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公開番号2025015073
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-30
出願番号2023118176
出願日2023-07-20
発明の名称リチウムイオン電池
出願人三洋化成工業株式会社
代理人
主分類H01M 10/0565 20100101AFI20250123BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】金属リチウムを電極として使用した場合でも、充放電を繰り返してもサイクル特性が悪化しにくいリチウムイオン電池を提供すること。
【解決手段】金属リチウムと対極となる電極活物質層とが、高分子固体電解質を介して対向しているリチウムイオン電池であって、
前記高分子固体電解質が、水酸基を3個以上有するポリオール(A-1)、ジオール(A-2)及びイソシアネート基を2個以上有するポリイソシアネート(B)を含む組成物の反応物と電解液(C)とを含み、
前記高分子固体電解質における前記電解液(C)の重量割合が、前記高分子固体電解質の重量を基準として60~80重量%であり、
前記高分子固体電解質の貯蔵せん断弾性率が10kPa以上であることを特徴とするリチウムイオン電池。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
金属リチウムと対極となる電極活物質層とが、高分子固体電解質を介して対向しているリチウムイオン電池であって、
前記高分子固体電解質が、水酸基を3個以上有するポリオール(A-1)、ジオール(A-2)及びイソシアネート基を2個以上有するポリイソシアネート(B)を含む組成物の反応物と電解液(C)とを含み、
前記高分子固体電解質における前記電解液(C)の重量割合が、前記高分子固体電解質の重量を基準として60~80重量%であり、
前記高分子固体電解質の貯蔵せん断弾性率が10kPa以上であることを特徴とするリチウムイオン電池。
続きを表示(約 640 文字)【請求項2】
前記ポリイソシアネート(B)がポリメリックジフェニルメタンジイソシアネートである請求項1に記載のリチウムイオン電池。
【請求項3】
前記金属リチウムと前記高分子固体電解質との間にさらに保護膜を有し、
前記保護膜が、架橋性ビニル単量体を必須構成単量体とする共重合体と電解液(D)とを含み、
前記保護膜の貯蔵せん断弾性率が10~32MPaであり、
前記保護膜の膜厚が10~15μmである請求項1に記載のリチウムイオン電池。
【請求項4】
前記架橋性ビニル単量体が、ビニル基、アクリロイル基及びメタクリロイル基からなる群より選ばれるラジカル重合性官能基を4個以上有する単量体を含み、
前記保護膜における前記架橋性ビニル単量体の重量が、前記共重合体を構成する単量体及び電解液(D)の合計重量を基準として12~18重量%である請求項3に記載のリチウムイオン電池。
【請求項5】
前記電解液(D)のSP値と前記共重合体の構成単量体それぞれのSP値との差の絶対値がすべて4.9(cal/cm


1/2
以下である請求項3に記載のリチウムイオン電池。
【請求項6】
前記保護膜における前記電解液(D)の重量割合が、前記共重合体を構成する単量体及び電解液(D)の合計重量を基準として40~60重量%である請求項3に記載のリチウムイオン電池。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、リチウムイオン電池に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
近年、環境保護のため二酸化炭素排出量の低減が切に望まれている。自動車業界では、電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV)の導入による二酸化炭素排出量の低減に期待が集まっており、これらの実用化の鍵を握るモータ駆動用二次電池の開発が鋭意行われている。二次電池としては、高エネルギー密度、高出力密度が達成できるリチウムイオン電池に注目が集まっている。
【0003】
リチウムイオン電池において活物質として金属リチウムを用いる場合、電池の容量が大きくできるという利点はあるものの、電池の充放電を繰り返すうちに金属リチウムが溶解、電極表面に析出、針状に成長して電池を短絡させる(サイクル特性を悪化させる)という課題があった。
これを解決する方法として、例えば、特許文献1には、リチウムと合金化することが可能な金属を含む保護膜を金属リチウム上に設けることが提示されている。また、特許文献2には、高分子樹脂を含む保護層を金属リチウム上に設けることでリチウムの析出を抑制することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2023-035226号公報
特表2021-527936号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、リチウムと合金化することが可能な金属を含む保護膜を設けるにはめっき等の操作が必要となり、商業的に実施するには設備面での課題が多い。高分子樹脂を含む保護層についても、イオン伝導度と保護層の強度を両立することは困難であった。
また、上記提案ではいずれも無機系固体電解質が用いられているが、無機系固体電解質と前記保護膜との界面でもリチウムの析出は生じるため、固体電解質と保護膜との界面におけるリチウムの析出抑制とその結果としての電池のサイクル特性の悪化は依然として課題であった。
【0006】
本発明は上記実情に鑑みて為されたものであり、金属リチウムを電極として使用した場合でも、充放電を繰り返してもサイクル特性が悪化しにくいリチウムイオン電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、鋭意検討した結果、本発明に到達した。
本発明は、金属リチウムと対極となる電極活物質層とが、高分子固体電解質を介して対向しているリチウムイオン電池であって、前記高分子固体電解質が、水酸基を3個以上有するポリオール(A-1)、ジオール(A-2)及びイソシアネート基を2個以上有するポリイソシアネート(B)を含む組成物の反応物と電解液(C)とを含み、前記高分子固体電解質における前記電解液(C)の重量割合が、前記高分子固体電解質の重量を基準として60~80重量%であり、前記高分子固体電解質の貯蔵せん断弾性率が10kPa以上であることを特徴とするリチウムイオン電池、である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、金属リチウムを電極として使用した場合でも、充放電を繰り返してもサイクル特性が悪化しにくいリチウムイオン電池を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明のリチウムイオン電池は、金属リチウムと対極となる電極活物質層とが、高分子固体電解質を介して対向する構造を有する。
金属リチウムが負極として機能する場合、対極となる電極活物質層は正極活物質層となる。正極活物質層は正極活物質を含む。
正極活物質としては、リチウムと遷移金属との複合酸化物{遷移金属が1種である複合酸化物(LiCoO

