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公開番号2025178225
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-12-05
出願番号2025086667
出願日2025-05-23
発明の名称フッ素樹脂シート状素材及びそれを含む積層体
出願人ダイキン工業株式会社
代理人弁理士法人タス・マイスター
主分類C08J 7/00 20060101AFI20251128BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】面内均一で、バラつきなく、優れた接着性を有するフッ素樹脂シート状素材を提供する。また、シート状素材がロール状の場合、搬送性が良好であり、ロールの外観も改善される、フッ素樹脂シート状素材を提供する。
【解決手段】フッ素樹脂を含むシート状素材であって、少なくとも一方の表面において、10cm四方のシート状素材の縦方向、横方向、斜め方向それぞれについて、各10点ずつ走査型X線光電子分光分析測定(XPS)によって酸素元素比率を測定した際に、いずれの方向においても酸素元素比率の平均値が1.35atomic%以上であり、且つ、(MAX-MIN)/Avg.が40%以下であるフッ素樹脂シート状素材。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
フッ素樹脂を含むシート状素材であって、少なくとも一方の表面において、
10cm四方のシート状素材の縦方向、横方向、斜め方向それぞれについて、下記10点ずつ走査型X線光電子分光分析測定(XPS)によって酸素元素比率を測定した際に、いずれの方向においても、酸素元素比率の平均値が1.35atomic%以上であり、且つ、(MAX-MIN)/Avg.が40%以下であるフッ素樹脂シート状素材。
縦方向の10点:左端から1.5cmの直線上を、上から1.5cmの場所を1点目とし、8mm間隔で10点
横方向の10点:上端から1.5cmの直線上を、左端から1.5cmの場所を1点目とし、8mm間隔で10点
斜め方向の10点:縦方向と横方向にならい、シート状素材右下の角から、縦方向に6.5cm、横方向に6.5cmの各辺上の点を結ぶ直線を長辺とし、短辺を1cmとする長方形の長辺の5mm上方の直線上を、長方形の長辺上端から1.5cmの場所を1点目とし、8mm間隔で10点
続きを表示(約 2,500 文字)【請求項2】
上記酸素元素比率が、1.35atomic%以上、20atomic%以下であり、且つ、上記(MAX-MIN)/Avg.が3%以上、40%以下であり、フッ素樹脂が、テトラフルオロエチレンーパーフルオロアルキルビニルエーテル(PFA)又はテトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン(FEP)である請求項1記載のフッ素樹脂シート状素材。
【請求項3】
請求項1に記載のフッ素樹脂シート状素材と金属層とを含む積層体であって、10cm四方の積層体の縦方向、横方向、斜め方向それぞれについて、90度剥離試験によって得られる、上記フッ素樹脂シート状素材の酸素元素比率測定面と金属層との接着強度が、いずれの方向においてもσ/Avg.≦35%である積層体。
【請求項4】
請求項1に記載のフッ素樹脂シート状素材と金属層とを含む積層体であって、10cm四方の積層体の縦方向、横方向、斜め方向それぞれについて、90度剥離試験によって得られる、上記フッ素樹脂シート状素材の酸素元素比率測定面と金属層との接着強度が、いずれの方向においても(MAX-MIN)/Avg.≦150%である積層体。
【請求項5】
請求項1に記載のフッ素樹脂シート状素材と金属層とを含む積層体であって、10cm四方の積層体の縦方向、横方向、斜め方向それぞれについて、90度剥離試験によって得られる、上記フッ素樹脂シート状素材の酸素元素比率測定面と金属層との接着強度が、いずれの方向においても、σ/Avg.≦35%、且つ、(MAX-MIN)/Avg.≦150%である積層体。
【請求項6】
上記接着強度が、いずれの方向においても、1%≦σ/Avg.≦25%、且つ、3%≦(MAX-MIN)/Avg.≦100%であり、フッ素樹脂が、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル(PFA)又はテトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン(FEP)である請求項5記載の積層体。
【請求項7】
上記接着強度が、いずれの方向においても、0.5N/cm以上である請求項3~6のいずれか1に記載の積層体。
【請求項8】
フッ素樹脂を含むシート状素材であって、少なくとも一方の表面において、
10cm毎に、横方向(X)にa分割、縦方向(Y)にb分割し、各分割された領域内の中心で測定された酸素元素比率の平均値が、1.35atomic%以上であり、且つ、
下記式(1)及び式(2)を満たすフッ素樹脂シート状素材。
σ(X1Y1~XaYb)/Avg.(X1Y1~XaYb)≦20% (1)
{MAX(X1Y1~XaYb)-MIN(X1Y1~XaYb)}/Avg.(X1Y1~XaYb)≦30% (2)
(式中、a,bはそれぞれ1以上であり、且つ、ab≧50が成り立つ整数。
このとき、XaYbは分割された領域のうち横方向(X)にa列目、縦方向(Y)にb行目に該当する領域で測定した酸素元素比率の値である。)
【請求項9】
請求項8に記載のフッ素樹脂シート状素材と金属層とを含む積層体であって、
10cm毎に、横方向(X)にa分割、縦方向(Y)にb分割し、各分割された10cm四方の領域内で、90度剥離試験により、横方向、縦方向、斜め方向において測定した、上記フッ素樹脂シート状素材の酸素元素比率測定面と金属層との接着強度の平均値から得られる、下記式(3)及び式(4)を満たす積層体。
σ

