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公開番号2025104965
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-10
出願番号2023223179
出願日2023-12-28
発明の名称シロキサン類の回収方法
出願人株式会社トクヤマ
代理人
主分類C07F 7/20 20060101AFI20250703BHJP(有機化学)
要約【課題】 シロキサン類を含む疎水性有機溶媒からシロキサン類を簡便に回収する方法を提供する。
【解決手段】 ジメチルポリシロキサンや環状シロキサンなどのシロキサン類を含む疎水性有機溶媒(飽和炭化水素やハロゲン化炭化水素など)から濃硫酸によってシロキサン類を抽出する、シロキサン類の回収方法である。また、シロキサン類を抽出して得られた、濃硫酸とシロキサン類の混合液を水和してシロキサン類を得る、シロキサン類の回収方法をも提供する。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
シロキサン類を含有する疎水性有機溶媒から濃硫酸によってシロキサン類を抽出する、シロキサン類の回収方法。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
シロキサン類を抽出して得られた濃硫酸とシロキサン類の混合液を水に添加してシロキサン類を得る、請求項1記載のシロキサン類の回収方法。
【請求項3】
シロキサン類を含有する疎水性有機溶媒が、
(1)親水性有機溶媒と水とを含む溶液に原体シリカを分散する工程
(2)親水性有機溶媒と水とを含む溶液に分散する原体シリカをシロキサン類でシリル化処理する工程
(3)疎水性有機溶媒でシリル化した原体シリカを抽出する工程
(4)シリル化した原体シリカを回収し、疎水性シリカを得る工程
を含む疎水性シリカ粉体の製造方法の(4)シリル化した原体シリカを回収し、疎水性シリカを得る工程において生じるシロキサン類を含有する疎水性有機溶媒である、請求項1記載のシロキサン類の回収方法。
【請求項4】
(1)親水性有機溶媒と水とを含む溶液に原体シリカを分散する工程が、
(A)水性シリカゾルを調製する工程
(B)該水性シリカゾルを疎水性溶媒中に分散させてW/O型エマルションを形成させる工程
(C)前記W/O型エマルションをゲル化体の分散液へと変換する工程
(D)該分散液を、O相とW相の2層に分離し、W相を得る工程
である、請求項3記載のシロキサン類の回収方法。
【請求項5】
請求項1又は2記載のシロキサン類の回収方法でシロキサン類を回収したのち、該回収されたシロキサン類を用いてシリカ粉体を疎水化する、疎水性シリカ粉体の製造方法。
【請求項6】
(1)親水性有機溶媒と水とを含む溶液に原体シリカを分散する工程
(2)親水性有機溶媒と水とを含む溶液に分散する原体シリカをシロキサン類でシリル化処理する工程
(3)疎水性有機溶媒でシリル化した原体シリカを抽出する工程
(4)シリル化した原体シリカを回収し、疎水性シリカを得る工程
(5)(4)シリル化した原体シリカを回収し、疎水性シリカを得る工程において生じるシロキサン類を含有する疎水性有機溶媒から濃硫酸によってシロキサン類を抽出してシロキサン類を回収する工程
を含む疎水性シリカ粉体の製造方法。
【請求項7】
(5)(4)シリル化した原体シリカを回収し、疎水性シリカを得る工程において生じるシロキサン類を含有する疎水性有機溶媒から濃硫酸によってシロキサン類を抽出してシロキサン類を回収する工程でシロキサン類を回収したのち、回収したシロキサン類を、(2)親水性有機溶媒と水とを含む溶液に分散する原体シリカをシロキサン類でシリル化処理する工程のシロキサン類の少なくとも一部として用いる、請求項6記載の疎水性シリカ粉体の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、シロキサン類の回収方法に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
ヘキサメチルジシロキサン等のシロキサン類は、シリカ粉体の疎水化処理に使用されている。例えば、シリカエアロゲルの製造には、細孔収縮を防ぐために疎水化処理が施されている。湿潤ゲルを乾燥する際、溶媒の表面張力による毛管効果や、表面のシラノール基の脱水縮合によって、乾燥収縮が生じ、シリカエアロゲルを得ることが難しい。こうした問題に対して、超臨界乾燥を行うことで、表面張力の影響を受けない条件下での乾燥によって、シリカエアロゲルが得られる。ただし、超臨界乾燥は高圧高温の条件を要するため、経済的な観点からは望ましい方法とはいえない。超臨界乾燥を回避し、シリカエアロゲル粉末を得る方法として、湿潤ゲル表面の疎水化が有効である。疎水化された細孔内を、表面張力の低い溶媒で置換することによって、臨界点未満の条件での乾燥でも、細孔収縮を抑えることができ、シリカエアロゲルが得られる。
【0003】
特許文献1には、水溶液中に分散するゲル化体をシリル化処理する工程を有する球状シリカエアロゲルを製造する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2018-177620号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
シリル化処理する工程でシリカ表面と未反応分のシロキサンは、疎水性有機溶媒でゲル化体を抽出する工程を経た後の、ゲル化体を回収し、疎水性の球状シリカエアロゲルからなる粉体を得る工程での乾燥においての留去液に含まれる。該留去液からシロキサン類を回収する手段として、工業的には蒸留操作が挙げられる。しかしながら、抽出溶媒との共沸や沸点差が小さい場合には、蒸留による分離が困難となる可能性がある。
【0006】
従って、本発明の目的は、簡便な方法によってシロキサン類を含む疎水性有機溶媒からシロキサン類を回収することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねてきた。その結果、シロキサン類を含む疎水性有機溶媒と濃硫酸を混合することによって、濃硫酸にシロキサン類が抽出されることを見出した。さらに、シロキサン類を抽出して得られたシロキサン類を含む濃硫酸を用いてシリカ粉体を疎水化することができること、及びシロキサン類を含む濃硫酸を水和することで、シロキサン類が硫酸液から遊離して、単離可能な状態となることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、シロキサン類を含む疎水性有機溶媒から濃硫酸によってシロキサン類を抽出する、シロキサン類の回収方法である。また、シロキサン類を抽出して得られた濃硫酸とシロキサン類の混合液を水に添加してシロキサン類を得る、シロキサン類の回収方法をも提供する。
【0009】
本発明は、さらに上記のロキサン類の回収方法でシロキサン類を回収したのち、該回収されたシロキサン類を用いてシリカ粉体を疎水化する、疎水性シリカ粉体の製造方法も提供する。本発明の疎水性シリカ粉体の製造方法によれば、シロキサン類を含む疎水性有機溶媒から濃硫酸によってシロキサン類を抽出することによって、シロキサン類は濃硫酸との混合液として回収されるが、該濃硫酸とシロキサン類の混合液を用いても、疎水性シリカ粉体を得ることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明のシロキサン類の回収方法は、簡便な手法によって疎水性有機溶媒からシロキサン類を回収できるため、シロキサン類の再利用が容易となる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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