特許ウォッチ

公開番号2025150978
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-09
出願番号2024052169
出願日2024-03-27
発明の名称カテーテル
出願人株式会社カネカ
代理人弁理士法人アスフィ国際特許事務所
主分類A61M 25/00 20060101AFI20251002BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】屈曲状態で使用してもキンクが発生しにくいカテーテルを提供する。
【解決手段】長手軸方向に延在する内腔を有する筒状部材と、前記筒状部材の径方向の外側に位置し、素線を有する編組チューブと、前記編組チューブの径方向の外側に位置する外層と、を有するカテーテルであって、前記編組チューブと前記外層の間にコイルが配されており、前記カテーテルの側面視において、前記素線の巻きピッチをP1とし、前記コイルの巻きピッチをP2としたとき、前記素線の巻きピッチP1と前記コイルの巻きピッチP2は下記式(1)で表される関係を満足するカテーテル。
P1≧P2 ・・・(1)
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項１】
長手軸方向に延在する内腔を有する筒状部材と、
前記筒状部材の径方向の外側に位置し、素線を有する編組チューブと、
前記編組チューブの径方向の外側に位置する外層と、
を有するカテーテルであって、
前記編組チューブと前記外層の間にコイルが配されており、
前記カテーテルの側面視において、前記素線の巻きピッチをＰ１とし、前記コイルの巻きピッチをＰ２としたとき、前記素線の巻きピッチＰ１と前記コイルの巻きピッチＰ２は下記式（１）で表される関係を満足するカテーテル。
Ｐ１≧Ｐ２・・・（１）
続きを表示（約 560 文字）【請求項２】
前記コイルは、巻きピッチが前記Ｐ２である疎部と、巻きピッチが前記Ｐ２より小さいＰ３である密部を有しており、
前記筒状部材の前記長手軸方向に対し、前記コイルの密部は、前記コイルの疎部よりも遠位側に配されている請求項１に記載のカテーテル。
【請求項３】
前記編組チューブの遠位端部における径方向の外側に、前記コイルの密部が配されている請求項２に記載のカテーテル。
【請求項４】
前記コイルの線径は、前記編組チューブの素線の線径に対して０．５倍～５倍である請求項１に記載のカテーテル。
【請求項５】
前記コイルは、Ｘ線不透過性材料を含む請求項１に記載のカテーテル。
【請求項６】
前記Ｘ線不透過性材料は、縦弾性係数が１９０ＧＰａ以下である請求項５に記載のカテーテル。
【請求項７】
前記筒状部材に固定され前記筒状部材より近位側に延在している線状部材を更に有する請求項１に記載のカテーテル。
【請求項８】
前記筒状部材の前記長手軸方向に延在する内腔を有し、遠位端に開口を有する第２のカテーテル内に挿入され、前記第２のカテーテルの前記開口から突出可能な延長カテーテルである請求項７に記載のカテーテル。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、カテーテルに関するものである。
続きを表示（約 2,500 文字）【背景技術】
【０００２】
医療現場では、種々のカテーテルが用いられている。血管内や体腔内にカテーテルを挿入し、カテーテルの先端部を目的位置まで到達させることにより、例えば、薬剤や造影剤を投与、注入するなどの処置や診断を行うことができる。血管内や体腔内にカテーテルを挿入するためにカテーテルには血管や体腔の形状に対する追従性が高いことが求められ、特にカテーテルの先端部は柔軟であることが求められる。一方、血管内や体腔内でカテーテルを走行させるためにカテーテルには先端側に手元側からの押し込み力（プッシャビリティ）を伝達できることが求められる。このようにカテーテルには、柔軟性と、先端側に手元側からの押し込み力を伝達できる剛性が求められる。こうしたカテーテルとして、例えば、特許文献１には、延伸した状態で編組部の先端側に固定された第１のコイル部と、収縮した状態で編組部の基端側に固定された第２のコイル部と、を有するカテーテルが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
特許第６５１３９９７号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
