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公開番号2025123642
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-25
出願番号2024019211
出願日2024-02-13
発明の名称遠心分離装置の運転方法、遠心分離装置およびプログラム
出願人住友金属鉱山株式会社
代理人個人,個人
主分類B04B 13/00 20060101AFI20250818BHJP(物理的または化学的工程を行なうための遠心装置または機械)
要約【課題】排出配管の詰まりを早期に発見する。
【解決手段】固形物と液体とが混合したスラリーを収容可能な回転槽15と、回転槽15を回転させる駆動力を供給可能な主モータ17と、回転槽15において固液分離された分離液を排出可能な排液配管22とを備える。主モータ17を流れる電流値の計測結果を用いて、排出配管の詰まりの有無を判定する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
固形物と液体とが混合されたスラリーを収容し、前記液体を分離して前記固形物を残留させる分離手段と、
前記分離手段を予め定められた低速回転および前記低速回転より高速な高速回転で回転させる駆動手段と、
前記分離手段において固液分離された分離液を、排出配管を通して排出する排出手段と、
を備える遠心分離装置の運転方法であって、
前記駆動手段に流れる電流の電流値を計測し、この計測結果を用いて、前記排出配管における詰まりの有無を判定することを特徴とする遠心分離装置の運転方法。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記分離手段を所定の低速回転速度まで加速する起動工程と、
前記分離手段に前記スラリーを供給する給液工程と、
前記駆動手段を制御して、前記スラリーを収容した前記分離手段を前記高速回転で回転させ、前記スラリーを固液分離する脱液工程と、
前記分離手段を前記高速回転から減速させる制動工程と、
前記分離手段の減速後に、前記分離手段に積層された前記固形物を掻き落とす掻き取り工程とを含み、
前記給液工程では、所定の給液時間が経過したことまたはセンサの検知に対応して、給液を停止し、
前記脱液工程では、前記低速回転から前記高速回転へと前記駆動手段の運転を行うと共に、前記排出配管における詰まりの有無を判定することを特徴とする、請求項1に記載の遠心分離装置の運転方法。
【請求項3】
前記計測された前記電流値が基準電流値以上である時間が予め設定された条件を充足する場合に、前記排出配管における詰まりがあると判定することを特徴とする、請求項1または2に記載の遠心分離装置の運転方法。
【請求項4】
前記排出配管に詰まりがあると判定した場合に、警報を発生し、前記分離手段への前記スラリーの供給を停止することを特徴とする、請求項3に記載の遠心分離装置の運転方法。
【請求項5】
前記基準電流値が、正常な前記駆動手段に流れる前記電流の最大値の0.5倍~0.8倍の値であることを特徴とする、請求項3に記載の遠心分離装置の運転方法。
【請求項6】
固形物と液体とが混合されたスラリーを収容する分離手段と、
前記分離手段を回転させる駆動手段と、
前記駆動手段を制御する制御手段と、
前記分離手段の回転により分離された前記液体を排出する排出手段とを備え、
前記制御手段は、前記駆動手段に流れる電流の電流値を計測する計測手段と、前記計測手段による前記電流値の計測結果を用いて、前記排出手段における詰まりの有無を判定する判定手段とを含むことを特徴とする遠心分離装置。
【請求項7】
固形物と液体とが混合されたスラリーを収容する分離手段と、前記分離手段を回転させる駆動手段と、前記分離手段の回転により分離された前記液体を排出する排出手段とを備える遠心分離装置の運転を制御するコンピュータを、
前記駆動手段に流れる電流の電流値を取得する取得手段と、前記取得手段により取得した前記電流値を用いて、前記排出手段における詰まりの有無を判定する判定手段として機能させるプログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、固形物と液体とが混合されたスラリーを収容して固液分離する遠心分離装置の運転方法、遠心分離装置およびプログラムに関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
遠心力を利用して分離する装置である遠心分離装置は、遠心濾過機と遠心沈降機に大別することができる。前者の遠心濾過機は代表的にはバスケットとも称する有孔円筒状の回転体の内側に濾布を貼り付けた構造を有しており、固液分離された固形分は回分式で排出されることが多い。例えば特許文献1に記載されている塩素浸出工程、セメンテーション工程、電解工程、その他の工程を含む塩素浸出法によりニッケルなどの非鉄金属を回収する非鉄金属製錬プロセスにおいては、セメンテーション工程で生成した回収目的金属を含むセメンテーション終液を、残渣を含む固形分から分離する必要がある。このため、その固液分離装置として回分式の自動遠心分離装置を使用している。
