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公開番号
2025074820
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-14
出願番号
2023185882
出願日
2023-10-30
発明の名称
蓄熱構造体及び蓄熱装置
出願人
日本碍子株式会社
代理人
アクシス国際弁理士法人
主分類
F28D
20/00 20060101AFI20250507BHJP(熱交換一般)
要約
【課題】熱の入出力性能を向上させることが可能な蓄熱構造体を提供する。
【解決手段】反応媒体との結合反応による放熱と、反応媒体の脱離反応による蓄熱とを可逆的に行うことが可能な化学蓄熱材(10)と、化学蓄熱材(10)を収容する空間(21)を区画形成し且つ第1端面(22)から第2端面(23)まで延びる多孔質壁(24)を有する収容部(20)とを備える蓄熱構造体である。多孔質壁(24)は、気孔率が異なる領域を2つ以上有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
反応媒体との結合反応による放熱と、前記反応媒体の脱離反応による蓄熱とを可逆的に行うことが可能な化学蓄熱材と、
前記化学蓄熱材を収容する空間を区画形成し且つ第1端面から第2端面まで延びる多孔質壁を有する収容部と
を備え、
前記多孔質壁は、気孔率が異なる領域を2つ以上有する蓄熱構造体。
続きを表示(約 670 文字)
【請求項2】
前記多孔質壁は、領域A及び領域Bを少なくとも有し、前記領域Bの気孔率に対する前記領域Aの気孔率の比率が1.01~90である、請求項1に記載の蓄熱構造体。
【請求項3】
前記多孔質壁は、前記化学蓄熱材と前記多孔質壁との接触面に垂直な方向に前記領域A及び前記領域Bを有する、請求項2に記載の蓄熱構造体。
【請求項4】
前記領域A及び前記領域Bが層状である、請求項3に記載の蓄熱構造体。
【請求項5】
前記化学蓄熱材と前記多孔質壁との接触面側に前記領域Bが位置する、請求項2~4のいずれか一項に記載の蓄熱構造体。
【請求項6】
前記化学蓄熱材と前記多孔質壁との接触面側に前記領域Aが位置する、請求項2~4のいずれか一項に記載の蓄熱構造体。
【請求項7】
前記多孔質壁は、前記化学蓄熱材と前記多孔質壁との接触面に平行な方向に前記領域A及び前記領域Bを有する、請求項2に記載の蓄熱構造体。
【請求項8】
前記領域Aの気孔率が30~90%である、請求項2~4及び7のいずれか一項に記載の蓄熱構造体。
【請求項9】
前記領域Bの気孔率が1~60%である、請求項2~4及び7のいずれか一項に記載の蓄熱構造体。
【請求項10】
前記化学蓄熱材との接触面における前記多孔質壁の気孔径は、前記化学蓄熱材の粒子径よりも小さい、請求項1~4及び7のいずれか一項に記載の蓄熱構造体。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄熱構造体及び蓄熱装置に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)
【背景技術】
【0002】
エネルギーの効率的な利用という点で蓄熱技術に注目が集まっている。蓄熱技術の中でも化学蓄熱は、化学蓄熱材が反応媒体と化学反応するときに生じる反応熱を利用して蓄熱及び放熱を実現する方式であり、化学蓄熱材を反応媒体と物理的に分離させ、化学反応を進行させないようにすることで、長期間にわたって蓄熱状態を維持することができる。また、化学蓄熱は、他の蓄熱方法(例えば、潜熱蓄熱など)と比べて蓄熱密度も高く、小型化の面でも有利である。
【0003】
化学蓄熱を利用する蓄熱装置(蓄熱反応器)では、放熱反応(発熱反応)時には、反応媒体を化学蓄熱材に素早く供給し、生成した反応熱を外部に伝導することが要求される。また、蓄熱反応時には、化学蓄熱材に素早く熱を供給し、脱離した反応媒体を放出させることが要求される。
そこで、反応媒体が流通可能な多孔質収容部に化学蓄熱材を収容した様々な蓄熱装置が提案されている。例えば、特許文献1には、多孔質部材からなる拘束部材に化学蓄熱材を収容した蓄熱装置が提案されている。また、特許文献2には、多孔質のハニカム構造体のセルの少なくとも一部に化学蓄熱材を充填した蓄熱装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2021-60177号公報
国際公開第2018/163676号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
放熱反応において、反応媒体を化学蓄熱材に素早く供給する観点からは、反応媒体の流通経路を増大させるために、多孔質収容部の気孔率を高めることが望ましい。その一方で、化学蓄熱材で生成した熱を外部に素早く伝導させる観点からは、多孔質収容部の熱伝導率を向上させるために、多孔質収容部の気孔率を下げることが望ましい。同様に、蓄熱反応においても、化学蓄熱材から脱離した反応媒体を素早く放出させる観点からは、多孔質収容部の気孔率を高めることが望ましい一方で、化学蓄熱材に素早く熱を伝導する観点からは、多孔質収容部の気孔率を下げることが望ましい。このように、多孔質収容部においては、反応媒体の供給性及び放出性の向上と熱伝導率の向上との間にはトレードオフの関係が存在する。
【0006】
特許文献1及び2に記載の蓄熱装置は、多孔質収容部の気孔率が一様であるため、熱の入出力性能には限界がある。すなわち、特許文献1及び2に記載の蓄熱装置において、多孔質収容部の気孔率を全体的に高めると、放熱反応において、大量の反応媒体を化学蓄熱材に供給できるものの、化学蓄熱材で生成した熱が外部に伝導され難いため所望の熱出力性能が得られない。また、蓄熱反応においても、化学蓄熱材から脱離した反応媒体を素早く除去できるものの、化学蓄熱材に熱を伝導し難いため所望の熱入力性能が得られない。他方、多孔質収容部の気孔率を全体的に下げると、放熱反応において、化学蓄熱材で生成した熱を多孔質収容部から外部に効率良く伝導できるものの、反応媒体の供給に時間がかかるため所望の熱出力性能が得られない。また、蓄熱反応においても、化学蓄熱材に熱を効率良く供給できるものの、化学蓄熱材から脱離した反応媒体の放出に時間がかかるため所望の熱入力性能が得られない。
【0007】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、熱の入出力性能を向上させることが可能な蓄熱構造体及び蓄熱装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、化学蓄熱材を収容する収容部について鋭意研究を行った結果、収容部を形成する特定の多孔質壁を、気孔率が異なる領域を2つ以上有するように構成することにより、上記の課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、以下のように例示される。
【0009】
[1] 反応媒体との結合反応による放熱と、前記反応媒体の脱離反応による蓄熱とを可逆的に行うことが可能な化学蓄熱材と、
前記化学蓄熱材を収容する空間を区画形成し且つ第1端面から第2端面まで延びる多孔質壁を有する収容部と
を備え、
前記多孔質壁は、気孔率が異なる領域を2つ以上有する蓄熱構造体。
【0010】
[2] 前記多孔質壁は、領域A及び領域Bを少なくとも有し、前記領域Bの気孔率に対する前記領域Aの気孔率の比率が1.01~90である、[1]に記載の蓄熱構造体。
(【0011】以降は省略されています)
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