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公開番号2025053422
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-07
出願番号2023162427
出願日2023-09-26
発明の名称自動分析装置及び方法
出願人東ソー株式会社
代理人
主分類G01N 35/00 20060101AFI20250331BHJP(測定;試験)
要約【課題】簡便な構成で、測定の終了状態が正常であったか、異常であったかを判別することができ、またそのことにより起動後、測定を開始するまでの立ち上がり時間を短縮することができる自動分析装置を提供する。
【解決手段】試料、試薬、反応容器等の消耗品を操作して試料中の目的成分を測定するための装置要素を備えた自動分析装置であって、二つの状態を機械的に記憶する状態フラグと、測定を開始するとき前記状態フラグを第1の状態に設定し、測定を終了するとき前記状態フラグを第2の状態に設定する制御部と、を有することを特徴とする。
【選択図】 図8
特許請求の範囲【請求項1】
試料中の目的成分を測定するための装置要素と、
装置要素を利用する状態フラグと、
前記装置要素を制御し、前記状態フラグの状態を設定する制御部を備える、自動分析装置。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記状態フラグは、異なる二つの状態である第1の状態、第2の状態を機械的に記憶する状態フラグであり、
前記制御部は、前記状態フラグを測定開始するときに第1の状態に設定し、測定を終了するときに第2の状態に設定し、
前記第2の状態では、
少なくともバッチ測定が終了した状態であり、又は、
前記装置要素から消耗品が取り外されている状態、および/または試料を含んだ液体が反応容器に封止されている状態である、
請求項1の自動分析装置。
【請求項3】
前記第1の状態、第2の状態は、特定の装置要素の位置情報が基準の位置に一致しているか否かを指標とし、
基準の相対位置に一致していない状態あるいは離反した状態を第1の状態とし、一致した状態あるいは接触した状態を第2の状態とする、請求項2の自動分析装置。
【請求項4】
前記位置情報は、投光素子および受光素子を組み合わせた光学的センサにより検知するものである、請求項3の自動分析装置。
【請求項5】
前記特定の装置要素は、液体を吸引・吐出するシリンジ手段において往復運動するプランジャーである、請求項3の自動分析装置。
【請求項6】
前記制御部は、当該自動分析装置の電源投入時、前記状態フラグが第2の状態にあることを判別した場合、当該自動分析装置が前回作動時に異常終了したと仮定して行う前処理工程を省略する、請求項1~5のいずれか一項に記載の自動分析装置。
【請求項7】
前記制御部は、当該自動分析装置の電源投入時、前記状態フラグが第1の状態にあることを判別した場合、当該自動分析装置が前回作動時に異常終了したと仮定して行う前処理工程を実施する、請求項1~5のいずれか一項に記載の自動分析装置。
【請求項8】
前記前処理工程は、前記装置要素から消耗品を取り外す工程、および/または反応容器を封止する工程である、請求項5の自動分析装置。
【請求項9】
請求項1~8の自動分析装置を使う装置起動後の立ち上がり時間を短縮する方法。
【請求項10】
装置電源を投入して装置を起動することと、
制御部を通して状態フラグを検知して状態を判断することと、
第2の状態を検知すると正常時立ち上げ動作を実施し、第1の状態に検知すると異常時立ち上げ動作を実施することとを含む方法であって、
正常時立ち上げ動作は、異常時立ち上げ動作よりも少ない工程数からなるように設定される、請求項9の方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、臨床検査で用いられる自動分析装置、およびそれを使用して装置起動後の立ち上がり時間を短縮する方法に関するものである。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
近年、臨床検査の分野では、ヒトの血液等の検体と所定の試薬とを混合して試料を作成し、試料測定することによって、検体から特定の成分を定量的または定性的に測定可能な自動分析装置が知られている。特に、簡易的かつ迅速に検査結果を得ることが可能なポイント・オブ・ケア検査(POCT)が普及しつつある。
【0003】
自動分析装置で用いる試薬は、試薬カートリッジと呼ばれる専用の容器に収容されていることが多い。また通常、試薬カートリッジにはウェルが複数あり、試薬の他に、検体や試薬を分注するための分注用チップや、試薬ウェルのフィルムに穴を開けるための穴開け器(穿孔チップ)などが収容されている。自動分析装置を用いて試料を測定する際は、吸引排気用の配管に接続された移動自在な分注ノズル基部に分注用チップや穴開け器といった装着物が装着され、制御された測定動作が進行する。
【0004】
ところで測定中に電力が瞬断などにより異常終了すると、分注ノズル基部には装着物が装着されたままとなる。復帰させるため装置に電源を投入する際は、分注ノズル基部に装着物が装着されたまま異常終了した場合を考慮した立ち上げ動作を実施する必要がある。しかし測定中に電源が遮断されずに終了した通常終了の場合において、前記立ち上げ動作は不要な動作であるため、立ち上げ動作に時間がかかる。
【0005】
