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公開番号
2025178192
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-12-05
出願番号
2025085333
出願日
2025-05-22
発明の名称
吸放湿性を有する高分子組成物、及び、調湿材料
出願人
三菱ケミカル株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
C08L
101/08 20060101AFI20251128BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】本発明の課題は、優れた吸放湿量と吸放湿速度を両立し、且つ、臭気を伴わない高分子組成物を提供することにある。また、この高分子組成物を用いた調湿材料、水系分散液、架橋性前駆体及びその溶液、フィルム状重合組成物又は塊状重合組成物、調湿部材を提供することにある。
【解決手段】カルボキシ基を1.0~20.0mmol/g含有する高分子と、少なくとも1個のヒドロキシ基を有し、分子量が80~1000のモノカルボン酸と、無機カチオンとを含む高分子組成物。カルボキシ基を1.0~20.0mmol/g含有する高分子と、分子量が100~1000の多価カルボン酸と、無機カチオンとを含む高分子組成物。前記モノカルボン酸又は前記多価カルボン酸と前記無機カチオンからなる有機酸塩の、25℃の水に対する溶解度が1~200g/100mLであることが好ましい。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
カルボキシ基を1.0~20.0mmol/g含有する高分子と、
少なくとも1個のヒドロキシ基を有し、分子量が80~1000のモノカルボン酸と、
無機カチオンと、
を含む、高分子組成物。
続きを表示(約 670 文字)
【請求項2】
前記モノカルボン酸と前記無機カチオンからなる有機酸塩の、25℃の水に対する溶解度が1~200g/100mLである、請求項1に記載の高分子組成物。
【請求項3】
カルボキシ基を1.0~20.0mmol/g含有する高分子と、
分子量が100~1000の多価カルボン酸と、
無機カチオンと、
を含む、高分子組成物。
【請求項4】
前記多価カルボン酸と前記無機カチオンからなる有機酸塩の、25℃の水に対する溶解度が1~200g/100mLである、請求項3に記載の高分子組成物。
【請求項5】
前記多価カルボン酸の分子量が200~1000である、請求項3に記載の高分子組成物。
【請求項6】
前記無機カチオンが、Mg、Ca、Cu、Znからなる群から選ばれる1種以上を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の高分子組成物。
【請求項7】
水に対する下限臨界溶液温度が0~80℃である、請求項1~5のいずれか一項に記載の高分子組成物。
【請求項8】
請求項1~5のいずれか一項に記載の高分子組成物を含み、形態が粒子状であり、メジアン粒子径が0.01~1000μmである、調湿材料。
【請求項9】
更に無機粒子を含む、請求項8に記載の調湿材料。
【請求項10】
前記高分子組成物の含有率が20質量%以上である、請求項8に記載の調湿材料。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸放湿性を有する高分子組成物、及び、該高分子組成物を用いた調湿材料等に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)
【背景技術】
【0002】
従来の水蒸気を含む空気の除湿に用いられる吸湿素子や吸着式ヒートポンプには、活性炭、シリカゲル、ゼオライト、高分子収着剤等の種々の吸湿材が用いられてきたが、選択する材料種により、いくつかの課題があった。
例えば、シリカゲル、ゼオライト等の無機系材料には、吸湿量が十分ではない、水分を脱着させるために必要な再生温度が高い等の課題が挙げられる。これを解決するため、一部のゼオライト(商品名:FAM-Z02(三菱ケミカル社製))で再生温度が低い材料も開発されているが、水蒸気収着量としては未だ十分とは言えない。
【0003】
一方、高分子系材料として、ポリアクリル酸塩系、ポリスチレンスルホン酸塩系等の高分子収着剤が吸湿材として利用されている(非特許文献1、特許文献1参照)。これらの材料は吸湿量が比較的多く、水分を脱着させるために必要な再生温度が無機系材料と比較して低い傾向があるものの、水分吸脱着時の吸着、再生速度が十分でないといった課題がある。
上記の通り、現状では、優れた吸湿量と吸湿速度を両立する吸湿材を合成することは極めて難易度が高い課題である。
【0004】
一方、吸着式ヒートサイクルの性能は如何に速く大きな吸放湿量を得るか、即ち吸放湿量と吸放湿速度により決まるため、上述したような既存の吸湿材を使用した吸着式ヒートサイクルの性能には制限がある。このため、現段階での吸着式ヒートサイクルの性能では、装置の小型化が難しく社会普及が遅れている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2001-011320号公報
