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公開番号
2025140429
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-09-29
出願番号
2024039833
出願日
2024-03-14
発明の名称
歯科用硬化性組成物およびその製造方法
出願人
株式会社トクヤマデンタル
代理人
主分類
A61K
6/816 20200101AFI20250919BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約
【課題】重合性単量体(A)、有機無機複合粉粒体(B)、無機粉粒体(C)及び重合開始剤(D)を所定量含んでなるベース組成物を含む歯科用硬化性組成物において、高度に明度が向上したホワイトニング歯の修復に適した色調の歯科用硬化性組成物を提供する。
【解決手段】
(C)としてシリカからなる球状コアと該球状コアの外表面を被覆するシリカ系複合酸化物被覆層とを有する球状粒子によって構成される平均1次粒子径が350~600nmであるコアシェル型球状シリカ系複合酸化物粉粒体を60質量%以上含むものを用い、さらに前記ベース組成物:1質量部対して50~1000×10
-6
質量部の白色系着色剤(e1)及び0.01~3×10
-6
質量部の青色系着色剤(e2)を配合して硬化体の黄色度及び透明性が所定の範囲となるようにする。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
重合性単量体(A):100質量部、無機粒子と樹脂との複合体からなる粒子によって構成される粉粒体からなる有機無機複合フィラー(B):60~420質量部、無機粒子によって構成される無機粉粒体からなる無機フィラー(C):60~420質量部及び重合開始剤(D):0.5~5.0質量部からなるベース組成物を含んでなる歯科用硬化性組成物であって、
着色剤(E)として、前記ベース組成物:1質量部対して50~1000×10
-6
質量部の白色系着色剤(e1)及び0.01~3×10
-6
質量部の青色系着色剤(e2)を更に含み、
前記無機フィラー(C)の60質量%以上は、シリカからなる球状コアと該球状コアの外表面を被覆するシリカ系複合酸化物被覆層とを有する球状粒子によって構成される平均1次粒子径が350~600nmである粉粒体(c1)からなり、
特定の材料からなる一定の厚さを有する試料について、JIS Z8720に規定される補助イルミナントCを用いたJIS Z8722 5.3.1幾何条件cでの反射測定で求められるXYZ表色系の三刺激値であるX、Y、及びZに基づき、
式:YI=100(1.28X-1.06Z)/Y
によって求められるYIを前記材料の黄色度とし、
特定の材料からなる厚さ1mmの板状体試料について、黒色背景及び白色背景で補助イルミナントCを用いた照射した際の反射光における色調を、分光測色計を用いてXYZ表色系の三刺激値測定を夫々行って得られる、黒色背景のY値であるYb及び白色背景のY値であるYwに基づき、両者の比:Yb/Ywとして求められる値を前記材料のコントラスト比とし、
特定の材料からなる厚さ1mmの板状体試料について、白色背景で補助イルミナントCを用いた照射した際の反射光における色調を、分光測色計を用いてCIE Lab表色系で表される、L
*
、a
*
及びb
*
の測定を行って得られるL
*
の値を前記材料の明度としたときに、
前記歯科用硬化性組成物は、黄色度:YIが-5.0~5.0であり、コントラスト比:Yb/Ywが0.55~0.75であり、且つ明度:L
*
が79~85である硬化体を与える、
ことを特徴とする歯科用硬化性組成物。
続きを表示(約 1,100 文字)
【請求項2】
前記粉粒体(c1)において該粉粒体(c1)を構成する球状コア粒子の平均半径:d(nm)と前記シリカ系複合酸化物被覆層の平均厚み;t(nm)との比:t/dの値が0.4~0.9である、請求項1に記載の歯科用硬化性組成物。
【請求項3】
前記白色系着色剤(e1)が、二酸化チタンからなり、前記青色系着色剤(e2)が、青色系有機顔料からなる、請求項1に記載の歯科用硬化性組成物。
【請求項4】
請求項1に記載の歯科用硬化性組成物からなることを特徴とするブリーチシェード用コンポジットレジン。
【請求項5】
請求項1に記載の歯科用硬化性組成物を製造する方法であって、
