TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025168885
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-11-12
出願番号2024073718
出願日2024-04-30
発明の名称ポリオレフィン樹脂組成物
出願人住友化学株式会社
代理人弁理士法人浅村特許事務所
主分類C08L 23/26 20250101AFI20251105BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】本発明は、少量の抗ウイルス剤の使用で、高い抗ウイルス活性を発現させたポリオレフィン系樹脂組成物、ポリオレフィン系樹脂成形体、ポリプロピレン系樹脂組成物、および、ポリプロピレン系樹脂成形体を提供する。
【解決手段】水酸基変性ポリオレフィン(A1)を95重量部以上100重量部未満と、抗ウイルス剤(C)を0重量部を超え5重量部以下とを含むポリオレフィン系樹脂組成物であって(A1)と(C)の合計が100重量部であるポリオレフィン系樹脂組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
水酸基変性ポリオレフィン(A1)を95重量部以上100重量部未満と、抗ウイルス剤(C)を0重量部を超え5重量部以下とを含むポリオレフィン系樹脂組成物であって(A1)と(C)の合計が100重量部であるポリオレフィン系樹脂組成物。
続きを表示(約 990 文字)【請求項2】
水酸基変性ポリオレフィン(A1)が水酸基変性ポリプロピレンである、請求項1に記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
【請求項3】
水酸基変性ポリオレフィン(A1)が末端水酸基変性ポリプロピレンである、請求項1に記載のポリオレフィン系樹脂組成。
【請求項4】
水酸基変性ポリオレフィン(A1)が片末端水酸基変性ポリプロピレンである、請求項1に記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
【請求項5】
抗ウイルス剤(C)が銀および/または亜鉛系化合物である、請求項1に記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
【請求項6】
抗ウイルス剤(C)のメディアン径が2~15μmである、請求項1に記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載のポリオレフィン系樹脂組成物を含むポリオレフィン系樹脂成形体。
【請求項8】
ポリプロピレン系樹脂(A2)を65重量部以上100重量部未満と、重量平均分子量(Mw)1,000~300,000の親水性樹脂(B)を0重量部を超え30重量部以下と、抗ウイルス剤(C)を0重量部を超え5重量部以下とを含むポリプロピレン系樹脂組成物であって(A2)と(B)と(C)の合計が100重量部であるポリプロピレン系樹脂組成物。
【請求項9】
親水性樹脂(B)が、熱可塑性ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコール、および親水部と疎水部を有する樹脂から成る群から選択される少なくとも1つであり、親水部と疎水部を有する樹脂が、ポリプロピレンオキサイドとポリエチレンオキサイドのブロック共重合体、部分けん化ポリビニルアルコール、ポリオレフィンの末端または鎖中にポリエチレンオキサイドを結合した重合体、ポリオレフィンの末端または鎖中にポリビニルアルコールを結合した重合体、およびポリオレフィンの末端または鎖中に部分けん化ポリビニルアルコールを結合した重合体から成る群から選択される少なくとも1つである、請求項8に記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
【請求項10】
抗ウイルス剤(C)が銀および/または亜鉛系化合物である、請求項8に記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリオレフィン系樹脂組成物、ポリオレフィン系樹脂成形体、ポリプロピレン系樹脂組成物、および、ポリプロピレン系樹脂成形体に関するものである。
続きを表示(約 4,500 文字)【背景技術】
【0002】
新型インフルエンザや鳥インフルエンザ、ノロウイルスなどのウイルス由来の感染症、特に近年の、SARS、新型コロナウイルス感染症は、痰、咳などの飛沫によるエアロゾル感染(飛沫感染)や接触感染により、罹患する。
しかし、通常の社会活動においては、例えば、金融機関などの窓口、飲食店での飲食、さらにはコンビニエンスストア、スーパー、公共機関などにおいて不特定多数の他者と接触する機会が多い。そのため、このような場での感染拡大を防止するため、例えば、店頭に設置される商品陳列棚、キーホルダーなどの人体と接触しうる機器や器具、さらには飛沫の飛散を防止するための飛沫防止板(以下、「飛沫防止板など」という。)、トイレの便座、手摺、つり革、雑貨、家電製品等に使用される抗ウイルス性の素材が求められている。
