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公開番号2025167866
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-11-07
出願番号2024072846
出願日2024-04-26
発明の名称断熱材
出願人株式会社カネカ
代理人
主分類C08J 9/16 20060101AFI20251030BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】高温時の断熱性と耐熱性に優れる断熱材を提供する。
【解決手段】下記(A)~(D)を満たすスチレン系樹脂発泡成形体からなる断熱材;
(A)平均温度23℃での熱伝導率(λ1)が0.0300W/mK以下、
(B)平均温度35℃での熱伝導率(λ2)が0.0320W/mK以下
(C)平均温度60℃での熱伝導率(λ3)が0.0340W/mK以下、
(D)90℃で24時間加熱後の寸法変化率が、±1%以内。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
下記(A)~(D)を満たすスチレン系樹脂発泡成形体からなる断熱材;
(A)平均温度23℃での熱伝導率(λ1)が0.0300W/mK以下、
(B)平均温度35℃での熱伝導率(λ2)が0.0320W/mK以下、
(C)平均温度60℃での熱伝導率(λ3)が0.0340W/mK以下、
(D)90℃で24時間加熱後の寸法変化率が、±1%以内。
続きを表示(約 720 文字)【請求項2】
前記λ2を前記λ1で除した値が1.04以下である、請求項1記載の断熱材。
【請求項3】
前記λ3を前記λ1で除した値が1.10以下である、請求項1もしくは2に記載の断熱材。
【請求項4】
前記スチレン系樹脂発泡成形体は、ビカット軟化点が106℃以上125℃以下であり、(メタ)アクリル酸に由来する構成単位を2~20重量%有する第一スチレン系樹脂を含む、請求項1もしくは2に記載の断熱材。
【請求項5】
前記スチレン系樹脂発泡成形体は、基材樹脂全体に対する前記第一スチレン系樹脂の含有割合が、70重量%以上100重量%以下である、請求項1もしくは2に記載の断熱材。
【請求項6】
前記スチレン系樹脂発泡成形体が輻射伝熱抑制剤を含有する、請求項1もしくは2に記載の断熱材。
【請求項7】
前記スチレン系樹脂発泡成形体における輻射伝熱抑制剤単位溶液濃度あたりのレーザー散乱強度が、5.0{%/(mg/ml)}/重量%以上である、請求項1もしくは2に記載の断熱材。
【請求項8】
前記スチレン系樹脂発泡成形体は、脂肪族炭素に臭素原子が付加した臭素系難燃剤を含む、請求項1もしくは2に記載の断熱材。
【請求項9】
前記スチレン系樹脂発泡成形体の密度が15kg/m

