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公開番号2025136634
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-19
出願番号2024035345
出願日2024-03-07
発明の名称免疫グロブリン結合性タンパク質の製造方法
出願人東ソー株式会社
代理人
主分類C07K 14/195 20060101AFI20250911BHJP(有機化学)
要約【課題】 Finegoldia属細菌由来Protein Lの免疫グロブリン結合ドメインを少なくとも含むポリペプチドを発現可能な遺伝子組換え大腸菌を用いて、当該ポリペプチドをより高効率に発現できる方法を提供すること。
【解決手段】 前記遺伝子組換え大腸菌が、前記ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドおよび誘導性のプロモーターを挿入した発現ベクターを含み、かつ遺伝子組換え大腸菌を一定濃度まで培養した時点で、誘導剤に加え、終濃度として4mmol/L以上50mmol/L以下のリン酸イオンを添加して誘導操作を行なうことで、前記課題を解決する。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
Finegoldia属細菌由来Protein L(FpL)の免疫グロブリン結合ドメインを含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドおよび誘導性のプロモーターを挿入した発現ベクターを含む遺伝子組換え大腸菌を培養する工程と、前記大腸菌の菌体濃度が一定濃度に達した時点で誘導剤を添加し前記大腸菌から前記ポリペプチドを発現させる工程と、前記発現したポリペプチドを回収する工程とを含む、前記ポリペプチドの製造方法であって、
前記ポリペプチドを発現させる工程において、誘導剤に加え、終濃度として4mmol/L以上50mmol/L以下のリン酸イオンを添加する、前記製造方法。
続きを表示(約 170 文字)【請求項2】
前記遺伝子組換え大腸菌を培養する工程で、リン酸イオンを含まない培地で前記大腸菌の培養を開始する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記FpLの免疫グロブリン結合ドメインを含むポリペプチドが、配列番号2に記載の配列からなるアミノ酸残基を少なくとも含むポリペプチドである、請求項1または2に記載の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、免疫グロブリン結合性タンパク質の製造方法に関する。特に本発明は、遺伝子組換え大腸菌を用いた前記タンパク質の発現量を向上させることで、前記タンパク質を効率的に製造する方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
抗体医薬は生体内の免疫機能を担う分子である抗体(免疫グロブリン)を利用した医薬である。抗体医薬は抗体が有する可変領域の多様性により標的分子に対し高い特異性と親和性をもって結合する。そのため抗体医薬は副作用が少なく、また、近年では適応疾患が広がってきていることもあり市場が急速に拡大している。
【0003】
抗体医薬の製造は培養工程と精製工程を含み、培養工程では生産性を向上させるために抗体産生細胞の改質や培養条件の最適化が図られている。また、精製工程では粗精製としてアフィニティークロマトグラフィーが採用され、その後の中間精製、最終精製、およびウイルス除去を経て製剤化される。
【0004】
精製工程では抗体分子を特異的に認識するアフィニティー担体が用いられる。前記担体で用いられるリガンドタンパク質として、抗体(免疫グロブリン)に結合する性質を有した、ブドウ球菌(Staphylococcus)属細菌由来Protein A(以下、SpAとも表記する)が多く用いられている(特許文献1)。しかしながら、SpAは抗体のFc領域に特異的に結合するタンパク質であるため、シングルチェーンFv(scFv)、Fab、F(ab’)

、IgAおよび二重特異性T細胞誘導(BiTE)抗体といったFc領域を有しない抗体の精製には適用できなかった。
【0005】
一方、Finegoldia属細菌由来Protein L(以下、FpLとも表記する)は、免疫グロブリンのκ軽鎖に結合するタンパク質であり、FpLをリガンドタンパク質とすることで、前述したSpAでは精製できない、Fc領域を有しない抗体の精製も可能となる(特許文献2)。FpLの製造方法の一例として、FpLの免疫グロブリン結合ドメインを少なくとも含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを挿入した発現ベクターを含む遺伝子組換え大腸菌を培養し、当該ポリペプチドを発現させる方法が挙げられる(特許文献3)。しかしながら工業的にFpLを製造するにはさらなる発現量の向上が必要であった。
【0006】
標的タンパク質を発現可能な遺伝子組換え大腸菌から高効率に当該タンパク質を発現可能な方法の一例として、抗体結合性タンパク質である、Fcγレセプターの高密度培養法が開示されている(特許文献4)。しかしながらFpLの高密度培養法による発現量向上の検討はこれまで十分に行なわれていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特表2010-504754号公報
WO2017/191748号
WO2023/074642号
特開2012-034591号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、Finegoldia属細菌由来Protein Lの免疫グロブリン結合ドメインを少なくとも含むポリペプチドを発現可能な遺伝子組換え大腸菌を用いて、当該ポリペプチドをより高効率に発現する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために鋭意検討した結果、Finegoldia属細菌由来Protein L(FpL)の免疫グロブリン結合ドメインを少なくとも含むポリペプチドを発現可能な遺伝子組換え大腸菌を培養し、当該ポリペプチドを発現させる際、一定濃度のリン酸イオンを適切な時期に添加することで発現量が向上することを見出し、本発明の完成に至った。
【0010】
すなわち本発明は、以下の態様を包含する:
[1]Finegoldia属細菌由来Protein L(FpL)の免疫グロブリン結合ドメインを含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドおよび誘導性のプロモーターを挿入した発現ベクターを含む遺伝子組換え大腸菌を培養する工程と、前記大腸菌の菌体濃度が一定濃度に達した時点で誘導剤を添加し前記大腸菌から前記ポリペプチドを発現させる工程と、前記発現したポリペプチドを回収する工程とを含む、前記ポリペプチドの製造方法であって、
前記ポリペプチドを発現させる工程において、誘導剤に加え、終濃度として4mmol/L以上50mmol/L以下のリン酸イオンを添加する、前記製造方法。
[2]前記遺伝子組換え大腸菌を培養する工程で、リン酸イオンを含まない培地で前記大腸菌の培養を開始する、[1]に記載の方法。
[3]FpLの免疫グロブリン結合ドメインを含むポリペプチドが、配列番号2に記載の配列からなるアミノ酸残基を少なくとも含むポリペプチドである、[1]または[2]に記載の製造方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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