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公開番号
2024145698
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-15
出願番号
2023058161
出願日
2023-03-31
発明の名称
センサ素子およびガスセンサ
出願人
日本碍子株式会社
代理人
弁理士法人アイテック国際特許事務所
主分類
G01N
27/416 20060101AFI20241004BHJP(測定;試験)
要約
【課題】センサ素子のクラックを抑制する。
【解決手段】センサ素子20は、長手方向に沿った両端である前端および後端と、長手方向に沿った第1面60aとを有する素子本体60と、第1面60aの前端側に配設された外側電極64と、第1面60aの後端側に配設された上側コネクタ電極71と、第1面60aに配設され且つ外側電極64と上側コネクタ電極71(71b)とを電気的に導通する外側リード線75と、第1面60aにおける上側コネクタ電極71よりも素子本体60の前端側に配設された第1緻密層92と、を備える。外側リード線75は、第1緻密層92に被覆された第1領域77を有する。第1領域77は、ジルコニアを含み、ラマン分光法を用いて測定されたラマンスペクトルにおけるジルコニアのT相のピーク高さHtとM相のピーク高さHmとの比Ht/HmであるTM比が2未満である。第1緻密層92は、厚さが11μm未満である。
【選択図】図3
特許請求の範囲
【請求項1】
被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するためのセンサ素子であって、
長手方向に沿った両端である前端および後端と、前記長手方向に沿った表面である側面と、を有し、前記前端側が前記被測定ガスに晒される素子本体と、
前記側面の前記前端側に配設された外側電極と、
前記側面の前記後端側に配設され、外部と電気的に導通するためのコネクタ電極と、
前記側面に配設され、前記外側電極と前記コネクタ電極とを導通する外側リード部と、
前記側面の一部を被覆し、前記コネクタ電極よりも前記前端側に配設された緻密層と、
を備え、
前記外側リード部は、少なくとも一部が前記緻密層に被覆された第1領域を有し、
前記第1領域は、ジルコニアを含み、ラマン分光法を用いて測定されたラマンスペクトルにおけるジルコニアのT相のピーク高さHtとM相のピーク高さHmとの比Ht/HmであるTM比が2未満であり、
前記緻密層は、厚さが11μm未満である、
センサ素子。
続きを表示(約 420 文字)
【請求項2】
前記第1領域は、前記TM比が1以下である、
請求項1に記載のセンサ素子。
【請求項3】
前記第1領域は、前記TM比が0.1以下である、
請求項1または2に記載のセンサ素子。
【請求項4】
前記第1領域は、前記TM比が0.01以上である、
請求項1または2に記載のセンサ素子。
【請求項5】
前記緻密層は、厚さが10μm以下である、
請求項1または2に記載のセンサ素子。
【請求項6】
前記外側リード部は、前記第1領域と、第2領域と、を有し、
前記緻密層は、前記緻密層の前記前端側から前記後端側までに亘って、前記第1領域と前記第2領域とのうち前記第1領域のみを被覆している、
請求項1または2に記載のセンサ素子。
【請求項7】
請求項1または2に記載のセンサ素子を備えるガスセンサ。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサ素子およびガスセンサに関する。
続きを表示(約 1,700 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、自動車の排気ガスなどの被測定ガスにおけるNOxなどの特定ガスの濃度を検出するセンサ素子が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1のセンサ素子は、素子本体と外側電極とコネクタ電極と外側リード部と多孔質層と緻密層とを備えている。素子本体の前端側は、被測定ガスに晒される。外側電極は、素子本体の側面の前端側に配設されている。コネクタ電極は、素子本体の側面の後端側に配設されており、コネクタの接触部と電気的に導通する。外側リード部は、素子本体の側面に配設されており、外側電極とコネクタ電極とを電気的に導通する。多孔質層は、素子本体の側面に配設されており、外側リード部の少なくとも一部を被覆してこれを保護する。緻密層は、多孔質層を素子本体の長手方向に沿って分割するかまたは多孔質層よりも後端側に位置するように素子本体の側面に配設され、コネクタ電極よりも前端側に位置している。被測定ガス中の水分が毛細管現象によって多孔質層内を素子本体の後端側に向かって移動する場合に、緻密層では毛細管現象が生じにくいため、緻密層が存在することで水がコネクタ電極まで到達することを抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第2019/155865号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のように外側リード部の少なくとも一部が緻密層に覆われたセンサ素子において、センサ素子にクラックが発生する場合があった。
【0005】
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、センサ素子のクラックを抑制することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述した主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0007】
[1]本発明のセンサ素子は、
被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するためのセンサ素子であって、
長手方向に沿った両端である前端および後端と、前記長手方向に沿った表面である側面と、を有し、前記前端側が前記被測定ガスに晒される素子本体と、
前記側面の前記前端側に配設された外側電極と、
前記側面の前記後端側に配設され、外部と電気的に導通するためのコネクタ電極と、
前記側面に配設され、前記外側電極と前記コネクタ電極とを導通する外側リード部と、
前記側面の一部を被覆し、前記コネクタ電極よりも前記前端側に配設された緻密層と、
を備え、
前記外側リード部は、少なくとも一部が前記緻密層に被覆された第1領域を有し、
前記第1領域は、ジルコニアを含み、ラマン分光法を用いて測定されたラマンスペクトルにおけるジルコニアのT相のピーク高さHtとM相のピーク高さHmとの比Ht/HmであるTM比が2未満であり、
前記緻密層は、厚さが11μm未満である、
ものである。
【0008】
このセンサ素子では、外側リード部が、少なくとも一部が緻密層に被覆された第1領域を有している。第1領域は、ジルコニアを含み、ジルコニアのTM比が2未満である。また、緻密層は、厚さが11μm未満である。これらにより、センサ素子のクラックの発生を抑制できる。発明者らは、このことを実験や解析により確認した。なお、第1領域のジルコニアのTM比の値は、センサ素子の未使用状態における値である。
【0009】
[2]上述したセンサ素子(前記[1]に記載のセンサ素子)において、前記第1領域は、前記TM比が1以下であってもよい。こうすれば、センサ素子のクラックの発生を抑制する効果が、より確実に得られる。
【0010】
[3]上述したセンサ素子(前記[1]または[2]に記載のセンサ素子)において、前記第1領域は、前記TM比が0.1以下であってもよい。こうすれば、センサ素子のクラックの発生をより抑制できる。
(【0011】以降は省略されています)
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