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公開番号2025171178
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-11-20
出願番号2024076246
出願日2024-05-09
発明の名称触媒およびそれを用いるメタノールの製造方法
出願人三菱ケミカル株式会社
代理人個人
主分類B01J 23/86 20060101AFI20251113BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】 二酸化炭素を水素化して選択的にメタノールを生成するための触媒、及び当該
触媒を用いた効率的なメタノールの製造方法を提供すること。
【解決手段】 下記式(1)で表される半導体酸化物及び下記式(2)で表される半導体
酸化物を接合させた物質を含む触媒。
AJaOm (1)
DOnXx (2)
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
下記式(1)で表される半導体酸化物及び下記式(2)で表される半導体酸化物を接合
させた物質を含む触媒。
AJ



(1)
(前記式(1)において、
構成成分AはCu、Pd、Pt、Rh、Ru、Ir及びAgからなる群から選ばれる少
なくとも一種の元素を表し、
構成成分Jは、Fe、Ni、Mn、Co、Cr、Y、Sc、Ce、La、Al、Ga及
びInからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素を表し、
構成成分Oは酸素を表し、
a及びmは各々Aに対するJ及びOのモル比率を表し、0<a≦3、0.5<m≦4を
満足する数である。)
DO



(2)
(前記式(2)において、
構成成分DはIn、Ga、Al、B、Zn及びSnからなる群から選ばれる少なくとも
一種の元素を表し、
構成成分Oは酸素を表し、
構成成分XはP、S、Se、Te、Sb、Bi、Pb、Cl、I、F、H、C、Si及
びGeからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素を表し、
n及びxは各々Dに対するO及びXのモル比率を表し、0<n≦1.5、0≦x≦1を
満足する数である。)
続きを表示(約 420 文字)【請求項2】
X線回折測定XRD(CuKα)において、回折角(2θ)20°から70°の範囲に
、デラフォサイト構造に特徴的な回折線ピークを有するものである、請求項1に記載の触
媒。
【請求項3】
25℃、20kNの圧力下の体積抵抗率が1.0x10
10
Ω・cm以下である、請求
項1又は2に記載の触媒。
【請求項4】
100℃以上1200℃以下の熱処理を経て得られるものである、請求項1又は2に記
載の触媒。
【請求項5】
含酸素化合物の水素化に用いられるものである、請求項1又は2に記載の触媒。
【請求項6】
前記含酸素化合物が二酸化炭素である、請求項5に記載の触媒。
【請求項7】
50℃以上400℃以下の条件での二酸化炭素の水素化反応に請求項1又は2に記載の
触媒を用いる、メタノールの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、触媒およびそれを用いるメタノールの製造方法に関し、特に効率的に二酸化
炭素を水素化してメタノールを製造するための触媒や製造方法に関する。具体的には、p
型半導体酸化物とn型半導体酸化物を接合させた形の固体触媒を用い、その触媒を介して
二酸化炭素と水素を接触させることにより二酸化炭素を水素化してメタノールに転化する
技術に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
安定な化合物である二酸化炭素の化学的な変換にはエネルギーや水素を用いる必要があ
るが、触媒と熱や圧力等の助けを借りることで、限られたスペースで高速に変換できるポ
テンシャルがある。触媒を用いて二酸化炭素を水素化する方法では、生成物として、一酸
化炭素、ギ酸、ホルマリン、メタノール、メタンが考えられ、それぞれに適した反応技術
、触媒などが提案されている。しかし、それぞれの反応機構は完全に解明されておらず、
効率の点でも未だ不十分である。
【0003】
これらのターゲット生成物のうちで最も魅力があるのはメタノールである。メタノール
は常温で液体であることから、地球温暖化の原因となる二酸化炭素ガスを液体として固定
化する役割を担える。さらにメタノールは化学的な反応性も十分であるため、メタノール
を原料とした化学的変換によって有用な化学製品を製造することができる。すなわちメタ
ノールは燃料としてではなく化学品製造のリソースにもなるからである。
【0004】
二酸化炭素からのメタノール合成には触媒の存在が不可欠であり、広く知られている銅
亜鉛系酸化物(特許文献1、2)に加えて、近年では種々の触媒が報告されている。たと
えば、酸化インジウムにパラジウムを担持した触媒(非特許文献1)、酸化ジルコニウム
に酸化インジウムを担持した触媒(非特許文献2)などの触媒が報告されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特公昭45-016682号公報
特開昭49-017391号公報
【非特許文献】
【0006】
APPLIED CATALYSIS B: ENVIRONMENTAL、218、2017、488-497
Angew.Chem.Int.Ed.2016、55、6261-6265
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、経済的な観点でみると、二酸化炭素からメタノールを合成する方法に未だに効
率面で課題があることは明白である。二酸化炭素から効率よくメタノールを得るには、二
酸化炭素の水素化において二酸化炭素からメタノールがダイレクトに生成する触媒、つま
り一酸化炭素やメタンを副生せずに選択的に二酸化炭素をメタノールに転化する触媒が必
要である。転化率が低くてもメタノール選択率が高ければ、触媒の増量や反応温度を上げ
て速度を上げることで効率は改善できる。
当該反応には、銅亜鉛系酸化物の触媒が活性を有するとされ、触媒における課題はない
ように認識され得るが、従来型の銅亜鉛系酸化物触媒は一酸化炭素の水素化によるメタノ
ール合成に即して開発された触媒であり、二酸化炭素の水素化を行った場合はメタノール
の選択性は高いとはいえない。銅亜鉛系酸化物触媒においてメタノール選択性が低い理由
は二酸化炭素の一酸化炭素への逆水性ガスシフト反応が進行してしまうこと、およびメタ
ノールから一酸化炭素と水素への反応が起こるからであるが、大量に副生する一酸化炭素
を、焼却廃棄するのではなくリサイクル利用するとなれば、プロセスを複雑化させてかつ
反応器を大型化する必要が生じる。
【0008】
さらに、本発明者らが銅亜鉛系酸化物触媒以外の公知触媒を用いて二酸化炭素の水素化
反応を行ったところ、二酸化炭素の転化率やメタノールの選択性は低く、満足されるもの
ではなかった。二酸化炭素から効率よくメタノールを得るために、二酸化炭素の水素化に
おいてメタノールが二酸化炭素からダイレクトに生成する触媒、つまり一酸化炭素やメタ
ンを副生せずに選択的に二酸化炭素をメタノールに転化する触媒、さらには熱力学的平衡
において有利な低温において、より選択的にメタノールを合成する方法が求められていた

