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10個以上の画像は省略されています。
公開番号
2025170165
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-11-14
出願番号
2025153980,2025036156
出願日
2025-09-17,2025-03-07
発明の名称
フルオロポリマー水性分散液の製造方法
出願人
ダイキン工業株式会社
代理人
弁理士法人とこしえ特許事務所
主分類
C08F
14/18 20060101AFI20251107BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】フルオロポリマー水性分散液を製造するための新規製造方法を提供すること。
【解決手段】明細書に記載の環式化合物、ならびに、水性媒体の存在下に、フルオロモノマーを重合することによって、フルオロポリマーを含有する水性分散液を製造するフルオロポリマー水性分散液の製造方法を提供する。
【選択図】 なし
特許請求の範囲
【請求項1】
式(1)で表される化合物(1)、式(2)で表される化合物(2)、および、式(3)で表される化合物(3)からなる群より選択される少なくとも1種の環式化合物、ならびに、水性媒体の存在下に、フルオロモノマーを重合することによって、フルオロポリマーを含有する水性分散液を製造するフルオロポリマー水性分散液の製造方法。
式(1):
TIFF
2025170165000062.tif
39
153
(式中、
R
11
、R
12
およびR
13
は、独立に、ヘテロ原子を含んでもよい原子数1~8の多価連結基、X
11
およびX
12
は独立にCまたはNであり;
環Aは、R
11
、R
12
、X
11
およびX
12
が連結して形成される4~18員の環であり、環Bは、R
11
、R
13
、X
11
およびX
12
が連結して形成される4~18員の環であり、環Aおよび環Bは、独立に、飽和もしくは不飽和の炭化水素環または飽和もしくは不飽和の複素環であり、ただし、環Aおよび環Bの少なくとも一方は非芳香族環であり;
R
14
は単結合または炭素数1~20の2価連結基、Z
11
は親水性基であり、nは、環Aまたは環Bに結合する式:-R
14
-Z
11
で表される基の数を表し、1以上の整数であり;
環Aおよび環Bは、式:-R
14
-Z
11
で表される基以外の任意の置換基を有してもよく、また、環Aを形成するR
12
および環Bを形成するR
13
には、少なくとも1つの炭素-炭素間結合を共有する他の環が結合していてもよく;
R
11
、R
12
およびR
13
は、いずれか2つがお互いに連結して、1以上の環を形成してもよい。)
式(2):
TIFF
2025170165000063.tif
49
153
(式中、
R
21
は、単結合または炭素数1~20の多価連結基であり、R
21
が炭素数1~20の多価連結基である場合、R
21
のいずれか1以上の炭素原子が3つのシクロヘキサン環を形成するいずれか2以上の炭素原子に結合することにより、環を形成してもよく;
Z
11
は親水性基であり;
nは、3つのシクロヘキサン環のいずれかに結合する式:-R
21
-Z
11
で表される基の数を表し、1以上の整数であり;
3つのシクロヘキサン環は、式:-R
21
-Z
11
で表される基以外の任意の置換基を有してもよく、また、3つのシクロヘキサン環には、少なくとも1つの炭素-炭素間結合を共有する他の環が結合していてもよい。)
式(3):
TIFF
2025170165000064.tif
40
128
(式中、
R
続きを表示(約 4,700 文字)
【請求項2】
化合物(1)が、式(1-1)、式(1-2)および式(1-3)のいずれかで表される請求項1に記載の製造方法。
式(1-1):
TIFF
2025170165000065.tif
39
153
(式中、
R
111
は炭素数1または2の炭化水素基、R
112
およびR
113
は、独立に、飽和もしくは不飽和の炭素数2~8の炭化水素基またはエーテル酸素原子を含む飽和もしくは不飽和の炭素数1~7の炭化水素基、X
11
およびX
12
は独立にCまたはNであり;
環A
1
は、R
111
、R
112
、X
11
およびX
12
が連結して形成される5~12員の環であり、環B
1
は、R
111
、R
113
、X
11
およびX
12
が連結して形成される5~12員の環であり、環A
1
および環B
1
は、独立に、飽和もしくは不飽和の炭化水素環または飽和もしくは不飽和の複素環であり、ただし、環A
1
および環B
1
はいずれも非芳香族環であり;
R
14
は単結合または炭素数1~20の2価連結基、Z
11
は親水性基であり、nは、環A
1
または環B
1
に結合する式:-R
14
-Z
11
で表される基の数を表し、1以上の整数であり;
環A
1
および環B