前記重合性単量体(A):100質量部、前記有機無機複合フィラー(B):60~420質量部、前記無機フィラー(C):60~420質量部、前記重合開始剤(D):0.5~5.0質量部、及び前記着色剤(E)を混合する混合工程を含んでなり、
前記混合工程において、混合工程終了後に得られる硬化性組成物が、黄色度:YIが-5.0~5.0であり、コントラスト比:Yb/Ywが0.55~0.75であり、且つ明度:L
*
が79~85である硬化体を与えるように、前記白色系着色剤(e1)及び前記青色系着色剤(e2)の配合量を前記した範囲内で調整する、
ことを特徴とする歯科用硬化性組成物の製造方法。
【請求項6】
目的とする歯科用硬化性組成物における前記ベース組成物と同一の組成を有する複数の硬化性組成物に、夫々白色系着色剤(e1)及び青色系着色剤(e2)の配合量を変えて配合して調製した複数の硬化性組成物試料を準備し、これら複数の試料の硬化体について前記コントラスト比、前記黄色度:YI及び前記明度:L
*
を測定し、得られた測定結果と白色系着色剤(e1)及び青色系着色剤(e2)の配合量の相関関係に基づいて、これら着色剤の配合量を調整する、請求項5に記載の歯科用硬化性組成物の製造方法。
【請求項7】
前記有機無機複合フィラー(B)について、該有機無機複合フィラー(B):60質量部と、2,2ビス[4-(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]プロパン:70質量%及びトリエチレングリコールジメタクリレート:30質量%からなる標準モノマー組成物:40質量部を混合して得たペースト状組成物について、該ペースト状組成物の厚さが一定の厚さとなるようにして前記黄色度:YIの測定を行い、YIが0~25の範囲内にあることが確認された有機無機複合フィラー(B)を、前記混合工程で使用する、請求項5に記載の歯科用硬化性組成物の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホワイトニングを施した天然歯の修復に適した歯科用コンポジットレジンとして好適に使用できる歯科用硬化性組成物に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)
【背景技術】
【0002】
歯科用硬化性組成物であるコンポジットレジン(以下、単に「CR」ともいう。)を用いた直接修復(ダイレクトボンディング)は、歯牙の侵襲性が低く、且つ審美的に修復できることより、臨床にて最も頻繁に行われている治療の一つである。コンポジットレジンは、一般に、重合性単量体(モノマー)、重合開始剤、添加剤、無機粉粒体からなるフィラー(無機フィラー)から構成されており、顔料にて歯牙の色調に合わせて様々な色(シェード)が用意されている。すなわち、CR(具体的にはその硬化体)の色(シェード)の調整は、通常、酸化チタン等の白色顔料および黄色、赤色、および青色等の顔料の配合量や配合割合を変えることによりおこなわれ、赤茶色系のAタイプ、赤黄色系のBタイプ、灰色系のCタイプ及び赤灰色系のDタイプのCRが提供されている。
【0003】
一方、(硬化前の)ペースト状のCR(歯科用硬化性組成物)の操作性や重合収縮、及び硬化体の審美性、機械的強度等の諸性状は、配合される無機フィラーの形態に影響を受け、これらが良好なCRとしては、微細な無機粉粒体と樹脂との複合体からなる有機無機複合粒子からなるフィラー(有機無機複合フィラー)を使用したものが知られている(たとえば、特許文献1及び2参照)。このようなCRによれば、有機無機複合フィラーを用いることにより、微細な無機粉粒体を直接フィラーとして用いた場合と同様に、優れた表面滑沢性や耐摩耗性を得ることができ、更に優れた操作性のペースト状歯科用硬化性組成物を得ることができ、重合収縮率を少なくすることも可能となる。
【0004】
ところで、近年は審美性への欲求の高まりから、過酸化物を用いて歯を白くするホワイトニングの需要が高まっており、それに伴い、ホワイトニングした後の歯(ホワイトニング歯ともいう。)の修復に適した色のコンポジットレジンも求められている。このため、白味が強調された所謂ブリーチシェード(或いはWタイプのシェード)と呼ばれる色調に対応するCRも提供されるようになってきている。
【0005】
ところが、有機無機複合フィラーは、その製造工程における重合や粉砕により、それ自体が黄色味を帯びることがあり、有機無機複合フィラーを配合した歯科用硬化性組成物においては、顔料による色調調整によりホワイトニング歯の審美修復に対応するには限界があった。
【0006】
