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公開番号2025079419
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-22
出願番号2023192066
出願日2023-11-10
発明の名称電力供給システムの異常検出装置および異常検出方法
出願人日新電機株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類H02H 3/08 20060101AFI20250515BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】電力供給システムにおける配電線の異常を、過電流リレーよりも小さな電流量にて検出することが可能な異常検出装置および異常検出方法を提供する。
【解決手段】異常検出装置20は、配電線4を流れる電流を測定する電流測定部21と、電流測定部21において測定された電流に関する数値の時間波形において、開始タイミングが互いに異なる複数のフレームそれぞれから電流特徴量を算出する特徴算出部24と、電流特徴量に基づいて、配電線4における異常を判定する判定部25と、を備える。電流特徴量は、上記時間波形に応じて変化し、上記時間波形が配電線4の異常を示す場合に上昇または低下する数値である。判定部25は、特徴算出部24において算出された電流特徴量と閾値との大小関係に基づいて、配電線4における異常を判定する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
電源装置に接続された母線と、前記母線に接続された配電線と、前記配電線に接続された電力負荷と、を備える電力供給システムに設けられる異常検出装置であって、
前記配電線を流れる電流を測定する電流測定部と、
前記電流測定部において測定された電流に関する数値の時間波形である第1の時間波形において、開始タイミングが互いに異なる複数のフレームそれぞれから電流特徴量を算出する特徴算出部と、
前記電流特徴量に基づいて、前記配電線における異常を判定する判定部と、
を備え、
前記電流特徴量は、前記第1の時間波形に応じて変化し、前記第1の時間波形が前記配電線の異常を示す場合に上昇または低下する数値であり、
前記判定部は、前記特徴算出部において算出された前記電流特徴量と第1の閾値との大小関係に基づいて、前記配電線における異常を判定する、電力供給システムの異常検出装置。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
前記電流に関する数値は、前記電流測定部において測定された電流の電流値、周波数、位相、および電流値の変化率からなる群より選択される少なくとも一つの数値である、請求項1に記載の異常検出装置。
【請求項3】
前記異常は、前記配電線の短絡または地落である、請求項1に記載の異常検出装置。
【請求項4】
前記特徴算出部は、各フレームに含まれるN個のタイミングそれぞれにおいて前記電流に関する数値を取得してN項の数列を生成し、該数列に含まれる隣接項同士を加算または減算して該数列を更新し、以降、隣接項同士の加算または減算を繰り返して最後に生成した数列の全ての項の和を前記電流特徴量とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の異常検出装置。
【請求項5】
前記特徴算出部は、N項の調整係数を含む調整用の数列を予め記憶し、
前記特徴算出部は、各フレームに含まれるN個のタイミングそれぞれにおいて前記電流に関する数値を取得してN項の数列を生成し、該数列に含まれるN項の数値それぞれに前記N項の調整係数それぞれを乗じたのち隣接項同士を加算または減算して該数列を更新し、以降、前記N項の調整係数それぞれの乗算と隣接項同士の加算または減算とを繰り返して、最後に生成した数列の全ての項の和を前記電流特徴量とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の異常検出装置。
【請求項6】
前記判定部により前記異常が検出された際に前記配電線を遮断する配線遮断部を更に備える、請求項1~3のいずれか1項に記載の異常検出装置。
【請求項7】
前記複数のフレームにおいて互いに隣り合うフレームのうち一方のフレームの開始タイミングを含む部分と他方のフレームの終了タイミングを含む部分とが時間的に重なっている、請求項1~3のいずれか1項に記載の異常検出装置。
【請求項8】
前記配電線における電圧を測定する電圧測定部を更に備え、
前記特徴算出部は、前記電圧測定部において測定された電圧に関する数値の時間波形である第2の時間波形において、開始タイミングが互いに異なる複数のフレームそれぞれから電圧特徴量を更に算出し、
前記電圧特徴量は、前記第2の時間波形に応じて変化し、前記第2の時間波形が前記配電線の異常を示す場合に上昇または低下する数値であり、
前記判定部は、前記特徴算出部において算出された前記電圧特徴量と第2の閾値との大小関係に更に基づいて、前記配電線における異常を判定する、請求項1~3のいずれか1項に記載の異常検出装置。
【請求項9】
電源装置に接続された母線と、前記母線に接続された配電線と、前記配電線に接続された電力負荷と、を備える電力供給システムにおける異常検出方法であって、
前記配電線を流れる電流を測定する電流測定ステップと、
前記電流測定ステップにおいて測定された電流に関する数値の時間波形である第1の時間波形において、開始タイミングが互いに異なる複数のフレームそれぞれから電流特徴量を算出する特徴算出ステップと、
前記電流特徴量に基づいて、前記配電線における異常を判定する判定ステップと、
を含み、
前記電流特徴量は、前記第1の時間波形に応じて変化し、前記第1の時間波形が前記配電線の異常を示す場合に上昇または低下する数値であり、
