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公開番号
2025133481
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-09-11
出願番号
2024031462
出願日
2024-03-01
発明の名称
アルコールの製造方法
出願人
三菱ケミカル株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
C07C
29/149 20060101AFI20250904BHJP(有機化学)
要約
【課題】工業的に有用な形態である成形体担体に担持したレニウム含有金属触媒成形体によるカルボニル化合物の水素化反応により目的とするアルコールを高収率、高選択的に製造することができるアルコールの製造方法を提供すること。
【解決手段】カルボニル化合物からアルコールを製造するアルコールの製造方法において、触媒として、レニウムを含む金属成分が成形体担体に担持された触媒成形体を用い、該触媒成形体の断面において、該断面を2分割する線分上の一端から長さ10~90%で且つ該線分の両側にそれぞれ100μmの幅の長方形の領域において、前記線分に対して平行方向におけるレニウムの担持量の変動係数が0.25以下である、アルコールの製造方法である。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
カルボニル化合物からアルコールを製造するアルコールの製造方法であって、触媒として、レニウムを含む金属成分が成形体担体に担持された触媒成形体を用い、該触媒成形体の断面において、該断面を2分割する線分上の一端から長さ10~90%で且つ該線分の両側にそれぞれ100μmの幅の長方形の領域において、前記線分に対して平行方向におけるレニウムの担持量の変動係数が0.25以下である、アルコールの製造方法。
続きを表示(約 640 文字)
【請求項2】
前記触媒成形体が球状である、請求項1に記載のアルコールの製造方法。
【請求項3】
前記触媒成形体が柱状である、請求項1に記載のアルコールの製造方法。
【請求項4】
前記領域におけるレニウムの担持量分布の第一四分位数が第三四分位数の70%以上である、請求項1に記載のアルコールの製造方法。
【請求項5】
前記金属成分が、第2成分として、第3周期以降の第13~15族に属する元素から選ばれる1種又は2種以上含有する、請求項1に記載のアルコールの製造方法。
【請求項6】
前記領域において前記第2成分の担持量の変動係数が0.25以下である、請求項5に記載のアルコールの製造方法。
【請求項7】
前記領域における前記第2成分の担持量分布の第一四分位数が第三四分位数の70%以上である、請求項5に記載のアルコールの製造方法。
【請求項8】
前記成形体担体が周期表第4族の金属の酸化物を含有する、請求項1に記載のアルコールの製造方法。
【請求項9】
前記成形体担体が、直径が0.34mm以上、10mm以下の球状、または、断面の外接円の直径が0.34mm以上、10mm以下であって長さが0.5mm以上、50mm以下の柱状である、請求項1に記載のアルコールの製造方法。
【請求項10】
流通反応器で製造する、請求項1に記載のアルコールの製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルコールの製造方法に関し、詳細には触媒成形体を用いたカルボニル化合物の水素化によるアルコールの製造方法に関するものである。
続きを表示(約 3,600 文字)
【背景技術】
【0002】
カルボニル化合物を水素化して対応するアルコールを製造する方法は古くから知られている。例えば、有機カルボン酸からアルコールを製造する方法としては、カルボン酸を予め低級アルコールでエステル化した後、Adkins触媒(銅クロマイト系触媒)で還元する方法が一般的に使用されている。
しかしながら、銅系触媒を用いたアルコールの製造は、一般に200気圧以上の水素圧といった過酷な条件下で行われるため、アルコール製造時に多大なエネルギーを消費する上に、設備上の制約が多い不経済なプロセスとなる。また、銅系触媒では、有機カルボン酸を直接還元することができず、カルボン酸を一旦カルボン酸エステルに転換して還元しなければならない。このため、目的のアルコールを製造する上では多段の反応プロセスを経由し、煩雑なプロセスになる。また、このような製造方法では、例えば、原料として多価カルボン酸を用いた際に、カルボン酸官能基の一部をアルコール官能基に変換したヒドロキシカルボン酸を選択的に製造することは極めて困難となる。
【0003】
一方、カルボン酸を一段で直接水素化(還元)し、対応するアルコールを高選択的に製造する方法は経済的に有利なプロセスとなる。原料として多価カルボン酸を用いた際に反応条件を適切に制御すれば、対応するヒドロキシカルボン酸を選択的に製造することも可能となる。
このようなプロセスに使用される触媒としては、周期表第8~10族に属する貴金属を触媒活性成分とする各種の金属担持触媒、例えば、担体にパラジウム及びレニウムを担持させ、これを水素等で還元処理した触媒(例えば、特許文献1及び非特許文献1)や、担体にルテニウム及びスズを担持させ、これを水素等で還元処理した触媒(例えば、特許文献2及び3)が提案されている。
これらの触媒はカルボン酸及び/又はカルボン酸エステルの還元において、高い反応活性及び反応選択率を示す、良好な触媒である。その他、この種の触媒として、ランタン及びパラジウムを含むコバルト系触媒(例えば、特許文献4)を用いた特定のカルボン酸の水素化反応も提案されている。
【0004】