【0003】
一方、後者の遠心沈降機は、代表的にはデカンタとも称する円錐部を有する横型円筒状の回転体の内側にスクリューコンベアを同芯軸状に配した構造を有しており、固液分離された固形分はスクリューコンベアで円錐部側の先端部から連続的に排出される。例えば特許文献2には、石炭・灯油スラリーを固液分離するデカンタ式遠心分離機が開示されており、スクリューコンベアに作用するトルクの目標値と実測値との差に基づいて、供給ラインに設けた流量制御弁の開度を制御する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平11-236630号公報
特開2014-214272号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記したような遠心分離装置においては、回転体の駆動手段であるモータの寿命は、その負荷量(積算電流値)に強く依存する。回分式の遠心分離装置の運転工程は、一般に起動工程、給液工程、脱液工程、制動工程、および掻取工程の順で実行されるが、発明者らによる調査の結果、モータが高速運転となる脱液工程が長時間に及ぶことがあることが判明した。モータの高速運転が長時間に及ぶと、モータの負荷が高まるので劣化が早まり、短命化につながる。一般にモータはその劣化状態を事前に検知して予防保全を行うことは困難であり、突発的に故障が発生しやすい。この場合は復旧対応に時間を要するので生産量の機会損失につながる。積算電流値で交換時期を判断する方法もあるが、余裕を見た過剰管理をせざるを得ないため、得策では無い。
【0006】
遠心分離装置により固液分離された分離液は、排液用の排出配管を通して外部に排出される。この分離液にはわずかながら分離しきれなかった固形分が含まれることがあり、また、分離液の組成によっては液温の低下などにより固液分離後に固形分が析出することがある。そのため、上記の排出配管では詰まりの問題が生ずることがある。発明者らの調査の結果、かかる排出配管における詰まりの発生が、脱液工程でのモータの高負荷の一因となっていることが判明した。また、排出配管における詰まりが発生したときは、分離液の送液量を減少させないために、排出配管内部の清掃や部品の交換が必要となる。この詰りの程度が軽度のときは、洗浄水による洗浄等の作業によって復旧することもあるし、排出配管内部の清掃作業が必要になったとしても短時間で済む。ところが、発見と処置が遅れて、この詰りの程度が重度に至ってしまったとき、遠心分離装置を停止せざるを得なくなる事態が発生しうる。そうすると、モータの劣化を早めると共に、生産量の機会損失にもつながる。このため、排出配管の詰まりの発見が遅延すれば、上述の様々な問題が発生するおそれがある。
【0007】
本発明は、上記実状に鑑みてなされたものであり、分離液用の排出配管の詰まりとその程度を早期に発見することが可能な遠心分離装置の運転方法、遠心分離装置およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、遠心分離装置の排出手段における排出配管に詰まりが発生した場合に、駆動手段であるモータを流れる電流値が、詰まりのない場合と比較して異なることを見出した。そこで、駆動手段を流れる電流値の計測結果を用いることにより、上記目的が達成できることに想到し、本発明を完成させるに至った。
【0009】
すなわち、本発明に係る遠心分離装置の運転方法は、固形物と液体とが混合されたスラリーを収容し、前記液体を分離して前記固形物を残留させる分離手段と、前記分離手段を予め定められた低速回転および前記低速回転より高速な高速回転で回転させる駆動手段と、前記分離手段において固液分離された分離液を、排出配管を通して排出する排出手段と、を備える遠心分離装置の運転方法であって、前記駆動手段に流れる電流の電流値を計測し、この計測結果を用いて、前記排出配管における詰まりの有無を判定することを特徴とする。
【0010】
前記運転方法は、前記分離手段を所定の低速回転速度まで加速する起動工程と、前記分離手段に前記スラリーを供給する給液工程と、前記駆動手段を制御して、前記スラリーを収容した前記分離手段を前記高速回転で回転させ、前記スラリーを固液分離する脱液工程と、前記分離手段を前記高速回転から減速させる制動工程と、前記分離手段の減速後に、前記分離手段に積層された前記固形物を掻き落とす掻き取り工程とを含み、前記給液工程では、所定の給液時間が経過したことまたはセンサの検知に対応して、給液を停止し、前記脱液工程では、前記低速回転から前記高速回転へと前記駆動手段の運転を行うと共に、前記排出配管における詰まりの有無を判定するようにしてもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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