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公開番号2025164583
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-30
出願番号2024068646
出願日2024-04-19
発明の名称冷凍装置
出願人ダイキン工業株式会社,国立大学法人東京大学
代理人弁理士法人新樹グローバル・アイピー
主分類F25B 17/08 20060101AFI20251023BHJP(冷凍または冷却;加熱と冷凍との組み合わせシステム;ヒートポンプシステム;氷の製造または貯蔵;気体の液化または固体化)
要約【課題】吸着式冷凍サイクルを備える冷凍装置では、冷媒流路の切り替え直後に吸着熱又は脱着熱が回収されない期間があり、能力が低下するおそれがある。
【解決手段】冷凍装置100は、冷媒流路111と圧縮機131と第1吸着器121と第2吸着器122と切り替え機構135と第1圧力容器171と第2圧力容器172とを備える。第1吸着器121及び第2吸着器122は、冷媒の圧力の変化に応じて冷媒を吸着及び脱着する吸着材181を有する。第1圧力容器171は、冷媒流路111において圧縮機131の吐出側と切り替え機構135との間に設けられる。第2圧力容器172は、冷媒流路111において圧縮機131の吸入側と切り替え機構135との間に設けられる。
【選択図】図8
特許請求の範囲【請求項１】
冷媒が流れる冷媒流路（１１１）と、
低圧冷媒を吸入して圧縮し、高圧冷媒として吐出する、圧縮機（１３１）と、
冷媒の圧力の変化に応じて冷媒を吸着及び脱着する吸着材（１８１）を有し、かつ、前記吸着材が冷媒を吸着する際に発生する温熱、及び、前記吸着材が冷媒を脱着する際に発生する冷熱が回収される、第１吸着器（１２１）及び第２吸着器（１２２）と、
切り替え機構（１３５）と、
前記冷媒流路において前記圧縮機の吐出側と前記切り替え機構との間に設けられる、第１圧力容器（１７１）と、
前記冷媒流路において前記圧縮機の吸入側と前記切り替え機構との間に設けられる、第２圧力容器（１７２）と、
を備え、
前記切り替え機構は、前記冷媒流路を、
前記第１圧力容器と前記第１吸着器とを接続して前記第１吸着器内を高圧状態にし、かつ、前記第２圧力容器と前記第２吸着器とを接続して前記第２吸着器内を低圧状態にすることが可能である第１状態と、
前記第２圧力容器と前記第１吸着器とを接続して前記第１吸着器内を低圧状態にし、かつ、前記第１圧力容器と前記第２吸着器とを接続して前記第２吸着器内を高圧状態にすることが可能である第２状態と、
の間で切り替え可能である、
冷凍装置（１００）。
続きを表示（約 1,400 文字）【請求項２】
前記第１圧力容器の内容積は、前記冷媒流路が前記第１状態又は前記第２状態である期間中に前記圧縮機から吐出される冷媒の単位時間当たりの量が最大となるように前記圧縮機が運転した場合に、前記第１圧力容器内の冷媒の圧力が第１範囲内となる値に、設定され、
前記第２圧力容器の内容積は、前記冷媒流路が前記第１状態又は前記第２状態である期間中に前記圧縮機から吐出される冷媒の単位時間当たりの量が最大となるように前記圧縮機が運転した場合に、前記第２圧力容器内の冷媒の圧力が第２範囲内となる値に、設定される、
請求項１に記載の冷凍装置。
【請求項３】
前記冷媒流路上に設けられる開閉弁をさらに備え、
前記開閉弁は、
前記冷媒流路が前記第１状態である場合に、前記第１圧力容器と前記第１吸着器との間における冷媒の流れを許容又は遮断し、かつ、前記第２圧力容器と前記第２吸着器との間における冷媒の流れを許容又は遮断し、
前記冷媒流路が前記第２状態である場合に、前記第２圧力容器と前記第１吸着器との間における冷媒の流れを許容又は遮断し、かつ、前記第１圧力容器と前記第２吸着器との間における冷媒の流れを許容又は遮断する、
請求項１又は２に記載の冷凍装置。
【請求項４】
前記第１圧力容器は、前記圧縮機の運転中、前記第１吸着器又は前記第２吸着器において前記吸着材が冷媒を吸着するために必要な圧力よりも高い圧力の冷媒を内部に有する、
請求項３に記載の冷凍装置。
【請求項５】
前記第２圧力容器は、前記圧縮機の運転中、前記第１吸着器又は前記第２吸着器において前記吸着材が冷媒を脱着するために必要な圧力よりも低い圧力の冷媒を内部に有する、
請求項３に記載の冷凍装置。
【請求項６】
前記開閉弁は、
前記冷媒流路において前記第１圧力容器と前記切り替え機構との間に設けられる第１弁（１９１）と、
前記冷媒流路において前記第２圧力容器と前記切り替え機構との間に設けられる第２弁（１９２）と、
を含む、
請求項３に記載の冷凍装置。
【請求項７】
前記開閉弁は、
前記冷媒流路において前記第１吸着器と前記切り替え機構との間に設けられる第３弁（１９３）と、
前記冷媒流路において前記第２吸着器と前記切り替え機構との間に設けられる第４弁（１９４）と、
を含む、
請求項３に記載の冷凍装置。
【請求項８】
前記圧縮機を通らずに前記第１吸着器と前記第２吸着器とを接続するバイパス流路（２１１）と、
前記バイパス流路に設けられるバイパス弁（２１２）と、
をさらに備える、
請求項１又は２に記載の冷凍装置。
【請求項９】
前記冷媒流路が前記第１状態又は前記第２状態である場合に、前記バイパス弁を開けた後の前記第１吸着器内の圧力と前記第２吸着器内の圧力との差は、前記バイパス弁を開ける前の前記第１吸着器内の圧力と前記第２吸着器内の圧力との差より小さい、
