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公開番号
2025122562
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-21
出願番号
2024018141
出願日
2024-02-08
発明の名称
磁歪部材及び磁歪部材の製造方法
出願人
住友金属鉱山株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
H10N
35/85 20230101AFI20250814BHJP()
要約
【課題】磁歪式振動発電デバイスを製造した際のデバイス特性において、簡単に評価でき、かつ、磁歪部材の大きさや厚みに影響を受けない安定した指標を用い、デバイス特性が大きく、かつ、最適磁場強度のばらつきも抑制される、磁歪部材及び磁歪部材の製造方法を提供すること。
【解決手段】磁歪部材は、同一の結晶から複数得られる磁歪部材であって、磁歪特性を有する鉄系合金の結晶からなり、長手方向及び短手方向を有する板状体であり、前記板状体の表面及び裏面のうちの少なくとも1つの面は、前記長手方向に延びる複数の溝を有し、複数の前記磁歪部材は、電気-機械等価回路解析によって求められる半値周波数結合係数(=k
f1f2
)が最大となるときの磁場強度を最適磁場強度とし、前記最適磁場強度の標準偏差と前記最適磁場強度の平均値との比(標準偏差/平均値)が0.2以下である。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
同一の結晶から複数得られる磁歪部材であって、
磁歪特性を有する鉄系合金の結晶からなり、
長手方向及び短手方向を有する板状体であり、
前記板状体の表面及び裏面のうちの少なくとも1つの面は、前記長手方向に延びる複数の溝を有し、
複数の前記磁歪部材は、電気-機械等価回路解析によって求められる半値周波数結合係数(=k
f1f2
)が最大となるときの磁場強度を最適磁場強度とし、前記最適磁場強度の標準偏差と前記最適磁場強度の平均値との比(標準偏差/平均値)が0.2以下である、磁歪部材。
続きを表示(約 1,200 文字)
【請求項2】
前記複数の磁歪部材は、電気-機械等価回路解析によって求められる前記半値周波数結合係数(=k
f1f2
)の最大値の標準偏差と前記半値周波数結合係数(=k
f1f2
)の最大値の平均値との比(標準偏差/平均値)が0.3以下である、請求項1に記載の磁歪部材。
【請求項3】
前記複数の磁歪部材は、電気-機械等価回路解析によって求められる前記半値周波数結合係数(=k
f1f2
)の最大値の標準偏差と前記半値周波数結合係数(=k
f1f2
)の最大値の平均値との比(標準偏差/平均値)が0.1以下である請求項1に記載の磁歪部材。
【請求項4】
同一の結晶から複数得られる磁歪部材であって、
磁歪特性を有する鉄系合金の結晶からなり、
長手方向及び短手方向を有する板状体であり、
複数の前記磁歪部材は、電気-機械等価回路解析によって求められる半値周波数結合係数(=k
f1f2
)が最大となるときの強度を最適磁場強度とし、前記最適磁場強度の標準偏差と最適磁場強度の平均値との比(標準偏差/平均値)が0.2以下であり、かつ電気-機械等価回路解析によって求められる半値周波数結合係数(=k
f1f2
)の最大値の標準偏差と前記半値周波数結合係数(=k
f1f2
)の最大値の平均値との比が(標準偏差/平均値)が0.3以下である磁歪部材。
【請求項5】
前記板状体の厚みは0.3mm以上5mm以下である請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の磁歪部材。
【請求項6】
請求項1~4のいずれか一項に記載の磁歪部材の製造方法であって、
磁歪特性を有する鉄系合金の結晶からなりかつ長手方向及び短手方向を有する板状体の表面及び裏面のうちの少なくとも1つの面に、前記長手方向に延びる複数の溝を形成することと、
前記長手方向に延びる複数の溝を形成した前記板状体を熱処理すること、を備えた磁歪部材の製造方法。
【請求項7】
前記複数の溝を平面研削加工により形成することを含む、請求項6に記載の磁歪部材の製造方法。
【請求項8】
前記熱処理の熱処理温度は400℃以上700℃以下である、請求項6に記載の磁歪部材の製造方法。
【請求項9】
前記熱処理の保持時間は5時間以内である、請求項6に記載の磁歪部材の製造方法。
【請求項10】
前記複数の溝を形成した前記板状体を切断する切断工程と、
前記切断工程により切断された前記板状体に対して面取り加工を行う面取り工程と、を備える、請求項6に記載の磁歪部材の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁歪部材及び磁歪部材の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)
【背景技術】
【0002】
磁歪材料は、機能性材料として注目されている。例えば、鉄系合金であるFe-Ga合金は、磁歪効果および逆磁歪効果を示す材料であり、100~350ppm程度の大きな磁歪を示す。そのため、近年、エネルギーハーベスト分野の振動発電用材料として注目され、ウェアラブル端末やセンサ類などへの応用が期待されている。Fe-Ga合金の単結晶の製造方法として、引き上げ法(チョクラルスキー法、以下「Cz法」と略記する)による単結晶の育成方法が知られている(例えば、特許文献1)。また、Cz法以外の製造方法として、垂直ブリッジマン法(VB法)や垂直温度勾配凝固法(VGF法)が知られている(例えば、特許文献2、特許文献3)。
