TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2025155913
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-14
出願番号2025024340
出願日2025-02-18
発明の名称免疫学的測定法
出願人東ソー株式会社
代理人弁理士法人秀和特許事務所
主分類C12Q 1/26 20060101AFI20251002BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】過酸化酵素と過酸化酵素用基質を使用した免疫学的測定法において、過酸化酵素の反応を制御する方法を提供することを課題とする。
【解決手段】試料中に含まれる目的物質を測定する免疫学的測定法であって、過酸化酵素を過酸化酵素の基質と反応させる反応工程と、前記反応工程における前記過酸化酵素の反応に基づき、前記目的物質を測定する測定工程を含み、前記反応工程を、過酸化水素を基質とする酵素であって、前記反応工程における前記過酸化酵素の基質に反応しない酵素の存在下で実施することを特徴とする、免疫学的測定法により、上記課題を解決する。
【選択図】図7
特許請求の範囲【請求項1】
試料中に含まれる目的物質を測定する免疫学的測定法であって、
過酸化酵素を過酸化酵素の基質と反応させる反応工程と、
前記反応工程における前記過酸化酵素の反応に基づき、前記目的物質を測定する測定工程を含み、
前記反応工程を、過酸化水素を基質とする酵素であって、前記反応工程における前記過酸化酵素の基質に反応しない酵素の存在下で実施することを特徴とする、免疫学的測定法。
続きを表示(約 760 文字)【請求項2】
前記反応工程が、微細孔内で実施される、請求項1に記載の免疫学的測定法。
【請求項3】
前記微細孔が、少なくとも過酸化酵素の反応開始前に封止される、請求項2に記載の免疫学的測定法。
【請求項4】
前記反応工程の前に、過酸化酵素を用いて目的物質を標識する工程を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の免疫学的測定法。
【請求項5】
前記免疫学的測定法が、過酸化酵素で標識された競合物質を用いて実施され、
前記反応工程が、当該競合物質を標識する過酸化酵素により実施される、請求項1から3のいずれか一項に記載の免疫学的測定法。
【請求項6】
前記過酸化酵素と前記過酸化酵素の基質との反応、および/または前記過酸化水素を基質とする酵素の反応が停止するまで、反応工程を実施する、請求項1から3のいずれか一項に記載の免疫学的測定法。
【請求項7】
前記過酸化酵素が、ホースラディッシュ由来の過酸化酵素である、請求項1から3のいずれか一項に記載の免疫学的測定法。
【請求項8】
前記過酸化水素を基質とする酵素が、カタラーゼである、請求項1から3のいずれか一項に記載の免疫学的測定法。
【請求項9】
前記カタラーゼが、ウシ肝臓由来、またはアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)由来のカタラーゼである、請求項8に記載の免疫学的測定法。
【請求項10】
前記過酸化酵素の基質が、過酸化酵素との反応により光学的な検出が可能な反応生成物を生じる過酸化酵素用基質である、請求項1から3のいずれか一項に記載の免疫学的測定法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、免疫学的測定法に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
近年、患者の血液等の体液に含まれるバイオマーカー(例えばDNA、RNAなどの核酸、タンパク質など)を検出することで、がんやアルツハイマー、その他の遺伝子疾患などの病気や細菌などによる感染症などを診断する方法(リキッドバイオプシー)が注目されている。
【0003】
代表的なバイオマーカー測定法としては、免疫学的測定法である酵素免疫測定(EIA:Enzyme immunoassay)法がある。この方法は、一般的には、競合法や非競合法が知られている。競合法としては、例えば、抗原に特異的に結合する抗体に対し、抗原と競合的に結合する物質を用いる手法が知られている。非競合法としては、例えば、まず、反応場となるウェルやビーズ等の担体に抗原に特異的に結合する第1の抗体を結合しておき、これに検体を添加して検体に含まれる抗原を捕捉した後、抗原に特異的に結合する第2の抗体を介して酵素を標識し、最後に、酵素と反応して発色、発光または蛍光を発する試薬を加える手法が知られている。これらの手法で得られる発色・発光・蛍光の強度を測定することで、検体中に含まれる抗原の検出や、量や濃度等の定量ができることが知られている。ここで酵素としては、分子量が比較的小さく、反応が早く、短時間で感度の高い測定が期待できるため過酸化酵素(ペルオキシダーゼ)が広く用いられている。
【0004】
EIA法で正確な測定を実施するためには、酵素反応がある程度進み、酵素量依存的な発色、発光または蛍光量が得られた時点で、反応停止剤を使用して酵素反応を停止することが必要である。反応停止剤による酵素反応の停止は、一般的に、アジ化ナトリウムや弗化ナトリウム等の酵素阻害剤や変性剤、あるいは塩酸、硫酸等の無機酸停止剤の添加が使用される。特許文献1には、クエン酸を反応停止剤として用いる方法が開示されている。非特許文献1では、ELISAキットにおいて硫酸を反応停止液として用いる方法が開示されている。
【0005】
しかしながら、特許文献1および非特許文献1に開示される方法も含め、一般的な酵素反応の停止方法は、酵素量依存的な発色、発光または蛍光量が得られた時点で反応停止剤を添加する必要がある。そのため、EIA法において、反応場の容積が非常に小さい微小空間や、オイル等により封止された空間を利用するなど、酵素反応の開始後に溶液を添加することが難しい場合、一般的な酵素反応の停止方法では進行する酵素反応を停止することができず、酵素反応を利用した測定方法は実施が困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