例えば、特許文献1には、抗ウイルス性の素材として、「透明樹脂(A)と抗菌・抗ウイルス剤(B)を含有する抗菌・抗ウイルス性樹脂組成物であって、前記抗菌・抗ウイルス剤(B)が、カチオン系両親媒性物質である、抗菌・抗ウイルス性樹脂組成物」が提案され、また、対面式カウンターに好適に使用可能な樹脂成形体として、上記「抗菌・抗ウイルス性樹脂組成物を成形又は加工してなる、樹脂成形体」が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2021-176949号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、飛沫防止板などに抗ウイルス性を発現させるには、抗ウイルス剤の種類などにもよるが、通常、その重量比率を比較的高く設定する必要があり、コスト上昇、さらには変色などの観点から、抗ウイルス剤の重量比率を低減することが求められている。しかし、抗ウイルス剤の重量比率を低減すると、一般的に抗ウイルス性が低下することから、所期の抗ウイルス性を達成できなくなることもある。
一方、特許文献1では、樹脂として、水酸基変性ポリオレフィンを使用しておらず、ポリプロピレン系樹脂と特定の分子量の親水性樹脂との組み合わせも使用していない。
かかる状況の下、本発明が解決しようとする課題は、少量の抗ウイルス剤の使用で、高い抗ウイルス活性を発現させたポリオレフィン系樹脂組成物、ポリオレフィン系樹脂成形体、ポリプロピレン系樹脂組成物、および、ポリプロピレン系樹脂成形体を提供する点に存するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、このような背景に鑑みて鋭意検討をしたところ、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明とその好ましい態様又は実施形態は、下記[1]~[11]のものである。
【0006】
発明1
[1]
水酸基変性ポリオレフィン(A1)を95重量部以上100重量部未満と、抗ウイルス剤(C)を0重量部を超え5重量部以下とを含むポリオレフィン系樹脂組成物であって(A1)と(C)の合計が100重量部であるポリオレフィン系樹脂組成物。
[2]
水酸基変性ポリオレフィン(A1)が水酸基変性ポリプロピレンである、[1]に記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
[3]
水酸基変性ポリオレフィン(A1)が末端水酸基変性ポリプロピレンである、[1]又は[2]に記載のポリオレフィン系樹脂組成。
[4]
水酸基変性ポリオレフィン(A1)が片末端水酸基変性ポリプロピレンである、[1]から[3]のいずれかに記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
[5]
抗ウイルス剤(C)が銀および/または亜鉛系化合物である、[1]から[4]のいずれかに記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
[6]
抗ウイルス剤(C)のメディアン径が2~15μmである、[1]から[5]のいずれかに記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
[7]
[1]から[6]のいずれかに記載のポリオレフィン系樹脂組成物を含むポリオレフィン系樹脂成形体。
発明2
[8]
ポリプロピレン系樹脂(A2)を65重量部以上100重量部未満と、重量平均分子量(Mw)1,000~300,000の親水性樹脂(B)を0重量部を超え30重量部以下と、抗ウイルス剤(C)を0重量部を超え5重量部以下とを含むポリプロピレン系樹脂組成物であって(A2)と(B)と(C)の合計が100重量部であるポリプロピレン系樹脂組成物。
[9]
親水性樹脂(B)が、熱可塑性ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコール、および親水部と疎水部を有する樹脂から成る群から選択される少なくとも1つであり、親水部と疎水部を有する樹脂が、ポリプロピレンオキサイドとポリエチレンオキサイドのブロック共重合体、部分けん化ポリビニルアルコール、ポリオレフィンの末端または鎖中にポリエチレンオキサイドを結合した重合体、ポリオレフィンの末端または鎖中にポリビニルアルコールを結合した重合体、およびポリオレフィンの末端または鎖中に部分けん化ポリビニルアルコールを結合した重合体から成る群から選択される少なくとも1つである、[8]に記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
[10]
抗ウイルス剤(C)が銀および/または亜鉛系化合物である、[8]又は[9]に記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
[11]
[8]から[10]のいずれかに記載のポリオレフィン系樹脂組成物を含むポリプロピレン系樹脂成形体。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、少量の抗ウイルス剤の使用で、高い抗ウイルス活性を発現させたポリオレフィン系樹脂組成物、ポリオレフィン系樹脂成形体、ポリプロピレン系樹脂組成物、および、ポリプロピレン系樹脂成形体を提供することができる。
本発明の上記及び他の特徴及び利点は、下記の記載からより明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0008】
発明1
ポリオレフィン系樹脂組成物
本発明のポリオレフィン系樹脂組成物は、下記のものである。
水酸基変性ポリオレフィン(A1)を95重量部以上100重量部未満と、抗ウイルス剤(C)を0重量部を超え5重量部以下とを含むポリオレフィン系樹脂組成物であって(A1)と(C)の合計が100重量部であるポリオレフィン系樹脂組成物。
発明2
ポリプロピレン系樹脂組成物