そこで、上記審美修復に対応可能な有機無機複合フィラーも幾つか提案されている。すなわち、特許文献3では、無機充填材を含有する重合性単量体の重合体よりなる有機無機複合充填材を、過酸化物で脱色した有機無機複合フィラーが提案されている。また、特許文献4では、紫外線を吸収し可視光部短波長側周辺に紫青~青緑の蛍光を発する蛍光増白剤を含有する有機無機複合フィラーが提案されている。更に、製造工程として着色の原因となる粉砕工程を含まず、無機凝集粒子に対し重合性単量体を含浸させ、重合硬化させることによって製造される有機無機複合フィラーも知られている(特許文献5参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2000-80013号
特開2008-37952号
特開平10-114616号
特許第4993053号
国際公開第2011/115007号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、本発明者等の検討によれば、前記特許文献3~5に開示されている有機無機複合フィラーを用いた場合であっても、過酸化物等の処理によって高度に明度が向上したホワイトニング歯の審美修復に対応するのが困難であることが明らかとなった。すなわち、有機無機複合フィラーと無機フィラーを配合した歯科用硬化性組成物からなるCRの硬化体は、(黄色味が低い有機無機複合フィラーを用いた場合であっても)僅かに黄色味を帯びる場合があり、白顔料により外観を白くした場合には透明性が著しく低下し、青色系の顔料にて黄色味を低減しようとすると、十分な白さ(明度)が得られないことが判明した。
【0009】
そこで、本発明は、有機無機複合フィラー及び無機フィラーを含む歯科用硬化性組成物において、十分な白さと適度な透明性を有する硬化体を与えることができ、高度にホワイトニングされた歯の審美修復に対応できるCRとして使用できる歯科用硬化性組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記課題を解決するものであり、本発明の第1の形態は、
重合性単量体(A):100質量部、無機粒子と樹脂との複合体からなる粒子によって構成される粉粒体からなる有機無機複合フィラー(B):60~420質量部、無機粒子によって構成される無機粉粒体からなる無機フィラー(C):60~420質量部及び重合開始剤(D):0.5~5.0質量部からなるベース組成物を含んでなる歯科用硬化性組成物であって、
着色剤(E)として、前記ベース組成物:1質量部対して50~1000×10
-6
質量部の白色系着色剤(e1)及び0.01~3×10
-6
質量部の青色系着色剤(e2)を更に含み、
前記無機フィラー(C)の60質量%以上は、シリカからなる球状コアと該球状コアの外表面を被覆するシリカ系複合酸化物被覆層とを有する球状粒子によって構成される平均1次粒子径が350~600nmである粉粒体(c1)からなり、
特定の材料からなる一定の厚さを有する試料について、JIS Z8720に規定される補助イルミナントCを用いたJIS Z8722 5.3.1幾何条件cでの反射測定で求められるXYZ表色系の三刺激値であるX、Y、及びZに基づき、
式:YI=100(1.28X-1.06Z)/Y
によって求められるYIを前記材料の黄色度とし、
特定の材料からなる厚さ1mmの板状体試料について、黒色背景及び白色背景で補助イルミナントCを用いた照射した際の反射光における色調を、分光測色計を用いてXYZ表色系の三刺激値測定を夫々行って得られる、黒色背景のY値であるYb及び白色背景のY値であるYwに基づき、両者の比:Yb/Ywとして求められる値を前記材料のコントラスト比とし、
特定の材料からなる厚さ1mmの板状体試料について、白色背景で補助イルミナントCを用いた照射した際の反射光における色調を、分光測色計を用いてCIE Lab表色系で表される、L
*
、a
*
及びb
*
の測定を行って得られるL
*
の値を前記材料の明度としたときに、
前記歯科用硬化性組成物は、黄色度:YIが-5.0~5.0であり、コントラスト比:Yb/Ywが0.55~0.75であり、且つ明度:L
*
が79~85である硬化体を与える、
ことを特徴とする歯科用硬化性組成物である。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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