TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025168200
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-11-07
出願番号2024186779
出願日2024-10-23
発明の名称死細胞の分離剤およびそれを用いた細胞の製造方法
出願人東ソー株式会社
代理人
主分類C12N 5/07 20100101AFI20251030BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】 真核細胞培養液中に含まれる死細胞を選択的かつ簡便に除去可能な分離剤、および当該分離剤を用いた真核細胞の製造方法を提供すること。
【解決手段】 不溶性担体と当該不溶性担体に固定化したTim4(T-cell immunoglobulin and mucin domain 4)とを含む死細胞分離剤により、前記課題を解決する。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
不溶性担体と当該不溶性担体に固定化したTim4(T-cell immunoglobulin and mucin domain 4)とを含む、真核細胞の培養液中の生細胞と死細胞を分離する分離剤。
続きを表示(約 370 文字)【請求項2】
真核細胞を培養する工程と、
前記培養工程後の培養液と請求項1に記載の分離剤を作用させる工程と、
死細胞を分離する工程とを含む、真核細胞の製造方法。
【請求項3】
死細胞を分離する工程が、前記分離剤と死細胞との複合体を形成させる工程と、前記複合体を前記培養液から分離させ、生細胞を回収する工程とを含む、請求項2に記載の製造方法。
【請求項4】
真核細胞を培養する工程で、培養液中に含まれるカルシウムイオン濃度が0.5mmol/L以上2mmol/L以下である、請求項2または3に記載の製造方法。
【請求項5】
真核細胞が浮遊細胞である、請求項1に記載の分離剤。
【請求項6】
真核細胞が浮遊細胞である、請求項2または3のいずれかに記載の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、死細胞の分離剤およびそれを用いた細胞の製造方法に関する。特に本発明は、死細胞に特異的に結合可能なタンパク質を固定化した前記分離剤、およびそれを用いた細胞の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
近年、哺乳細胞や昆虫細胞を含む真核細胞が複数の工業分野で様々な用途に用いられている。例えばバイオ医薬品分野では、モノクローナル抗体、造血刺激因子、血液凝固因子などのタンパク質を主成分とするタンパク質医薬品や、アデノ随伴ウイルスやレンチウイルスに代表されるウイルスベクターを主成分とする遺伝子医薬品を製造する際は、当該タンパク質やウイルスベクターを発現可能な遺伝子組換え真核細胞を用いて製造する。また、真核細胞自体を医薬品として患者に投与する細胞医薬品も実用化されている。例えば患者自身の血球細胞を体外で増殖し、遺伝子組み換え技術により治療用遺伝子を導入後、当該細胞を活性化させてから患者に戻す療法が実施されている。
【0003】
真核細胞はその増殖様式から浮遊性細胞と接着性細胞に大別されるが、タンパク質医薬品や遺伝子医薬品などの物質生産を目的とする場合は、そのスケールアップの容易さから浮遊性細胞が採用されることが多い。また細胞医薬品用途でも、血球細胞はもともと浮遊性である点もあり浮遊性細胞が採用されることが多い。
【0004】
前述した用途で真核細胞を製造する際は、当該細胞の増殖に適した各種栄養分を含んだ液体培地中で培養し、製造する。真核細胞が浮遊性細胞である場合の培養例として、バイオリアクターと呼ばれる培養槽の中に液体培地を加え、培養したい真核細胞を添加後、当該リアクター内の培地温度が細胞増殖に適した温度となるよう保持しながら、撹拌することで細胞を浮遊させながら培養する。
【0005】
培養後の細胞を含む培地(以下、「細胞培養液」とも表記する)には、生きている細胞(生細胞)の他に死んでいる細胞(死細胞)も一定数含まれていることが多い(以下、細胞培養液に含まれる全細胞に対する正細胞の割合を「細胞生存率」とも表記する)。物質生産を目的とする場合、生細胞のみが物質生産に寄与する。したがって培養液中の生存率が高いほうが物質の生産効率も高くなり、好ましい。また細胞医薬品用途でも、患者に投与した際に薬効を奏するのは生細胞のみであるため、生存率は高いほど好ましい。