~40kg/m

である、請求項1もしくは2に記載の断熱材。
【請求項10】
JIS A9511 A法の燃焼試験に合格する請求項1もしくは2に記載の断熱材。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、スチレン系樹脂発泡成形体からなる断熱材に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
ポリスチレンを基材樹脂とした断熱材は、軽量性と断熱性に優れることから、住宅用や産業用等の断熱材として広く用いられている。当該断熱材に優れた断熱性を付与する一方策として、断熱材中にグラファイト等の輻射伝熱抑制剤を含有させることが行われる。
【0003】
一方、耐熱性の観点では、ポリスチレンを基材樹脂とした断熱材は加熱時における寸法変化率が大きいため、高温部分、例えば、給湯タンク等の温水容器向け断熱材や建築物の屋根用断熱材としての使用が難しい場合がある。この問題に対処する一方策として、基材樹脂としてスチレンと他モノマーの共重合体を用いることで、発泡成形体の寸法変化率をより小さくし、耐熱性を付与することが行われている(特許文献1、特許文献2)。
【0004】
しかしながら、特許文献1及び2に記載されるような輻射伝熱抑制剤を含有し、且つ耐熱性を有するスチレン系樹脂を用いた発泡体は、断熱材として従来よりも一定の断熱性能向上は認められるものの、昨今の住宅や住設機器のさらなる省エネルギー化志向に対して十分に貢献できているとは言い難い。具体的には、更なる断熱性能の向上が望まれる。更には、実際に断熱材が暴露される温度環境は常温環境の23℃だけでなく、それよりもはるかに高い温度環境、具体的には30℃、35℃、40℃、50℃、60℃、70℃、80℃、90℃、更には95℃程度まで上昇しうる。よって高温状態でも優れた断熱性能を有し、且つ寸法変化が少ない断熱材が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2014-148661号公報
特開2023-144509号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで本開示は、常温環境のみならず高温環境においても断熱性と耐熱性に優れる断熱材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、
〔1〕.下記(A)~(D)を満たすスチレン系樹脂発泡成形体からなる断熱材;
(A)平均温度23℃での熱伝導率(λ1)が0.0300W/mK以下、
(B)平均温度35℃での熱伝導率(λ2)が0.0320W/mK以下、
(C)平均温度60℃での熱伝導率(λ3)が0.0340W/mK以下、
(D)90℃で24時間加熱後の寸法変化率が、±1%以内、
〔2〕.前記λ2を前記λ1で除した値が1.04以下である、〔1〕記載の断熱材、
〔3〕.前記λ3を前記λ1で除した値が1.10以下である、〔1〕もしくは〔2〕に記載の断熱材、
〔4〕.前記スチレン系樹脂発泡成形体は、ビカット軟化点が106℃以上125℃以下であり、(メタ)アクリル酸に由来する構成単位を2~20重量%有する第一スチレン系樹脂を含む、〔1〕もしくは〔2〕に記載の断熱材、
〔5〕.前記スチレン系樹脂発泡成形体は、基材樹脂全体に対する前記第一スチレン系樹脂の含有割合が、70重量%以上100重量%以下である、〔1〕もしくは〔2〕に記載の断熱材、
〔6〕.前記スチレン系樹脂発泡成形体が輻射伝熱抑制剤を含有する、〔1〕もしくは〔2〕に記載の断熱材、
〔7〕.前記スチレン系樹脂発泡成形体における輻射伝熱抑制剤単位溶液濃度あたりのレーザー散乱強度が、5.0{%/(mg/ml)}/重量%以上である、〔1〕もしくは〔2〕に記載の断熱材、
〔8〕.前記スチレン系樹脂発泡成形体は、脂肪族炭素に臭素原子が付加した臭素系難燃剤を含む、〔1〕もしくは〔2〕に記載の断熱材、
〔9〕.前記スチレン系樹脂発泡成形体の密度が15kg/m

~40kg/m

である、〔1〕もしくは〔2〕に記載の断熱材、
〔10〕.JIS A9511 A法の燃焼試験に合格する〔1〕もしくは〔2〕に記載の断熱材、
〔11〕.UL-94 HF-1規格を満たす〔1〕もしくは〔2〕に記載の断熱材、
〔12〕.前記スチレン系樹脂発泡体のJIS A 9511における吸水量が1.0g/100cm

以下である、〔1〕もしくは〔2〕に記載の断熱材、
〔13〕.前記発泡成形体の平均セル径が80μm超400μm未満である、〔1〕もしくは〔2〕に記載の断熱材、
〔14〕.前記スチレン系樹脂発泡成形体は発泡粒子成形体である、〔1〕に記載の断熱材、
に関する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の断熱材によれば、高温環境下において優れた断熱性能を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<基材樹脂>
本実施形態に用いられるスチレン系樹脂は、スチレン単独重合体、及び/又は、スチレンと他の単量体もしくはその誘導体との共重合体に限らず、本実施形態に係る効果を損なわない範囲で、(a)スチレン単独重合体、及び/又は、スチレンと他の単量体もしくはその誘導体との共重合体と、(b)上述の他の単量体もしくは誘導体の単独重合体、又はそれらの共重合体と、のブレンド物であってもよい。
【0010】
前記「他の単量体又はその誘導体」としては、例えば、(a)メチルスチレン、ジメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、トリブロモスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、及びトリクロロスチレン等のスチレン誘導体;(b)ジビニルベンゼン等の多官能性ビニル化合物;(c)アクリル酸、メタアクリル酸等の(メタ)アクリル酸化合物;(d)アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、及びメタクリル酸ブチル等の(メタ)アクリル酸エステル化合物;(e)(メタ)アクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物;(f)ブタジエン等のジエン系化合物又はその誘導体;(g)無水マレイン酸、及び無水イタコン酸等の不飽和カルボン酸無水物;N-メチルマレイミド、N-ブチルマレイミド、N-シクロヘキシルマレイミド、N-フェニルマレイミド、N-(2)-クロロフェニルマレイミド、N-(4)-ブロモフェニルマレイミド、及びN-(1)-ナフチルマレイミド等のN-アルキル置換マレイミド化合物等が挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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