前記判定ステップでは、前記特徴算出ステップにおいて算出された前記電流特徴量と第1の閾値との大小関係に基づいて、前記配電線における異常を判定する、電力供給システムの異常検出方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、電力供給システムの異常検出装置および異常検出方法に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1は、電力供給システムにおける短絡事故に対応するための保護装置を開示する。この保護装置は、高調波供給手段と、電流測定手段と、電圧測定手段と、電流成分抽出手段と、電圧成分抽出手段と、算出手段と、判定手段と、を備える。高調波供給手段は、所定周波数の交流電圧が供給される母線に、所定周波数よりも高い周波数を有する高調波を供給する。電流測定手段は、母線に接続された配電線の電流値を測定する。電圧測定手段は、母線又は配電線の電圧値を測定する。電流成分抽出手段は、電流測定手段により測定された電流値の時間変動波形から、高調波のフーリエ係数である電流成分を抽出する。電圧成分抽出手段は、電圧測定手段により測定された電圧値の時間変動波形から、高調波のフーリエ係数である電圧成分を抽出する。算出手段は、電流成分抽出手段により抽出された電流成分と電圧成分抽出手段により抽出された電圧成分とから、インピーダンス又はアドミタンスを算出値として算出する。判定手段は、算出値に基づいて、配電線に短絡事故が発生したか否かを判定する。
【0003】
特許文献2は、インバータを主電源とする配電系統の保護装置および保護方法を開示する。この保護装置は、主電源としてのインバータを母線に連系した配電系統の短絡事故を検出して保護を行う保護装置である。この保護装置は、母線の電圧を検出した母線電圧検出信号と、母線に接続される複数の配電線に流れる電流を各々検出した配電線電流検出信号とを入力とする。この保護装置は、第1の保護要素と、第2の保護要素と、第3の保護要素と、を備える。第1の保護要素は、インバータが過電流停止することなく運転が可能な電流値に整定された第1の過電流継電器の出力と、複数の配電線の線間電圧の低下を検出する不足電圧継電器の出力との論理積が成立したときに限時動作する。第2の保護要素は、第2の過電流継電器の瞬時要素を有し、入力電流が、整定された過電流レベルを超えたときに瞬時動作する。第3の保護要素は、第2の過電流継電器の限時要素を有し、入力電流が、整定された過電流レベルを超えたら限時動作する。この保護装置は、第1~第3の保護要素の各動作の論理和条件成立時に短絡事故有りと判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2018-183034号公報
特開2021-175246号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、電力供給システムの一つの形態としてマイクログリッドが知られている。マイクログリッドは、一定の地域内で発電・貯蔵・配電・消費を一体化した小規模な電力供給システムである。マイクログリッドは、太陽光発電または風力発電といった再生可能エネルギー源、蓄電装置、およびディーゼル発電機などを組み合わせて、特定の地域や施設に対して安定的な電力供給を行う。また、マイクログリッドは、大規模な電力網から独立して運用することも可能であり、災害などで電力網が停止した場合でも電力供給を続けることができる。加えて、マイクログリッドは、電力の需給バランスを地域内で調整することによって、電力の効率的な利用、エネルギーの節約、CO

排出量の削減にも寄与できる。
【0006】
例えば上記のマイクログリッドといった電力供給システムにおいては、電源装置に接続された母線から複数の配電線を介して、各配電線に接続された電気機器などの電力負荷に対して電力供給が行われる。従来、このような電力供給システムでは、いずれかの配電線に短絡等の異常が生じた際には、異常が生じた配電線に設けられた過電流リレーによって当該配電線を遮断することにより、電力供給システムの他の部分を保護している。過電流リレーは、一般的に、平常電流の数倍の電流量が流れたときに動作するものであるため、過電流リレーが配電線を遮断するまでには数倍の電流負荷が電力供給システムに掛かる。電源装置がそのような大きさの電流を供給可能であれば問題ないが、例えば再生可能エネルギー電源の多くに用いられるインバータ電源である場合など、電源装置の電流負荷の許容量が比較的小さい場合には、過電流リレーが当該配電線を遮断するまでに、当該配電線の異常の影響が電力供給システムの他の部分に及んでしまう。
【0007】
本開示は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、電力供給システムにおける配電線の異常を、過電流リレーよりも小さな電流量にて検出することが可能な異常検出装置および異常検出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
[1]本開示による異常検出装置は、電源装置に接続された母線と、母線に接続された配電線と、配電線に接続された電力負荷と、を備える電力供給システムに設けられる異常検出装置であって、配電線を流れる電流を測定する電流測定部と、電流測定部において測定された電流に関する数値の時間波形である第1の時間波形において、開始タイミングが互いに異なる複数のフレームそれぞれから電流特徴量を算出する特徴算出部と、電流特徴量に基づいて、配電線における異常を判定する判定部と、を備える。電流特徴量は、第1の時間波形に応じて変化し、第1の時間波形が配電線の異常を示す場合に上昇または低下する数値である。判定部は、特徴算出部において算出された電流特徴量と第1の閾値との大小関係に基づいて、配電線における異常を判定する。
【0009】
電流に関する数値の時間波形では、短絡および地落といった配電線の異常、並びに電力負荷の投入および開放といった通常の動作など、様々な事象のそれぞれに対応する特徴的な波形が形成される。上記[1]の異常検出装置では、配電線に異常が生じた場合に上昇または低下する数値である電流特徴量を第1の時間波形から算出し、その電流特徴量に基づいて、配電線における異常を判定する。これにより、電力供給システムにおける配電線の異常を、過電流リレーよりも小さな電流量にて検出することが可能になる。
【0010】
[2]上記[1]の異常検出装置において、電流に関する数値は、電流測定部において測定された電流の電流値、周波数、位相、および電流値の変化率からなる群より選択される少なくとも一つの数値であってもよい。電流に関する数値がこれらの数値のいずれであっても、配電線の異常が生じた場合に上昇または低下する電流特徴量を第1の時間波形から算出することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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