、LiNiO

、LiAlMnO

、LiMnO

及びLiMn



等)、遷移金属元素が2種である複合酸化物(例えばLiFeMnO

、LiNi
1-x
Co



、LiMn
1-y
Co



、LiNi
1/3
Co
1/3
Al
1/3


及びLiNi
0.8
Co
0.15
Al
0.05


)及び金属元素が3種類以上である複合酸化物[例えばLiM

M’

M’’



(M、M’及びM’’はそれぞれ異なる遷移金属元素であり、a+b+c=1を満たす。例えばLiNi
1/3
Mn
1/3
Co
1/3


)等]等}、リチウム含有遷移金属リン酸塩(例えばLiFePO

、LiCoPO

、LiMnPO

及びLiNiPO

)、遷移金属酸化物(例えばMnO

及びV



)、遷移金属硫化物(例えばMoS

及びTiS

)及び導電性高分子(例えばポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン及びポリ-p-フェニレン及びポリビニルカルバゾール)等が挙げられ、2種以上を併用してもよい。
なお、リチウム含有遷移金属リン酸塩は、遷移金属サイトの一部を他の遷移金属で置換したものであってもよい。
【0010】
金属リチウムが正極として機能する場合、対極となる電極活物質層は負極活物質層となる。負極活物質層は負極活物質を含む。
負極活物質としては、炭素系材料[黒鉛、難黒鉛化性炭素、アモルファス炭素、樹脂焼成体(例えばフェノール樹脂及びフラン樹脂等を焼成し炭素化したもの等)、コークス類(例えばピッチコークス、ニードルコークス及び石油コークス等)及び炭素繊維等]、珪素系材料[珪素、酸化珪素(SiO

)、珪素-炭素複合体(炭素粒子の表面を珪素及び/又は炭化珪素で被覆したもの、珪素粒子又は酸化珪素粒子の表面を炭素及び/又は炭化珪素で被覆したもの並びに炭化珪素等)及び珪素合金(珪素-アルミニウム合金、珪素-リチウム合金、珪素-ニッケル合金、珪素-鉄合金、珪素-チタン合金、珪素-マンガン合金、珪素-銅合金及び珪素-スズ合金等)等]、導電性高分子(例えばポリアセチレン及びポリピロール等)、金属(スズ、アルミニウム、ジルコニウム及びチタン等)、金属酸化物(チタン酸化物及びリチウム・チタン酸化物等)及び金属合金(例えばリチウム-スズ合金、リチウム-アルミニウム合金及びリチウム-アルミニウム-マンガン合金等)等及びこれらと炭素系材料との混合物等が挙げられる。
上記負極活物質のうち、内部にリチウム又はリチウムイオンを含まないものについては、予め負極活物質の一部又は全部にリチウム又はリチウムイオンを含ませるプレドープ処理を施してもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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