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公開番号
2025178223
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-12-05
出願番号
2025086665
出願日
2025-05-23
発明の名称
フッ素樹脂シート状素材及びそれを含む積層体
出願人
ダイキン工業株式会社
代理人
弁理士法人タス・マイスター
主分類
C08J
7/00 20060101AFI20251128BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】フッ素樹脂の融点以下の温度で接着した場合でも、金属層との接着性に優れたフッ素樹脂シート状素材を提供する。
【解決手段】少なくとも一方の表面において、以下の(1)及び(2)の少なくとも一方を満たすフッ素樹脂シート状素材。
(1)表面状態を原子間力顕微鏡によって測定した際の最大山高さ(Rp)が、30~150nm
(2)表面状態を原子間力顕微鏡によって測定した際の最大山深さ(Rv)が、-30~-120nm
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
少なくとも一方の表面において、以下の(1)及び(2)の少なくとも一方を満たすフッ素樹脂シート状素材。
(1)表面状態を原子間力顕微鏡によって測定した際の最大山高さ(Rp)が、30~150nm
(2)表面状態を原子間力顕微鏡によって測定した際の最大山深さ(Rv)が、-30~-120nm
続きを表示(約 1,300 文字)
【請求項2】
前記(1)及び(2)の両方を満たす請求項1記載のフッ素樹脂シート状素材。
【請求項3】
フッ素樹脂が、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル(PFA)又はテトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン(FEP)である請求項2記載のフッ素樹脂シート状素材。
【請求項4】
金属層と接する面の少なくとも一方における表面において、以下の(3)及び(4)の少なくとも一方を満たすフッ素樹脂シート状素材と、金属層とを含む積層体。
(3)表面状態を原子間力顕微鏡によって測定した際の最大山高さ(Rp)が30~150nm
(4)表面状態を原子間力顕微鏡によって測定した際の最大山深さ(Rv)が-30~-120nm
【請求項5】
上記金属層の、フッ素樹脂シート状素材と接する面のRzが1.5μm以下である請求項4に記載の積層体。
【請求項6】
フッ素樹脂シート状素材が、前記(3)及び(4)の両方を満たすものである請求項4記載の積層体。
【請求項7】
上記金属層の、フッ素樹脂シート状素材と接する面のRzが1.5μm以下である請求項6に記載の積層体。
【請求項8】
上記フッ素樹脂シート状素材の上記測定表面を走査型X線光電子分光分析装置(XPS)によって測定した酸素元素比率が1.35atomic%以上である請求項4~7のいずれかに記載の積層体。
【請求項9】
上記フッ素樹脂シート状素材の上記測定表面を走査型X線光電子分光分析装置(XPS)によって測定した官能基(C=O)量が2.0%以上である請求項4~7のいずれかに記載の積層体。
【請求項10】
フッ素樹脂シート状素材と金属層とを含む積層体であって、
金属層と接する面の少なくとも一方の面における表面が、以下の(5)及び(6)の少なくとも一方を満たし、かつ、上記フッ素樹脂シート状素材の上記測定表面を走査型X線光電子分光分析装置(XPS)によって測定した酸素元素比率が1.35atomic%以上である積層体。
(5)フッ素樹脂シート状素材の積層前の状態において、金属層と接する面の少なくとも一方の面における表面状態を原子間力顕微鏡によって測定した際の最大山高さ(Rp)と、金属箔の積層前の状態において、上記フッ素樹脂シート状素材と接する面における金属箔表面を原子間力顕微鏡によって測定した際の最大山高さ(Rp)との比(Rp(フッ素樹脂シート状素材)/Rp(金属箔))が、50~250%である。
(6)フッ素樹脂シート状素材の積層前の状態において、金属層と接する面の少なくとも一方の面における表面状態を原子間力顕微鏡によって測定した際の最大山深さ(Rv)の絶対値と、金属箔の積層前の状態において、上記フッ素樹脂シート状素材と接する面における金属箔表面を原子間力顕微鏡によって測定した際の最大山高さ(Rp)との比(Rv(フッ素樹脂シート状素材)/Rp(金属箔))が、50~200%である。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、フッ素樹脂シート状素材及びそれを含む積層体に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)
【背景技術】
【0002】
次世代情報通信(高周波5G)による高速通信実現のため、アンテナや伝送路に使用されるプリント基板には、低伝送損失特性が求められている。これらの背景から、プリント基板向けの絶縁材料として、電気特性に優れたフッ素樹脂材料(PTFE、PFA等)が注目されている。一方、フッ素樹脂材料は、一般的に他材との接着性に乏しいため、接着性改善としてプラズマ処理等の表面改質技術が用いられている(特許文献1等)。
【0003】
特許文献1には、無機層表面とフッ素樹脂層表面の両方を表面処理し、フッ素樹脂の融点以上で熱圧着する、積層体の製造方法において、フッ素樹脂層をプラズマ処理により表面処理することが記載されている。また、表面処理された無機層及びフッ素樹脂層のそれぞれの算術平均粗さRaの好適な範囲が記載されている。
【0004】
特許文献2には、金属箔の表面に樹脂層を有する樹脂付金属箔における、プリプレグと接着する側の樹脂層のRaと、金属層の十点平均粗さ(Rz)の好適な範囲が記載されている。
【0005】
特許文献3には、フッ素樹脂フィルムに、表面処理とアニール処理とを施し、フッ素樹脂フィルムの寸法変化率と酸素原子比率とを特定の範囲にすることにより、フッ素樹脂フィルムと銅箔とのラミネート時の不良を低減し、かつ、銅箔との接着性にも優れたフッ素樹脂フィルムが得られることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2019-181735号公報
国際第2019/230569号
国際第2022/158524号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本開示は、フッ素樹脂の融点以下の温度で接着した場合でも、金属層との接着性に優れたフッ素樹脂シート状素材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示は、少なくとも一方の表面において、以下の(1)及び(2)の少なくとも一方を満たすフッ素樹脂シート状素材である。
(1)表面状態を原子間力顕微鏡によって測定した際の最大山高さ(Rp)が、30~150nm
(2)表面状態を原子間力顕微鏡によって測定した際の最大山深さ(Rv)が、-30~-120nm
【0009】
前記(1)及び(2)の両方を満たすフッ素樹脂シート状素材であることが好ましい。
フッ素樹脂が、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル(PFA)又はテトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン(FEP)であることが好ましい。
【0010】
本開示は、金属層と接する面の少なくとも一方における表面において、以下の(3)及び(4)の少なくとも一方を満たすフッ素樹脂シート状素材と、金属層とを含む積層体でもある。
(3)表面状態を原子間力顕微鏡によって測定した際の最大山高さ(Rp)が30~150nm
(4)表面状態を原子間力顕微鏡によって測定した際の最大山深さ(Rv)が-30~-120nm
(【0011】以降は省略されています)
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