本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、二酸化炭素を水素化
して選択的にメタノールを生成するための触媒およびそれを用いた効率的なメタノールの
製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは二酸化炭素の水素による還元の反応機構を考察し、二酸化炭素をメタノー
ルに変換する触媒に求められる要素として、二酸化炭素に対しその酸素を1つ奪えること
、およびその酸素を水に還元すると同時に残った炭素をも還元するために、水素から得た
電子の供給を促進する機能を有し、しかもそれらが触媒の同じ粒子中に存在することが重
要であるとの見解を得た。そして、水素活性化能、酸素剥奪能、電子供給能、電気伝導度
を配し、水素から電子を奪う酸化サイトと二酸化炭素に電子を供給する還元サイトを分け
つつ両者間の電気伝導度を保持する構造に着目して各成分の複合化と触媒性能の関係を探
索したところ、驚くべきことにp型半導体酸化物とn型半導体酸化物を接合させた形態が
触媒として優れていることを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、以下の[1]~[7]を要旨とする。
【0010】
[1] 下記式(1)で表される半導体酸化物及び下記式(2)で表される半導体酸化物
を接合させた物質を含む触媒。
AJ



(1)
(前記式(1)において、
構成成分AはCu、Pd、Pt、Rh、Ru、Ir及びAgからなる群から選ばれる少
なくとも一種の元素を表し、
構成成分Jは、Fe、Ni、Mn、Co、Cr、Y、Sc、Ce、La、Al、Ga及
びInからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素を表し、
構成成分Oは酸素を表し、
a及びmは各々Aに対するJ及びOのモル比率を表し、0<a≦3、0.5<m≦4を
満足する数である。)
DO



(2)
(前記式(2)において、
構成成分DはIn、Ga、Al、B、Zn及びSnからなる群から選ばれる少なくとも
一種の元素を表し、
構成成分Oは酸素を表し、
構成成分XはP、S、Se、Te、Sb、Bi、Pb、Cl、I、F、H、C、Si及
びGeからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素を表し、
n及びxは各々Dに対するO及びXのモル比率を表し、0<n≦1.5、0≦x≦1を
満足する数である。)
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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