【0006】
培養液中に含まれる真核細胞の生存率を高める方法として、当該培養液のうち一定量を捨てる方法(ブリーディング法)があげられる。当該方法は簡便に行なえる点では有用である一方、生細胞と死細胞とを区別せず除去するため、貴重な生細胞も一部損失するという課題がある。
【0007】
培養液中に含まれる真核細胞の生存率を高める別の方法として、当該培養液中に含まれる死細胞を選択的に分離除去する方法があげられる。前記方法の一例として、特許文献1には、デキストランが死細胞により強く結合する性質を利用し、細胞集団から死細胞を分離除去する方法が開示されている。しかしながらデキストランは生細胞にも結合するため、死細胞だけでなく生細胞も同時に除去してしまうという課題があった。死細胞をより選択的に除去可能な方法として、特許文献2には、アネキシンVが、死細胞の表面に露出するリン脂質であるホスファチジルセリンに、カルシウムイオン依存的に結合する性質を利用して、フローサイトメトリーにより死細胞を分離する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特表2012-513748号公報
特表平9-505894号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の課題は、真核細胞培養液中に含まれる死細胞を選択的かつ簡便に除去可能な分離剤、および当該分離剤を用いた真核細胞の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、以上の点を鑑み、鋭意研究を重ねた結果、不溶性担体と当該不溶性担体に固定化した、死細胞の表面に露出するリン脂質であるホスファチジルセリンに特異的に結合可能な特定のタンパク質を含む分離剤が、真核細胞培養液中に含まれる死細胞を選択的かつ簡便に除去できることを見出し、本発明を完成させた。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

関連特許

東ソー株式会社
焼結体
24日前
東ソー株式会社
焼結体
24日前
東ソー株式会社
絶縁電線
1か月前
東ソー株式会社
ペレット
1か月前
東ソー株式会社
乳酸吸着材
1か月前
東ソー株式会社
自動分析装置
1か月前
東ソー株式会社
免疫学的測定法
1か月前
東ソー株式会社
焼結体の製造方法
1か月前
東ソー株式会社
印刷インキ組成物
1か月前
東ソー株式会社
プラスチゾル組成物
22日前
東ソー株式会社
ウェアラブルセンサ
2か月前
東ソー株式会社
ゴム用接着性改質剤
1か月前
東ソー株式会社
タンパク質の発現方法
2か月前
東ソー株式会社
土木用注入薬液組成物
2か月前
東ソー株式会社
エチレン系重合用触媒
25日前
東ソー株式会社
芳香族化合物の製造方法
2か月前
東ソー株式会社
細胞培養基材の製造方法
1か月前
東ソー株式会社
アルカリ金属の除去方法
1か月前
東ソー株式会社
細胞培養基材の製造方法
1か月前
東ソー株式会社
クロロプレンラテックス組成物
1日前
東ソー株式会社
酸素還元電極及びその製造方法
1か月前
東ソー株式会社
CHA型ゼオライトの製造方法
1か月前
東ソー株式会社
CHA型ゼオライトの製造方法
1か月前
東ソー株式会社
ポリアリーレンスルフィド組成物
1か月前
東ソー株式会社
廃プラスチックのリサイクル方法
1か月前
東ソー株式会社
細胞培養基材、及び細胞培養キット
1か月前
東ソー株式会社
分離剤を充填したカラムの製造方法
1か月前
東ソー株式会社
押出成形用ゴム組成物及び加硫ゴム
1か月前
東ソー株式会社
6-ヒドロキシヘキサン酸の製造方法
1か月前
東ソー株式会社
バイオマス由来の塩素化ポリエチレン
1か月前
東ソー株式会社
メチレンジアニリン化合物の製造方法
1か月前
東ソー株式会社
ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物
1か月前
東ソー株式会社
ユウロピウム錯体含有細胞賦活用組成物
1か月前
東ソー株式会社
酸化ポリエチレンワックス及びその製造方法
1か月前
東ソー株式会社
免疫グロブリン結合性タンパク質の製造方法
22日前
東ソー株式会社
細胞外小胞精製キット及び細胞外小胞の精製方法
22日前
続きを見る