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公開番号2025169381
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-11-12
出願番号2025136415,2022204463
出願日2025-08-19,2022-06-17
発明の名称自己組織化炭素繊維束及びその製造方法と、プリプレグ及びその製造方法
出願人三菱ケミカル株式会社
代理人個人,個人
主分類B29B 15/10 20060101AFI20251105BHJP(プラスチックの加工;可塑状態の物質の加工一般)
要約【課題】連続炭素繊維束を原料に用いて、その連続炭素繊維束よりも小さな束サイズを有する短尺の炭素繊維束を簡便に製造するための、新規な技法を提供する。CFRPの廃材またはプリプレグの端材から回収される炭素繊維から、FRP用の補強材として利用し易い炭素繊維束を製造するための技法を提供する。熱硬化性プリプレグのための新規な補強材を提供する。SACFBを補強材に用いた新規な熱硬化性プリプレグと、その製造方法を提供する。
【解決手段】炭素繊維綿とバンドル化液とを混合することにより、前記炭素繊維綿内の炭素繊維を自発的にバンドル化させるとともに混合物を得ることと、前記混合物から前記バンドル化液の液体成分を除去することとを含む、自己組織化炭素繊維束の製造方法。前記自己組織化炭素繊維束を含む複数の炭素繊維束からなる炭素繊維マットを、液状熱硬化性樹脂組成物で含浸させることを含む、プリプレグの製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
下記(A)の方法で、複数の炭素繊維が自ら束をなすように集合する過程を経て製造された、有機バインダーを0.5wt%以上含む自己組織化炭素繊維束を含む複数の炭素繊維束からなる炭素繊維マットを、液状熱硬化性樹脂組成物で含浸させることを含む、プリプレグの製造方法。
(A) 炭素繊維綿とバンドル化液とを混合することにより、前記炭素繊維綿内の炭素繊維を自発的にバンドル化させるとともに混合物を得ることと、前記混合物から前記バンドル化液の液体成分を除去することとを含み、前記炭素繊維綿および前記バンドル化液は少なくとも一方が有機バインダーを含有し、前記炭素繊維綿に含まれる全ての炭素繊維の繊維長が60mm以下である、自己組織化炭素繊維束の製造方法。
続きを表示(約 980 文字)【請求項2】
前記炭素繊維綿に含まれる炭素繊維の少なくとも一部が5mm以上の繊維長を有する、請求項1に記載のプリプレグの製造方法。
【請求項3】
前記炭素繊維綿に含まれる炭素繊維の少なくとも一部が10mm以上の繊維長を有する、請求項2に記載のプリプレグの製造方法。
【請求項4】
前記炭素繊維綿が繊維長5mm未満の炭素繊維を含まないか、含むとしても含有量が5wt%未満である、請求項3に記載のプリプレグの製造方法。
【請求項5】
前記炭素繊維綿が繊維長10mm未満の炭素繊維を含まないか、含むとしても含有量が5wt%未満である、請求項4に記載のプリプレグの製造方法。
【請求項6】
前記炭素繊維綿および前記バンドル化液は少なくとも一方が、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ポリウレタン樹脂およびポリアミド樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂を含有する、請求項1に記載のプリプレグの製造方法。
【請求項7】
前記炭素繊維綿が熱劣化していない炭素繊維を含む、請求項1に記載のプリプレグの製造方法。
【請求項8】
前記炭素繊維綿が熱劣化した炭素繊維を含む、請求項1に記載のプリプレグの製造方法。
【請求項9】
第一保護フィルムと第二保護フィルムのそれぞれの表面に前記液状熱硬化性樹脂組成物を塗布することと、前記炭素繊維マットを前記第一保護フィルムの前記液状熱硬化性脂組成物が塗布された表面の上に形成することと、前記炭素繊維マットを間に挟んで前記液状熱硬化性樹脂組成物が塗布された面同士が互いに向き合うように前記第一保護フィルムと前記第二保護フィルムを貼り合わせて積層体を形成することと、前記積層体を加圧して前記炭素繊維マットを前記液状熱硬化性樹脂組成物で含浸させることとを含む、請求項1に記載のプリプレグの製造方法。
【請求項10】
ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、マレイミド樹脂およびフェノール樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂が前記液状熱硬化性樹脂組成物に配合された、請求項1に記載のプリプレグの製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、自己組織化炭素繊維束(Self-Assembled Carbon Fiber Bundle;以下、「SACFB」と略称する場合がある。)及びその製造方法と、SACFBを補強材として用いたプリプレグ及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
炭素繊維を補強材に用いた繊維強化プラスチックであるCFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastic)は、自動車、船舶、鉄道車両、有人航空機、無人航空機その他の輸送機器の部品に適した、軽量かつ力学特性に優れた材料であり、近年その重要度はますます高くなっている。
【0003】
CFRP製品を効率的に製造する方法として、例えばシートモールディングコンパウンド(SMC)のようなプリプレグを圧縮成形する方法が知られている。プリプレグは、未硬化の熱硬化性樹脂組成物からなるマトリックスで繊維補強材(fiber reinforcement)が含浸された構造を有する中間材料である。
CF-SMCで用いられる繊維補強材は、連続炭素繊維束を切断してチョップド炭素繊維束とし、これをキャリアフィルム上に散布することで形成される炭素繊維マットである(例えば、特許文献1)。
連続炭素繊維束は、機械的に束ねられた繊維フィラメントからなるアクリル繊維束を焼成する方法で製造され、炭素繊維が束ねられた状態を保持するためにサイジングされている。
【0004】
ラージトウと呼ばれる例えば48Kといった大きな束サイズを有する連続炭素繊維束は生産効率が高いが、一方で、CF-SMCを含むいくつかの用途では例えば6K以下という小さな束サイズを有する炭素繊維束が要求される。かかる事情から、ラージトウを複数のトウに分割する技術が開発されている(特許文献2)。
【0005】
切断された炭素繊維をサイジング剤の溶液または懸濁液と混合し、得られた凝集体(アグロメレート)を、回転式ディスクペレタイザーを用いてペレット化した後、乾燥させる方法によって、繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)の製造に用いるための炭素繊維ペレットを製造することが提案されている(特許文献3)。
【0006】
長さ3~5mmの短い炭素繊維を分散させた水に、少量のクロロホルムを加えて勢いよく振ると、その短い炭素繊維が凝集し、自己組織化によって針状の束を形成する現象が報告されている。この報告を行ったグループは、廃棄物からリサイクルされる炭素繊維を、この現象を利用してバンドル化することで、再び高機能材料の原料に利用できると述べている(非特許文献1)。
【0007】
特開平1-163218号公報
米国特許第6385828号明細書
特表平10-503812号公報
【0008】
J. R. Baxter, G. R. Palmese, N. J. Alvarez, Applied Materials Today, 20 (2020) 100786
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、以下に挙げる課題のうち、少なくともひとつを解決することを目的としてなされたものである。
・連続炭素繊維束を原料に用いて、その連続炭素繊維束よりも小さな束サイズを有する短尺の炭素繊維束を簡便に製造するための、新規な技法を提供すること。
・CFRPの廃材またはプリプレグの端材から回収される炭素繊維から、FRP用の補強材として利用し易い炭素繊維束を製造するための技法を提供すること。
・熱硬化性プリプレグのための新規な補強材を提供すること。
・SACFBを補強材に用いた新規な熱硬化性プリプレグと、その製造方法を提供すること。
本明細書中には、本発明の各実施形態により解決され得る課題が明示的または黙示的に示されている場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様によれば、熱硬化性樹脂組成物と前記熱硬化性樹脂組成物で含浸された自己組織化炭素繊維束とからなるプリプレグが提供される。
(【0011】以降は省略されています)

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