国際公開第2013/038936号
【非特許文献】
【0007】
He S, Yao Y, Yang N, Wang Y, Liu D, Cao Z, Chen H, Fu Y, Yang M, Wang S, He G and Zhao Q (2022) Dapagliflozin Protects Methamphetamine-Induced Cardiomyopathy by Alleviating Mitochondrial Damage and Reducing Cardiac Function Decline in a Mouse Model. Front. Pharmacol. 13:925276. doi: 10.3389/fphar.2022.925276
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、過酸化酵素と過酸化酵素用基質を使用した免疫学的測定法において、過酸化酵素の反応を制御する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、過酸化酵素と基質の反応時に、過酸化酵素と競合的に過酸化水素を消費する酵素を共存させることで、例えば封止された微細孔内等でも酵素反応がある程度進んだ時点で過酸化酵素反応を停止させ、酵素量依存的な発色または発光量を得られることを見出し、本発明に想到した。本発明は以下の態様を含む。
【0010】
[1]
試料中に含まれる目的物質を測定する免疫学的測定法であって、
過酸化酵素を過酸化酵素の基質と反応させる反応工程と、
前記反応工程における前記過酸化酵素の反応に基づき、前記目的物質を測定する測定工程を含み、
前記反応工程を、過酸化水素を基質とする酵素であって、前記反応工程における前記過酸化酵素の基質に反応しない酵素の存在下で実施することを特徴とする、免疫学的測定法。
[2]
前記反応工程が、微細孔内で実施される、[1]の免疫学的測定法。
[3]
前記微細孔が、少なくとも過酸化酵素の反応開始前に封止される、[2]の免疫学的測定法。
[4]
前記反応工程の前に、過酸化酵素を用いて目的物質を標識する工程を含む、[1]から[3]のいずれかの免疫学的測定法。
[5]
前記免疫学的測定法が、過酸化酵素で標識された競合物質を用いて実施され、
前記反応工程が、当該競合物質を標識する過酸化酵素により実施される、[1]から[4]のいずれかの免疫学的測定法。
[6]
前記過酸化酵素と前記過酸化酵素の基質との反応、および/または前記過酸化水素を基質とする酵素の反応が停止するまで、反応工程を実施する、[1]から[5]のいずれかの免疫学的測定法。
[7]
前記過酸化酵素が、ホースラディッシュ由来の過酸化酵素である、[1]から[6]のいずれかの免疫学的測定法。
[8]
前記過酸化水素を基質とする酵素が、カタラーゼである、[1]から[7]のいずれかの免疫学的測定法。
[9]
前記カタラーゼが、ウシ肝臓由来のカタラーゼ、またはアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)由来である、[8]の免疫学的測定法。
[10]
前記過酸化酵素の基質が、過酸化酵素との反応により光学的な検出が可能な反応生成物を生じる過酸化酵素用基質である、[1]から[9]のいずれかの免疫学的測定法。
[11]
前記過酸化酵素用基質が、蛍光性の反応生成物を生じる過酸化酵素用基質である、[10]の免疫学的測定法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

関連特許

東ソー株式会社
乳酸吸着材
4日前
東ソー株式会社
自動分析装置
11日前
東ソー株式会社
免疫学的測定法
今日
東ソー株式会社
ゴム用接着性改質剤
今日
東ソー株式会社
ウェアラブルセンサ
19日前
東ソー株式会社
樹脂組成物および蓋材
1か月前
東ソー株式会社
樹脂組成物および蓋材
1か月前
東ソー株式会社
タンパク質の発現方法
25日前
東ソー株式会社
土木用注入薬液組成物
19日前
東ソー株式会社
改変された炭酸脱水酵素
1か月前
東ソー株式会社
アルカリ金属の除去方法
6日前
東ソー株式会社
芳香族化合物の製造方法
25日前
東ソー株式会社
土質安定化注入薬液組成物
1か月前
東ソー株式会社
土質安定化注入薬液組成物
1か月前
東ソー株式会社
pH応答性マイクロキャリア
1か月前
東ソー株式会社
温度応答性ビーズの製造方法
27日前
東ソー株式会社
CHA型ゼオライトの製造方法
7日前
東ソー株式会社
CHA型ゼオライトの製造方法
7日前
東ソー株式会社
酸素還元電極及びその製造方法
6日前
東ソー株式会社
イソシアネート化合物の製造方法
1か月前
東ソー株式会社
分離剤を充填したカラムの製造方法
今日
東ソー株式会社
6-ヒドロキシヘキサン酸の製造方法
5日前
東ソー株式会社
組成物、樹脂用添加剤及び樹脂発泡体
1か月前
東ソー株式会社
クロロスルホン化プロピレン系重合体
1か月前
東ソー株式会社
ユウロピウム錯体含有細胞賦活用組成物
今日
東ソー株式会社
塩化ビニル樹脂用接着剤及び接着構造体
25日前
東ソー株式会社
免疫グロブリン結合性タンパク質の製造方法
25日前
東ソー株式会社
N-アルキルマレイミド系共重合体の製造方法
1か月前
東ソー株式会社
温度応答性マイクロキャリアを用いた拡大培養方法
1か月前
東ソー株式会社
ポリエチレン組成物及び二軸延伸ポリエチレンフィルム
1か月前
東ソー株式会社
カラム管理サーバ、カラム管理システム及びプログラム
今日
東ソー株式会社
糖化ヘモグロビン解析方法及び糖化ヘモグロビン解析装置
4日前
東ソー株式会社
有機変性粘土粒子及びそれを含むポリエチレン製造用触媒
1か月前
東ソー株式会社
光電変換素子用材料、縮合環化合物の製造方法、及び縮合環化合物
1か月前
東ソー株式会社
ポリエチレン樹脂組成物、およびそれよりなるフィルムおよび医療容器
1か月前
東ソー株式会社
偽高値抑制剤、それを用いた免疫測定法、及びそれを含有する試薬キット
25日前
続きを見る