【0003】
Fe-Ga合金は、結晶の<100>方位に磁化容易軸を持ち、この方位に大きな磁気歪みを現出させることができる。従来、Fe-Ga合金の磁歪部材は、Fe-Gaの多結晶から<100>方位に配向した単結晶部分を所望サイズに切断することにより製造されているが(例えば、非特許文献1)、結晶方位は磁歪特性に大きく影響するため、磁歪部材の磁歪を必要とする方向と結晶の磁気歪みが最大となる<100>方位とを一致させた単結晶が磁歪部材の材料として最適であると考えられる。
【0004】
Fe-Ga合金の単結晶は、単結晶の<100>方位に対して平行に磁場を印加したとき、正の磁歪が現出する(以下、「平行磁歪量」と称す)。一方、<100>方位に対して垂直に磁場を印加したとき、負の磁歪が現出する(以下、「垂直磁歪量」と称す)。印加する磁場の強度を徐々に強めていくと、平行磁歪量あるいは垂直磁歪量がそれぞれ飽和する。磁歪定数(3/2λ
100
)は、飽和した平行磁歪量と、飽和した垂直磁歪量の差で決定され、下記の式(A)によって求められる(例えば、特許文献4、非特許文献2)。
【0005】
3/2λ
100
=ε(//)― ε(⊥) ・・・式(A)
3/2λ
100
:磁歪定数
ε(//):<100>方向に対して平行に磁場をかけて飽和したときの平行磁歪量
ε(⊥) :<100>方向に対して垂直に磁場をかけて飽和したときの垂直磁歪量
【0006】
Fe-Ga合金の磁歪特性は、磁歪・逆磁歪効果および磁歪式振動発電デバイスの特性に影響を与えると考えられており、デバイス設計をする上で重要なパラメータとなる(例えば、非特許文献4)。特に、磁歪定数は、Fe-Ga合金単結晶のGa組成に依存し、Ga組成が18~19at%と27~28at%で磁歪定数が極大になることが知られており(例えば、非特許文献2)、このようなGa濃度のFe-Ga合金をデバイスに用いることが望ましいとされる。さらに近年、磁歪定数が大きいことに加えて、平行磁歪量が大きいほど出力電圧等のデバイス特性が高い傾向にあることが報告されている(例えば、非特許文献3)。
【0007】
磁歪式振動発電デバイスは、例えば、コイルに巻かれたFe-Ga磁歪部材、ヨーク、界磁用永久磁石で構成されている(例えば、特許文献5、非特許文献4)。この磁歪式振動発電デバイスでは、デバイスの可動部のヨークを振動させると、ヨークの中央に固定したFe-Ga磁歪部材が連動して振動し、逆磁歪効果によってFe-Ga磁歪部材に巻かれたコイルの磁束密度が変化し、電磁誘導起電力が発生して発電する仕組みとなる。磁歪式振動発電デバイスでは、ヨークの長手方向に力が加わって振動が起こるため、デバイスに用いるためのFe-Ga磁歪部材は、磁化容易軸である<100>を長手方向になるように加工することが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2016-28831号公報
特開2016-138028号公報
特開平4-108699号公報
特表2015-517024号公報
国際公開第2011/158473号
国際公開第2021/100467号
特開2020-63997号公報
【非特許文献】
【0009】
Etrema社,State of the Art of Galfenol Processing.
A. E. Clark et al., Appl. Phys. 93(2003)8621.
Jung Jin Park, Suok-Min Na, Ganesh Raghunath, and Alison B. Flatau., AIP ADVANCES 6, 056221(2016).
上野敏幸, 精密工学会誌 Vol. 79, No.4, (2013) 305-308.
海洋音響学会誌24巻第3号(1997)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
磁歪式振動発電デバイス等のデバイス特性は、磁歪部材の磁歪特性に影響を受けるため、磁歪部材は、高い磁歪特性を有し、磁歪特性のばらつきの少ないものが要求される。このような中で、Fe-Ga合金の単結晶の結晶方位が<100>であり、Ga濃度が均一であるならば、磁歪定数の均一な磁歪部材が得られると思われていた。しかし、非特許文献3に記載されるように、デバイス特性は、磁歪定数だけでなく平行磁歪量の影響があることが開示されている。そこで、特許文献6では、磁歪部材の長手方向に延びる複数の溝、例えば研削痕を付加することで磁歪定数及び平行磁歪量が高く、部材間の磁歪定数及び平行磁歪量のばらつきが少ない磁歪部材を得られることが開示されている。この磁歪部材を用いて前記磁歪式振動発電デバイスに組み込んでデバイス特性を確認した所、所定のデバイス出力(例えば、力係数等の発電量)を得られたこと、かつ、デバイス間でのデバイス出力にばらつきの少ないことが確認できた。
(【0011】以降は省略されています)
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