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公開番号2025141951
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-29
出願番号2025041362
出願日2025-03-14
発明の名称衝撃吸収材
出願人UBE株式会社
代理人個人,個人
主分類C08J 9/04 20060101AFI20250919BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】衝撃吸収性及び装着性に優れた衝撃吸収材の提供。
【解決手段】下記(1)及び(2)を満たすポリマーを含む、衝撃吸収材:
(1)動的固体粘弾性試験により得られる、周速2.7m/sの貯蔵弾性率G’が、6~60MPaであり、
(2)動的固体粘弾性試験により得られる、周速0.1m/sの貯蔵弾性率G’に対する周速2.7m/sの貯蔵弾性率G’の比が、4.0以上である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
下記(1)及び(2)を満たすポリマーを含む、衝撃吸収材:
(1)動的固体粘弾性試験により得られる、周速2.7m/sの貯蔵弾性率G’が、6~60MPaであり、
(2)動的固体粘弾性試験により得られる、周速0.1m/sの貯蔵弾性率G’に対する周速2.7m/sの貯蔵弾性率G’の比が、4.0以上である。
続きを表示(約 740 文字)【請求項2】
前記ポリマーが、発泡構造を有するポリマーである、請求項1に記載の衝撃吸収材。
【請求項3】
前記発泡構造を有するポリマーの母材の動的固体粘弾性試験により得られる、周速0.1m/sのG’に対する周速2.7m/sのG’の比が2.5以上である、請求項2に記載の衝撃吸収材。
【請求項4】
前記発泡構造を有するポリマーの母材の動的固体粘弾性試験により得られる、周速2.7m/sの損失正接(tanδ)が0.5以上である、請求項2に記載の衝撃吸収材。
【請求項5】
前記発泡構造を有するポリマーの発泡倍率が、1.2~3.5である、請求項2に記載の衝撃吸収材。
【請求項6】
形状が平板状であり、厚みが0.3~500mmである、請求項1に記載の衝撃吸収材。
【請求項7】
前記ポリマーが、エラストマーである、請求項1に記載の衝撃吸収材。
【請求項8】
前記ポリマーが、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、熱硬化性ポリウレタン樹脂、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリ塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、アクリル系熱可塑性エラストマー、又はポリスチレン系熱可塑性エラストマーである、請求項1に記載の衝撃吸収材。
【請求項9】
前記ポリマーが、エポキシ樹脂である、請求項1に記載の衝撃吸収材。
【請求項10】
前記発泡構造を有するポリマーが、エポキシ樹脂、硬化剤及び発泡剤を含む組成物を発泡させてなる発泡体である、請求項2に記載の衝撃吸収材。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、衝撃吸収材に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
衝撃吸収材は、介護などに用いられる衝撃吸収部材を備えた衣類や、スポーツ用保護具などとして人体を衝撃から保護したり、あるいはパレット等の運搬用具に適用して運搬品を衝撃から保護したりと、幅広い分野で利用されている。
【0003】
衝撃吸収材としては、従来、様々な材料が用いられており、各種発泡体、熱可塑性エラストマー等などが用いられていた。一方で近年、特に電気電子材料の小型化により省スペースで衝撃吸収性を向上させるために、非発泡の衝撃吸収フィルムや、発泡体に動的粘弾性測定による損失正接tanδピークが高く衝撃吸収性に優れる材料を使うことが増えてきた。
【0004】
一般に衝撃吸収材は、軟らかくすることで接触時間を稼ぎ衝撃減衰性を確保するが、これには大きな変形量が必要となる。反対に材料が硬いと少ない変形量で荷重が上昇し、保護対象に衝撃が伝播してしまう。そこで硬い材料に発泡構造を導入すると、荷重が大きく上昇する前に降伏し、衝撃エネルギーを効率的に吸収することが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2003-3004号公報
特開2006-124848号公報
特開2011-168775号公報
特開2019-182981号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、これでは材料が元々硬いため、フレキシビリティが失われ、装着性に課題があった。そのために、保護具や電子機器、自動車部材として適用し難いという問題があった。一方、フレキシビリティを向上させようとすると、衝撃吸収性が失われやすく、必要な材料の厚みが増すため、この場合も装着性に課題があった。
