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公開番号2025034192
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-13
出願番号2023140428
出願日2023-08-30
発明の名称車両用空調システム
出願人日本碍子株式会社
代理人アクシス国際弁理士法人
主分類B60H 3/00 20060101AFI20250306BHJP(車両一般)
要約【課題】暖房及び除湿を同時に実施することが可能な、ヒートポンプサイクルを利用した車両用空調システムを提供する。
【解決手段】車室又は車外からの空気が流通可能であり、2つ以上の分岐経路11を有する空調ダクト10と、2つ以上の分岐経路11のそれぞれに配置された空調デバイス20と、冷媒と空気との熱交換を行うコンデンサ31及び冷媒と空気との熱交換を行うエバポレータ32が配置されたヒートポンプサイクル30と、運転モードに応じて、空調デバイス20及びヒートポンプサイクル30を制御する制御部40とを備える。空調デバイス20は、外周壁と、外周壁の内側に配設され、第1端面から第2端面まで延びる流路となる複数のセルを区画形成する隔壁とを有し、少なくとも隔壁がPTC特性を有する材料で構成されたハニカム構造体と、隔壁の表面上に形成された除湿層とを含む。
【選択図】図1A
特許請求の範囲【請求項1】
車室又は車外からの空気が流通可能であり、2つ以上の分岐経路を有する空調ダクトと、
前記2つ以上の分岐経路のそれぞれに配置された空調デバイスと、
前記空調デバイスの下流側の前記車室に接続された空調ダクト内に、冷媒の温熱と前記空気との熱交換を行うコンデンサ及び前記冷媒の冷熱と前記空気との熱交換を行うエバポレータが配置されたヒートポンプサイクルと、
運転モードに応じて、前記空調デバイス及び前記ヒートポンプサイクルを制御する制御部と
を備え、
前記空調デバイスが、外周壁と、前記外周壁の内側に配設され、第1端面から第2端面まで延びる流路となる複数のセルを区画形成する隔壁とを有し、少なくとも前記隔壁がPTC特性を有する材料で構成されたハニカム構造体と、前記隔壁の表面上に形成された除湿層とを含み、
前記2つ以上の分岐経路は、前記空調デバイスの下流側において前記空気を前記車室に流入させる流入経路と、前記空気を車外に流出させる流出経路とを有し、前記流入経路と前記流出経路との間に前記空気の流れを切替え可能な切替えバルブが設けられている、車両用空調システム。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記空調デバイスの前記運転モードは、
全ての前記分岐経路において、前記空気を前記流入経路に流入させるように前記切替えバルブを制御して前記空調デバイスに前記空気を流通させることにより除湿する除湿モードと、
一部の前記分岐経路において、前記空気を前記流入経路に流入させるように前記切替えバルブを制御して前記空調デバイスに前記空気を流通させることにより除湿するとともに、残りの前記分岐経路において、前記空気を前記流出経路に流出させるように前記切替えバルブを制御して前記空調デバイスを加熱しつつ前記空気を流通させることにより前記除湿層を再生する除湿・再生モードと
を含む、請求項1に記載の車両用空調システム。
【請求項3】
前記ヒートポンプサイクルは、
前記冷媒を圧縮して吐出するコンプレッサと、
前記冷媒の熱と外気との熱交換を行う室外熱交換器と、
前記冷媒の熱と前記流出経路を流通する加熱された前記空気との熱交換を行う流出経路内熱交換器と
を更に有し、
前記ヒートポンプサイクルの前記運転モードは、
前記室外熱交換器及び前記流出経路内熱交換器で熱交換した前記冷媒を前記コンプレッサで圧縮し、前記コンプレッサから吐出された前記冷媒を前記コンデンサに導入して前記空気を加熱する暖房運転モードを含む、請求項1又は2に記載の車両用空調システム。
【請求項4】
PTC特性を有する前記材料はチタン酸バリウムを主成分とする、請求項1又は2に記載の車両用空調システム。
【請求項5】
前記除湿層は、二酸化炭素及び揮発成分から選択される少なくとも1つを吸着する機能を有する吸着材、並びに/又は触媒を更に含有する、請求項1又は2に記載の車両用空調システム。
【請求項6】
前記車室内にガラスの曇りを検知することが可能な検知部を更に備え、前記制御部は、前記ガラスの曇りが検知されたときに前記除湿・再生モードを実行し、前記ガラスの曇りが検知されていないときに前記除湿モードを実行する、請求項2に記載の車両用空調システム。
【請求項7】
前記検知部は、前記車室内の温度及び湿度に基づいて前記ガラスの曇りを検知する、請求項6に記載の車両用空調システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用空調システムに関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
自動車などの各種車両において、車室環境の向上に対する要求が高まっている。具体的な要求としては、車室内のCO
2
を低減して運転者の眠気を抑制すること、車室内を調湿すること、及び車室内のにおい成分やアレルギー誘因成分などの有害な揮発成分を除去することなどが挙げられる。このような要求に有効な対策として換気が挙げられるが、換気は、冬場のヒーターエネルギーを大きくロスする要因となり、冬場のエネルギー効率の低下を招く。特に電気自動車(BEV:Battery Electric Vehicle)では、そのエネルギーロスにより、航続距離が大幅に減少するという問題がある。
