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公開番号2025157004
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-15
出願番号2024059809
出願日2024-04-02
発明の名称酸化ポリエチレンワックス及びその製造方法
出願人東ソー株式会社
代理人
主分類C08F 8/06 20060101AFI20251007BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】溶融混練した際の流動性が高く、水酸基などの極性基含有樹脂との反応性が高い酸化ポリエチレンワックスを提供する。
【解決手段】下記(1)~(4)を満たす酸化ポリエチレンワックス。
(1)GPC法によって測定した数平均分子量(Mn)が500以上8,000以下。
(2)1分子あたりの二重結合の数が0.4以上2.0以下。
(3)酸価が0.1mgKOH/g以上2.0mgKOH/g以下。
(4)(X)=(数平均分子量)/(661.26×ln(140℃における溶融粘度[mPa・s])-1944.4)として、0.80<(X)<0.99が成り立つ。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
下記(1)~(4)を満たす酸化ポリエチレンワックス。
(1)GPC法によって測定した数平均分子量(Mn)が500以上8,000以下。
(2)1分子あたりの二重結合の数が0.4以上2.0以下。
(3)酸価が0.1mgKOH/g以上2.0mgKOH/g以下。
(4)(X)=(数平均分子量)/(661.26×ln(140℃における溶融粘度[mPa・s])-1944.4)として、0.80<(X)<0.99が成り立つ。
続きを表示(約 580 文字)【請求項2】
下記(5)~(7)を満たすポリエチレン系樹脂を熱分解する、請求項1に記載の酸化ポリエチレンワックスの製造方法。
(5)GPC法によって測定した数平均分子量(Mn)が5,000以上100,000以下。
(6)1分子あたりの二重結合の数が2.0以下。
(7)酸価が0.1mgKOH/g以上4.0mgKOH/g以下。
【請求項3】
前記ポリエチレン系樹脂が廃ポリエチレンである、請求項2に記載の酸化ポリエチレンワックスの製造方法。
【請求項4】
前記廃ポリエチレンが押出ラミネート成形の製造過程で発生する使用済みポリエチレンである、請求項3に記載の酸化ポリエチレンワックスの製造方法。
【請求項5】
ポリエチレン系樹脂を押出機内で熱分解する、請求項2に記載の酸化ポリエチレンワックスの製造方法。
【請求項6】
前記押出機が二軸押出機である、請求項5に記載の酸化ポリエチレンワックスの製造方法。
【請求項7】
押出機の熱分解領域でのシリンダ温度330~480℃、熱分解後の酸化ポリエチレンワックスを押し出す押出機の先端温度100~300℃の条件にてポリエチレン系樹脂を押出機内で熱分解させる、請求項5に記載の酸化ポリエチレンワックスの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、酸化ポリエチレンワックスおよびその製造方法に関するものである。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
分子量1万以下の低分子量ポリマーは、分子量数万から数十万の一般的なポリマーとは異なる物理的、化学的性質を示す。なかでも低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレンなどのポリオレフィンワックスは、生産されるプラスチックの多くを占めるポリオレフィンだけでなく、顔料分散剤や成形加工助剤、インキまたは塗料の添加剤、ホットメルト接着剤の添加剤など幅広い用途に使用されている。さらに、ポリオレフィンワックスを酸化することで得られる酸化ポリオレフィンワックスは、水酸基などの極性基含有成分との相溶性が高いことから、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネートなどの合成樹脂とポリオレフィンから成るポリマーアロイにおける相溶化剤だけでなく、木粉、紙粉などのセルロース系粉末、ガラス繊維などをポリオレフィン系樹脂に複合化する際の分散剤としても有用である。
【0003】
酸化ポリオレフィンワックスの合成方法としては、重合型ポリオレフィンワックスを溶融状態で酸化する方法(例えば、特許文献1~4参照。)や、熱分解型ポリオレフィンワックスを酸化する方法(例えば、特許文献5~6参照。)、ポリオレフィンを固体状態で酸化した後、分解することよって酸化ポリオレフィンワックスを製造する方法(例えば、特許文献7参照。)などが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特公表2000-509417号公報
特表2004-501246号公報
特許第3813554号公報
特許第4799716号公報
特公昭43-9367号公報
特公昭47-49313号公報
特許5410991号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1~6に提案された方法においては、ワックスを酸化することにより酸化ワックスを合成しており、酸化のために加圧条件や長い反応時間ないし有害なオゾンなどの酸化剤の使用が必要であった。特許文献7に提案された方法では、ポリエチレンを均一に酸化するためにポリエチレン樹脂粒径を制御する必要があり、製造コストの増加が課題であった。また、得られる酸化ポリエチレンワックスは高酸価であり、分子量に対する溶融粘度が高いため、溶融粘度を調整するために低分子量化を行うと融点が低下することがある。さらに、植物由来のエチレンや廃棄プラスチックの使用などの環境配慮について言及されていない。
【0006】
そこで、本発明は、廃プラスチックを、特に好ましくは廃棄されるポリエチレン系樹脂から簡便かつ効率的に得られる微酸化ワックスを提供することを目的とするものであり、さらに詳しくは、プラスチックスやゴムの成形助剤、滑剤、離型剤、インキおよび塗料添加剤、顔料分散剤、ホットメルト接着剤用途などのワックスとしての用途に加え、ポリマーアロイの相溶化剤、フィラー等の分散剤としても有用である酸化ワックスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の酸化ポリエチレンワックスが流動性及び極性基含有成分との反応性が高く、かつ低コストとなることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明の各態様は、以下に示す[1]~[7]である。
[1]下記(1)~(4)を満たす酸化ポリエチレンワックス。
(1)GPC法によって測定した数平均分子量(Mn)が500以上8,000以下。
(2)1分子あたりの二重結合の数が0.4以上2.0以下。
(3)酸価が0.1mgKOH/g以上2.0mgKOH/g以下。
(4)(X)=(数平均分子量)/(661.26×ln(140℃における溶融粘度[mPa・s])-1944.4)として、0.80<(X)<0.99が成り立つ。
[2]下記(5)~(7)を満たすポリエチレン系樹脂を熱分解する、[1]に記載の酸化ポリエチレンワックスの製造方法。
(5)GPC法によって測定した数平均分子量(Mn)が5,000以上100,000以下。
(6)1分子あたりの二重結合の数が2.0以下。
(7)酸価が0.1mgKOH/g以上4.0mgKOH/g以下。
[3]前記ポリエチレン系樹脂が廃ポリエチレンである、[2]に記載の酸化ポリエチレンワックスの製造方法。
[4]前記廃ポリエチレンが押出ラミネート成形で発生する使用済みポリエチレンである、[3]に記載の酸化ポリエチレンワックスおよびその製造方法。
[5]ポリエチレンを押出機内で熱分解する、[2]に記載の酸化ポリエチレンワックスの製造方法。
[6]前記押出機が二軸押出機である、[5]に記載の酸化ポリエチレンワックスの製造方法。
[7]押出機の熱分解領域でのシリンダ温度330~480℃、熱分解後のワックスを押し出す押出機の先端温度100~300℃の条件にてポリエチレンを押出機内で熱分解させる、[5]又は[6]に記載の酸化ポリエチレンワックスの製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、プラスチックスやゴムの成形助剤、滑剤、離型剤、インキおよび塗料添加剤、顔料分散剤、ホットメルト接着剤用途などのポリエチレンワックスとしての用途に加え、ポリマーアロイの相容化剤、フィラー等の分散剤としても有用である酸化ポリエチレンワックスを提供することができ、その産業的価値は極めて高いものである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明について詳細に説明する。
(【0011】以降は省略されています)

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