1
は、-R
14
-Z
11
で表される基以外の任意の置換基を有してもよい。)
式(1-2):
TIFF
2025170165000066.tif
49
153
(式中、
R
111
、R
112
、R
113
、X
11
、X
12
、環A
1
、環B
1
、R
14
、Z
11
およびnは、上記したとおりであり;
R
114
【請求項3】
化合物(1)が、式(1-1-1)、式(1-1-2)、式(1-1-3)、式(1-1-4)、式(1-1-5)、式(1-2-1)、式(1-2-2)および式(1-3)のいずれかで表される請求項1に記載の製造方法。
式(1-1-1):
TIFF
2025170165000068.tif
24
152
式(1-1-2):
TIFF
2025170165000069.tif
25
152
式(1-1-3):
TIFF
2025170165000070.tif
26
153
式(1-1-4):
TIFF
2025170165000071.tif
26
153
式(1-1-5):
TIFF
2025170165000072.tif
27
152
式(1-2-1):
TIFF
2025170165000073.tif
33
153
式(1-2-2):
TIFF
2025170165000074.tif
29
154
式(1-3):
TIFF
2025170165000075.tif
37
153
(各式中、R
14
は単結合または炭素数1~20の2価連結基、Z
11
は親水性基である。nは、環を構成するいずれかの炭素原子に結合する式:-R
14
-Z
11
で表される基の数を表し、1以上の整数である。環は、いずれも、式:-R
14
-Z
11
で表される基以外の任意の置換基を有してもよい。)
【請求項4】
化合物(2)が、式(2-1)および式(2-2)のいずれかで表される請求項1に記載の製造方法。
式(2-1):
TIFF
2025170165000076.tif
42
153
(式中、R
211
は単結合または炭素数1~20の2価連結基、Z
11
は親水性基である。nは、シクロペンタン環に結合する式:-R
211
-Z
11
で表される基の数を表し、1以上の整数である。3つのシクロヘキサン環は、任意の置換基を有してもよい。また、シクロペンタン環は、式:-R
211
-Z
11
で表される基以外の任意の置換基を有してもよい。)
式(2-2):
TIFF
2025170165000077.tif
45
153
(式中、R
212
は単結合または炭素数1~20の2価連結基、Z
11
は親水性基である。nは、3つのシクロヘキサン環のいずれかに結合する式:-R
212
-Z
11
で表される基の数を表し、1以上の整数である。3つのシクロヘキサン環は、式:-R
212
-Z
11
で表される基以外の任意の置換基を有してもよい。シクロペンタン環は、任意の置換基を有してもよい。)
【請求項5】
化合物(3)が、式(3-1)で表される請求項1に記載の製造方法。
式(3-1):
TIFF
2025170165000078.tif
31
154
(式中、
環D
1
は、3~18員の飽和もしくは不飽和の炭化水素環または飽和もしくは不飽和の複素環であり、芳香族環であっても非芳香族環であってもよく;
R
34
は単結合または炭素数1~20の2価連結基、Z
11
は親水性基であり、nは、ベンゼン環または環D
1
に結合する式:-R
34
-Z
11
で表される基の数を表し、1以上の整数であり;
ベンゼン環および環D
1
は、式:-R
34
-Z
11
で表される基および不飽和二重結合を含有する基以外の任意の置換基を有してもよく、また、ベンゼン環および環D
1
には、少なくとも1つの炭素-炭素間結合を共有する他の環が結合していてもよい。)
【請求項6】
化合物(3)が、式(3-1-1)および式(3-1-2)のいずれかで表される請求項1に記載の製造方法。
式(3-1-1):
TIFF
2025170165000079.tif
29
153
(式中、
R
34
は単結合または炭素数1~20の2価連結基、Z
11
は親水性基であり、nは、2つのベンゼン環のいずれかに結合する式:-R
34
-Z
11
で表される基の数を表し、1以上の整数であり;
2つのベンゼン環は、式:-R
34
-Z
11
で表される基および不飽和二重結合を含有する基以外の任意の置換基を有してもよい。)
式(3-1-2):
TIFF
2025170165000080.tif
29
153
(式中、
R
34
は単結合または炭素数1~20の2価連結基、Z
11
は親水性基であり、nは、ベンゼン環またはフラン環に結合する式:-R
34
-Z
11
で表される基の数を表し、1以上の整数であり;
ベンゼン環およびフラン環は、式:-R
34
-Z
11
で表される基および不飽和二重結合を含有する基以外の任意の置換基を有してもよい。)
【請求項7】
前記環式化合物が、フッ素原子を含有しない請求項1~6のいずれかに記載の製造方法。
