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公開番号
2025145809
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-03
出願番号
2024046242
出願日
2024-03-22
発明の名称
油中水型エマルジョン重合体
出願人
ハイモ株式会社
代理人
主分類
C08F
220/18 20060101AFI20250926BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】
製紙用歩留まり向上剤及び濾水性向上剤、産業廃水用及び下水し尿汚泥処理用の凝集処理剤及び汚泥脱水剤として使用される油中水型エマルジョン重合体に関するものであり、従来の油中水型エマルジョンに比べて製品分離や結露異物発生を抑制でき保存安定性が改善できる油中水型エマルジョンを提供することを課題とする。
【解決手段】
油中水型エマルジョン重合体の製造時にイオン性界面活性剤の添加により乳化粒子表面の電荷を調整し、粒子同士の反発を促進させることにより得られた油中水型エマルジョン重合体が保存安定性を改善することが可能であり前記課題を解決できる。
【選択図】 なし
特許請求の範囲
【請求項1】
下記一般式(1)で表わされるカチオン性ビニル単量体を1~99モル%及び/又は下記一般式(2)で表わされるアニオン性ビニル単量体を1~99モル%、非イオン性単量体を1~99モル%と、イオン性界面活性剤を含有する単量体混合物水溶液を分散相、水と非混和性の炭化水素を連続相となるように非イオン性界面活性剤によって乳化重合した油中水型エマルジョン重合体。
JPEG
2025145809000005.jpg
27
71
一般式(1)
R
1
は水素又はメチル基、R
2
、R
3
は炭素数1~3のアルキルあるいはアルコキシ基、R
4
は水素、炭素数1~3のアルキルあるいはアルコキシ基、炭素数7~20のアルキル基あるいはアリール基、Aは酸素又はNH、Bは炭素数2~4のアルキレン基、X
1
-
は陰イオンをそれぞれ表わす。
TIFF
2025145809000006.tif
27
71
一般式(2)
R
5
は水素、メチル基又はカルボキシメチル基、R
6
は水素又はカルボキシル基、QはSO
3
-
、CH
2
SO
3
-
、C
6
H
4
SO
3
-
、CONHC(CH
3
)
2
CH
2
SO
3
-
あるいはCOO
-
Y
2
、Y
1
あるいはY
2
は水素又は陽イオンをそれぞれ表わす。
続きを表示(約 560 文字)
【請求項2】
前記イオン性界面活性剤の添加率が、単量体総量に対し0.1~5.0質量%であることを特徴とする請求項1に記載の油中水型エマルジョン重合体。
【請求項3】
前記イオン性界面活性剤が、カチオン性界面活性剤あるいはアニオン性界面活性剤の何れかであることを特徴とする請求項1あるいは2に記載の油中水型エマルジョン重合体。
【請求項4】
前記イオン性界面活性剤が、炭素数8~18のアルキル基を含むカチオン性界面活性剤あるいはラウリル硫酸ナトリウム、炭素数8~18のアルキル硫酸エステルナトリウム、2-エチルへキシル硫酸ナトリウムのアニオン性界面活性剤から選択される一種以上であることを特徴とする請求項1あるいは2に記載の油中水型エマルジョン重合体。
【請求項5】
前記イオン性界面活性剤の添加率が、非イオン界面活性剤に対し50質量%以下であることを特徴とする請求項1あるいは2に記載の油中水型エマルジョン重合体。
【請求項6】
前記請求項1あるいは2の油中水型エマルジョン重合体からなる製紙用歩留まり向上剤又は濾水性向上剤。
【請求項7】
前記請求項1あるいは2に記載の油中水型エマルジョン重合体からなる凝集処理剤又は汚泥脱水剤。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、製紙用歩留まり向上剤又は濾水性向上剤、産業廃水用又は下水し尿汚泥処理用の凝集処理剤又は汚泥脱水剤等の用途に利用可能な油中水型エマルジョン重合体に関するものであり、更に詳しくは水溶性、分散安定性、保存安定性が良好であり、かつ製品粘度の低い油中水型エマルジョン重合体を提供するものである。
続きを表示(約 3,700 文字)
【背景技術】
【0002】
近年の化学技術の進歩により、産業用途に使用されるポリマー技術は著しい発展を遂げている。生活必需品、建築素材、製造工程等に使用されるプロセス薬剤等様々な現場において、様々な形態のポリマー製品が使用されている。中でも液状製品は取扱いの利便性から需要性が高まり、従来の固体製品から液状品へ置き換えられる現場もある。
液状品の技術のうち、ラテックス、エマルジョン、ディスパージョン等、二相からなる製品は、重合体が分散相に存在するために低粘度で取扱い良好、かつ高濃度化が可能なため運送費削減も可能である。
ポリマーを使用する産業のうち、製紙用歩留まり向上剤又は濾水性向上剤、産業廃水用又は下水し尿汚泥処理用の凝集処理剤又は汚泥脱水剤は、分子量1000万前後の高分子量化が機能発現に必要不可欠な場合が多い。取扱性の観点から、製品形態として油中水型エマルジョンが非常に有効であるが、一方で高分子化に伴う弊害として溶解困難、製品粘度上昇、製品分離や結露異物発生等の保存安定性が悪化する問題がある。
これらの問題を解決するために、高分子分散剤と低分子イオン性界面活性剤を分散剤に使用する発明(特許文献1)や、乳化機を使用し粒子径を微小化した発明(特許文献2)が提案されている。また、吸水性樹脂製造時に陰イオン性界面活性剤を存在させる発明(特許文献3)も、産業分野は異なるが粒子径制御により製品の改良を行うことを目的とした発明である。
しかしながら、特許文献1では、分散剤作成の工数を要し、特許文献2の乳化機を使用する乳化の場合においても、乳化粒子の大きさは乳化剤の種類やモノマー濃度により容易に変化したり乳化粒子の微小化を目的に機械シェアを強めた場合、製品粘度が上昇し取扱性が著しく悪化したりするという問題がある。特許文献3では、保管安定性向上には粒子径は均一の方が好ましく、吸水性樹脂の系が液状品に必ずしも当てはまらない。この様に油中水型エマルジョンの溶解困難、製品粘度上昇、保存安定性悪化の問題解決を目指した発明は複数存在するが、それぞれに課題があり、特に製品分離や結露異物発生を抑制できる保存安定性改善が求められている。
