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公開番号2025156742
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-15
出願番号2024059346
出願日2024-04-02
発明の名称ペレット
出願人東ソー株式会社
代理人
主分類C08F 10/02 20060101AFI20251007BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】 汎用の樹脂へ添加することにより成形体の機械強度を改良でき、外観を損なうことなく混練が可能であることから、成形体の薄肉化や成形体の長寿命化が期待され、特に樹脂改質用として優れた特性を有するペレットを提供する。
【解決手段】 (1)HLMFRが0.01~50g/10min、(2)GPCによる溶出曲線が二峰、(2-1)高分子量側のMwが900000~5000000、Mw/Mnが2.0~5.0、(2-2)低分子量側のMwが10000~500000、Mw/Mnが2.0~5.0、(2-3);高分子量側ピーク/低分子量側ピーク(重量%)が5/95~80/20、であるポリエチレン重合体を含み、(I)1粒当たりの平均重量が13mg~31mg、(II)1粒当たりの平均アスペクト比が1.2~1.6、であるペレット。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
ポリエチレン重合体を含むペレットであり、ポリエチレン重合体が下記特性(1)及び(2)を満足するポリエチレン重合体であると共に、下記特性(I)及び(II)をも満足することを特徴とするペレット。
(1);JIS K6922-2:1997に準拠し、温度190℃、荷重21.6kgにおけるメルトフローレートが0.01~50g/10min。
(2);ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定される溶出曲線が二峰であり、該溶出曲線を微分分子量分布(x軸:Log[M]、y軸:微分分布値)として表し、下記の式(1)により2つの正規分布にピーク分割した際に下記特性(2-1)~(2-3)を満足する。
f(x)=a×(1/(2π(σ

))
(1/2)

exp(-((x-μ)

)/(2(σ

))) 式(1)
(a;ピーク強度 π;円周率 σ;標準偏差 x;変数 μ;平均)
(2-1);高分子量側のピークによる重量平均分子量が900000~5000000であり、重量平均分子量/数平均分子量で表される分子量分布が2.0~5.0。
(2-2);低分子量側のピークによる重量平均分子量が10000~500000であり、分子量分布が2.0~5.0。
(2-3);高分子量側ピークの重量割合/低分子量側ピークの重量割合(重量%)が5/95~80/20。
(I);ペレット1粒当たりの平均重量が13mg~31mg。
(II);ペレットの中心点を通る中心線とペレット端部との交差点である2点間の長さの最大値と最小値の比として表されるアスペクト比が、ペレット1粒当たりの平均アスペクト比として1.2~1.6。
続きを表示(約 490 文字)【請求項2】
ポリエチレン重合体が、下記特性(3)をも満足するポリエチレン重合体であることを特徴とする請求項1に記載のペレット。
(3);ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定される分子量分布が4.0~50。
【請求項3】
ポリエチレン重合体がエチレン単独重合体であることを特徴とする請求項1に記載のペレット。
【請求項4】
下記特性(III)をも満足することを特徴とする請求項1に記載のペレット。
(III);内径90mmのシャーレの上方に口径17mmの排出口を有するロートを排出口までの高さが150mmとなるように設置し、排出口を塞いだ状態でロートにペレット200gを充填した後、排出口を開放することによりシャーレ上に形成される円錐の高さを測定し、下記式(2)により算出した安息角が20°~40°。
安息角(°)=tan
-1
(円錐の高さ/45)×180/π 式(2)
(π:円周率)
【請求項5】
樹脂改質用であることを特徴とする請求項1に記載のペレット。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、特定のポリエチレン重合体を含む特定のペレットに関するものであり、さらに詳細には、取扱い性、搬送性に優れると共に、汎用の樹脂へ添加することにより成形体の機械強度を改良でき、外観を損なうことなく混練が可能であることから、成形体の薄肉化や成形体の長寿命化が期待される樹脂改質用として優れた特性をも有するペレットに関するものである。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
ポリエチレンは、広汎な用途に利用されている樹脂であり、各用途に適した樹脂とするために、2種類以上の樹脂成分を組み合わせることにより、分子量分布や組成を制御し、各種物性や外観を改良する技術が提案されている。例えば、より高分子量な成分の増加は、機械強度を向上させる一方で成形性を低下させ、より低分子量な成分の増加は、機械強度を低下させる一方成形性を向上させる。
【0003】
2種類以上のポリエチレン成分を組み合わせる方法として、各成分をそれぞれ重合した後に溶融混練やドライブレンドによりブレンドする方法、多段重合を連続的に行う方法、重合系内に複数のポリエチレン重合触媒を添加して2種以上のポリエチレン成分を同時に生成する方法、及びこれらを組み合わせて行う方法等が提案されている。また、被改質材料にブレンドすることにより、被改質材料の物性や外観等を改質する樹脂用改質材(例えば特許文献1参照。)も提案されている。
【0004】
ポリエチレンのブロー成形、射出成形、インフレーション成形、押出成形においては、一般に成形加工性、及び物性の良好な材料が求められている。近年ではコストダウンを図るため軽量化、薄肉化が求められているが、その一方で優れた機械強度が要求されている。
【0005】
近年注目されている超高分子量ポリエチレン(例えば特許文献2、3参照。)は、粘度平均分子量(以下、Mvと記す場合がある。)で100万以上に相当する極めて高い分子量を有していることから、耐衝撃性、自己潤滑性、耐摩耗性、耐候性、耐薬品性、寸法安定性等に優れており、エンジニアリングプラスチックに匹敵する高い物性を有している。このため、各種成形方法により、ライニング材、食品工業のライン部品、機械部品、人工関節、スポーツ用品、微多孔膜、セパレータ等の用途への適用が試みられている。
【0006】
しかし、超高分子量ポリエチレンは、その高い分子量故に、溶融時の流動性が極めて低く、分子量が数万から約30万の範囲にある通常のポリエチレンのように混練押出により成形することは困難である。そこで、超高分子量ポリエチレンは、重合により得られた重合体粉末を直接焼結する方法、圧縮成形する方法、間歇圧縮させながら押出成形するラム押出機による成形方法、溶媒等に分散させた状態で押出成形した後、溶媒を除去する方法等の方法により成形が行われている。
【0007】
そして、超高分子量ポリエチレンの成形性及び他樹脂との混練性を改良するため、低分子量のポリエチレンを添加する方法(例えば特許文献4、5参照。)が提案され、特定の溶融挙動を示す超高分子量ポリエチレン(例えば特許文献6参照。)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2017-179304号公報
特許第4868853号
特許第6405888号
特許第4173444号
特許第7071966号
特開2021-172716号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、特許文献1に提案の改質材は、加工性の改良には一定の効果が見られるものであったが、機械強度の向上効果についてはさらなる改良が求められるものであった。
【0010】
また、特許文献2、3は、単に超高分子量ポリエチレンを提案するにとどまり、成形加工性については課題を有するものであった。特許文献4~6の提案についても超高分子量ポリエチレンの加工性改良程度のものであり、汎用性という点においてはまだまだ課題を有するものであった。
(【0011】以降は省略されています)

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