(X1Y1~XaYb)/Avg.

(X1Y1~XaYb)≦35% (3)
{MAX

(X1Y1~XaYb)-MIN

(X1Y1~XaYb)}/Avg.

(X1Y1~XaYb)≦150% (4)
(式中、a,bはそれぞれ1以上であり、且つ、ab≧50が成り立つ整数。
このとき、XaYbは分割された領域のうち横方向(X)にa列目、縦方向(Y)にb行目に該当する領域の、3方向における接着強度の平均値を、更に平均した値である。)
【請求項10】
少なくとも一方の表面において、10cm四方のシート状素材の縦方向、横方向、斜め方向それぞれについて、下記10点ずつ走査型X線光電子分光分析測定(XPS)によって酸素元素比率を測定した際に、いずれの方向においても酸素元素比率が1.35atomic%以上であり、且つ、(MAX-MIN)/Avg.が40%以下であり、
更に、10cm毎に、横方向(X)にa分割、縦方向(Y)にb分割し、各分割された領域内の中心で測定された酸素元素比率が、全て1.35atomic%以上であり、且つ、
下記式(1)及び式(2)を満たすフッ素樹脂シート状素材。
σ(X1Y1~XaYb)/Avg.(X1Y1~XaYb)≦20% (1)
{MAX(X1Y1~XaYb)-MIN(X1Y1~XaYb)}/Avg.(X1Y1~XaYb)≦30% (2)
(式中、a,bはそれぞれ1以上であり、且つ、ab≧50が成り立つ整数。
このとき、XaYbは分割された領域のうち横方向(X)にa列目、縦方向(Y)にb行目に該当する領域で測定した酸素元素比率の値である。)
縦方向の10点:左端から1.5cmの直線上を、上から1.5cmの場所を1点目とし、8mm間隔で10点
横方向の10点:上端から1.5cmの直線上を、左端から1.5cmの場所を1点目とし、8mm間隔で10点
斜め方向の10点:縦方向と横方向にならい、シート状素材右下の角から、縦方向に6.5cm、横方向に6.5cmの各辺上の点を結ぶ直線を長辺とし、短辺を1cmとする長方形の長辺の5mm上方の直線上を、長方形の長辺上端から1.5cmの場所を1点目とし、8mm間隔で10点
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、フッ素樹脂シート状素材及びそれを含む積層体に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
次世代情報通信(高周波5G)による高速通信実現のため、アンテナや伝送路に使用されるプリント基板の誘電体(絶縁材料)には、低伝送損失特性が求められている。これらの背景から、プリント基板向けの絶縁材料として、電気特性に優れたフッ素樹脂材料(PTFE、PFA等)が注目されている。一方、フッ素樹脂材料は、一般的に他材との接着性に乏しいため、接着性改善としてプラズマ処理等の表面改質技術が用いられている(特許文献1等)。
【0003】
特許文献2には、PFAを含有する熱溶融性のポリマーで構成され、前記熱溶融性のポリマーの球晶を含み、前記球晶の半径が10μm以下である、密着性と高温安定性とに優れた長尺フィルムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2019-181735号公報
国際第2021/006258号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、面内均一で、バラつきなく、他材との優れた接着性を有するフッ素樹脂シート状素材を提供することを目的とする。また、シート状素材がロール状の場合、シート状素材の搬送性が良好であり、ロールの外観も改善される、フッ素樹脂シート状素材を提供することを目的とする。
