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公開番号2025146734
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-03
出願番号2025040215
出願日2025-03-13
発明の名称樹脂組成物
出願人住友化学株式会社
代理人個人,個人
主分類C08L 23/10 20060101AFI20250926BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】紡糸性及び染色性に優れた樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】プロピレン系重合体Aとエステル系重合体Bと化合物Cとを含む樹脂組成物であって、プロピレン系重合体Aは、Z平均分子量(Mz)が600,000以上750,000以下であり、エステル系重合体Bは、(i)示差走査熱量測定法により得られる融解熱量が0以上35J/g未満、及び(ii)20℃のフェノールとテトラクロロエタンの混合液中で測定される極限粘度(IV)が0.40以上1.00dl/g以下であり、化合物Cは、2以上のヘテロ原子を有する複素環基、環状エーテル基、酸無水物基、イソシアネート基、及びカルボジイミド基からなる群から選択される少なくとも1つの基を有するものである、樹脂組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
プロピレン系重合体Aとエステル系重合体Bと化合物Cとを含む樹脂組成物であって、
プロピレン系重合体Aは、Z平均分子量(Mz)が600,000以上750,000以下であり、
エステル系重合体Bは、
(i)示差走査熱量測定法により得られる融解熱量が0以上35J/g未満、及び
(ii)20℃のフェノールとテトラクロロエタンの混合液中で測定される極限粘度(IV)が0.40以上1.00dl/g以下であり、
化合物Cは、2以上のヘテロ原子を有する複素環基、環状エーテル基、酸無水物基、イソシアネート基、及びカルボジイミド基からなる群から選択される少なくとも1つの基を有し、
成分A~Cの合計100質量部に対して、プロピレン系重合体Aの含有量は50質量部以上98.99質量部以下であり、エステル系重合体Bの含有量は1質量部以上49質量部以下であり、化合物Cの含有量は0.01質量部以上49質量部以下である、樹脂組成物。
続きを表示(約 380 文字)【請求項2】
プロピレン系重合体Aは、Z平均分子量(Mz)が500,000以上950,000以下である、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項3】
プロピレン系重合体Aは、Z平均分子量(Mz)と重量平均分子量(Mw)との比(Mz/Mw)が1以上5以下である、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載の樹脂組成物の成形体。
【請求項5】
繊維である、請求項4に記載の成形体。
【請求項6】
請求項5に記載の成形体を含む、繊維構造体。
【請求項7】
反応性染料、酸性染料、金属錯塩型染料、直接染料、硫化染料、バット染料、分散染料、アニオン染料及びカチオン染料よりなる群から選択される少なくとも一つの染料を更に含む、請求項4に記載の成形体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂組成物に関し、特にオレフィン系重合体を含む樹脂組成物に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
オレフィン系重合体は、熱可塑性樹脂の中でも、安価で軽量であり、かつ、成形加工性、機械的特性、耐熱性、長期の耐熱劣化などの特性に優れる樹脂である。中でもプロピレン系重合体は、ロープ、ネット、カーペットなどのパイルヤーン、テキスタイルの原糸、不織布の原糸の原料に広く用いられている。該繊維には、紡糸時に糸切れが生じにくいこと(紡糸性)又は一旦得られた繊維を更に延伸した時に糸切れが生じにくいこと(延伸性)が求められている。
【0003】
また、プロピレン系重合体は、ボトルなどの各種容器、食品用包装材料、容器のキャップ、文具、日用雑貨、カーペットやソファ用の繊維、自動車用内外装材、電気・電子機器部品、ビルや住宅の内装材などの建築材料などに利用されている。近年これらの物品に対して気密性、塗装性、染色性などの改良が要求されることが多い。
【0004】
特許文献1には、プロピレン系重合体に、特定範囲の融点を有するポリ(ヒドロキシアルカノエート)と特定範囲の融点を有する芳香族ポリエステルとを配合することで、プロピレン系重合体とポリ(ヒドロキシアルカノエート)との相溶性が改善されて、染色性に優れる樹脂組成物が得られたことが、記載されている。前記芳香族ポリエステルとしては、テレフタル酸及びジオールの重縮合体が例示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2023-18362号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記従来の問題を解決するものであり、その目的とするところは、紡糸性及び染色性に優れた樹脂組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は以下の態様を提供する。
[1]プロピレン系重合体Aとエステル系重合体Bと化合物Cとを含む樹脂組成物であって、
プロピレン系重合体Aは、Z平均分子量(Mz)が400,000以上1,050,000以下、好ましくは500,000以上950,000以下、より好ましくは600,000以上900,000以下、さらに好ましくは60万以上75万以下、殊更好ましくは64万以上74万以下であり、
エステル系重合体Bは、
(i)示差走査熱量測定法により得られる融解熱量が0J/g以上35J/g未満、好ましくは0J/g以上20J/g以下、より好ましくは0J/g以上10J/g以下及び
(ii)20℃のフェノールとテトラクロロエタンの混合液中で測定される極限粘度(IV)が0.40以上1.00dl/g以下、好ましくは0.45dl/g以上0.95dl/g以下、より好ましくは0.50dl/g以上0.90dl/g以下、更に好ましくは0.55dl/g以上0.85dl/g以下、殊更好ましくは0.60dl/g以上0.80dl/g以下、特に好ましくは0.65dl/g以上0.75dl/g以下であり、
化合物Cは、2以上のヘテロ原子を有する複素環基、環状エーテル基、酸無水物基、イソシアネート基、及びカルボジイミド基からなる群から選択される少なくとも1つの基を有し、
成分A~Cの合計100質量部に対して、プロピレン系重合体Aの含有量は50質量部以上98.99質量部以下、好ましくは70質量部以上98質量部以下、より好ましくは80質量部以上96質量部以下、更に好ましくは90質量部以上95質量部以下であり;エステル系重合体Bの含有量は1質量部以上49質量部以下、好ましくは1.5質量部以上25質量部以下、より好ましくは2.5質量部以上10質量部以下、更に好ましくは3.5質量部以上8質量部以下であり;化合物Cの含有量は0.01質量部以上49質量部以下、好ましくは0.1質量部以上20質量部以下、より好ましくは0.3質量部以上10質量部以下、更に好ましくは0.3質量部以上5質量部以下、殊更好ましくは0.5質量部以上5質量部以下、特に好ましくは0.5質量部以上3質量部以下である、樹脂組成物。
【0008】
[2]プロピレン系重合体Aは、Z平均分子量(Mz)と重量平均分子量(Mw)との比(Mz/Mw)が1以上5以下、好ましくは1.5以上3.5以下、より好ましくは2以上3以である、態様1の樹脂組成物。
【0009】
[3]エステル系重合体Bは、
(iii)20℃のフェノールとテトラクロロエタンの混合液中で測定される極限粘度(IV)が0.40dl/g以上1.00dl/g以下、好ましくは0.45以上0.95dl/g以下、より好ましくは0.50dl/g以上0.90dl/g以下、更に好ましくは0.55dl/g以上0.85dl/g以下である、
態様1又は2の樹脂組成物。
【0010】
[4]成分A~Cの合計100質量部に対して、プロピレン系重合体Aの含有量は70質量部以上98質量部以下であり、エステル系重合体Bの含有量は1.5質量部以上25質量部以下であり、化合物Cの含有量は0.1質量部以上20質量部以下である、態様1~3のいずれかの樹脂組成物。
(【0011】以降は省略されています)

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