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公開番号2025104324
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-09
出願番号2024229868
出願日2024-12-26
発明の名称ケイ化ルテニウム除去用半導体処理液
出願人株式会社トクヤマ
代理人弁理士法人秀和特許事務所
主分類H01L 21/308 20060101AFI20250702BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】シリコン基板への損傷を抑制しつつ、ケイ化ルテニウムを除去可能とする、半導体処理液を提供すること。
【解決手段】ケイ化ルテニウムを含む基板上から、ケイ化ルテニウムを除去するのに用いられる半導体処理液であって、(i)次亜塩素酸、次亜臭素酸、及び過ヨウ素酸、並びにこれらのイオンからなる群から選択される少なくとも一、(ii)フッ化水素及びフッ化物イオンからなる群から選択される少なくとも一、及び(iii)オニウムイオンを含む、ケイ化ルテニウム除去用半導体処理液。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ケイ化ルテニウムを含む基板上から、ケイ化ルテニウムを除去するのに用いられる半導体処理液であって、
(i)次亜塩素酸、次亜臭素酸、及び過ヨウ素酸、並びにこれらのイオンからなる群から選択される少なくとも一、
(ii)フッ化水素及びフッ化物イオンからなる群から選択される少なくとも一、及び
(iii)オニウムイオン
を含む、ケイ化ルテニウム除去用半導体処理液。
続きを表示(約 950 文字)【請求項2】
前記(i)が、次亜塩素酸及び次亜塩素酸イオンからなる群から選択される少なくとも一である、請求項1に記載のケイ化ルテニウム除去用半導体処理液。
【請求項3】
前記半導体処理液中の前記(i)の合計濃度が、ハロゲン元素量基準で0.001mol/L~0.50mol/Lである、請求項1に記載のケイ化ルテニウム除去用半導体処理液。
【請求項4】
前記半導体処理液中の前記(ii)の合計濃度が、フッ素元素量基準で0.001mol/L~10.0mol/Lである、請求項1に記載のケイ化ルテニウム除去用半導体処理液。
【請求項5】
前記半導体処理液中の前記(iii)の合計濃度が、0.001mol/L~10.0mol/Lである、請求項1に記載のケイ化ルテニウム除去用半導体処理液。
【請求項6】
前記半導体処理液の25℃におけるpHが0.0~10.0である、請求項1に記載のケイ化ルテニウム除去用半導体処理液。
【請求項7】
前記(iii)が、下記式(1)で表されるオニウムイオンである、請求項1に記載のケイ化ルテニウム除去用半導体処理液。
TIFF
2025104324000010.tif
35
56
式(1)中、R

、R

、R

、R

はそれぞれ独立して炭素数1~9のアルキル基、アリル基、炭素数1~9のアルキル基を有するアラルキル基、又はアリール基であり、アラルキル基中のアリール基及びアリール基の環において少なくとも1つの水素は、フッ素、塩素、炭素数1~9のアルキル基、炭素数2~9のアルケニル基、炭素数1~9のアルコキシ基、又は炭素数2~9のアルケニルオキシ基で置き換えられていてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素は、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素で置き換えられていてもよい。
【請求項8】
ケイ化ルテニウムを含む基板と、請求項1~7のいずれか一項に記載の半導体処理液とを接触させることで、ケイ化ルテニウムをエッチングする工程を含む、半導体素子の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ケイ化ルテニウム除去用半導体処理液に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
半導体素子中には、トランジスタが発する電気信号を外部に取り出す目的で、配線層が形成されている。半導体素子は年々微細化が進んでおり、エレクトロマイグレーション耐性が低い又は抵抗が高い材料を用いた場合、半導体素子の信頼性の低下や、高速動作の阻害を招く。そこで、配線材料としては、エレクトロマイグレーション耐性が高く、抵抗値の低い材料が所望されている。
このようにエレクトロマイグレーション耐性が高く、抵抗値の低い材料としては、例えば、これまで、アルミニウムや銅が使用されており、最近では、タングステン、コバルト、モリブデン、ルテニウムなどが検討されている。中でも、ルテニウムは、エレクトロマイグレーション耐性が高く、配線の抵抗値を軽減可能という理由で、特に、半導体素子のデザインルールが10nm以下の配線材料として注目されている。その他、配線材料に銅を使用した場合でも、銅配線用のバリアメタルとして、ルテニウムを使用することも検討されている。
【0003】
半導体素子へ配線層を形成する場合、配線材料を加工する工程が含まれるが、この工程はドライ又はウェットのエッチングが用いられる。中でも、スループットが高くドライエッチングに比べて装置コストの安いウェットエッチングを次世代の配線形成工程に適用する検討が進められている。
さらに、近年では配線材料やバリアメタルとしてケイ化ルテニウムが注目されている。ケイ化ルテニウムは、特にバリアメタルとして期待されており、シリコン酸化膜から金属配線への酸素の移動を抑制するという特徴がある。ケイ化ルテニウムとは、Ru―Si合金のことであり、RuSi、RuSi

