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公開番号
2025043405
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-01
出願番号
2023116377
出願日
2023-07-17
発明の名称
バッテリ用交流電流供給装置
出願人
個人
代理人
主分類
G01R
31/00 20060101AFI20250325BHJP(測定;試験)
要約
【課題】交流電流をバッテリに供給することによりバッテリの劣化を改善する交流電流供給装置に関する。
【解決手段】バッテリ内の電析物質を低減するために交流電流をバッテリに供給する電析低減モードが運転される。このモードは、バッテリ加熱のために実施される従来のバッテリ加熱モードよりも高いバッテリ温度範囲において運転される。このデンドライト低減モードにおいて使用される交流電流は、短い放電期間に供給されるハイレートの放電電流成分と、長い放電期間に供給されるローレートの充電電流成分とからなる。これらの放電期間及び充電期間は交互に繰り返される。一例において、バッテリに交流電流を供給するための交流電流供給回路は、モータ駆動回路の平滑キャパシタ及びバッテリとともに閉ループ回路を形成する降圧トランスの二次コイルをもつ。もう一つの例において、交流電流供給回路は、並列に充電され、順番に放電する複数のインダクタをもつ。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
交互に繰り返される放電期間及び充電期間からなる交流電流供給期間に交流電流をバッテリに供給する交流電流供給回路と、前記交流電流供給回路を制御するコントローラとを備えるバッテリ用交流電流供給装置において、
前記交流電流は、前記放電期間に供給される放電電流成分と、前記充電期間に供給される充電電流成分とからなり、
前記コントローラは、前記バッテリの温度が所定の室温より高い時に前記バッテリに前記交流電流を供給する電析低減モードをもち、
前記電析低減モードは、前記充電期間よりも短い放電期間をもち、
前記放電電流成分は、前記電析低減モードにおいて前記充電電流成分よりも高い振幅をもつことを特徴とするバッテリ用交流電流供給装置。
続きを表示(約 960 文字)
【請求項2】
前記放電電流成分は、前記充電電流成分よりも高い振幅の高調波を含む請求項1記載のバッテリ用交流電流供給装置。
【請求項3】
前記交流電流の積分値は、前記電析低減モードにおいて本質的にゼロである請求項2記載のバッテリ用交流電流供給装置。
【請求項4】
前記電析低減モードは、所定のバッテリ充電モードの終了直後に開始される請求項1記載のバッテリ用交流電流供給装置。
【請求項5】
前記電析低減モードの運転期間は、前記バッテリ充電モードにより前記バッテリに与えられる充電量と正の相関関係をもつ請求項4記載のバッテリ用交流電流供給装置。
【請求項6】
前記電析低減モードの運転期間は、前記バッテリ充電モードにおける前記バッテリの温度と負の相関をもつ請求項4記載のバッテリ用交流電流供給装置。
【請求項7】
前記コントローラは、前記バッテリが前記所定の室温よりも低い所定温度をもつ時に前記バッテリに交流電流を供給することにより前記バッテリを加熱するバッテリ加熱モードをさらに有し、
前記コントローラは、前記バッテリ加熱モード及び前記電析低減モードの一方を前記バッテリの温度に応じて選択する請求項1記載のバッテリ用交流電流供給装置。
【請求項8】
前記交流電流供給回路は、グリッド電力により前記バッテリを充電する充電器に内蔵される請求項1記載のバッテリ用交流電流供給装置。
【請求項9】
前記交流電流供給回路は、グリッド電力により前記バッテリを充電する充電器に接続するための前記バッテリの充電コネクタに接続可能なコネクタをもつ請求項1記載のバッテリ用交流電流供給装置。
【請求項10】
前記交流電流供給回路は、複数のインダクタと、前記複数のインダクタを前記バッテリに接続するスイッチング回路とを含み、
前記スイッチング回路は、前記バッテリから前記複数のインダクタへ前記放電電流を並列に供給し、
前記スイッチング回路は、前記複数のインダクタから前記バッテリへ前記充電電流を順番に供給する請求項1記載のバッテリ用交流電流供給装置。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、交流電流をバッテリに供給することによりバッテリの劣化を改善する交流電流供給装置に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)
【背景技術】
【0002】
リチウムイオンバッテリ(LIB)のような二次電池は、電気自動車などの電気推進システムに広く採用されている。直列接続された複数のセルからなる高電圧の二次電池はバッテリ又はバッテリパックと呼ばれる。電気推進システムの深刻な問題は、バッテリの長い充電時間である。急速充電はこの充電時間を削減する。バッテリの急速充電能力は、電気推進システムが使い勝手に優れた運転能力を得るために非常に重要である。
【0003】
しかし、急速充電により、キャリヤ金属がバッテリの負極表面に析出することが知られている。電析と呼ばれるこの析出は、バッテリの容量劣化及びいわゆる内部短絡を引き起こす。これらの問題を回避するために、急速充電における充電電流のレートは、一般的に電析を回避可能な範囲内に制限される。
【0004】
特に、典型的な電析として知られているデンドライトは、内部短絡に起因するいわゆる熱暴走事故を引き起こす。低温バッテリの急速充電はこのデンドライトを加速する。樹脂セパレータに代えて採用される固体電解質はデンドライトを抑制する。しかし、固体電解質は、デンドライトが固体電解質の粒界に沿って成長するという問題をもつ。
【0005】
このため、0℃未満の温度をもつ冷たいバッテリを予熱するバッテリ加熱技術が採用されている。このバッテリ加熱は、電力消費を減らすために、バッテリ温度が0℃近傍に達したら終了される。しかしながら、電気ヒータによりEV用バッテリパックを均一かつ速やかに加熱することは困難である。
【0006】
このため、バッテリに交流電流を供給する種々の交流内部加熱法がたとえば非特許文献1及び非特許文献2により提案されている。これらの交流内部加熱法は、バッテリ内の温度ばらつきを低減し、バッテリを急速に加熱する。しかしながら、交流内部加熱法は未解決の問題をもつ故にまだ電気自動車に装備されていない。
【0007】
従来の交流内部加熱法の一つの問題は、バッテリを急速加熱するためにハイレートの交流電流が使用される時、既述された電析を促進されることである。ハイレートの交流電流は、ハイレートの充電電流成分とハイレートの放電電流成分とからなる。充電電流成分は電析を促進し、放電電流成分は電析を解消する。ハイレートの交流電流による電析促進は、充電電流成分による電析増加量が放電電流成分による電析減少量を上回ることを示唆している。このため、交流内部加熱法が採用可能な交流電流のレートは電析を生じない範囲に制限されねばならない。
【0008】
従来の交流内部加熱法のもう一つの問題は、交流電流供給回路が高い回路コストを要求することである。これは、バッテリの内部抵抗が低い故に、ハイレートの交流電流がバッテリ予熱時間短縮のためにバッテリに供給されねばならないからである。
【0009】
したがって、消費電力節約のために、交流電流供給回路は、バッテリから放電された電力エネルギーを次の充電期間まで一時的に蓄積する必要がある。このため、交流電流供給回路は、高い電力エネルギーを貯蔵可能な大型のインダクタ及び/又は大型のキャパシタをもつ必要がある。しかし、大型のインダクタ及び大型のキャパシタは高価である。
【0010】
たとえば、50Aの交流電流が0.2オームのバッテリに供給される時、バッテリは500Wの電熱を発生する。けれども、バッテリ電圧が400Vである時、バッテリは20kWの交流電力を外部のエネルギー蓄積デバイスに供給しなければならない。
(【0011】以降は省略されています)
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