また、本開示は、低伝送損失特性が維持され、回路用基板として使用したときに優れた性質を有する積層体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、フッ素樹脂を含むシート状素材であって、少なくとも一方の表面において、
10cm四方のシート状素材の縦方向、横方向、斜め方向それぞれについて、下記10点ずつ走査型X線光電子分光分析測定(XPS)によって酸素元素比率を測定した際に、いずれの方向においても酸素元素比率の平均値が1.35atomic%以上であり、且つ、(MAX-MIN)/Avg.が40%以下であるフッ素樹脂シート状素材(A)である。
縦方向の10点:左端から1.5cmの直線上を、上から1.5cmの場所を1点目とし、8mm間隔で10点
横方向の10点:上端から1.5cmの直線上を、左端から1.5cmの場所を1点目とし、8mm間隔で10点
斜め方向の10点:縦方向と横方向にならい、シート状素材右下の角から、縦方向に6.5cm、横方向に6.5cmの各辺上の点を結ぶ直線を長辺とし、短辺を1cmとする長方形の長辺の5mm上方の直線上を、長方形の長辺上端から1.5cmの場所を1点目とし、8mm間隔で10点
【0007】
上記酸素元素比率の平均値が、1.35atomic%以上、20atomic%以下であり、且つ、上記(MAX-MIN)/Avg.が3%以上、40%以下であり、フッ素樹脂が、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル(PFA)又はテトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン(FEP)であることが好ましい。
【0008】
本開示は、上記フッ素樹脂シート状素材(A)と金属層とを含む積層体であって、10cm四方の積層体の縦方向、横方向、斜め方向それぞれについて、90度剥離試験によって得られる、上記フッ素樹脂シート状素材の酸素元素比率測定面と金属層との接着強度が、いずれの方向においてもσ/Avg.≦35%である積層体(A1)でもある。
また、本開示は、上記フッ素樹脂シート状素材(A)と金属層とを含む積層体であって、10cm四方の積層体の縦方向、横方向、斜め方向それぞれについて、90度剥離試験によって得られる、上記フッ素樹脂シート状素材の酸素元素比率測定面と金属層との接着強度が、いずれの方向においても(MAX-MIN)/Avg.≦150%である積層体(A2)でもある。
【0009】
また、本開示は、上記フッ素樹脂シート状素材(A)と金属層とを含む積層体であって、10cm四方の積層体の縦方向、横方向、斜め方向それぞれについて、90度剥離試験によって得られる、上記フッ素樹脂シート状素材の酸素元素比率測定面と金属層との接着強度が、いずれの方向においても、σ/Avg.≦35%、且つ、(MAX-MIN)/Avg.≦150%である積層体(A3)でもある。
【0010】
上記積層体において、上記接着強度が、いずれの方向においても、1%≦σ/Avg.≦20%、且つ、3%≦(MAX-MIN)/Avg.≦100%であり、フッ素樹脂が、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル(PFA)又はテトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン(FEP)であることが好ましい。
上記積層体において、上記接着強度が、いずれの方向においても、0.5N/cm以上であることが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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