【0003】
特開平3-28202号公報
特開平6-157668号公報
特開平6-93008号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、製紙用歩留まり向上剤及び濾水性向上剤、産業廃水用及び下水し尿汚泥処理用の凝集処理剤及び汚泥脱水剤として使用される油中水型エマルジョン重合体に関するものであり、従来の油中水型エマルジョンに比べて製品分離や結露異物発生を抑制でき保存安定性が改善できる油中水型エマルジョン重合体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は従来の問題点を解決するために鋭意検討を重ねた結果、油中水型エマルジョン重合体の製造時にイオン性界面活性剤を添加することにより乳化粒子表面の電荷を調整し、粒子同士の反発を促進させることにより得られた油中水型エマルジョン重合体が保存安定性を改善することが可能であり前記課題を解決することを見出した。
【発明の効果】
【0006】
本発明における油中水型エマルジョン重合体は、粒子界面の表面電荷が調節され、粒子間の反発により分散安定性に優れ、製造時異物の発生抑制及び保管安定による油相と重合体の分離は改善される。これに加えて、イオン性界面活性剤の添加により溶解性が向上するために油中水型エマルジョンの溶解時必要な転相剤の添加量を削減することができる。転相剤の削減により、結露水が混入した時の膜状異物発生が抑制される。分離安定性や結露安定性が改善できるため製紙用歩留まり向上剤又は濾水性向上剤、産業廃水用又は下水し尿汚泥処理用の凝集処理剤又は汚泥脱水剤等の産業用途とする際に効果を最大限に発揮することができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明における油中水型エマルジョン重合体としては、下記一般式(1)で表わされるカチオン性ビニル単量体を1~99モル%及び/又は下記一般式(2)で表わされるアニオン性ビニル単量体を1~99モル%、非イオン性単量体を1~99モル%を構成単位とする。カチオン性重合体を製造する場合は、一般式(1)で表わされるカチオン性ビニル単量体と非イオン性単量体を使用する。アニオン性重合体を製造する場合は、一般式(2)で表わされるアニオン性ビニル単量体と非イオン性単量体を使用する。又、両性重合体を製造する場合は、一般式(1)で表わされるカチオン性ビニル単量体と一般式(2)で表わされるアニオン性ビニル単量体及び非イオン性単量体を使用する。
JPEG
2025145809000001.jpg
27
71
一般式(1)
R
1
は水素又はメチル基、R
2
、R
3
は炭素数1~3のアルキルあるいはアルコキシ基、R
4
は水素、炭素数1~3のアルキルあるいはアルコキシ基、炭素数7~20のアルキル基あるいはアリール基、Aは酸素又はNH、Bは炭素数2~4のアルキレン基、X
1
-
は陰イオンをそれぞれ表わす。
TIFF
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一般式(2)
R
5
は水素、メチル基又はカルボキシメチル基、R
6
は水素又はカルボキシル基、QはSO
3
-
、CH
2
SO
3
-
、C
6
H
4
SO
3
-
、CONHC(CH
3
)
2
CH
2
SO
3
-
あるいはCOO
-
Y
2
、Y
1
あるいはY
2
は水素又は陽イオンをそれぞれ表わす。
【0008】
一般式(1)で表されるカチオン性単量体の四級アミノ基含有カチオン性単量体として、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルアミノプロピルジメチルベンジルアンモニウム塩化物等が挙げられ、三級アミノ基含有カチオン性単量体として、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。これらを二種以上、組み合わせても差し支えない。
一般式(2)で表されるアニオン性ビニル単量体としては、(メタ)アクリル酸、アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、メタクリル酸、イタコン酸あるいはこれらの塩等が挙げられる。これらを二種以上、組み合わせても差し支えない。
【0009】
本発明で使用する非イオン性単量体としては、(メタ)アクリルアミド、N,N’-ジメチルアクリルアミド、アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸-2-ヒドロキシエチル、ジアセトンアクリルアミド、N-ビニルピロリドン、N-ビニルホルムアミド、N-ビニルアセトアミド、アクリロイルモルホリン等が挙げられる。これらの中で(メタ)アクリルアミドが好ましい。これらを二種以上、組み合わせても差し支えない。
【0010】
本発明で使用するイオン性界面活性剤としては、ドデシルトリメチルアンモニウム塩化物、ヤシアルキルトリメチルアンモニウム塩化物、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム塩化物、テトラデシルジメチルベンジルアンモニウム塩化物、ヤシアルキルジメチルベンジルアンモニウム塩化物等の炭素数8~18のアルキル基を含むカチオン性界面活性剤、もしくは、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキル硫酸ナトリウム等の炭素数8~18のアルキル硫酸エステルナトリウム、2-エチルへキシル硫酸ナトリウム等のアニオン性界面活性剤が挙げられる。これらの内、電荷が同じものであれば二種類以上組み合わせても差し支えない。適正な効果を発揮するためには、イオン性界面活性剤の添加率は、対単量体0.1~5.0質量%の範囲が好ましい。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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