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公開番号2025104570
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-10
出願番号2023222465
出願日2023-12-28
発明の名称ガス遮断器
出願人日新電機株式会社
代理人個人,個人
主分類H01H 33/70 20060101AFI20250703BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】使用が進んでもアークの効果的な消弧を長く維持することができるガス遮断器を提供する。
【解決手段】ガス遮断器10は、電流遮断の過程でのノズル25の挿通孔25aを固定接点12aにて略閉塞する相互の相対位置において、ノズル25の挿通孔25aの凹条部25xと固定接点12aの凸設部12xとがそれぞれ嵌まり合う構成とした。つまり、ノズル25の挿通孔25aの周方向において、挿通孔25aの凹条部25x間の側壁部が優先的に損耗するものの固定接点12aの凸設部12xが残るため、挿通孔25aでのノズル25と固定接点12aとの間の隙間の拡大が極力抑えられる構成である。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
絶縁ガスの雰囲気中に固定接点と可動接点とが配置され、開極時に前記固定接点から前記可動接点が離間動作し、各接点間で生じたアークを消弧して電流遮断を図るべく、
ガス遮断器のパッファ室に充填した前記絶縁ガスを前記アークの消弧ガスとして噴出させるパッファ動作を行うパッファ部と、
前記可動接点と一体的に動作するように設けられて前記固定接点が相対的に挿抜動作する挿通孔を有する筒状をなし、前記電流遮断の過程で前記固定接点と協働して前記挿通孔を略閉塞する態様として前記挿通孔を介する前記絶縁ガスの漏れを抑えつつ前記アークに向く前記絶縁ガスの流れを好適とする整流機能を有するノズルと、を備えるガス遮断器であって、
前記固定接点の外周面に複数個の凸部を設けるとともに、前記ノズルの挿通孔の内周面に前記固定接点の複数個の凸部がそれぞれ入り込む複数個の凹部を設け、前記ノズルの挿通孔に対する前記固定接点の相対的な挿抜動作を許容しつつ、前記ノズルの挿通孔を前記固定接点にて略閉塞する相互の相対位置においては前記凹部と前記凸部とが嵌まり合うように構成されている、ガス遮断器。
続きを表示(約 440 文字)【請求項2】
前記固定接点の複数個の凸部及び前記ノズルの複数個の凹部は、互いに同形状のものを周方向に等間隔にそれぞれ設けられてなる、請求項1に記載のガス遮断器。
【請求項3】
前記固定接点の複数個の凸部及び前記ノズルの複数個の凹部は、断面矩形状をなしている、請求項1に記載のガス遮断器。
【請求項4】
前記ノズルの複数個の凹部は、前記固定接点が相対的に挿抜動作する方向に連続して延びており、挿入前方の端部を閉塞、挿入後方の端部を開口させた凹形状をなしている、請求項1に記載のガス遮断器。
【請求項5】
前記パッファ部は、前記アークによる前記絶縁ガスの熱膨張に基づき前記パッファ室内に高圧に充填された前記絶縁ガスを噴出させる熱パッファ動作、及びピストンの押し込み動作に基づき前記パッファ室内を充填された前記絶縁ガスを噴出させる機械パッファ動作を行う併用式のものとして構成されたものである、請求項1に記載のガス遮断器。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、ガス遮断器に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
電力系統の電流遮断を行うガス遮断器においては、遮断動作過程で固定接点と可動接点との間に生じ得るアークを速やかに消弧することが望ましい。パッファ形と呼ばれるガス遮断器は、遮断動作過程において自身のパッファ室内に充填された絶縁ガスをノズルの案内によりアークに向けて強く吹き付けて、アークの積極的な消弧を図るものである(例えば特許文献1参照)。ガス遮断器のアーク消弧性能を向上させるには、アークの発生し得る箇所に向けて吹き付けるガスの圧力をより高めることが一つの手段である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2010-27558号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