請求項８に記載の冷凍装置。
【請求項１０】
前記バイパス流路は、前記冷媒流路において、前記第１吸着器と前記切り替え機構との間の流路と、前記第２吸着器と前記切り替え機構との間の流路と、を接続する、
請求項８に記載の冷凍装置。
（【請求項１１】以降は省略されています）
発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
冷凍装置に関する。
続きを表示（約 2,100 文字）【背景技術】
【０００２】
従来、吸着式冷凍サイクルを備える冷凍装置が用いられている。このような冷凍装置として、特許文献１（米国特許出願公開第２０２３／０４１７４５９号明細書）には、冷媒の吸着及び脱着が交互に繰り返される一対の吸着器を有する熱源側回路と、冷媒の吸着熱又は脱着熱を回収するための熱媒体が循環する利用側回路と、を備える冷凍装置が開示されている。熱源側回路では、一方の吸着器で冷媒が吸着され、他方の吸着器で冷媒が脱着されるモードと、当該一方の吸着器で冷媒が脱着され、当該他方の吸着器で冷媒が吸着されるモードと、が交互に切り替えられる。これにより、利用側回路では、熱媒体によって、熱源側回路から熱が連続的に回収される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
熱源側回路でのモード切り替え後、吸着器における冷媒の吸着又は脱着が開始されるまで、吸着器の内部圧力が所定の値まで上昇又は下降する必要がある。吸着器の内部圧力の上昇又は下降に時間がかかると、熱媒体によって温熱又は冷熱が回収されない期間が長くなり、冷凍装置の能力が低下するおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【０００４】
第１観点の冷凍装置は、冷媒が流れる冷媒流路と、圧縮機と、第１吸着器と、第２吸着器と、切り替え機構と、第１圧力容器と、第２圧力容器と、を備える。圧縮機は、低圧冷媒を吸入して圧縮し、高圧冷媒として吐出する。第１吸着器及び第２吸着器は、冷媒の圧力の変化に応じて冷媒を吸着及び脱着する吸着材を有する。第１吸着器及び第２吸着器は、吸着材が冷媒を吸着する際に発生する温熱、及び、吸着材が冷媒を脱着する際に発生する冷熱が回収される。第１圧力容器は、冷媒流路において圧縮機の吐出側と切り替え機構との間に設けられる。第２圧力容器は、冷媒流路において圧縮機の吸入側と切り替え機構との間に設けられる。切り替え機構は、冷媒流路を、第１状態と、第２状態と、の間で切り替え可能である。第１状態では、第１圧力容器と第１吸着器とを接続して第１吸着器内を高圧状態にし、かつ、第２圧力容器と第２吸着器とを接続して第２吸着器内を低圧状態にすることが可能である。第２状態では、第２圧力容器と第１吸着器とを接続して第１吸着器内を低圧状態にし、かつ、第１圧力容器と第２吸着器とを接続して第２吸着器内を高圧状態にすることが可能である。
【０００５】
第１観点の冷凍装置は、冷媒流路の切り替え時に、第１圧力容器と第１吸着器とが接続され、第１吸着器が高圧状態となり、第２圧力容器と第２吸着器とが接続され、第２吸着器が低圧状態となる。これにより、冷媒流路の切り替え時から、吸着器内部の圧力が吸着圧力又は脱着圧力に達するまでの時間が短縮されて、吸着器から温熱又は冷熱を回収できない期間が短くなるので、冷凍装置の能力低下が抑制される。
【０００６】
第２観点の冷凍装置は、第１観点の冷凍装置であって、第１圧力容器の内容積は、冷媒流路が第１状態又は第２状態である期間中に圧縮機から吐出される冷媒の単位時間当たりの量が最大となるように圧縮機が運転した場合に、第１圧力容器内の冷媒の圧力が第１範囲内となる値に、設定される。第２圧力容器の内容積は、冷媒流路が第１状態又は第２状態である期間中に圧縮機から吐出される冷媒の単位時間当たりの量が最大となるように圧縮機が運転した場合に、第２圧力容器内の冷媒の圧力が第２範囲内となる値に、設定される。
【０００７】
第３観点の冷凍装置は、第１観点又は第２観点の冷凍装置であって、冷媒流路上に設けられる開閉弁をさらに備える。開閉弁は、冷媒流路が第１状態である場合に、第１圧力容器と第１吸着器との間における冷媒の流れを許容又は遮断し、かつ、第２圧力容器と第２吸着器との間における冷媒の流れを許容又は遮断する。開閉弁は、冷媒流路が第２状態である場合に、第２圧力容器と第１吸着器との間における冷媒の流れを許容又は遮断し、かつ、第１圧力容器と第２吸着器との間における冷媒の流れを許容又は遮断する。
【０００８】
第４観点の冷凍装置は、第３観点の冷凍装置であって、第１圧力容器は、圧縮機の運転中、第１吸着器又は第２吸着器において吸着材が冷媒を吸着するために必要な圧力よりも高い圧力の冷媒を内部に有する。
【０００９】
第５観点の冷凍装置は、第３観点又は第４観点の冷凍装置であって、第２圧力容器は、圧縮機の運転中、第１吸着器又は第２吸着器において吸着材が冷媒を脱着するために必要な圧力よりも低い圧力の冷媒を内部に有する。
【００１０】
第６観点の冷凍装置は、第３乃至第５観点のいずれか１つの冷凍装置であって、開閉弁は、第１弁と、第２弁と、を含む。第１弁は、冷媒流路において第１圧力容器と切り替え機構との間に設けられる。第２弁は、冷媒流路において第２圧力容器と切り替え機構との間に設けられる。
（【００１１】以降は省略されています）

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