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公開番号2025080617
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-26
出願番号2023193889
出願日2023-11-14
発明の名称衣類用ヒーターエレメント及び衣類
出願人日本碍子株式会社
代理人アクシス国際弁理士法人
主分類H05B 3/14 20060101AFI20250519BHJP(他に分類されない電気技術)
要約【課題】加熱された空気を衣類内に循環させて着用者を暖めることができ、従来よりも構造を簡素化することが可能な衣類用ヒーターエレメントを提供する。
【解決手段】ヒーター10と、ファン20と、ケーシング30とを備える衣類用ヒーターエレメント1である。ヒーター10は、外周壁11、及び外周壁11の内側に配設され、第1端面12aから第2端面12bまで延びる空気の流路となる複数のセル13を区画形成する隔壁14を有し、少なくとも隔壁14がPTC特性を有する材料で構成されたハニカム構造部15、並びにハニカム構造部15に設けられた一対の電極16a,16bを備える。ファン20は、ハニカム構造部15のセル13に空気を流通させる。ケーシング30は、ヒーター10及びファン20を収容し、空気の流通方向を基準として、ヒーター10の上流側に吸気口31、ヒーター10の下流側に排気口32を有する。
【選択図】図1A
特許請求の範囲【請求項１】
外周壁、及び前記外周壁の内側に配設され、第１端面から第２端面まで延びる空気の流路となる複数のセルを区画形成する隔壁を有し、少なくとも前記隔壁がＰＴＣ特性を有する材料で構成されたハニカム構造部、並びに前記ハニカム構造部に設けられた一対の電極を備えるヒーターと、
前記ハニカム構造部の前記セルに前記空気を流通させるためのファンと、
前記ヒーター及び前記ファンを収容するケーシングと
を備え、前記ケーシングは、前記空気の流通方向を基準として、前記ヒーターの上流側に吸気口、前記ヒーターの下流側に排気口を有する衣類用ヒーターエレメント。
続きを表示（約 730 文字）【請求項２】
前記吸気口と前記ヒーターとの間に前記ファンが配置されている、請求項１に記載の衣類用ヒーターエレメント。
【請求項３】
前記ケーシングは、前記ハニカム構造部の前記第１端面と対向する第１対向部を有し、前記第１対向部に前記吸気口が設けられている、請求項１又は２に記載の衣類用ヒーターエレメント。
【請求項４】
前記ケーシングは、前記ハニカム構造部の前記第２端面と対向する第２対向部を有し、前記第２対向部は、前記ハニカム構造部に向かってテーパー状に突出した構造を有する、請求項１又は２に記載の衣類用ヒーターエレメント。
【請求項５】
前記ケーシングは、前記ハニカム構造部の前記セルが延びる方向と平行な側部を有し、前記側部に複数の前記排気口が設けられている、請求項１又は２に記載の衣類用ヒーターエレメント。
【請求項６】
前記排気口は複数のスリット部を有する、請求項１又は２に記載の衣類用ヒーターエレメント。
【請求項７】
前記ハニカム構造部の前記セルが延びる方向に直交する断面において、中央部の前記セルに目封止部が設けられている、請求項１又は２に記載の衣類用ヒーターエレメント。
【請求項８】
前記一対の電極は、携帯型電源と電気的に接続可能となるように構成されている、請求項１又は２に記載の衣類用ヒーターエレメント。
【請求項９】
前記ＰＴＣ特性を有する材料はチタン酸バリウムを主成分とする、請求項１又は２に記載の衣類用ヒーターエレメント。
【請求項１０】
請求項１又は２に記載の衣類用ヒーターエレメントを備える衣類。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、衣類用ヒーターエレメント及び衣類に関する。
続きを表示（約 1,800 文字）【背景技術】
【０００２】
寒冷時にアウトドアスポーツや屋外での作業を行う際に適した衣類として、着用者を暖めることが可能な発熱体を備えた衣類が知られている。例えば、特許文献１には、衣服の内側に設けられ着用者の体温前後の温度に発熱し、それ以上温度上昇しない自己温度調節機能を有する発熱体を備える発熱体付き衣服が提案されている。また、特許文献２には、表面に面状発熱体が貼付されている第１層と、第１層の表面に積層され、わたり糸によって２以上の織編地が立体的に繋がれている織編物からなる第２層とを備える積層体が上着の背側を構成する上着衣服が提案されている。さらに、特許文献３には、ペルチェ素子、ペルチェ素子の熱が伝導されることによってユーザー（着用者）の身体を冷房又は暖房する熱交換プレート、ファンなどを有する空気調和ユニットを備える衣類が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
特開２０００－１９９１０９号公報
特開２００３－１１２５４号公報
特開２０２３－５６１６４号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
特許文献１及び２に記載の発熱体を備える衣服は、発熱体から発生する熱を着用者に直接伝達するため、面状の構造とすることで衣類内の発熱領域（設置面積）を増大させている。しかしながら、この衣服は発熱体が設置された部分を局所的に加熱しているだけであるため、衣服内で温度分布が生じてしまう。また、この衣服を着用した場合、衣服内の空気の循環がないため、着用者の発汗などによって蒸れ易い。
他方、特許文献３の空気調和ユニットを備える衣類は、空気調和ユニットによって加熱された空気を衣類内に循環させるため、上記のような問題は生じない。しかしながら、この衣類に用いられる空気調和ユニットは熱交換が必要であるため、それに必要な部品（例えば、熱交換プレート及びその周辺部品）の点数が多くなる。また、過剰な加熱を防止する観点から、ペルチェ素子の温度を制御する機構も必要となる。
【０００５】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、加熱された空気を衣類内に循環させて着用者を暖めることができ、従来よりも構造を簡素化することが可能な衣類用ヒーターエレメント、及びそれを用いた衣類を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、ハニカム構造部及び一対の電極を備えるヒーターを発熱体として用い、このヒーターによって空気を加熱して衣類内に循環させることにより、従来よりも構造を簡素化し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、以下のように例示される。
【０００７】
［１］外周壁、及び前記外周壁の内側に配設され、第１端面から第２端面まで延びる空気の流路となる複数のセルを区画形成する隔壁を有し、少なくとも前記隔壁がＰＴＣ特性を有する材料で構成されたハニカム構造部、並びに前記ハニカム構造部に設けられた一対の電極を備えるヒーターと、
前記ハニカム構造部の前記セルに前記空気を流通させるためのファンと、
前記ヒーター及び前記ファンを収容するケーシングと
を備え、前記ケーシングは、前記空気の流通方向を基準として、前記ヒーターの上流側に吸気口、前記ヒーターの下流側に排気口を有する衣類用ヒーターエレメント。
【０００８】
［２］前記吸気口と前記ヒーターとの間に前記ファンが配置されている、［１］に記載の衣類用ヒーターエレメント。
【０００９】
［３］前記ケーシングは、前記ハニカム構造部の前記第１端面と対向する第１対向部を有し、前記第１対向部に前記吸気口が設けられている、［１］又は［２］に記載の衣類用ヒーターエレメント。
【００１０】
［４］前記ケーシングは、前記ハニカム構造部の前記第２端面と対向する第２対向部を有し、前記第２対向部は、前記ハニカム構造部に向かってテーパー状に突出した構造を有する、［１］～［３］のいずれか一つに記載の衣類用ヒーターエレメント。
（【００１１】以降は省略されています）

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