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公開番号2025101510
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-07
出願番号2023218407
出願日2023-12-25
発明の名称電源システム、電源システムの制御方法及び電源システムのプログラム
出願人日新電機株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類H02H 3/40 20060101AFI20250630BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】高調波を母線に注入し、短絡事故を判断する電源システムを提供する。
【解決手段】電力系統Sと負荷Lとの間に設けられ、前記負荷Lに電力を供給する電源システム100であって、電力系統遮断器10と、高調波注入部30と、負荷遮断器20を作動させて前記負荷Lを保護する保護リレー部70と、前記電力系統遮断器10の開閉状態に基づいて、前記高調波注入部30及び前記保護リレー部70を制御する制御部80とを備える。前記高調波注入部30は、前記電力系統遮断器10の開放状態に対応する第1の高調波の注入量と、閉止状態に対応する注入量である第2の高調波の注入量とを有し、前記保護リレー部70は、前記電力系統遮断器10の開放状態に対応する第1の整定値と、前記電力系統遮断器10の閉止状態に対応する第2の整定値とを有し、前記制御部80は、注入量切替信号出力部と、整定値切替信号出力部と、を有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
電力系統と負荷との間に設けられ、前記負荷に電力を供給する電源システムであって、
前記電力系統と前記母線とを電気的に接続する電力線を開閉する電力系統遮断器と、
前記母線に供給されている交流電力の所定周波数よりも高い周波数である高調波を前記母線に注入する高調波注入部と、
前記母線と前記負荷とを電気的に接続する電力線を開閉する負荷遮断器を整定値に基づいて作動させて前記負荷を保護する保護リレー部と、
前記電力系統遮断器の開閉状態に基づいて、前記高調波注入部及び前記保護リレー部を制御する制御部とを備え、
前記高調波注入部は、前記電力系統遮断器の開放状態に対応する第1の高調波の注入量と、前記電力系統遮断器の閉止状態に対応する注入量である第2の高調波の注入量とを有し、
前記保護リレー部は、前記電力系統遮断器の開放状態に対応する第1の整定値と、前記電力系統遮断器の閉止状態に対応する第2の整定値とを有し、
前記制御部は、
前記電力系統遮断器の開閉状態に応じて、前記第1の高調波の注入量と前記第2の高調波の注入量との間で前記高調波の注入量を切り替える注入量切替信号を前記高調波注入部に出力する注入量切替信号出力部と、
前記電力系統遮断器の開閉状態に応じて、前記第1の整定値と前記第2の整定値との間で前記整定値を切り替える整定値切替信号を前記保護リレー部に出力する整定値切替信号出力部とを有する、電源システム。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記第1の高調波の注入量は、前記第2の高調波の注入量よりも小さい値である、請求項1に記載の電源システム。
【請求項3】
以下の数1で定義される注入電圧歪が0.3%以上3%以下となるように、前記第1の高調波の注入量及び前記第2の高調波の注入量が設定される、請求項1又は2に記載の電源システム。
TIFF
2025101510000004.tif
12
166