本発明の課題は、衝撃吸収性及び装着性に優れた衝撃吸収材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は以下の態様を含む:
[項1]
下記(1)及び(2)を満たすポリマーを含む、衝撃吸収材:
(1)動的固体粘弾性試験により得られる、周速2.7m/sの貯蔵弾性率G’が、6~60MPaであり、
(2)動的固体粘弾性試験により得られる、周速0.1m/sの貯蔵弾性率G’に対する周速2.7m/sの貯蔵弾性率G’の比が、4.0以上である。
[項2]
前記ポリマーが、発泡構造を有するポリマーである、項1に記載の衝撃吸収材。
[項3]
前記発泡構造を有するポリマーの母材の動的固体粘弾性試験により得られる、周速0.1m/sのG’に対する周速2.7m/sのG’の比が2.5以上である、項2に記載の衝撃吸収材。
[項4]
前記発泡構造を有するポリマーの母材の動的固体粘弾性試験により得られる、周速2.7m/sの損失正接(tanδ)が0.5以上である、項2または項3に記載の衝撃吸収材。
[項5]
前記発泡構造を有するポリマーの発泡倍率が、1.2~3.5である、項2~4のいずれか一項に記載の衝撃吸収材。
[項6]
形状が平板状であり、厚みが0.3~500mmである、項1~5のいずれか一項に記載の衝撃吸収材。
[項7]
前記ポリマーが、エラストマーである、項1~6のいずれか一項に記載の衝撃吸収材。
[項8]
前記ポリマーが、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、熱硬化性ポリウレタン樹脂、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリ塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、アクリル系熱可塑性エラストマー、又はポリスチレン系熱可塑性エラストマーである、項1~7のいずれか一項に記載の衝撃吸収材。
[項9]
前記ポリマーが、エポキシ樹脂である、項1~項6のいずれか一項に記載の衝撃吸収材。
[項10]
前記発泡構造を有するポリマーが、エポキシ樹脂、硬化剤及び発泡剤を含む組成物を発泡させてなる発泡体である、項2~6のいずれか一項に記載の衝撃吸収材。
[項11]
前記発泡構造を有するポリマーが、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー及び発泡剤を含む組成物を発泡させてなる発泡体である、項2~8のいずれか一項に記載の衝撃吸収材。
[項12]
プロテクター、床材、自動車用クッション、自動車バンパー、電子部品用衝撃吸収シート、緩衝材、スポーツ用品、運搬用具、ドローン部材、ドローン着陸ポート用衝撃吸収シート用の、項1~11のいずれか一項に記載の衝撃吸収材。
[項13]
前記硬化剤が、アミン系硬化剤である、項11に記載の衝撃吸収材。
[項14]
前記発泡剤が、熱膨張性カプセル又は炭酸水素アンモニウムを含む、項11または項13に記載の衝撃吸収材。
[項15]
エポキシ樹脂、硬化剤及び発泡剤を含む組成物を発泡させてなる発泡体であって、
当該組成物中に含まれる硬化剤の含有量が、当該組成物中に含まれるエポキシ樹脂の含有量に対して80~120質量%であり、
当該組成物中に含まれる発泡剤の含有量が、当該組成物の全質量に対して0.1~20質量%である、項11、13又は14に記載の衝撃吸収材。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、衝撃吸収性及び装着性に優れた衝撃吸収材を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<用語の定義>
本明細書において、「~」を用いて示された数値範囲は、「~」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。また、組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
【0010】
本明細書において、「ポリマー」は、必ずしも高分子化合物自体を意味するものではなく、文脈により種々の形態を意味し得る。下記に限定されるものではないが、例えば「ポリマー」は、文脈により、重合開始剤または触媒等の添加剤を含む系中でモノマーを重合させて得られる高分子組成物を意味し得る。また、例えば「ポリマー」は、かかる高分子組成物を含む高分子材料を意味し得る。また、例えば「ポリマー」は、架橋剤等を使用して高分子化合物を架橋させることで得られる架橋高分子の組成物、および材料を意味し得る。
(【0011】以降は省略されています)

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