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公開番号2025136555
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-19
出願番号2024035216
出願日2024-03-07
発明の名称吸水剤の製造方法
出願人住友精化株式会社
代理人
主分類C08J 3/12 20060101AFI20250911BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】被覆樹脂粒子の加熱処理工程において、凝集を抑制することが可能な吸水剤の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の一側面は、ポリマー成分を含有するコーティング材によって少なくとも表面の一部が被覆された吸水性樹脂粒子である被覆樹脂粒子と滑剤とを含む混合粒子を、前記ポリマー成分のガラス転移温度以上の温度で加熱することで吸水剤を得る加熱処理工程を含む、吸水剤の製造方法に関する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ポリマー成分を含有するコーティング材によって少なくとも表面の一部が被覆された吸水性樹脂粒子である被覆樹脂粒子と滑剤とを含む混合粒子を、前記ポリマー成分のガラス転移温度以上の温度で加熱することで吸水剤を得る加熱処理工程を含む、吸水剤の製造方法。
続きを表示(約 390 文字)【請求項2】
前記加熱処理工程が、前記ポリマー成分の熱分解温度未満の温度で実施される、請求項1に記載の吸水剤の製造方法。
【請求項3】
前記加熱処理工程が、前記ポリマー成分のガラス転移温度よりも5℃~180℃高い温度で実施される、請求項1又は2に記載の吸水剤の製造方法。
【請求項4】
前記混合粒子における前記滑剤の割合が、0.05質量%~3質量%である、請求項1又は2に記載の吸水剤の製造方法。
【請求項5】
前記滑剤が、無機化合物を含む、請求項1又は2に記載の吸水剤の製造方法。
【請求項6】
前記無機化合物が、シリカである、請求項5に記載の吸水剤の製造方法。
【請求項7】
前記滑剤が、1μm~100μmの体積平均粒子径を有する粒子を含む、請求項1又は2に記載の吸水剤の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、吸水剤の製造方法等に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
従来から、吸水性樹脂粒子は、紙おむつ、生理用ナプキン、ペットシート等の衛生材料;ケーブル用の止水材、土木用止水材等の工業資材;保冷用ゲル剤、カイロ、芳香剤、簡易トイレ等の日用品などの幅広い分野で使用されている。
【0003】
一般的に、吸水性樹脂粒子を吸水剤として、紙おむつ、生理用ナプキン、ペットシート等の衛生材料に使用する場合には、吸水剤の保水量、荷重下での吸水量、水溶性成分の量、吸水速度等の吸水特性を制御することが求められている(例えば、特許文献1)。例えば、吸水速度が速すぎる場合、尿等の吸収対象の液体と吸水性樹脂粒子が接触した際に短時間で膨潤状態に達するために、ゲルブロッキング(膨潤したゲル状の吸水性樹脂粒子によって、液体の拡散が妨げられ、おむつ等への液体の浸透速度が悪化する現象)が生じ、使用感の悪化や液だまりの発生等の原因となる。そこで、吸水剤の吸水特性を調整する(例えば、吸水速度を遅くする)ために、吸水性樹脂粒子をコーティング材で被覆し、所定の温度で加熱処理する手法(特許文献2)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2006-176570号公報
WO2022/209536号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
吸水剤の吸水特性の調整方法として、ポリマー成分を含むコーティング材で被覆した吸水性樹脂粒子を加熱処理すると、その加熱温度によっては(特に、コーティング材に含まれるポリマー成分のガラス転移温度以上の加熱温度である場合)、被覆されたコーティング材が軟化し、被覆樹脂粒子同士が軟化したコーティング材を介して接着する(以下、凝集と称する)ことがあることを本発明者は見出した。
【0006】
そこで、本発明は、被覆樹脂粒子の加熱処理工程において、凝集を抑制することが可能な吸水剤の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書は、少なくとも以下[1]~[7]の発明を含む。
[1] ポリマー成分を含有するコーティング材によって少なくとも表面の一部が被覆された吸水性樹脂粒子である被覆樹脂粒子と滑剤とを含む混合粒子を、前記ポリマー成分のガラス転移温度以上の温度で加熱することで吸水剤を得る加熱処理工程を含む、吸水剤の製造方法。
[2] 加熱処理工程が、ポリマー成分の熱分解温度未満の温度で実施される、[1]に記載の吸水剤の製造方法。
[3] 加熱処理工程が、ポリマー成分のガラス転移温度よりも5℃~180℃高い温度で実施される、[1]又は[2]に記載の吸水剤の製造方法。
[4] 混合粒子における滑剤の割合が、0.05質量%~3質量%である、[1]~[3]の何れか一つに記載の吸水剤の製造方法。
[5] 滑剤が、無機化合物を含む、[1]~[4]の何れか一つに記載の吸水剤の製造方法。
[6] 無機化合物が、シリカである、[5]に記載の吸水剤の製造方法。
[7] 滑剤が、1μm~100μmの体積平均粒子径を有する粒子を含む、[1]~[6]の何れか一つに記載の吸水剤の製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、被覆樹脂粒子の加熱処理工程において、凝集を抑制することが可能な吸水剤の製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
【0010】
本明細書において、「アクリル」及び「メタクリル」を合わせて「(メタ)アクリル」と表記する。「アクリレート」及び「メタクリレート」も同様に「(メタ)アクリレート」と表記する。「(ポリ)」とは、「ポリ」の接頭語がある場合及びない場合の双方を意味するものとする。本明細書に段階的に記載されている数値範囲において、ある段階の数値範囲の上限値又は下限値は、他の段階の数値範囲の上限値又は下限値と任意に組み合わせることができる。本明細書に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。本明細書に例示する各種の材及び剤は、単独で用いられてもよく、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。「水溶性」は、25℃のイオン交換水100gに対して1g以上(例えば1~150g)の溶解度を意味する。「難水溶性」は、25℃のイオン交換水100gに対して1g未満の溶解度を意味する。
特に断りのない限り、実施例および比較例は1気圧かつ常温常湿の環境で実施され、本明細書で開示された各種パラメータも同環境で測定された値であり、各種試料の温度は常温である。「1気圧」は101325Paであり、「常温」は25℃であり、「常湿」は50%RHである。
(【0011】以降は省略されています)

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