、Ru

Si

、Ru

Si、Ru

Si

などの構造をとることが知られている。特にRuSi

は、安定相であるFeSi型構造の半導体相と、高温相であるCsCl型構造の金属相を持つことから、熱変換材料としての利用も期待されている。熱変換材料とは、温度差によって電気を発生させる材料のことで、熱を電気に変換できるという特徴を持つ。
【0004】
しかしながら、ルテニウムや従来の金属用のエッチング液では、ケイ化ルテニウムのエッチング速度は十分ではなく、ケイ化ルテニウムを効果的に除去することは困難だった。そのため、ケイ化ルテニウムを効果的に除去し得るエッチング液が求められてきた。
特許文献1では、ケイ化ルテニウムのエッチング液として、次亜塩素酸カルシウムとフッ化水素酸を含む溶液が提案されている。該溶液は1000Åのケイ化ルテニウム膜を3分間の処理で除去可能であることが記載されている。そのエッチングのメカニズムとしては、該溶液中のフッ化水素酸によって表層のシリコン酸化膜が除去され、ルテニウム原子とシリコン原子が露出する。次に、該溶液中の酸化剤がルテニウムを酸化溶解、かつ、シリコンを酸化してシリコン酸化物とする。続いて、該溶液中のシリコン酸化物をフッ化水素酸が除去する、といったサイクルとなってエッチングされると推測される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2004-533712号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載のエッチング液を用いた場合、裏面のシリコン基板をもエッチングしてしまい、目視でも確認可能なほどシリコン基板が損傷することが確認された。走査型電子顕微鏡で損傷個所を観察すると、シリコンが異方的にエッチングされたことを示すヒロックが確認された。推定されるメカニズムとして、該溶液中の酸化剤によってシリコン基板上にシリコン酸化膜が形成され、形成されたシリコン酸化膜をフッ化水素酸がエッチングしていると考えられる。こういった経緯から、シリコン基板を損傷させずにケイ化ルテニウムを除去可能な半導体処理液が望まれている。
【0007】
したがって、本発明の目的は、シリコン基板への損傷を抑制しつつ、ケイ化ルテニウムを除去可能とする、半導体処理液を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討を行った。
その結果、
(i)次亜塩素酸、次亜臭素酸、及び過ヨウ素酸、並びにこれらのイオンからなる群から選択される少なくとも一、
(ii)フッ化水素及びフッ化物イオンからなる群から選択される少なくとも一、及び
(iii)オニウムイオン
を含む、ケイ化ルテニウム除去用半導体処理液によって、シリコン基板への損傷を抑制しつつ、ケイ化ルテニウムを除去可能であることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の構成は以下の通りである。
【0009】
<1>ケイ化ルテニウムを含む基板上から、ケイ化ルテニウムを除去するのに用いられる半導体処理液であって、
(i)次亜塩素酸、次亜臭素酸、及び過ヨウ素酸、並びにこれらのイオンからなる群から選択される少なくとも一、
(ii)フッ化水素及びフッ化物イオンからなる群から選択される少なくとも一、及び
(iii)オニウムイオン
を含む、ケイ化ルテニウム除去用半導体処理液。
<2>前記(i)が、次亜塩素酸及び次亜塩素酸イオンからなる群から選択される少なくとも一である、<1>に記載のケイ化ルテニウム除去用半導体処理液。
<3>前記半導体処理液中の前記(i)の合計濃度が、ハロゲン元素量基準で0.001mol/L~0.50mol/Lである、<1>又は<2>に記載のケイ化ルテニウム除去用半導体処理液。
<4>前記半導体処理液中の前記(ii)の合計濃度が、フッ素元素量基準で0.001mol/L~10.0mol/Lである、<1>~<3>のいずれかに記載のケイ化ルテニウム除去用半導体処理液。
<5>前記半導体処理液中の前記(iii)の合計濃度が、0.001mol/L~10.0mol/Lである、<1>~<4>のいずれかに記載のケイ化ルテニウム除去用半導体処理液。
<6>前記半導体処理液の25℃におけるpHが0.0~10.0である、<1>~<5>のいずれかに記載のケイ化ルテニウム除去用半導体処理液。
<7>前記(iii)が、下記式(1)で表されるオニウムイオンである、<1>~<6>のいずれかに記載のケイ化ルテニウム除去用半導体処理液。
TIFF
2025104324000001.tif
35
56
式(1)中、R

、R

、R

、R

はそれぞれ独立して炭素数1~9のアルキル基、アリル基、炭素数1~9のアルキル基を有するアラルキル基、又はアリール基であり、アラルキル基中のアリール基及びアリール基の環において少なくとも1つの水素は、フッ素、塩素、炭素数1~9のアルキル基、炭素数2~9のアルケニル基、炭素数1~9のアルコキシ基、又は炭素数2~9のアルケニルオキシ基で置き換えられていてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素は、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素で置き換えられていてもよい。
<8>ケイ化ルテニウムを含む基板と、<1>~<7>のいずれかに記載の半導体処理液とを接触させることで、ケイ化ルテニウムをエッチングする工程を含む、半導体素子の製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、シリコン基板への損傷を抑制しつつケイ化ルテニウムを除去可能な、ケイ化ルテニウム除去用半導体処理液を提供できる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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