どの工程で装置が終了したかを記憶できれば、通常終了(正常終了ともいう)した場合と、異常終了した場合とで、次に電源を投入したときの立ち上げ動作を区別することができ時間短縮になる。工程記憶方法として、例えば、不揮発性の半導体メモリであるNAND型フラッシュメモリに記憶する方法があるが、(1)書き換え回数に上限があり、また(2)書き換え中に電力の瞬断などにより複数のプログラムファイルが破壊される可能性がある。(1)に関して、フラッシュメモリの特定のブロックに書き換えおよび消去が集中すると、そのブロックの劣化が早くなるため、対策として特許文献1では、書き換えをフラッシュメモリ内で平準化するウェアレベリングの方法が示されている。(2)に関して、突然の電源断時におけるファイル保護を考慮したNAND型フラッシュメモリの制御方法として、特許文献2では、フラッシュメモリを書き換える際に書き換えられるファイルをフラッシュメモリの別の記憶領域で保持する方法が示されている。しかし、これらの設計は、簡便な構成であるPOCT装置で実施することを考えると、設計難易度が高く、またフラッシュメモリ搭載によりコストアップとなる。また工程記憶ではないが、分注ノズル基部の装着物をセンシングする方法もあるが、分注用チップなどは半透明な樹脂であることが多く、これらは光学的にも電磁的にも検知が難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2022-186582号公報
特開2020-181325号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
簡便な構成で、前回測定の終了状態が正常であったか、異常であったかを判別することができ、またそのことにより起動後、次回の測定を開始するまでの立ち上がり時間を短縮することができる自動分析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、試料、試薬、反応容器等の消耗品を操作して試料中の目的成分を測定するための装置要素を備えた自動分析装置であって、以下の特徴を有する。測定の終了状態が正常であったか(「正常終了」と呼ぶ)、異常であったか(「異常終了」と呼ぶ)を判別するために、二つの状態を機械的に記憶する状態フラグを設ける。ここで、「機械的に記憶する」とは、測定に使用する装置要素または新たに設けた機械部材の位置情報、配置情報または変位情報を識別子として取り扱うことを意味する。状態フラグに記憶させるには、二つの状態を表現・識別できればよいので、相対的にスライド移動、軸回転、あるいは接触離反する部材の組み合わせを記憶媒体として使用することができる。状態フラグが示す二つの状態は、特定の装置要素の位置情報が基準の位置に一致しているか否かを指標とすることもできる。特定の装置要素は、液体を吸引・吐出するシリンジ手段において往復運動するプランジャーとすることもできる。
状態フラグを読み出すときは、機械部材の相対的位置情報を検知する場合は投光素子と受光素子とを組み合わせた光学的センサを使用してもよいし、部材間の接触離反の状態を直接検知する場合は静電容量センサや通電センサを使用することもできる。機械的に記憶された情報は、不意の電力瞬断の際にも記憶情報をロバストに保持できることに特徴がある。
状態フラグの識別に際しては、基準の相対位置に一致していない状態あるいは離反した状態を第1の状態(OFF状態と呼んでもよい)とし、一致した状態あるいは接触した状態を第2の状態(ON状態と呼んでもよい)とする取り扱いをしてもよい。場合により、第1の状態をON状態、第2の状態をOFF状態と呼んでもよい。
制御部は、測定を開始するとき状態フラグを第1の状態に設定する。その状態で測定動作を実行し、測定が終了したら状態フラグを第2の状態に設定する。もし、状態フラグを第2の状態に遷移させる前に何らかの異常事象が発生して装置が停止した場合は、状態フラグは第1の状態のままとなる。こうして次回装置を起動とき、前回測定の終了状態が第2の状態と読み取れば正常終了、第1の状態と読み取れば異常終了と判別できる簡便で有効な手段が得られたことになる。
【0009】
本発明において、測定の開始とは、装置電源を投入した時点から測定前準備動作を経て、最初の検体試料または標準試料を測定する動作に入るときを測定開始と呼び、測定の終了とは最後の試料の測定が終了したときを指すものと解釈してよい。あるいは、1個ないし複数個の試料を同時に測定開始して終了するまで追加の試料を装置に導入しないバッチ測定においては1バッチごとに測定開始、測定終了を定義することもできる。
【0010】
測定中に、たとえば分注ノズル基部に分注チップが装着された状態、または反応容器に試料が入り封止されていない状態において異常終了した場合、次回装置を起動するとき、これらの状態が保存されているので、新たな測定を開始する前に、これらの状態を正常な状態に復帰させる前処理操作をしなければならない。他方、正常終了した状態、すなわち装置要素から消耗品が取り外されている状態、および/または試料を含んだ液体が反応容器に封止されている状態で装置電源が停止しているのであれば上記の前処理は不要である。本発明はこのような場合に、測定の終了状態が正常であったか異常であったかを判別することができるので、不要な場合の前処理工程を省略することができる。もし従来、装置が前回作動時に異常終了したと仮定して行う前処理工程を電源投入のたびごとに実施していたならば、その場合に比べて測定準備動作に要する時間を節約することができる。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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