inj
:注入電圧歪

inj
:第1の高調波の注入量又は第2の高調波の注入量

inj
:系統インピーダンス
V1 :基本波電圧
【請求項4】
電力系統と負荷との間に設けられ、前記負荷に電力を供給する電源システムの制御方法であって、
前記電源システムは、
前記電力系統と前記母線とを電気的に接続する電力線を開閉する電力系統遮断器と、
前記母線に供給されている交流電力の所定周波数よりも高い周波数である高調波を前記母線に注入する高調波注入部と、
前記母線と前記負荷とを電気的に接続する電力線を開閉する負荷遮断器を整定値に基づいて作動させて前記負荷を保護する保護リレー部とを備え、
前記電源システムの制御方法は、
前記電力系統遮断器の開閉状態に応じて、前記電力系統遮断器の開放状態に対応する注入量である第1の高調波の注入量と、前記電力系統遮断器の閉止状態に対応する注入量である第2の高調波の注入量との間で前記高調波の注入量を切り替え、
前記電力系統遮断器の開閉状態に応じて、前記電力系統遮断器の開放状態に対応する第1の整定値と前記電力系統遮断器の閉止状態に対応する第2の整定値との間で前記整定値を切り替える、電源システムの制御方法。
【請求項5】
電力系統と負荷との間に設けられ、前記負荷に電力を供給する電源システムのプログラムであって、
前記電源システムは、
前記電力系統と前記母線とを電気的に接続する電力線を開閉する電力系統遮断器と、
前記母線に供給されている交流電力の所定周波数よりも高い周波数である高調波を前記母線に注入する高調波注入部と、
前記母線と前記負荷とを電気的に接続する電力線を開閉する負荷遮断器を整定値に基づいて作動させて前記負荷を保護する保護リレー部とを備え、
前記電源システムのプログラムは、
前記電力系統遮断器の開閉状態に応じて、前記電力系統遮断器の開放状態に対応する注入量である第1の高調波の注入量と、前記電力系統遮断器の閉止状態に対応する注入量である第2の高調波の注入量との間で前記高調波の注入量を切り替える注入量切替信号を前記高調波注入部に出力する注入量切替信号出力部としての機能と、
前記電力系統遮断器の開閉状態に応じて、前記電力系統遮断器の開放状態に対応する第1の整定値と前記電力系統遮断器の閉止状態に対応する第2の整定値との間で前記整定値を切り替える整定値切替信号を前記保護リレー部に出力する整定値切替信号出力部としての機能とをコンピュータに発揮させる、電源システムのプログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電源システム、電源システムの制御方法及び電源システムのプログラムに関するものである。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
従来、電力系統と母線とが電気的に遮断されたオフグリッドにおいて、例えば再生可能エネルギー発電装置または蓄電部からの直流電力を交流電力に変換する電力変換器が母線を介して負荷に接続されている電源システムがある。
【0003】
この種の電源システムは、例えば特許文献1に示すように、商用周波数よりも高い周波数である高調波を母線に供給する高調波供給部と、整定値に基づいて母線と負荷とを電気的に遮断する保護リレー部とを備えるものが挙げられる。保護リレー部は、高調波供給部が供給した高調波からインピーダンスを算出し、算出したインピーダンスと整定値とを比較することによって、母線に短絡事故が発生しているかどうかを判断する。母線に短絡事故が発生している場合には保護リレー部が母線と負荷とを電気的に遮断するので、短絡事故の際に負荷を保護することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2018-183034号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記の電源システムは、短絡電流が不足した場合でも確実に短絡事故が発生していることを判断することができるように、供給された高調波に基づいて短絡事故を判断している。一方、将来的な再生可能エネルギー発電の主力電源化に伴い、電力系統において短絡事故が発生すると短絡電流が減少する可能性がある。この場合、電力系統と母線とが電気的に接続されたオングリッドにおいても短絡事故が発生していることを確実に判断することができるように、上記の電源システムを活用することが期待されている。
【0006】
しかしながら、上記の電源システムをそのままオングリッドにも適用すると、オフグリッド及びオングリッドの間で短絡容量又は系統インピーダンスが変化するので、保護リレー部が適切に作動しなくなってしまう恐れがある。また、オフグリッド及びオングリッドを切り替えることにより母線に過剰に高調波が供給されてしまい、母線での高調波歪みが発生する恐れがある。従って、上記の電源システムは、オフグリッド及びオングリッドのどちらの場合にも、短絡事故から負荷を適切に保護でき、かつ、母線での高調波歪みを抑制できるものではなかった。
【0007】
そこで、本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、高調波を母線に注入する電源システムにおいて、オフグリッド及びオングリッドのどちらの場合においても、短絡事故における負荷の保護及び母線での高調波歪みの抑制を両立することを主たる課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち本発明に係る電源システムは、電力系統と負荷との間に設けられ、前記負荷に電力を供給する電源システムであって、前記電力系統と前記母線とを電気的に接続する電力線を開閉する電力系統遮断器と、前記母線に供給されている交流電圧の所定周波数よりも高い周波数である高調波を前記母線に注入する高調波注入部と、前記母線と前記負荷とを電気的に接続する電力線を開閉する負荷遮断器を整定値に基づいて作動させて前記負荷を保護する保護リレー部と、前記電力系統遮断器の開閉状態に基づいて、前記高調波注入部及び前記保護リレー部を制御する制御部とを備え、前記高調波注入部は、前記電力系統遮断器の開放状態に対応する第1の高調波の注入量と、前記電力系統遮断器の閉止状態に対応する注入量である第2の高調波の注入量とを有し、前記保護リレー部は、前記電力系統遮断器の開放状態に対応する第1の整定値と、前記電力系統遮断器の閉止状態に対応する第2の整定値とを有し、前記制御部は、前記電力系統遮断器の開閉状態に応じて、前記第1の高調波の注入量と前記第2の高調波の注入量との間で前記高調波の注入量を切り替える注入量切替信号を前記高調波注入部に出力する注入量切替信号出力部と、前記電力系統遮断器の開閉状態に応じて、前記第1の整定値と前記第2の整定値との間で前記整定値を切り替える整定値切替信号を前記保護リレー部に出力する整定値切替信号出力部とを有することを特徴とする。
【0009】
このような電源システムであれば、オフグリッド及びオングリッドの間で切り替わることによって高調波注入部による注入量及び保護リレー部の整定値が切り替わるので、オフグリッド及びオングリッドの何れの場合も短絡事故時に負荷を適切に保護し、かつ、母線での高調波歪みを抑制することができる。
具体的には、注入量切替信号出力部が電力系統遮断器の開閉状態に応じて注入量切替信号を出力するので、オフグリッド及びオングリッドに応じて高調波注入部が高調波を注入する注入量が切り替わる。その結果、オフグリッド及びオングリッドの何れの場合も、高調波注入部がオフグリッド又はオングリッドに応じた高調波を注入することにより、母線での高調波歪みを抑制することができる。
加えて、整定値切替信号出力部が電力系統遮断器の開閉状態に応じて整定値切替信号を出力するので、オフグリッド及びオングリッドに応じて保護リレー部の整定値が切り替わる。その結果、オフグリッド及びオングリッドの間で例えば短絡容量や系統インピーダンスが変化したとしても、オフグリッドでの短絡事故及びオングリッドでの短絡事故のどちらの場合でも適切に負荷遮断器を作動させることができる。
【0010】
オフグリッドにおいて、第1の高調波の注入量と同じ注入量又はそれよりも大きい注入量を高調波注入部が母線に注入すると、オフグリッドにおける母線での高調波歪みが大きくなってしまう。従って、オフグリッド及びオングリッドの何れの場合においても母線での高調波歪みを防止するには、第1の高調波の注入量は、第2の高調波の注入量よりも小さい値であることが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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