特許ウォッチ

公開番号2025168252
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-11-07
出願番号2025056247
出願日2025-03-28
発明の名称位相差層積層体及び光学積層体
出願人住友化学株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類G02B 5/30 20060101AFI20251030BHJP(光学)
要約【課題】光学積層体における視認性(干渉ムラ等)の改善、及び、耐屈曲性を両立する。
【解決手段】位相差層積層体は、第一液晶位相差層、20～200nmの厚みを有する第二貼合層、および、第二液晶位相差層を、この順に有する。第一液晶位相差層と第二液晶位相差層との間の剥離力が0.20N/25mm以上である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項１】
第一液晶位相差層、２０～２００ｎｍの厚みを有する第二貼合層、および、第二液晶位相差層を、この順に有する位相差層積層体であって、
前記第一液晶位相差層と第二液晶位相差層との間の剥離力が０．２０Ｎ／２５ｍｍ以上である位相差層積層体。
続きを表示（約 1,000 文字）【請求項２】
前記第二貼合層がポリビニルアルコール系樹脂層である請求項１に記載の位相差層積層体。
【請求項３】
前記第一液晶位相差層および前記第二液晶位相差層の厚みがそれぞれ５μｍ以下である、請求項１又は２に記載の位相差層積層体。
【請求項４】
前記第一液晶位相差層の前記第二貼合層とは反対側に設けられた第一基材層と、
前記第二液晶位相差層の前記第二貼合層とは反対側に設けられた第二基材層とをさらに備え、前記第一基材層及び前記第二基材層の少なくとも一方の透湿度が２００ｇ／ｍ
２
・ｄａｙ以上である、請求項１又は２に記載の位相差層積層体。
【請求項５】
第一液晶位相差層と第二液晶位相差層との間に水及び水に溶解又は分散した樹脂を含む水系接着剤組成物を供給しながら一対のロール間を通過させることで貼合して、第一液晶位相差層、液膜、及び第二液晶位相差層を含む積層体を得る工程と、
前記積層体中の前記液膜を乾燥させる工程と、を備える、請求項１又は２に記載の位相差層積層体の製造方法。
【請求項６】
第一保護層、直線偏光子、第二保護層、第一貼合層、及び、位相差層積層体をこの順に備え、
前記位相差層積層体は、第一液晶位相差層、２０～２００ｎｍの厚みを有する第二貼合層、および、第二液晶位相差層を、前記第一貼合層側からこの順に有し、
前記第一液晶位相差層と第二液晶位相差層との間の剥離力が０．２０Ｎ／２５ｍｍ以上である光学積層体。
【請求項７】
前記第一貼合層の前記位相差層積層体側の算術平均粗さＲａが３５ｎｍ以下である、
請求項６に記載の光学積層体。
【請求項８】
前記第一貼合層が粘着剤層である、請求項６又は７に記載の光学積層体。
【請求項９】
前記第一液晶位相差層の遅相軸が前記直線偏光子の透過軸に対して為す角度θが１０°～２０°または－１０°～－２０°である、請求項６又は７に記載の光学積層体。
【請求項１０】
前記位相差層積層体の波長λｎｍの光に対する面内位相差値をＲｅ（λ）とした場合に、下記式（１）及び（２）の関係を満たす、請求項６又は７に記載の光学積層体。
７０ｎｍ≦Ｒｅ（４５０）≦１５０ｎｍ（１）
Ｒｅ（４５０）／Ｒｅ（５５０）≦１．００（２）

