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公開番号2025014139
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-30
出願番号2023116405
出願日2023-07-18
発明の名称軟磁性材料
出願人三洋化成工業株式会社
代理人
主分類H01F 1/26 20060101AFI20250123BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】成形体としたときの強度に優れ、かつ、耐電圧性に優れた軟磁性材料を提供する。
【解決手段】軟磁性の粒子と当該粒子の少なくとも一部を被覆する被覆部とを有し、軟磁性の粒子の体積平均粒子径が0.1μm~50μmであり、被覆部がカルボキシル基を有するアクリル樹脂を含み、軟磁性材料の重量に基づく被覆部の割合が0.55重量%以上である軟磁性材料。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
軟磁性の粒子と当該粒子の少なくとも一部を被覆する被覆部とを有する軟磁性材料であって、
軟磁性の粒子の体積平均粒子径が0.1μm~50μmであり、
被覆部がカルボキシル基を有する(メタ)アクリル樹脂を含み、
軟磁性材料の重量に基づく被覆部の割合が0.55重量%以上である軟磁性材料。
続きを表示(約 240 文字)【請求項2】
軟磁性材料の重量に基づく被覆部の割合が5重量%以下である請求項1に記載の軟磁性材料。
【請求項3】
被覆部の重量に基づくカルボキシル基を有する(メタ)アクリル樹脂の割合が、4重量%以上50重量%以下である請求項1または2に記載の軟磁性材料。
【請求項4】
カルボキシル基を有する(メタ)アクリル樹脂が、不飽和カルボン酸と二種以上の(メタ)アクリル酸エステルとを重合させてなる重合体を含む、請求項1または2に記載の軟磁性材料。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、軟磁性材料に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
軟磁性材料は、磁界の存在下で強く磁化されるが、外部の磁界を取り除くと速やかに磁気がなくなり、元の状態に戻る性質を有する材料であり、従来から、電気自動車のコイル、家電機器及び各種センサーの用途等で用いられている(例えば特許文献1を参照)。
近年、軟磁性材料を用いた機器では、高エネルギー密度と低エネルギー損失化との両立が課題となっており、高磁束密度かつ高周波数領域で、使用可能な材料の開発が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2021-158340号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
低エネルギー損失化の課題を解決するものとしては、加熱により鉄表面にナノスケールの結晶を析出させてなるナノ結晶軟磁性材料が考えられる。しかしながら、ナノ結晶軟磁性材料は硬く柔軟性に欠けるため、当該材料を用いた成形体を、さらに高密度化すべく高圧で圧縮すると、破損することがあった。
高エネルギー密度化の課題を解決するものとしては、軟磁性材料を構成する合金組成を変える(例えば鉄の含有量を多くする等)ことが考えられるが、合金組成を変えて高エネルギー密度化を図るだけでは、耐電圧性が低下する懸念があった。
本発明の課題は、成形体としたときの強度に優れ、かつ、耐電圧性に優れた軟磁性材料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
即ち本発明は、以下の通りである。
[1]軟磁性の粒子と当該粒子の少なくとも一部を被覆する被覆部とを有する軟磁性材料であって、
軟磁性の粒子の体積平均粒子径が0.1μm~50μmであり、
被覆部がカルボキシル基を有する(メタ)アクリル樹脂を含み、
軟磁性材料の重量に基づく被覆部の割合が0.55重量%以上である軟磁性材料。
[2]軟磁性材料の重量に基づく被覆部の割合が5重量%以下である[1]に記載の軟磁性材料。
[3]被覆部の重量に基づくカルボキシル基を有する(メタ)アクリル樹脂の割合が、4重量%以上50重量%以下である[1]または[2]に記載の軟磁性材料。
[4]カルボキシル基を有する(メタ)アクリル樹脂が、不飽和カルボン酸と二種以上の(メタ)アクリル酸エステルとを重合させてなる重合体を含む、[1]~[3]のいずれか一項に記載の軟磁性材料。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、成形体としたときに強度に優れ、かつ、耐電圧性に優れた軟磁性材料を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の軟磁性材料は、軟磁性の粒子と当該粒子の少なくとも一部を被覆する被覆部とを有する。本発明において「軟磁性」とは外部の磁場に対して容易に磁化されるが、磁場が消えると比較的容易に磁化が消失する性質をいう。つまり、保磁力が低い(具体的には保磁力が800A/m以下)強磁性のことをいう。
【0008】
軟磁性の粒子の材料としては、特に限定はないが、例えば、構成元素として鉄を含む金属含有材料が挙げられる。金属含有材料は、構成元素として鉄以外の元素を含んでいてもよい。鉄以外の元素としては、例えば、B、C、N、O、Al、Si、P、S、Ti、V、Cr、Mn、Co、Ni、Cu、Zn、Y、Zr、Nb、Mo、Cd、In及びSn等が挙げられる。金属含有材料としては、例えば、純鉄、ケイ素鋼、鉄-コバルト合金、鉄-ニッケル合金、鉄-クロム合金、鉄-アルミニウム合金、カルボニル鉄、ステンレス鋼、またはこれらのうちの1種もしくは2種以上を含む複合材料等が挙げられる。金属含有材料は一種を用いてもよいし二種以上を組み合わせて用いてもよい。金属含有材料としては、鉄と鉄以外の元素とを含んでいるものが好ましく、Fe、Si、B、P及びCuを含むものがより好ましい。金属含有材料が鉄を含む場合、鉄の含有量は金属含有材料を構成する原子の数に基づき80%(80atm%)以上であることが好ましい。軟磁性の粒子の材料としては、例えばガスアトマイズ法や水アトマイズ法で製造されたものを使用することができる。水アトマイズ法による製造方法の一例を説明する。原料となる金属材料を所望の比率となる量で秤量して、るつぼに入れ1000℃~1500℃の温度で加熱して融液を噴出させるとともに、噴出させた融液に対して高圧の水を衝突させることにより軟磁性の粉末を得る。得られた粉末を、粉砕機(例えばゾークラッシャー及びボールミル等)で粉砕した後、分級することにより軟磁性の粒子の材料を得ることができる。軟磁性の粒子は例えば国際公開第2021/199970号などに記載の方法により製造してもよい。
【0009】
本発明において、軟磁性の粒子の体積平均粒子径は0.1μm~50μmである。軟磁性の粒子の体積平均粒子径が0.1μm以上であることにより、被覆部を均一に形成することができ、耐電圧性を優れたものとすることができる。軟磁性の粒子の体積平均粒子径が50μm以下であることにより、成形体の充填率を高めることができ、高エネルギー密度の用途に適した材料とすることができる。軟磁性の粒子の体積平均粒子径は、耐電圧性の観点から、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは1μm以上である。軟磁性の粒子の体積平均粒子径は、成形体の充填率を高くすることができるという観点から、好ましくは45μm以下、より好ましくは40μm以下である。
【0010】
成形体の充填率は下記式(1)により算出される。
成形体の充填率(%)=[(成形体の理論体積)/(成形体の実体積)]×100・・・(1)
式(1)中の「成形体の実体積」は軟磁性材料を成形して得られる成形体の実体積を意味する。式(1)中の「成形体の理論体積」は空隙がない場合の成形体の体積であり下記式(2)により算出される。
成形体の理論体積=(成形体の重量)/(軟磁性材料の密度)・・・(2)
式(2)中の「軟磁性材料の密度」は軟磁性材料を構成する材料(軟磁性の粒子及び被覆部の材料)の組成に基づき算出される密度である。
(【0011】以降は省略されています)

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