の各々が10~50mm角のサイズである、態様5に記載のLDHセパレータ。
[態様7]
前記低伝導度領域のイオン伝導度C

が0.5~2.2S/cm

である、態様1~6のいずれか一つに記載のLDHセパレータ。
[態様8]
前記高伝導度領域のイオン伝導度C

が2.0~5.1S/cm

である、態様1~7のいずれか一つに記載のLDHセパレータ。
[態様9]
前記LDHセパレータが多孔質基材をさらに含み、前記多孔質基材の孔に前記水酸化物イオン伝導層状化合物が充填されている、且つ/又は前記多孔質基材の少なくとも一方の表面に前記水酸化物イオン伝導層状化合物を含む表層が設けられている、態様1~8のいずれか一つに記載のLDHセパレータ。
[態様10]
前記多孔質基材が高分子材料で構成される、態様9に記載のLDHセパレータ。
[態様11]
前記LDHセパレータの単位面積あたりのHe透過度が10cm/min・atm以下である、態様1~10のいずれか一つに記載のLDHセパレータ。
[態様12]
前記LDHセパレータが、該LDHセパレータの厚さ方向にプレスされたものである、態様1~11のいずれか一つに記載のLDHセパレータ。
[態様13]
態様1~12のいずれか一つに記載のLDHセパレータを備えた、亜鉛二次電池。
[態様14]
態様1~12のいずれか一つに記載のLDHセパレータを備えた、固体アルカリ形燃料電池。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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