【請求項8】
前記環式化合物の量が、前記水性媒体に対して、3~5000質量ppmである請求項1~6のいずれかに記載の製造方法。
【請求項9】
さらに、一般式(A)で表される含フッ素化合物(A)の存在下に、前記フルオロモノマーを重合する請求項1~6のいずれかに記載の製造方法。
一般式(A):CX
i
X
k
=CX
j
R
a
-(CZ
1
Z
2
)
k
-Y
3
(式中、
X
i
、X
j
およびX
k
は、それぞれ独立して、F、Cl、H又はCF
3
であり;
Y
3
は、親水基であり;
R
a
は連結基であり;
Z
1
及びZ
2
は、それぞれ独立して、H、F又はCF
3
であり;
kは0又は1である。
但し、X
i
、X
k
、X
j
、R
a
、Z
1
及びZ
2
の少なくとも1つはFを含む。
但し、kが0である場合、R
a
は単結合以外の連結基である。)
【請求項10】
Z
11
が、-SO
3
M、-OSO
3
M、-COOM、-P(=O)(OM)
2
、-OP(O)(OM)
2
、-B(OM)
2
または-OB(OM)
2
であり、
Mが、H、金属原子、NR
6
4
、置換基を有していてもよいイミダゾリウム、置換基を有していてもよいピリジニウム、または、置換基を有していてもよいホスホニウムであり、
R
6
が、独立に、Hまたは有機基であり、R
6
のいずれか2つがお互いに結合して環を形成してもよい、
請求項1~6のいずれかに記載の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、フルオロポリマー水性分散液の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、芳香族環、親水基および不飽和二重結合を有する化合物(1)および水性媒体の存在下に、含フッ素単量体を重合することによって、主鎖に-CH
2
-を含有する含フッ素エラストマーの水性分散液を製造する含フッ素エラストマー水性分散液の製造方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第2022/019241号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示では、フルオロポリマー水性分散液を製造するための新規製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示によれば、式(1)で表される化合物(1)、式(2)で表される化合物(2)、および、式(3)で表される化合物(3)からなる群より選択される少なくとも1種の環式化合物、ならびに、水性媒体の存在下に、フルオロモノマーを重合することによって、フルオロポリマーを含有する水性分散液を製造するフルオロポリマー水性分散液の製造方法が提供される。
式(1):
TIFF
2025170165000001.tif
39
153
(式中の各符号は後述のとおりである。)
式(2):
TIFF
2025170165000002.tif
49
153
(式中の各符号は後述のとおりである。)
式(3):
TIFF
2025170165000003.tif
40
128
(式中の各符号は後述のとおりである。)
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、フルオロポリマー水性分散液を製造するための新規製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本開示を具体的に説明する前に、本開示で使用するいくつかの用語を定義または説明する。
【0008】
本開示において、フッ素樹脂とは、部分結晶性フルオロポリマーであり、フルオロプラスチックスである。フッ素樹脂は、融点を有し、熱可塑性を有するが、溶融加工性であっても、非溶融加工性であってもよい。
【0009】
本開示において、溶融加工性とは、押出機及び射出成形機等の従来の加工機器を用いて、ポリマーを溶融して加工することが可能であることを意味する。従って、溶融加工性のフッ素樹脂は、後述する測定方法により測定されるメルトフローレートが0.01~500g/10分であることが通常である。
【0010】
本開示において、含フッ素エラストマーとは、非晶質フルオロポリマーである。「非晶質」とは、フルオロポリマーの示差走査熱量測定〔DSC〕(昇温速度10℃/分)あるいは示差熱分析〔DTA〕(昇温速度10℃/分)において現われた融解ピーク(ΔH)の大きさが4.5J/g以下であることをいう。含フッ素エラストマーは、架橋することにより、エラストマー特性を示す。エラストマー特性とは、ポリマーを延伸することができ、ポリマーを延伸するのに必要とされる力がもはや適用されなくなったときに、その元の長さを保持できる特性を意味する。
(【0011】以降は省略されています)
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