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は位相差層積層体及び光学積層体に関する。
続きを表示（約 2,100 文字）【背景技術】
【０００２】
従来より、OLED用途の円偏光板として、偏光子と、反射防止を目的として複数の液晶位相差層を積層した光学積層体が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
特開2020-052365号公報
特開2023-068424号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかしながら、従来の円偏光板において、人が目視したときに干渉ムラが観察されるという問題があったり、フォルダブルディスプレイに適用する場合には、同じ場所で屈曲が繰り返し行われるため、屈曲部分で構成部材に皺欠陥が生じることもあった。
【０００５】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、光学積層体における視認性（干渉ムラ等）の改善、及び、耐屈曲性を両立させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
［１］第一液晶位相差層、２０～２００ｎｍの厚みを有する第二貼合層、および、第二液晶位相差層を、この順に有する位相差層積層体であって、
前記第一液晶位相差層と第二液晶位相差層との間の剥離力が０．２０Ｎ／２５ｍｍ以上である位相差層積層体。
［２］前記第二貼合層がポリビニルアルコール系樹脂層である［１］に記載の位相差層積層体。
［３］前記第一液晶位相差層および前記第二液晶位相差層の厚みがそれぞれ５μｍ以下である、［１］又は［２］に記載の位相差層積層体。
［４］前記第一液晶位相差層の前記第二貼合層とは反対側に設けられた第一基材層と、
前記第二液晶位相差層の前記第二貼合層とは反対側に設けられた第二基材層とをさらに備え、前記第一基材層及び前記二基材層の少なくとも一方の透湿度が２００ｇ／ｍ
２
・ｄａｙ以上である、［１］～［３］のいずれか一項に記載の位相差層積層体。
［５］第一液晶位相差層と第二液晶位相差層との間に水及び水に溶解又は分散した樹脂を含む水系接着剤組成物を供給しながら一対のロール間を通過させることで貼合して第一液晶位相差層、液膜、及び第二液晶位相差層を含む積層体を得る工程と、
前記積層体中の前記液膜を乾燥させる工程と、を備える、［１］～［４］のいずれか一項に記載の位相差層積層体の製造方法。
［６］第一保護層、直線偏光子、第二保護層、第一貼合層、及び、位相差層積層体をこの順に備え、
前記位相差層積層体は、第一液晶位相差層、２０～２００ｎｍの厚みを有する第二貼合層、および、第二液晶位相差層を、前記第一貼合層側からこの順に有し、
前記第一液晶位相差層と第二液晶位相差層との間の剥離力が０．２０Ｎ／２５ｍｍ以上である光学積層体。
［７］前記第一貼合層の前記位相差層積層体側の算術平均粗さＲａが３５ｎｍ以下である、［６］に記載の光学積層体。
［８］前記第一貼合層が粘着剤層である、［６］又は［７］に記載の、光学積層体。
［９］前記第一液晶位相差層の遅相軸が前記直線偏光子の透過軸に対して為す角度θが１０°～２０°または－１０°～－２０°である、［６］～［８］のいずれか一項に記載の光学積層体。
［１０］前記位相差層積層体の波長λｎｍの光に対する面内位相差値をＲｅ（λ）とした場合に、下記式（１）及び（２）の関係を満たす、［６］～［９］のいずれか一項に記載の光学積層体。
７０ｎｍ≦Ｒｅ（４５０）≦１５０ｎｍ（１）
Ｒｅ（４５０）／Ｒｅ（５５０）≦１．０（２）
【発明の効果】
【０００７】
本発明によれば、光学積層体における視認性（干渉ムラ等）の改善、及び、耐屈曲性の向上が実現される。
【図面の簡単な説明】
【０００８】
図１は、位相差層積層体３００及び光学積層体４００の一実施形態を示す概略断面図である。
図２は、位相差層積層体３００の製造方法を示す概略断面図である。
屈曲性の評価方法を説明する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【０００９】
（光学積層体（円偏光板）４００）
実施形態にかかる光学積層体４００は、図１に示すように、第一保護層１８０、直線偏光子２２０、第二保護層１９０、第一貼合層１５０、及び、位相差層積層体３００をこの順に備え、円偏光板として機能しうる。
【００１０】
（直線偏光子２２０）
直線偏光子は、自然光等の非偏光な光線から、ある一方向の直線偏光を選択的に透過させる機能を有する。直線偏光子としては、ＰＶＡ等のポリマー中にヨウ素や有機二色性染料を含浸させた状態で一軸延伸したフィルム（以下、「偏光子」ともいう）や、二色性色素と重合性液晶化合物を配向させることによって形成される光学異方性層（以下、「偏光膜」ともいう）等が挙げられる。
（【００１１】以降は省略されています）

関連特許