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公開番号
2025136942
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-09-19
出願番号
2024035882
出願日
2024-03-08
発明の名称
芳香族化合物の製造方法
出願人
東ソー株式会社
代理人
主分類
C10G
35/24 20060101AFI20250911BHJP(石油,ガスまたはコークス工業;一酸化炭素を含有する工業ガス;燃料;潤滑剤;でい炭)
要約
【課題】芳香族化合物の製造時に触媒に付着するコーク量を低減可能な、芳香族化合物の製造方法を提供する。
【解決手段】本開示の芳香族化合物の製造方法は、ゼオライトを含む触媒に炭化水素化合物を含む原料を接触させて芳香族化合物を製造する芳香族化合物製造工程と、該芳香族化合物製造工程でコークが付着した触媒に酸素含有ガスを300℃以上で接触させてコークの除去を行い、触媒を再生する再生工程と、を含み、芳香族化合物製造工程と、再生工程とは交互に繰り返し行われ、再生工程により再生された触媒に付着しているコーク量が、再生工程前の触媒に付着しているコーク量の5~50%である。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
ゼオライトを含む触媒に炭化水素化合物を含む原料を接触させて芳香族化合物を製造する芳香族化合物製造工程と、
該芳香族化合物製造工程でコークが付着した前記触媒に酸素含有ガスを300℃以上で接触させて前記コークの除去を行い、前記触媒を再生する再生工程と、を含み、
前記芳香族化合物製造工程と、前記再生工程とは交互に繰り返し行われ、
前記再生工程により再生された前記触媒に付着しているコーク量が、前記再生工程前の前記触媒に付着しているコーク量の5~50%である、芳香族化合物の製造方法。
続きを表示(約 660 文字)
【請求項2】
前記再生工程前の前記触媒に付着しているコーク量が、10~40質量%である、請求項1に記載の芳香族化合物の製造方法。
【請求項3】
前記触媒が充填された2以上の反応器を有する芳香族化合物製造装置が用いられ、
前記反応器のうち少なくとも一つの反応器では前記芳香族化合物製造工程が行われ、該芳香族化合物製造工程の間、その他の反応器では前記再生工程が行われ、
前記芳香族化合物製造工程と前記再生工程とが、異なる前記反応器の間で所定の時間経過ごとに交互に転換される、請求項1又は2に記載の芳香族化合物の製造方法。
【請求項4】
前記芳香族化合物製造工程と前記再生工程との転換が、10~100時間の時間経過ごとに行われる、請求項3に記載の芳香族化合物の製造方法。
【請求項5】
前記芳香族化合物製造工程において、前記触媒と前記原料とを反応温度400~800℃、圧力0.05~5MPaで接触させる、請求項1又は2に記載の芳香族化合物の製造方法。
【請求項6】
前記原料が、重質芳香族炭化水素化合物、炭素数2~6の脂肪族炭化水素化合物、及び脂環族炭化水素化合物からなる群から選択される1種以上の炭化水素化合物である、請求項1又は2に記載の芳香族化合物の製造方法。
【請求項7】
前記再生工程において、酸素含有量1~25質量%、400~450℃の前記酸素含有ガスを触媒に接触させる、請求項1又は2に記載の芳香族化合物の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、芳香族化合物の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)
【背景技術】
【0002】
ベンゼンやトルエン、キシレン等の芳香族化合物は、多くの場合、石油精製により得られた原料油(例えばナフサなど)を、熱分解反応装置にて分解し、得られた熱分解生成物から蒸留又は抽出によって分離精製することで得られる。これらの芳香族化合物の製造方法では、芳香族化合物以外の熱分解生成物として、脂肪族炭化水素(パラフィン系、オレフィン系、アセチレン系、脂環系の炭化水素)が副生する。そのため、芳香族化合物の製造に伴って、脂肪族炭化水素が同時に製造されるため、芳香族化合物の生産量は脂肪族炭化水素の生産量に見合って調整がなされ、おのずと生産量が制限されるものであった。
【0003】
そして、脂肪族または脂環式の炭化水素化合物を含む原料(以下、「炭化水素原料」ともいう)を、ゼオライトを含む触媒(以下、「ゼオライト触媒」ともいう)と約400℃~約800℃程度の温度で接触させることにより、芳香族化合物を製造することが提案されている(例えば、特許文献1~2、非特許文献1~4参照)。これら製造法には、熱分解による芳香族化合物の製造法と比較して、付加価値が低く、余剰な炭化水素原料から芳香族化合物が製造できるといった利点がある。