カテーテルには、柔軟性と、手元側からの押し込み力を先端側に伝達できる剛性の他に、屈曲状態で使用してもキンクが発生しないことも求められる。
【０００５】
本発明は上記の様な事情に着目してなされたものであって、その目的は、屈曲状態で使用してもキンクが発生しにくいカテーテルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明は、以下の通りである。
［１］長手軸方向に延在する内腔を有する筒状部材と、前記筒状部材の径方向の外側に位置し、素線を有する編組チューブと、前記編組チューブの径方向の外側に位置する外層と、を有するカテーテルであって、前記編組チューブと前記外層の間にコイルが配されており、前記カテーテルの側面視において、前記素線の巻きピッチをＰ１とし、前記コイルの巻きピッチをＰ２としたとき、前記素線の巻きピッチＰ１と前記コイルの巻きピッチＰ２は下記式（１）で表される関係を満足するカテーテル。
Ｐ１≧Ｐ２・・・（１）
［２］前記コイルは、巻きピッチが前記Ｐ２である疎部と、巻きピッチが前記Ｐ２より小さいＰ３である密部を有しており、前記筒状部材の前記長手軸方向に対し、前記コイルの密部は、前記コイルの疎部よりも遠位側に配されている［１］に記載のカテーテル。
［３］前記編組チューブの遠位端部における径方向の外側に、前記コイルの密部が配されている［２］に記載のカテーテル。
［４］前記コイルの線径は、前記編組チューブの素線の線径に対して０．５倍～５倍である［１］～［３］のいずれかに記載のカテーテル。
［５］前記コイルは、Ｘ線不透過性材料を含む［１］～［４］のいずれかに記載のカテーテル。
［６］前記Ｘ線不透過性材料は、縦弾性係数が１９０ＧＰａ以下である［５］に記載のカテーテル。
［７］前記筒状部材に固定され前記筒状部材より近位側に延在している線状部材を更に有する［１］～［６］のいずれかに記載のカテーテル。
［８］前記筒状部材の前記長手軸方向に延在する内腔を有し、遠位端に開口を有する第２のカテーテル内に挿入され、前記第２のカテーテルの前記開口から突出可能な延長カテーテルである［７］に記載のカテーテル。
【発明の効果】
【０００７】
本発明に係るカテーテルは、素線を有する編組チューブと、コイルとを有しており、素線の巻きピッチＰ１とコイルの巻きピッチＰ２が適切に制御されている。その結果、屈曲状態で使用してもキンクが発生しにくいカテーテルを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【０００８】
図１は、カテーテルの実施の形態を示す側面図である。
図２は、図１のＩＩ－ＩＩ断面図である。
図３は、図１の編組チューブの側面図である。
図４は、図１のコイルの側面図である。
図５は、カテーテルの他の実施の形態を示す側面図である。
図６は、図５のコイルの側面図である。
図７は、図１のＩＩ－ＩＩ断面図の他の例を示す断面図である。
図８は、カテーテルの他の実施の形態を示す側面図である。
図９は、図８に示したカテーテルを第２のカテーテル内に挿入し、第２のカテーテルの遠位端の開口から一部を突出させている状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【０００９】
本発明に係るカテーテルの実施の形態は、長手軸方向に延在する内腔を有する筒状部材と、前記筒状部材の径方向の外側に位置し、素線を有する編組チューブと、前記編組チューブの径方向の外側に位置する外層と、を有するカテーテルであって、前記編組チューブと前記外層の間にコイルが配されており、前記カテーテルの側面視において、前記素線の巻きピッチをＰ１とし、前記コイルの巻きピッチをＰ２としたとき、前記素線の巻きピッチＰ１と前記コイルの巻きピッチＰ２は下記式（１）で表される関係を満足している。
Ｐ１≧Ｐ２・・・（１）
【００１０】
以下、実施の形態に基づき本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記実施の形態によって制限を受けるものではなく、前記および後記の趣旨に適合し得る範囲で変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。なお、各図面において、便宜上、ハッチングや部材符号等を省略する場合もあるが、かかる場合、明細書や他の図面を参照するものとする。また、図面における種々の部材の寸法は、本発明の特徴の理解に資することを優先しているため、実際の寸法とは異なる場合がある。
（【００１１】以降は省略されています）

関連特許