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公開番号
2025178224
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-12-05
出願番号
2025086666
出願日
2025-05-23
発明の名称
フッ素樹脂シート状素材及びそれを含む積層体
出願人
ダイキン工業株式会社
代理人
弁理士法人タス・マイスター
主分類
C08J
7/00 20060101AFI20251128BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】フッ素樹脂の融点以下の温度で接着した場合でも、金属層との接着性に優れたフッ素樹脂シート状素材を提供する。
【解決手段】フッ素樹脂を含むシート状素材であって、少なくとも一方の表面において、下記一般式(A)が成り立つフッ素樹脂シート状素材。
O≧E+0.5 ・・・(A)
O:走査型X線光電子分光分析装置(XPS)によって測定した際に得られた酸素元素比率
E:120℃における、走査型原子間力顕微鏡による表面弾性率の多点測定において、累積相対度数が0.99に達した際の表面弾性率と累積相対度数が0.01に達した際の表面弾性率との差。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
フッ素樹脂を含むシート状素材であって、少なくとも一方の表面において、下記一般式(A)が成り立つフッ素樹脂シート状素材。
O≧E+0.5 ・・・(A)
O:走査型X線光電子分光分析装置(XPS)によって測定した際に得られた酸素元素比率
E:120℃における、走査型原子間力顕微鏡による表面弾性率の多点測定において、累積相対度数が0.99に達した際の表面弾性率と累積相対度数が0.01に達した際の表面弾性率との差。
続きを表示(約 980 文字)
【請求項2】
更に、上記累積相対度数が0.99に達した際の表面弾性率と累積相対度数が0.01に達した際の表面弾性率との差Eが、0.35GPa≦E≦3.0GPaである請求項1に記載のフッ素樹脂シート状素材。
【請求項3】
更に、上記酸素元素比率Oが1.35atomic%<O<20atomic%である請求項1又は2記載のフッ素樹脂シート状素材。
【請求項4】
フッ素樹脂を含むシート状素材であって、少なくとも一方の表面において、
25℃から120℃に加熱したときの、25℃と120℃での走査型原子間力顕微鏡による表面弾性率の多点測定において、表面弾性率の中間値(累積相対度数が0.50に達した際の値)が20%以上減少するフッ素樹脂シート状素材。
【請求項5】
フッ素樹脂を含むシート状素材であって、少なくとも一方の表面において、
25℃から120℃に加熱したときの、25℃と120℃での走査型原子間力顕微鏡による表面弾性率の多点測定において、表面弾性率の中間値(累積相対度数が0.50に達した際の値)が20%以上減少する請求項1記載のフッ素樹脂シート状素材。
【請求項6】
フッ素樹脂が、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル(PFA)又はテトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン(FEP)である請求項5記載のフッ素樹脂シート状素材。
【請求項7】
請求項5又は6に記載のフッ素樹脂シート状素材と金属層とを含む積層体。
【請求項8】
フッ素樹脂シート状素材の上記測定面と金属層との接着強度が0.5N/cm以上である請求項7記載の積層体。
【請求項9】
更に、フッ素樹脂シート状素材および金属層以外の層を有し、
フッ素樹脂シート状素材表面に設けられた、当該フッ素樹脂シート状素材および金属層以外の層は、ポリイミド、液晶ポリマー、ポリフェニレンスルファイド、シクロオレフィンポリマー、ポリスチレン、エポキシ樹脂、ビスマレイミド、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンエーテル、ジビニルベンゼン、及びポリブタジエンからなる群から選択される少なくとも1種からなる層である請求項7に記載の積層体。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、フッ素樹脂シート状素材及びそれを含む積層体に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)
【背景技術】
【0002】
次世代情報通信(高周波5G)による高速通信実現のため、アンテナや伝送路に使用されるプリント基板の誘電体(絶縁材料)には、低伝送損失特性が求められている。これらの背景から、プリント基板向けの絶縁材料として、電気特性に優れたフッ素樹脂材料(PTFE、PFA等)が注目されている。一方、フッ素樹脂材料は、一般的に他材との接着性に乏しいため、接着性改善としてプラズマ処理等の表面改質技術が用いられている(特許文献1等)。
【0003】
特許文献2には、フッ素樹脂フィルムに、表面処理とアニール処理とを施し、フッ素樹脂フィルムの寸法変化率と酸素原子比率とを特定の範囲にすることにより、フッ素樹脂フィルムと銅箔とのラミネート時の不良を低減し、かつ、銅箔との接着性にも優れたフッ素樹脂フィルムが得られることが記載されている。
【0004】
また、特許文献3には、アラミド等の耐熱フィルムの表面に、コロナ放電により表面改質処理を施し、表面弾性率を1.5GPa以上とすることで、耐熱フィルムと接着剤樹脂との接着性を良好とし、薄型化を可能とすることが記載されている。
また、特許文献4には、半導体封止工程用離型ポリエステルフィルムの表面弾性率を特定の範囲とすることで、離型ポリエステルフィルムのクラックの発生を抑制し、樹脂の流動痕が離型フィルム表面に転写することを回避することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2019-181735号公報
国際第2022/158524号
特開2004-123928号公報
特開2023-116512号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示は、フッ素樹脂の融点以下の温度で接着した場合でも、金属層との接着性に優れたフッ素樹脂シート状素材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、フッ素樹脂を含むシート状素材であって、少なくとも一方の表面において、下記一般式(A)が成り立つフッ素樹脂シート状素材である。
O≧E+0.5 (A)
O:走査型X線光電子分光分析装置(XPS)によって測定した際に得られた酸素元素比率
E:120℃における、走査型原子間力顕微鏡による表面弾性率の多点測定において、累積相対度数が0.99に達した際の表面弾性率と累積相対度数が0.01に達した際の表面弾性率との差。
【0008】
更に、上記累積相対度数が0.99に達した際の表面弾性率と累積相対度数が0.01に達した際の表面弾性率との差Eが、0.35GPa≦E≦3.0GPaであることが好ましい。
更に、上記酸素元素比率Oが1.35atomic%<O<20atomic%であることが好ましい。
【0009】
本開示は、フッ素樹脂を含むシート状素材であって、少なくとも一方の表面において、
25℃から120℃に加熱したときの、25℃と120℃での走査型原子間力顕微鏡による表面弾性率の多点測定において、表面弾性率の中間値(累積相対度数が0.50に達した際の値)が20%以上減少するフッ素樹脂シート状素材でもある。
【0010】
本開示は、フッ素樹脂を含むシート状素材であって、少なくとも一方の表面において、下記一般式(A)が成り立つフッ素樹脂シート状素材であり、更に、少なくとも一方の表面において、
25℃から120℃に加熱したときの、25℃と120℃での走査型原子間力顕微鏡による表面弾性率の多点測定において、表面弾性率の中間値(累積相対度数が0.50に達した際の値)が20%以上減少するフッ素樹脂シート状素材でもある。
O≧E+0.5 (A)
O:走査型X線光電子分光分析装置(XPS)によって測定した際に得られた酸素元素比率
E:120℃における、走査型原子間力顕微鏡による表面弾性率の多点測定において、累積相対度数が0.99に達した際の表面弾性率と累積相対度数が0.01に達した際の表面弾性率との差。
(【0011】以降は省略されています)
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