【0004】
また、原料油の熱分解では、例えばアルキルナフタレンなどの重質の芳香族化合物も生成するところ、これらは分離、精製が軽質の炭化水素化合物に比べて容易でなく、その有効利用が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第3741455号
特許第3264447号
【非特許文献】
【0006】
Industrial & Engineering Chemistry Research 第31巻、995頁(1992年)
Industrial & Engineering Chemistry Research 第26巻、647頁(1987年)
Applied Catalysis 第78巻、15頁(1991年)
Microporous and Mesoporous Materials 第47巻、253頁(2001年)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述のようなゼオライト触媒を用いた芳香族化合物の製造における課題は、芳香族化反応中にゼオライト触媒上に炭素質(以下、「コーク」ともいう)が蓄積して触媒の活性が低下する、いわゆるコーキングである。このコーキングによる活性低下を回復するため、工業的にはコークを酸素や水蒸気に接触させて触媒の活性を再生する工程が組み込まれ、反応(目的化合物の製造)と再生(触媒上のコークの燃焼)を交互に繰り返すことでゼオライト触媒を長期にわたり使用することができる。
【0008】
コーキングが起こると見かけ上は活性が低下するものの、再生工程を行うことにより可逆的に高活性の状態へ戻すことができる。しかし、再生工程において触媒に負荷のかかりやすい過度の発熱が起こった場合不可逆的に触媒活性が低下するおそれがある。また、再生工程は発熱反応であるため、過度の発熱を制御できないと反応設備に不具合が発生おそれもある。再生工程での発熱は、この工程で除去するコーク量に依存する。すなわち、除去すべきコーク量を低減することで触媒を長期にわたって使用することができる。
【0009】
本発明は、芳香族化合物の製造時に触媒に付着するコーク量を低減可能な、芳香族化合物の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、例えば、以下の各発明を包含する。
[1]
ゼオライトを含む触媒に炭化水素化合物を含む原料を接触させて芳香族化合物を製造する芳香族化合物製造工程と、
該芳香族化合物製造工程でコークが付着した上記触媒に酸素含有ガスを300℃以上で接触させて上記コークの除去を行い、上記触媒を再生する再生工程と、を含み、
上記芳香族化合物製造工程と、上記再生工程とは交互に繰り返し行われ、
上記再生工程により再生された上記触媒に付着しているコーク量が、上記再生工程前の上記触媒に付着しているコーク量の5~50%である、芳香族化合物の製造方法。
[2]
上記再生工程前の上記触媒に付着しているコーク量が、10~40質量%である、[1]に記載の芳香族化合物の製造方法。
[3]
上記触媒が充填された2以上の反応器を有する芳香族化合物製造装置が用いられ、
上記反応器のうち少なくとも一つの反応器では上記芳香族化合物製造工程が行われ、該芳香族化合物製造工程の間、その他の反応器では上記再生工程が行われ、
上記芳香族化合物製造工程と上記再生工程とが、異なる上記反応器の間で所定の時間経過ごとに交互に転換される、[1]又は[2]に記載の芳香族化合物の製造方法。
[4]
上記芳香族化合物製造工程と上記再生工程との転換が、10~100時間の時間経過ごとに行われる、[3]に記載の芳香族化合物の製造方法。
[5]
上記芳香族化合物製造工程において、上記触媒と上記原料とを反応温度400~800℃、圧力0.05~5MPaで接触させる、[1]~[4]のいずれかに記載の芳香族化合物の製造方法。
[6]
上記原料が、重質芳香族炭化水素化合物、炭素数2~6の脂肪族炭化水素化合物、及び脂環族炭化水素化合物からなる群から選択される1種以上の炭化水素化合物である、[1]~[5]のいずれかに記載の芳香族化合物の製造方法。
[7]
上記再生工程において、酸素含有量1~25質量%、400~450℃の上記酸素含有ガスを触媒に接触させる、[1]~[6]のいずれかに記載の芳香族化合物の製造方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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