可動接点周りにノズルを設ける構成では、固定接点はノズルの内側を挿通する態様をなす。ノズルと固定接点とは相対的に動作する関係であるため、動作方向と直交する方向、すなわちノズルの内周面と固定接点の外周面との間に隙間を設定することが必要である。ノズルと固定接点との間の隙間は、パッファ室からアークに向けて吹き付けるガスの漏出経路でもある。アークに向けてより高圧のガスを吹き付けるためには、ノズルと固定接点との間の隙間が極力小さくなるように設定したい。
【0005】
しかしながら、アークはノズルの近傍で生じるため、ノズルの内周面はアークの熱等により徐々に損耗していく。つまり、ノズルの内周面の内径が拡大するため、ノズルの内周面と固定接点の外周面との間の隙間も徐々に広がる。すると、ノズルと固定接点との間の隙間から漏出するガスの量が増加するため、アークに対して吹き付けるガスの圧力が徐々に低下していくことになる。このことは、アーク消弧性能を良好に維持していくことの妨げとなる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係るガス遮断器は、絶縁ガスの雰囲気中に固定接点と可動接点とが配置され、開極時に前記固定接点から前記可動接点が離間動作し、各接点間で生じたアークを消弧して電流遮断を図るべく、前記ガス遮断器のパッファ室に充填した前記絶縁ガスを前記アークの消弧ガスとして噴出させるパッファ動作を行うパッファ部と、前記可動接点と一体的に動作するように設けられて前記固定接点が相対的に挿抜動作する挿通孔を有する筒状をなし、前記電流遮断の過程で前記固定接点と協働して前記挿通孔を略閉塞する態様として前記挿通孔を介する前記絶縁ガスの漏れを抑えつつ前記アークに向く前記絶縁ガスの流れを好適とする整流機能を有するノズルと、を備えるガス遮断器であって、前記固定接点の外周面に複数個の凸部を設けるとともに、前記ノズルの挿通孔の内周面に前記固定接点の複数個の凸部がそれぞれ入り込む複数個の凹部を設け、前記ノズルの挿通孔に対する前記固定接点の相対的な挿抜動作を許容しつつ、前記ノズルの挿通孔を前記固定接点にて略閉塞する相互の相対位置においては前記凹部と前記凸部とが嵌まり合うように構成されている。
【0007】
上記構成によれば、ガス遮断器の電流遮断の過程においてノズルの挿通孔に対する固定接点の相対的な挿抜動作を許容しつつ、ノズルの挿通孔を固定接点にて略閉塞する相互の相対位置においてノズルの挿通孔の複数個の凹部と固定接点の複数個の凸部とが嵌まり合う態様となる。一般的に絶縁樹脂製のノズルは導電金属製の固定接点と比べて電流遮断時に生じるアークによる損耗が進み易く、ノズルの挿通孔においても固定接点より挿通孔の内周面の損耗が進む。その際、ノズルの挿通孔の周方向において、自身に設けた隣接の凹部間の側壁部が優先的に損耗する一方で、固定接点の凸部は点在するように残る。つまり、ノズルの損耗が進んでも、挿通孔でのノズルと固定接点との間の隙間の拡大は極力抑えられる。これにより、ノズルの挿通孔を固定接点にて略閉塞する際の挿通孔からの絶縁ガスの漏れを極力抑えることができ、アークの効果的な消弧を長く維持することが可能となる。
【発明の効果】
【0008】
本開示のガス遮断器によれば、使用が進んでもアークの効果的な消弧を長く維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は、一実施形態におけるガス遮断器の構成を示す軸方向断面図である。
図2は、ガス遮断器の遮断動作過程の一態様を示す軸方向断面図である。
図3は、ノズルと固定接点との関係を示す径方向断面図である。
図4は、ノズル損耗時のガス遮断器の一態様を示す軸方向断面図である。
図5は、ノズル損耗時のガス遮断器の一態様を示す径方向断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、ガス遮断器の一実施形態について説明する。
(ガス遮断器10の全体構成)
図1に示すように、本実施形態のガス遮断器10は、絶縁ガスGにて満たされる図示略の収容タンク内に収容され、絶縁ガスGの雰囲気中に配置されている。絶縁ガスGには、CO2ガス(二酸化炭素ガス)及びSF6ガス(六フッ化硫黄ガス)等が用いられる。
(【0011】以降は省略されています)

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