ポリプロピレン系樹脂(A2)を65重量部以上100重量部未満と、重量平均分子量(Mw)1,000~300,000の親水性樹脂(B)を0重量部を超え30重量部以下と、抗ウイルス剤(C)を0重量部を超え5重量部以下とを含むポリプロピレン系樹脂組成物であって(A2)と(B)と(C)の合計が100重量部であるポリプロピレン系樹脂組成物。
水酸基変性ポリオレフィン(A1)
水酸基変性ポリオレフィン(A1)は、好ましくは、水酸基変性ポリプロピレン、末端水酸基変性ポリプロピレン、または、片末端水酸基変性ポリプロピレンである。
【0009】
[水酸基変性ポリオレフィン(A1)の製造方法]
本発明の水酸基変性ポリオレフィン(A1)は、例えば、下記の製造方法によって製造することができる:
有機金属含有末端基を有するオレフィン重合体を、反応性ガス化合物と不活性ガスとを含有する混合ガスで処理する工程(1)を含み、混合ガス中の反応性ガス化合物の体積分率が0.01~15vol%である、変性ポリオレフィンの製造方法。
<工程(1)>
<有機金属含有末端基を有するオレフィン重合体>
有機金属としては、様々なものを例示することができ、例えば、下記の項目「<有機亜鉛化合物>」で説明する有機亜鉛化合物の残渣や、有機アルミニウム化合物の残渣、有機マグネシウム化合物の残渣を例示することができる。前記有機金属含有末端基を有するオレフィン重合体中の金属が亜鉛原子であることが、好ましい。
また、有機金属含有末端基としては、様々なものを例示することができ、例えば、下記の化学式で示す-ZnEt基や、-ZnMe基、-ZniPr基、-ZnnBu基、-ZniBu基を例示することができる。また、本発明の製造方法で使用される有機金属含有末端基を有するオレフィン重合体、及び、製造される変性ポリオレフィンとしては、例えば、それぞれ、下記の化学式で示す、有機金属含有末端基ポリプロピレン、及び、変性ポリプロピレンを例示することができる。
JPEG
2025168885000001.jpg
47
136
有機金属含有末端基を有するオレフィン重合体は、オレフィン重合用固体触媒成分、有機アルミニウム化合物および有機亜鉛化合物の存在下で、オレフィンを重合して得られたものであるのが好ましい。
有機金属含有末端基を有するオレフィン重合体を製造する方法は、特に限定されないが、例えば、下記のプロピレン重合体材料の製造方法によって、有機金属含有末端基を有するオレフィン重合体を製造することができる。
プロピレンと、オレフィン重合用固体触媒成分と、有機アルミニウム化合物と、有機亜鉛化合物とを反応器へ連続的に供給する連続供給工程と、
反応器内で得られたプロピレン重合体材料の一部を反応器から連続的に取り出す連続取出し工程とを含む、プロピレン重合体材料の製造方法。
【0010】
<オレフィン重合用固体触媒成分>
使用されるオレフィン重合用固体触媒成分は、チタン原子およびマグネシウム原子を含むのが好ましい。
使用されるオレフィン重合用固体触媒成分の調製方法として、以下(1)~(5)の方法を例示することができる:
(1)ハロゲン化マグネシウム化合物とチタン化合物とを接触させる方法;
(2)ハロゲン化マグネシウム化合物と内部電子供与体とチタン化合物とを接触させる方法;
(3)ハロゲン化マグネシウム化合物とチタン化合物とを電子供与性溶媒に溶解させて溶液を得、次いで、該溶液を担体物質に含浸させる方法;
(4)ジアルコキシマグネシウム化合物とハロゲン化チタン化合物と内部電子供与体とを接触させる方法;
(5)マグネシウム原子、チタン原子および炭化水素オキシ基を含有する固体成分と、ハロゲン化化合物と、内部電子供与体および/または有機酸ハライドとを接触させる方法。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

関連特許

住友化学株式会社
偏光板
28日前
住友化学株式会社
積層体
1か月前
住友化学株式会社
偏光板
1か月前
住友化学株式会社
偏光板
1か月前
住友化学株式会社
化合物
1か月前
住友化学株式会社
着色剤
1か月前
住友化学株式会社
発光素子
1か月前
住友化学株式会社
発光素子
1か月前
住友化学株式会社
発光素子
1か月前
住友化学株式会社
樹脂組成物
1か月前
住友化学株式会社
フィルター
1か月前
住友化学株式会社
偏光積層体
1か月前
住友化学株式会社
垂直偏光板
28日前
住友化学株式会社
フィルター
1か月前
住友化学株式会社
フィルター
1か月前
住友化学株式会社
光学積層体
1か月前
住友化学株式会社
熱分解装置
2日前
住友化学株式会社
金属有機構造体
1か月前
住友化学株式会社
電気化学センサ
15日前
住友化学株式会社
芳香族ポリスルホン
1か月前
住友化学株式会社
体液に由来する試料
1か月前
住友化学株式会社
プロピレンの製造方法
10日前
住友化学株式会社
積層体および表示装置
1か月前
住友化学株式会社
成形原料及びフィルム
2か月前
住友化学株式会社
偏光板及び画像表示装置
1か月前
住友化学株式会社
膜エレメントの製造方法
1か月前
住友化学株式会社
光学積層体及び偏光積層体
1か月前
住友化学株式会社
装置、方法及びプログラム
1か月前
住友化学株式会社
ポリオレフィン樹脂組成物
2日前
住友化学株式会社
光学積層体及びその製造方法
1か月前
住友化学株式会社
無機アルミニウム化合物粉末
15日前
住友化学株式会社
複合偏光板及び画像表示装置
1か月前
住友化学株式会社
粘着剤組成物および粘着剤層
1か月前
住友化学株式会社
位相差層積層体及び光学積層体
7日前
住友化学株式会社
複合成形体、及びその製造方法
7日前
住友化学株式会社
粘着剤付き偏光板及び表示装置
2か月前
続きを見る