これに対して、高価な周期表第8~10族に属する貴金属を使用しない触媒も提案されている。例えば、レニウムを触媒成分とする触媒が古くから報告されている(例えば、非特許文献2)。また、特定のカルボン酸の水素化反応において、スズを含むレニウム系触媒も提案されている(例えば、特許文献5)。また、より温和な反応条件下で目的とするアルコールを選択的に製造する方法として、レニウムを触媒活性成分とする金属担持触媒を用いた製造方法が報告されている(例えば、非特許文献3及び4)。
しかし、レニウムのみを触媒活性成分とする触媒は、いずれも貴金属を用いた触媒に比べ触媒活性が劣る。そこで、レニウムに加えて触媒活性成分として、ケイ素、ガリウム、ゲルマニウム、及びインジウムよりなる群から選ばれる1種又は2種以上の成分を添加することで、カルボニル化合物を還元して高活性ならびに高選択的にアルコールを製造するアルコールの製造方法が報告されている。(例えば、特許文献6および7)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開昭63-218636号公報
特開2000-007596号公報
特開2001-157841号公報
特開昭63-301845号公報
特開平4-99753号公報
WO2018/164193
WO2020/022256
【非特許文献】
【0006】
Topics in Catalysis 55 (2012) 466-473
Journal of Organic Chemistry 24 (1959) 1847-1854
Journal of Catalysis 328 (2015) 197-207
Chemistry A European Journal 23 (2017) 1001-1006
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
カルボニル化合物の還元反応を実施するにあたっては、例えば、回分式や流通式の反応装置が考えられるが、いずれの装置においても触媒の投入や分離における操作性や、流通式においては圧力損失の低減の観点から、触媒は紛体ではなく、概ね0.1mm以上の大きさを持った構造体が好ましい形態である。
しかしながら、一般に、粉末担体への金属成分の担持に比べて、成形体担体への金属成分の担持は、担持した金属成分の不均一性が生じやすく、触媒活性が低下する課題がある。
成形体担体に担持したレニウム含有金属触媒においても、カルボニル化合物からアルコールを製造する反応に対する触媒活性が、紛体触媒に比べて著しく低下するという課題がある。
本発明は、前記の触媒成形体の活性低下の課題を解決し、工業的に有用な形態である成形体担体に担持したレニウム含有金属触媒成形体によるカルボニル化合物の水素化反応により目的とするアルコールを高収率、高選択的に製造することができるアルコールの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、レニウムを特定の分布で成形体担体に担持した触媒成形体が、上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、以下を要旨とする。
[1]カルボニル化合物からアルコールを製造するアルコールの製造方法であって、触媒として、レニウムを含む金属成分が成形体担体に担持された触媒成形体を用い、該触媒成形体の断面において、該断面を2分割する線分上の一端から長さ10~90%で且つ該線分の両側にそれぞれ100μmの幅の長方形の領域において、前記線分に対して平行方向におけるレニウムの担持量の変動係数が0.25以下である、アルコールの製造方法。
[2]前記触媒成形体が球状である、上記[1]に記載のアルコールの製造方法。
[3]前記触媒成形体が柱状である、上記[1]に記載のアルコールの製造方法。
[4]前記領域におけるレニウムの担持量分布の第一四分位数が第三四分位数の70%以上である、上記[1]~[3]のいずれかに記載のアルコールの製造方法。
[5]前記金属成分が、第2成分として、第3周期以降の第13~15族に属する元素から選ばれる1種又は2種以上含有する、上記[1]~[4]のいずれかに記載のアルコールの製造方法。
[6]前記領域において前記第2成分の担持量の変動係数が0.25以下である、上記[5]に記載のアルコールの製造方法。
[7]前記領域における前記第2成分の担持量分布の第一四分位数が第三四分位数の70%以上である、上記[5]又は[6]に記載のアルコールの製造方法。
[8]前記成形体担体が周期表第4族の金属の酸化物を含有する、上記[1]~[7]のいずれかに記載のアルコールの製造方法。
[9]前記成形体担体が、直径が0.34mm以上、10mm以下の球状、または、断面の外接円の直径が0.34mm以上、10mm以下であって長さが0.5mm以上、50mm以下の柱状である、上記[1]~[8]のいずれかに記載のアルコールの製造方法。
[10]流通反応器で製造する、上記[1]~[9]のいずれかに記載のアルコールの製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、工業的に有用な形態である成形体担体に担持したレニウム含有金属触媒成形体によるカルボニル化合物の水素化反応により目的とするアルコールを高収率、高選択的に製造するアルコールの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
触媒成形体の断面図を示す模式図である。
中空構造を有する触媒成形体の断面図を示す模式図である。
実施例1における断面を2分割する線分の両側100μmの長方形領域におけるレニウムLα線およびゲルマニウムL線の強度のラインプロファイルである。
実施例1におけるレニウムLα線の強度分布のヒストグラムである。
実施例1におけるゲルマニウムL線の強度分布のヒストグラムである。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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