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公開番号
2025148838
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-08
出願番号
2024049160
出願日
2024-03-26
発明の名称
酸素還元電極及びその製造方法
出願人
東ソー株式会社
,
田中貴金属工業株式会社
代理人
弁理士法人T.S.パートナーズ
主分類
C25B
11/032 20210101AFI20251001BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約
【課題】高い白金担持率を有する白金担持カーボンを用いた場合であっても、白金の溶出を抑制することができる酸素還元電極を提供する。
【解決手段】本開示は、導電性基材と、導電性基材上に形成された、白金担持カーボン及び疎水性樹脂を含有する反応層とを備え、白金担持カーボンに含有される白金の結晶子径が3nm以上であり、かつ白金担持カーボンのBET比表面積が200m
2
/g以下である酸素還元電極である。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
導電性基材と、該導電性基材上に形成された、白金担持カーボン及び疎水性樹脂を含有する反応層とを備え、
前記白金担持カーボンに含有される白金の結晶子径が3nm以上であり、かつ前記白金担持カーボンのBET比表面積が200m
2
/g以下である酸素還元電極。
続きを表示(約 450 文字)
【請求項2】
前記白金担持カーボンの白金担持率が59質量%以上である、請求項1に記載の酸素還元電極。
【請求項3】
前記導電性基材が多孔性導電性基材である、請求項1又は2に記載の酸素還元電極。
【請求項4】
前記多孔性導電性基材がカーボン繊維である、請求項3に記載の酸素還元電極。
【請求項5】
前記白金担持カーボンに含有される白金が白金単一金属である、請求項1又は2に記載の酸素還元電極。
【請求項6】
前記疎水性樹脂がフッ素系樹脂である、請求項1又は2に記載の酸素還元電極。
【請求項7】
請求項1又は2に記載の酸素還元電極を製造する方法であって、
反応層用触媒インクを導電性基材上に塗布する塗布工程、
反応層用触媒インクを有する前記導電性基材を乾燥する乾燥工程、及び、
乾燥後の反応層の前駆体を有する前記導電性基材を、不活性ガス雰囲気で焼成する焼成工程を含む、酸素還元電極の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸素還元電極及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)
【背景技術】
【0002】
食塩電解工業では、従来、陽極に塩素発生電極、陰極に水素発生電極を用いていたが、近年、カーボンニュートラル推進に向けた省エネルギー化の手段として、陰極を酸素還元電極に置き換えた、いわゆるガス拡散型食塩電解が注目されている。ガス拡散型食塩電解では、酸素還元反応に伴う高い過電圧が発生するため、ガス拡散電極による電圧削減効果は、理論的には1.0V以上であるが、現状では0.7V程度に留まっている。ガス拡散型食塩電解の工業的な規模での実用化のため、酸素還元反応に伴う過電圧の更なる低減が検討されている。
【0003】
酸素還元反応に伴う過電圧の低減技術として、白金又は銀を触媒として使用することが検討されている。例えば、特許文献1には、銀触媒及び銀-白金触媒を用いて電解電圧を低減することが可能な酸素ガス拡散陰極が開示されている。また、非特許文献1には、銀触媒と白金触媒を用いたガス拡散電極が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2011/102331号
【非特許文献】
【0005】
Electrochemica Acta、2000、vol.45、Issues 25、P.4251-4256
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の酸素ガス拡散陰極を、食塩電解の稼働電流(通常4.0~8.0kA/m
2
)に適用すると、酸素還元過電圧が高く、省エネルギー化の点では十分ではないという問題がある。一方、非特許文献1に記載の銀触媒と白金触媒を用いたガス拡散電極は、銀触媒のみを使用するガス拡散電極と比べ、酸素還元過電圧を低減できる。しかしながら、白金触媒を用いた陰極は、継続的な電解により白金が電解液中に溶出するため、触媒として利用可能な白金が減少し、長期間、安定して食塩電解することが難しい。
また、反応層に白金担持カーボンを用いた場合は、白金担持率が高いほど、白金触媒と電解液との接触面積が増大し、それに伴って電解液中に溶出する白金量も増大する。そのため、白金担持率の増大によって酸素還元過電圧の低減効果を高めることが難しいという問題、さらには、電解装置を長期間、安定して運転することが難しいという問題がある。
本開示は、高い白金担持率を有する白金担持カーボンを用いた場合であっても、白金の溶出を抑制することができる酸素還元電極及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示では、白金触媒を用いたガス拡散型食塩電解において、陰極の白金触媒の物性が、食塩電解中の白金の溶出に顕著に影響を与えることに着目した。さらに、白金をカーボンに担持した白金担持カーボンを、ガス拡散型食塩電解の白金触媒として用いた場合、白金の溶出に特に影響を与える物性を見出し、この物性を制御することにより、上記課題が解決されることを見出した。
すなわち、本発明は特許請求の範囲に記載のとおりであり、また、本開示の要旨は以下のとおりである。
【0008】
[1]導電性基材と、該導電性基材上に形成された、白金担持カーボン及び疎水性樹脂を含有する反応層とを備え、前記白金担持カーボンに含有される白金の結晶子径が3nm以上であり、かつ前記白金担持カーボンのBET比表面積が200m
2
/g以下である酸素還元電極。
[2]前記白金担持カーボンの白金担持率が59質量%以上である上記[1]に記載の酸素還元電極。
[3]前記導電性基材が多孔性導電性基材である、上記[1]又は[2]に記載の酸素還元電極。
[4]前記多孔性導電性基材がカーボン繊維である、上記[3]に記載の酸素還元電極。
[5]前記白金担持カーボンに含有される白金が白金単一金属である、上記[1]乃至[4]のいずれかに記載の酸素還元電極。
[6]前記疎水性樹脂がフッ素系樹脂である、上記[1]乃至[5]のいずれかに記載の酸素還元電極。
[7]上記[1]乃至[5]のいずれかに記載の酸素還元電極を製造する方法であって、反応層用触媒インクを導電性基材上に塗布する塗布工程、反応層用触媒インクを有する前記導電性基材を乾燥する乾燥工程、及び、乾燥後の反応層の前駆体を有する前記導電性基材を、不活性ガス雰囲気で焼成する焼成工程を含む、酸素還元電極の製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、高い白金担持率を有する白金担持カーボンを用いた場合であっても、白金の溶出を抑制することができる酸素還元電極を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示について、その実施形態の一例を示して説明する。なお、本開示には、本明細書に開示した構成及び数値の任意の組合せ、並びに、本明細書で開示した数値の上限及び下限の任意の組合せによる範囲を含むものとする。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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