【0003】
上記の問題を解決する方法として、特許文献1及び2には、車室の空気中の水分(水蒸気)、CO
2
などの除去対象成分を吸着材などの機能材に捕捉した後、加熱によって除去対象成分を反応又は離脱させて車外に放出し、機能材を再生する車両用空調システムが開示されている。このような車両用空調システムでは、除去対象成分の捕捉性能を確保するために空気と機能材との接触ができるだけ多いこと、及び機能材の再生を促進するために機能材を所定の温度に加熱できることが求められる。再生は、例えば、機能材に吸着した除去対象成分を酸化反応により除去する方法、及び機能材に吸着した除去対象成分を脱離させて排出する方法などにより行われるが、いずれにしても吸着された除去対象成分の種類に応じて機能材を適切な温度に加熱することが必要である。
【0004】
特許文献3には、外周壁と、外周壁の内側に配設され、第1端面から第2端面まで流路を形成する複数のセルを区画形成する隔壁とを有する柱状ハニカム構造体を備え、隔壁がPTC特性を有しており、隔壁の平均厚さが0.13mm以下であり、第1端面及び第2端面における開口率が0.81以上であるヒーターエレメントが開示されている。このヒーターエレメントは、車室の暖房用途に用いられるものであるが、ハニカム構造を有することで加熱面積を大きくすることができるので、効率の良い加熱手段である。したがって、このようなヒーターエレメントを機能材の担体として使用すると、機能材の再生時間の短縮化に貢献できると考えられる。特に、このヒーターエレメントは、通電による加熱が可能であり且つPTC特性を有するため、機能材を容易に加熱できる一方で、過剰な発熱を抑制し、機能材の熱劣化を抑制することもできると考えられる。また、過剰な温度になってしまう恐れが回避されるので、初期抵抗を小さく設定して加熱速度を速めても安全を確保でき、短時間での昇温が可能である。
【0005】
他方、車両の暖房効率を高める観点から、ヒートポンプサイクルを利用した空調システムが提案されている(例えば、特許文献4)。しかしながら、ヒートポンプサイクルを利用した空調システムでは、暖房及び除湿を同時に実施することが難しい。そのため、例えば、車内が寒い場合に暖房運転すると、車内の水分(水蒸気)が冷たいガラスに冷やされて凝縮し、ガラスが曇って運転に支障が生じ易い。そこで、除湿運転して除湿することが必要になるが、除湿運転すると車内が冷えてしまい、暖房効果が失われてしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2020-104774号公報
特開2020-111282号公報
国際公開第2020/036067号
独国特許出願公開第102006026359号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、暖房及び除湿を同時に実施することが可能な、ヒートポンプサイクルを利用した車両用空調システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、ヒートポンプサイクルを利用した車両用空調システムについて鋭意研究を行った結果、2つ以上の分岐経路を有する空調ダクト内に所定の空調デバイスをそれぞれ配置し、空調デバイスの下流側において空気を車室に流入させる流入経路と、空気を車外に流出させる流出経路とを分岐経路に設けるとともに、車室に接続された空調ダクト内にヒートポンプサイクルのコンデンサ及びエバポレータを配置することにより、上記の課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、以下のように例示される。
【0009】
[1] 車室又は車外からの空気が流通可能であり、2つ以上の分岐経路を有する空調ダクトと、
前記2つ以上の分岐経路のそれぞれに配置された空調デバイスと、
前記空調デバイスの下流側の前記車室に接続された空調ダクト内に、冷媒の温熱と前記空気との熱交換を行うコンデンサ及び前記冷媒の冷熱と前記空気との熱交換を行うエバポレータが配置されたヒートポンプサイクルと、
運転モードに応じて、前記空調デバイス及び前記ヒートポンプサイクルを制御する制御部と
を備え、
前記空調デバイスが、外周壁と、前記外周壁の内側に配設され、第1端面から第2端面まで延びる流路となる複数のセルを区画形成する隔壁とを有し、少なくとも前記隔壁がPTC特性を有する材料で構成されたハニカム構造体と、前記隔壁の表面上に形成された除湿層とを含み、
前記2つ以上の分岐経路は、前記空調デバイスの下流側において前記空気を前記車室に流入させる流入経路と、前記空気を車外に流出させる流出経路とを有し、前記流入経路と前記流出経路との間に前記空気の流れを切替え可能な切替えバルブが設けられている、車両用空調システム。
【0010】
[2] 前記空調デバイスの前記運転モードは、
全ての前記分岐経路において、前記空気を前記流入経路に流入させるように前記切替えバルブを制御して前記空調デバイスに前記空気を流通させることにより除湿する除湿モードと、
一部の前記分岐経路において、前記空気を前記流入経路に流入させるように前記切替えバルブを制御して前記空調デバイスに前記空気を流通させることにより除湿するとともに、残りの前記分岐経路において、前記空気を前記流出経路に流出させるように前記切替えバルブを制御して前記空調デバイスを加熱しつつ前記空気を流通させることにより前記除湿層を再生する除湿・再生モードと
を含む、[1]に記載の車両用空調システム。
(【0011】以降は省略されています)

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