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公開番号
2024140610
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-10
出願番号
2023051824
出願日
2023-03-28
発明の名称
ハニカムフィルタ
出願人
日本碍子株式会社
代理人
弁理士法人光陽国際特許事務所
,
個人
,
個人
主分類
B01J
35/57 20240101AFI20241003BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約
【課題】機械的強度が高く、且つ排ガス浄化用の触媒を担持して使用した際の圧力損失の上昇を有効に抑制することが可能なハニカムフィルタを提供する。
【解決手段】第一端面11から第二端面12まで延びる流体の流路となる複数のセル2を取り囲むように配置された多孔質の隔壁1を有する柱状のハニカム構造体4と、それぞれのセル2の第一端面11側又は第二端面12側の開口部に配設された目封止部5と、を備え、隔壁1の厚さが、203~254μmであり、水銀圧入法によって測定された隔壁1の気孔率が、55~70%であり、水銀圧入法によって測定された隔壁1の平均細孔径が、20~25μmであり、隔壁1は、当該隔壁1を構成する多孔質基材の実体部分が局所的に細くなる基材ネック部の平均基材ネック径が、11~18μmである。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
第一端面から第二端面まで延びる流体の流路となる複数のセルを取り囲むように配置された多孔質の隔壁を有する柱状のハニカム構造体と、
前記セルの前記第一端面側の端部又は前記第二端面側の端部のいずれか一方に配設された目封止部と、を備え、
前記隔壁の厚さが、203~254μmであり、
水銀圧入法によって測定された前記隔壁の気孔率が、55~70%であり、
水銀圧入法によって測定された前記隔壁の平均細孔径が、20~25μmであり、
前記隔壁は、当該隔壁を構成する多孔質基材の実体部分が局所的に細くなる基材ネック部の平均基材ネック径が、11~18μmである、ハニカムフィルタ。
続きを表示(約 340 文字)
【請求項2】
水銀圧入法によって測定された前記隔壁の全細孔容積に対する細孔径が10μm以下の細孔の細孔容積率が、0.1~3.0%である、請求項1に記載のハニカムフィルタ。
【請求項3】
前記ハニカム構造体のセル密度が、43.4~49.6個/cm
2
である、請求項1又は2に記載のハニカムフィルタ。
【請求項4】
前記隔壁が、コージェライトを主成分として含む材料から構成されている、請求項1又は2に記載のハニカムフィルタ。
【請求項5】
水銀圧入法によって測定された前記隔壁の細孔径分布において、累積細孔容積が全細孔容積の10%となる細孔径D10が、16~19μmである、請求項1又は2に記載のハニカムフィルタ。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハニカムフィルタに関する。更に詳しくは、機械的強度が高く、且つ排ガス浄化用の触媒を担持して使用した際の圧力損失の上昇を有効に抑制することが可能なハニカムフィルタに関する。
続きを表示(約 1,700 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、自動車のエンジン等の内燃機関より排出される排ガス中の粒子状物質を捕集するフィルタや、CO,HC,NOxなどの有毒なガス成分を浄化する装置として、ハニカム構造体を用いたハニカムフィルタが知られている(特許文献1参照)。ハニカム構造体は、コージェライトなどの多孔質セラミックスによって構成された隔壁を有し、この隔壁によって複数のセルが区画形成されたものである。ハニカムフィルタは、上述したハニカム構造体に対して、複数のセルの流入端面側の開口部と流出端面側の開口部とを交互に目封止するように目封止部を配設したものである。即ち、ハニカムフィルタは、流入端面側が開口し且つ流出端面側が目封止された流入セルと、流入端面側が目封止され且つ流出端面側が開口した流出セルとが、隔壁を挟んで交互に配置された構造となっている。そして、ハニカムフィルタにおいては、多孔質の隔壁が、排ガス中の粒子状物質(例えば、スス)を捕集するフィルタの役目を果たしている。以下、排ガスに含まれる粒子状物質を、「PM」ということがある。「PM」は、「particulate matter」の略である。
【0003】
排ガス中のPMを捕集するためのハニカムフィルタは、その圧力損失を低減するために種々の検討が行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2002-219319号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ハニカムフィルタの圧力損失を低減するための対策として、隔壁の気孔率を高くする方法や、隔壁の厚さを薄くする方法などが種々検討されている。
【0006】
しかしながら、ハニカムフィルタの圧力損失を低減するために隔壁の気孔率を高くすると、隔壁の材料強度の確保が難しくなるという問題があった。以下、上記した「隔壁の気孔率を高くする」ことを「隔壁の高気孔率化」ということがある。例えば、隔壁の高気孔率化の一例として、隔壁の厚さを216μmとし、セル密度を46.5個/cm
2
とした場合、隔壁の気孔率を63%以下にしないと、ハニカムフィルタの機械的強度についての指針の1つであるアイソスタティック強度(Isostatic strength)を1MPa以上にすることが困難となることがある。
【0007】
また、隔壁の厚さを薄くすることにより一定の圧力損失の低減効果は得られるものの、上述した隔壁の高気孔率化と同様に、隔壁の材料強度の確保が難しくなるという問題があった。以下、上記した「隔壁の厚さを薄くする」ことを「隔壁の薄壁化」ということがある。また、隔壁の高気孔率化と薄壁化の併用を行う場合には、ハニカムフィルタのアイソスタティック強度等の機械的強度の確保が更に困難となってしまう。
【0008】
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものである。本発明によれば、機械的強度が高く、且つ排ガス浄化用の触媒を担持して使用した際の圧力損失の上昇を有効に抑制することが可能なハニカムフィルタが提供される。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、以下に示す、ハニカムフィルタが提供される。
【0010】
[1] 第一端面から第二端面まで延びる流体の流路となる複数のセルを取り囲むように配置された多孔質の隔壁を有する柱状のハニカム構造体と、
前記セルの前記第一端面側の端部又は前記第二端面側の端部のいずれか一方に配設された目封止部と、を備え、
前記隔壁の厚さが、203~254μmであり、
水銀圧入法によって測定された前記隔壁の気孔率が、55~70%であり、
水銀圧入法によって測定された前記隔壁の平均細孔径が、20~25μmであり、
前記隔壁は、当該隔壁を構成する多孔質基材の実体部分が局所的に細くなる基材ネック部の平均基材ネック径が、11~18μmである、ハニカムフィルタ。
(【0011】以降は省略されています)
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