【非特許文献】
【0006】
齋藤潔、外22名、「デシカント空調システムの基礎理論と最新技術」、第1版、S&T出版、2015年9月、p.75-83.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、優れた吸湿量と吸湿速度を両立する高分子組成物を提供することにある。更には、優れた吸放湿量と吸放湿速度を両立する高分子組成物を提供することにある。また、この高分子組成物を用いた調湿材料、水系分散液、架橋性前駆体及びその溶液、フィルム状重合組成物又は塊状重合組成物、調湿部材を提供することにある。
優れた吸放湿量と吸放湿速度を両立する高分子組成物の中には、臭気を伴う高分子組成物も存在する。臭気に関する制約がなければ、吸放湿量と吸放湿速度を両立する高分子組成物の提供は容易となる。しかし、臭気を伴う高分子組成物であると大気中での使用には適さず、特に人が生活又は作業する環境で使用することが困難となる。
このため本発明の更なる目的は、優れた吸放湿量と吸放湿速度を両立し、且つ、臭気を伴わない高分子組成物を提供することにある。また、この高分子組成物を用いた調湿材料、水系スラリー又は水系分散液、架橋性前駆体及びその溶液、フィルム状重合組成物又は塊状重合組成物、調湿部材、熱交換部材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、特定のカルボン酸と特定の無機カチオンを含む高分子組成物を用いることで上記の課題を解決できることを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明の要旨は、以下の通りである。
[1] カルボキシ基を1.0~20.0mmol/g含有する高分子と、少なくとも1個のヒドロキシ基を有し、分子量が80~1000のモノカルボン酸と、無機カチオンと、を含む、高分子組成物。
[2] 前記モノカルボン酸と前記無機カチオンからなる有機酸塩の、25℃の水に対する溶解度が1~200g/100mLである、[1]に記載の高分子組成物。
[3] カルボキシ基を1.0~20.0mmol/g含有する高分子と、分子量が100~1000の多価カルボン酸と、無機カチオンと、を含む、高分子組成物。
[4] 前記多価カルボン酸と前記無機カチオンからなる有機酸塩の、25℃の水に対する溶解度が1~200g/100mLである、[3]に記載の高分子組成物。
[5] 前記多価カルボン酸の分子量が200~1000である、[3]又は[4]に記載の高分子組成物。
[6] 前記無機カチオンが、Mg、Ca、Cu、Znからなる群から選ばれる1種以上を含む、[1]~[5]のいずれかに記載の高分子組成物。
[7] 水に対する下限臨界溶液温度が0~80℃である、[1]~[6]のいずれかに記載の高分子組成物。
[8] [1]~[7]のいずれかに記載の高分子組成物を含み、形態が粒子状であり、メジアン粒子径が0.01~1000μmである、調湿材料。
[9] 更に無機粒子を含む、[8]に記載の調湿材料。
[10] 前記高分子組成物の含有率が20質量%以上である、[8]又は[9]に記載の調湿材料。
【0009】
[11] [8]~[10]のいずれかに記載の調湿材料を含有する、水系スラリー又は水系分散液。
[12] 任意の架橋性前駆体の架橋後の重合物が、[1]~[7]のいずれかに記載の高分子組成物を20質量%以上含有してなる、架橋性前駆体。
[13] [1]~[7]のいずれかに記載の高分子組成物を20質量%以上含有する、架橋性前駆体。
[14] [12]又は[13]に記載の架橋性前駆体が溶媒で希釈された、架橋性前駆体溶液。
[15] [12]又は[13]に記載の架橋性前駆体を光架橋又は熱架橋してなる、フィルム状重合組成物又は塊状重合組成物。
[16] [1]~[7]のいずれかに記載の高分子組成物が、直接又はバインダーを介して不織布に結着した、調湿部材。
[17] [8]~[10]のいずれかに記載の調湿材料が、直接又はバインダーを介して不織布に結着した、調湿部材。
[18] [12]又は[13]に記載の架橋性前駆体が、直接又はバインダーを介して不織布に結着した、調湿部材。
[19] [1]~[7]のいずれかに記載の高分子組成物と、少なくとも水を含む冷媒とが、直接又はバインダーを介して熱交換器の一部に接触する、熱交換部材。
【発明の効果】
【0010】
本発明の高分子組成物は、優れた吸放湿量と吸放湿速度を両立し、且つ、臭気を伴わないことから、環境への負荷が小さく、人が生活又は作業する環境で使用する調湿材料等として好適である。
本発明の調湿材料、水系スラリー又は水系分散液、架橋性前駆体及びその溶液、フィルム状重合組成物又は塊状重合組成物、調湿部材、熱交換部材は、優れた吸放湿量と吸放湿速度を両立し、且つ、臭気を伴わない。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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