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公開番号2025103177
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-09
出願番号2023220354
出願日2023-12-27
発明の名称遮熱装置
出願人住友金属鉱山株式会社
代理人個人,個人
主分類H02G 3/04 20060101AFI20250702BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】 漏洩した熔融金属から発せられる輻射熱によるケーブルの焼損を防ぐ遮熱板を提供する。
【解決手段】 自熔炉や転炉等の機器から漏洩した熔融金属Mの輻射熱によるケーブル群Cの焼損を防ぐ遮熱装置10であって、耐腐食性を有する2枚以上の鉄系板材11、12からなり、これら鉄系板材11、12は各々の板厚が0.5mm以上3.0mm以下であって、隣接するもの同士互いに平行で且つ150mm以上離間しており、ケーブル群Cの敷設位置と漏洩した熔融金属Mの滞留領域との間において、該滞留領域に対向するように設けられている。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
機器から漏洩した熔融金属の輻射熱によるケーブル群の焼損を防ぐ遮熱装置であって、耐腐食性を有する2枚以上の鉄系板材からなり、これら鉄系板材は各々の板厚が0.5mm以上3.0mm以下であって、隣接するもの同士互いに平行で且つ150mm以上離間しており、前記ケーブル群の敷設位置と前記漏洩した熔融金属の滞留領域との間において、該滞留領域に対向するように設けられていることを特徴とする遮熱装置。
続きを表示(約 200 文字)【請求項2】
前記ケーブル群がケーブルラックの上に敷設されており、該ケーブルラックから真下に離間する位置に、前記2枚以上の鉄系板材が複数本の金属棒によって吊設されていることを特徴とする、請求項1に記載の遮熱装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の遮熱装置で保護されたケーブルを介して給電する電気を用いて熔融金属を取り扱う機器を稼働することを特徴とする銅の精錬方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、高温の発熱体の輻射熱を遮蔽する遮熱装置に関し、特に銅製錬工場の自熔炉や転炉等の機器から漏洩した熔融金属の輻射熱によって周辺のケーブルが焼損するのを防止する遮熱装置に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
乾式による銅製錬では、主として黄銅鉱からなる硫化鉱に対して選鉱等を行なうことで得られる銅品位20~30%程度の銅精鉱を原料として用いている。この銅精鉱を珪石と共に自熔炉に装入して酸化処理することで鉄分がスラグとして相分離され、銅品位60%程度のマットが生成される。このマットを転炉に装入して更に酸化処理することで生成した銅品位98%程度の粗銅を後段の精製炉に装入して酸素を除去することで、銅品位99%以上の精製粗銅が生成される。この精製粗銅を鋳造することで成形されるアノードを電解製錬することで、銅品位99.99%以上の電気銅が製造される。
【0003】
上記の自熔炉、転炉、及び精製炉では、少なくとも1000℃を超え、場合によっては1250℃程度にまで達する極めて高温の熔融状態の金属(以下、熔融金属又は熔体と称する)を取り扱うため、何らかの操業トラブルにより上記炉から熔融金属が漏洩して大気に曝されると、当該炉を稼働させる電力ケーブルやその周辺の電子機器の通信ケーブル等の種々のケーブルが、漏洩した熔融金属から発せられる極めて強い輻射熱により焼損するおそれがある。
【0004】
上記の熔融金属の漏洩が生じたときは、周辺の可燃物の火災の消火や機器の漏洩箇所の補修等の措置をすぐに講じることで機器や建屋のダメージを最小限に抑えることができるが、上記機器を稼働する電気を給電するケーブルが焼損するとその復旧に長期間を要することが多く、焼損の程度によっては該機器の操業停止が数日以上に及ぶおそれがある。銅製錬において数日以上の操業停止になると電気銅の出荷が停止するので、電気銅を原材料とする下流側の産業に深刻な事態をもたらすことになる。従って自熔炉や転炉等の熔融金属を取り扱う機器から熔融金属が漏洩した時に、その輻射熱による悪影響が周辺のケーブルに及ばないことが望まれる。
【0005】
そこで、高温の発熱体から発せられる輻射熱からケーブルを保護する様々な技術が提案されている。例えば特許文献1には、断熱材を備えた遮蔽板をケーブルラックの下方に設けることで、該ケーブルラックに敷設したケーブル群の焼損を防ぐ技術が開示されている。この特許文献1の技術は、断熱材をスペーサーを介して遮蔽板の上面側に設けることで、これら断熱材と遮蔽板との間に空気層が形成されるので優れた断熱効果が得られると記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2000-350328号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、遮熱板を1枚設けただけでは銅製錬で取り扱う1000℃を超える熔融金属から発せられる輻射熱に対してケーブルを保護するのは困難である。すなわち、ステファン・ボルツマンの法則によれば発熱体から発せられる放射エネルギーは該発熱体の温度の4乗に比例するため、発熱体の温度が約700℃を超えると、輻射熱が周囲の機器に及ぼす影響が特に顕著になり、電力用ケーブル、制御用ケーブル、同軸ケーブル、ethernetケーブル、光ケーブルなどのケーブルの被覆材として一般的に使用されるPVC(ポリ塩化ビニル)、PE(ポリエチレン)、フッ素樹脂などの絶縁体を焼損させるおそれがある。
【0008】
更に、ケーブルに焼損が生じると、このケーブルが導火線のようになって火災が広がり、計器室や電気室の機器にまで悪影響を及ぼすおそれがある。また、銅製錬ではマットの生成時に亜硫酸ガスが副生するため、遮熱材として一般的に用いる鉄材や断熱材では亜硫酸によって腐食することが問題になる。本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、漏洩した熔融金属から発せられる輻射熱によりケーブルが焼損するのを防ぐ遮熱板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明に係る遮熱装置は、機器から漏洩した熔融金属の輻射熱によるケーブル群の焼損を防ぐ遮熱装置であって、耐腐食性を有する2枚以上の鉄系板材からなり、これら鉄系板材は各々の板厚が0.5mm以上3.0mm以下であって、隣接するもの同士互いに平行で且つ150mm以上離間しており、前記ケーブル群の敷設位置と前記漏洩した熔融金属の滞留領域との間において、該滞留領域に対向するように設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、漏洩した熔融金属から発せられる輻射熱によりケーブルが焼損するのを簡易且つ比較的低コストに防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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